じゃあ、文系あまり

暴れる人が来るので、避けていましたが、一通り、文系学部の説明をして、なぜ、私が文系は理系にいけないから、仕方なく行くところであって、理系に行ける能力のある人があえて行くようなところではない、と説明しました。ダメ押しで、もう少し書いておきたいと思います。

IT化

ITにOA、FAがあり、事務の仕事を奪う前者、作業の仕事を奪う後者、ということになり、運用ルールが決まっていて、そのとおりに動くだけ、という仕事は人間がしないほうが安く、正確に出来ますから、IT化が進められない会社はコストが上がり、競争力を失い、市場から退場していくことになります。

日本企業はこのOA、FAが大嫌いで、手書き書類、手作業が大好きなので、先進国であるはずの日本には他の先進国と比べ物にならないくらい事務員、作業員がいて、ほとんど付加価値を生まない仕事をしています。その結果、多くの日本企業の国際競争力はなくなり、ボロボロになりました。

東芝が粉飾に手を染めたのは従来のやり方で、国際競争に勝ち抜けなくなり、ほとんどの事業が不採算となり、その場しのぎの数字を作ることで、問題の先延ばしをしたからです。本当は不採算事業を整理して、付加価値の高いことに集中できる環境整備をして、挽回を図るべきでした。

先進国のメーカーはコンセプト、デザインを売る会社になりつつあり、実際の製造は発展途上国にあるEMSで大量生産するのですが、東芝は付加価値の低い日本人社内官僚、事務員、作業員をOA、FAによって、整理せず(できず)、ブラック労働、特定部署へ負荷をかけました。

東芝は「半導体はいいんだ!」っと言うことになっていますが、10年位前に過労死が発生して、ネット上であれまくっていたくらいなので、今は巨額投資が上手く行って、回収時期に入っているだけの話で、ずっと東芝の半導体事業が競争力があったわけではありません。

歴史

日本は江戸時代からそうなのですが、日本人は官僚機構が好きで、前例主義なんですよ。だから、江戸幕府には「高家」という前例を守って、儀礼を行うためのお目付け役が存在し、散々いびって、やられてしまったのが「赤穂浪士のあだ討ち」なんですが、なんとも日本的だなぁ、と思います。

もっと前ですら、戦国武将、歌人としても有名な、細川藤孝は「古今伝授」という古今和歌集の解釈をする秘訣を習得しており、自分を消すと、その秘訣も消えるぞ、と脅しをかけて、和睦交渉をしているくらいなので、そういう伝統、格式、序列みたいなものが大好きな国なんですよ。

明治維新後、欧米化の影響でこの序列主義が消えかけたのですが、陸海軍の序列化によって、官僚システムが復活し、無理なアメリカとの正面対決に突き進んでいきました。陸軍ばかりが責められますが、海軍も相当な序列主義で、海軍兵学校での卒業順位(ハンモックナンバー)がキャリアに大きく影響しました。対して、アメリカは実践主義です。

官僚主義を突き通して、無理な戦いをし、ぼろ負けしたのに、日本は反省することもなく、経済復興してくると、すぐに文系天国になり、何の専門もない文系が理系と同じ給与テーブルで報酬を受け取れるだけでなく、大企業では事務官僚方として、現場を無視して、本社から自分達に有利なルールを決めたりしていたのです。そういうのを見て、文系サイコーっという化石みたいな人がいまだにいるのです。

国際化

日本は今まではコスパのいいものを作れば、それで売れました。日本の内需も大きく、更に伸びていきましたし、海外への輸出も無双状態で売りまくれました。それが、中国、韓国、台湾が経済発展し、技術はデジタル化し、ノウハウがなくなり、もっとコスパがいいものを作るようになり、コスパでなく、唯一無二のもの、サービスを提供しないと、先進国が国際競争に勝ち抜くことは出来なくなってきました。

また、国内市場だけを相手にしていても、十分に採算が取れるのはアメリカ、中国くらいになり、日本は世界を相手に商売をしないと、事業の維持拡大出来なくなってきています。世界に通用しない会社は右肩下がりで、日本の人口オーナスとともに通用しなくなっていくのです。

日本でしか通用しないルールにしがみついていると、世界には通用しません。そして、どんどん一物一価が進んでいくようになるので、OAで間に合うことを文系をわざわざ雇ってしている会社に将来があるわけありません。コストが高くなりますから、売れないのは誰の目にも明らかです。

今、大企業が苦しみ、リストラを繰り返してるのはたまたま景気が悪いからではなく、構造を変えないと、利益が出せないのです。国際的にはアジャイル式が一般化して、ウォーターフォール式は時代遅れになっているのですが、日本は未だにオヤジ社会で、明らかに間違ったことをしても、下が上に異議を唱えることが出来ない社会なので、停滞しているのです。

まとめ

他の先進国と比べて、日本企業は明らかに多すぎる文系を抱えていて、それが競争力をなくしている大きな要因のひとつです。また、世界的な傾向として、どの国でも文系は余っていますし、新卒時点で提示オファーが違うのが当たり前です。なぜ、この文系天国がずっと続くと考えているのでしょうか?

また、文系に出来ることは理系にも出来るので、銀行が、商社が、といいますが、その仕事は理系で出来ますし、むしろ、銀行、商社は理系の採用を増やしています。エリート主義のゴールドマンサックスですら、従業員の1/3はエンジニアであり、その割合は増える一方ですし、総合商社も担当製品群に関連する学位を持つ理系を積極採用しています。

何度でも言いますが、あえて文系を選ぶ理由など何もなく、どうしても理系にいけない人だけが仕方なく、ニッチとは逆、ブルーオーシャンの逆、過当競争、レッドオーシャンの文系に突き進むことになりますので、覚悟しておいたほうが良いです。ニッチを狙え、局所で戦え、といい続ける、「ぬるりと生きる」的には真逆になりますので、やはり辛らつになりますが、文系に進む気の人、すでに文系に進んだ人、卒業した人はかなり綿密に戦略を練って、生き残りを図らないと、どんどん苦しくなるでしょう。

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