じゃあ、企業の海外進出

日本企業の海外進出は特に珍しいことではなくなり、大企業のみならず、中小企業も当たり前のように進出するようになりました。どんな進出の仕方をしているのかを分類します。

下請け

大企業が海外進出する際について行く下請けで、自動車部品が典型例です。貿易摩擦、円高をきっかけに自動車メーカーは海外進出し、現地生産を始めたものの、現地部品メーカーではQCDに満足できないため、日本から下請けを連れてくる、という形です。

これはさほど難しいことではなく、国同士で話が付いた上で、大元の大企業が進出を決定し、国の全面的バックアップを背にして、進出し、それと同時に下請けにも声をかける、という形なので、パッケージツアーのように流れていきます。

単独で進出した時にありがちな地回りのヤグザに因縁つけられるとか、地方政府の役人からたかられるとか、そういう面倒ごとは一切なく、上でナシがついているので、淡々と進めて行くだけで問題ないです。

この手の企業の駐在員は勤務地が海外で、外国人と働くだけで、実質的に日本のやり方をそのまま持って行くだけで、問題ないので、顧客の日本企業、本社を向いて仕事をしていればいいです。海外経験より、日本の根回し経験が評価されます。

買収

同業他社、関連企業を買収し、自社に取り込むことで、海外進出する形します。サービス業、一般消費財メーカーなんかがこのスタイルを選択することが多いです。グローバル化によって、目新しくないものはどんどん巨大化して、トップ2社しか生き残れない、ということになります。

これは難易度が高く、買収額はのれん代が乗っかっているので、実質の企業価値より高くなり、マイナスからスタートするので、何かしらの付加価値を買収によってつけることで、相互効果を得られなければ、買収は失敗だと言っていいでしょう。

買収の天才、日本電産、永守氏は海外企業を含め、買収で失敗したことがない、と言う常勝将軍であり、天才投資家だと言っていいでしょう。目利きが素晴らしく良く、最高のタイミングを逃しません。孫氏は結構危険なタイミングで買いますが、帳尻を合わせてきます。

同業と言っていい、東芝のウエスティンハウス買収はほぼ失敗と言ってよく、バランスシートを大きく焦げ付かせていて、粉飾決算と味噌糞にしてのれん代を償却してきました。お役所的企業はこの手の失敗が多く、NTTも酷いものです。

技術

圧倒的技術、ブランド力をベースにして、招かれるような形で海外進出する企業もあります。海外企業との業務提携、共同開発、技術援助、ライセンス生産、フランチャイズ契約と何かのニッチトップ企業がこの形で海外進出します。

価格競争出来るなら、必ずしも自社の海外拠点を作らなくとも、日本で生産なり、開発なりして、供給地に事務所なり、出張ベースで対応することも可能で、コアとなる部分を流出させる危険がない、これが一番安全な道だと言っていいかもしれません。中国企業からいいようにパクられた酷い例は数知れません。

日本の中小企業で、アップルと直接取引している会社もありますし、局地戦に持ち込めば、規模が劣っても、特定分野なら、十分に戦える、ということだと言えます。逆に言うと、ニッチトップがない中堅、中小企業は淘汰は確実でしょう。

一物一価が当たり前の概念として成立してくると、日本でありふれたものを作って利益は出ないし、ありふれた日本製を買っている会社も利益が出ず、共倒れになります。商品を市場価格を無視して売ろうとしても、売れないので、時間の問題で潰れます。

まとめ

サラリーマンの読者さんは自分の会社がどれに当たるか考えて、きちんと海外投資出来ているか?、を見直してみてはどうでしょうか? 出来てないなら、日本の人口オーナスとともに規模を縮小する負け組企業です。自分は逃げ切れる、と言うなら、それはそれでいいですけど。

これだけ世界経済が連動し、一物一価が浸透してくる時代で、日本市場だけ意識していればいいのは公務員くらいのもので、その他の企業は業種がどうあれ、海外投資なしに生き残りは出来ません。インフラ企業ですから、海外投資は必須です。うまくいっている例を知りませんけどね。

 

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