じゃあ、海外投資

海外投資についてリクエストをもらったので、書きたいと思います。おそらく、依頼者さんはそんなに詳しい人ではないと思いますので、基礎的なことから書いていきます。簡単すぎたらごめんなさい。

為替

円建て以外の金融資産を持つということは為替リスクを負うということです。リスクがあれば、リターンも存在するので、FXのように為替自体を投資(投機)対象にしていなくても、間接的に関わる必要があります。(逆にアメリカ在住なら、円建て金融資産は為替リスクがあります。)

だから、原則として、長期で考えた時に円安を予想し、そのリスクヘッジを行いたい場合に海外投資を検討する、ということになります。逆に円高を予想しているなら、海外投資によって、資産が目減りする可能性があるので、やらないほうが良いです。(ショートポジションを取ることも出来ますが、あまり勧めません。)

でも、多くの人は人口オーナスに入った日本のばら色の将来に期待はしていないですし、話にならなくなるくらい落ちぶれないかもしれないが、一抹の不安を抱いています。だから、自分の資産の一部を外貨建てで持つことで、万が一の保険としたいのではないか?、と思います。

中高年の日本人は根拠もなく日本、日本円を信じ込んでいる節がありますが、新興国だと、一般家庭で米ドルキャッシュを金庫の中に入れていて、自分の国、通貨を全然信用せず、少し余剰金が出来ると、米ドルに変えてしまうこともあります。普通のATMから米ドル引き落としが選択できる国もあります。

つまり、アメリカも問題だらけの国ではあるけど、米ドルは基幹通貨だし、いくらダメになっても、自国通貨より信用を失うことはないだろう、と思っているわけです。そして、米ドルも信じきっているわけではなく、ゴールドでも資産を持っていたりするので、日本人は平和ボケしているんだな、と思わされます。

個別

日本在住の人で海外事情にものすごく詳しく、個別株の分析が可能な人もいなくはないのでしょうが、少ないと思います。ほとんどの人は超メジャーなグーグルを知っていても、上場しているのは親会社、持ち株会社のアルファベットであることすら知らないでしょうし、流通している株が2種類あることも知らないでしょう。また、シンガポール最大の時価総額を誇るSingtelなんて、聞いたこともないでしょう。

だから、普通の人が海外個別銘柄に手を出すなら、せいぜい超メジャーな国策銘柄にしておくのが無難です。それなりに情報が入ってきますし、場合によっては日本語でもある程度の情報が得られるので、まったく意味不明、ということにはならないからです。

私はマイナーな中小型株なんて手を出すと何がなんだかわからず、右往左往することを保証します。そんなことを言っている私は香港市場の中国企業個別株に手を出したことがあり、アリババどころか、日本人の99%が聞いたこともないようなマイナーな会社に投資していましたので、経験者は語る、です。

新興市場の個別株は買ったその日に10%以上、急騰することもあれば、急落することもあり、その理由もはっきりしない謎の世界であり、その怪しさに惹かれて、しばらく取引をしていましたが、アベノミクスが始まったところで、日本株が面白くなったので、中国株から手を引きました。

私はたまたまやられませんでしたが、運が良かっただけの話で、ほとんど仕手株しかない相場では、インサイダー取引でもしていないなら、時間の問題でやられることは間違いないです。私が同値撤退した銘柄がしばらくして、いきなり取引停止になり、何年後かに再開した時はボロ株みたいになったことがあります。

インデックス

私のようにリスクを取って、怪しい市場に行くのを止めはしませんが、最初はインデックスから始めたほうが良いと思います。一番メジャーなのはアメリカ市場のインデックスで、結果論からすれば、日本の衰退がほぼ確実になった1997年くらいに日本を見切って、米ドル転換して、ダウ平均に放り込んでおけば、約3倍になっています。(為替は今と変わらない110-120円/米ドルくらいです。)

また、アメリカでは資金調達スタイルが変わってきて、PE投資会社と呼ばれる未公開株を扱うファンドが増えて、小型割安株を探すのが困難になり、最近ではバフェット氏も超大型株中心にしか買っていませんし、インデックスに勝つのは困難だ、という発言をしていますから、インデックスが無難だと思います。

iShareと呼ばれる米ドル建ての新興国インデックスもありますし、直接新興国通貨を持つより、米ドルでリスクヘッジしておいたほうが気持ち的にも楽だと思います。勢いありそうだといっても、インドルピー、ベトナムドンの現物を持っているのはなんか不安じゃないですか?私はまとまった額の新興国通貨を欲しいとは思いません。

詐欺

新興国市場の未公開株詐欺ってありふれた話です。モンゴル、ミャンマーだとかの株式市場が始まったばかりの市場で優良企業に投資して、大儲けしましょう!、とかいうのに引っかかる人は後を絶たないみたいですが、こんなの詐欺に決まっているし、仮に詐欺じゃなくても、流動性がまったくないので、利が乗ってきたので、利確しようとしたら、自分の売りでストップ安になるくらい意味ないです。

自分自身が現地に住み着いて、その国を知り抜いて、カモにしてきたら、その国の有力者に通報して、私刑を加えられるくらいの力があるなら良いのかもしれませんが、新興国なんて、何が起こっても、外国人が悪者になるだけだし、相談に行った警察にすらカモにされるだけです。

日本のヤクザがカンボジアの裏社会に入り込んでいるらしいですが、そのコミュニティーに顔が利くなら、カンボジアの未公開株に手を出しても良いかもしれませんが、次はヤクザにやられないように気をつけてください。まあ、アンダーグラウンドな世界だということです。

まとめ

何が狙いなのかを考えてみましょう。単に日本の先行きに不安を覚えるなら、米ドル買って、インデックスでも買っておけば良いし、もう少し成長性が欲しいなら、新興国インデックスを米ドル建てで買えば良いです。一山当てたいなら、新興国の個別株に入れ込んでも良いですが、これは相当難しいですよ。

ちなみに私の敬愛する故邱永漢先生ですら、晩年の中国個別株ははずしまくっていて、未だに買値に戻っていないどころか、ボロ株になっていことがほとんどです。台湾出身、中国語、台湾語も話し、現地高官に直接アクセスできるような大物の目利きですら、そんな簡単に当てられないくらいなので、普通の日本人が個別株を当てるのは相当難しいです。

万科、テンセントあたりの超人気株に2004年くらいから放り込んで、ずっとガチホしていれば、かなりの資産になっているでしょうが、なかなかそんなことは出来ないし、捨てるくらいの気持ちで行かないと、踏ん切りがつかないものです。少なくとも私は出来ませんでした。

私はしばらくインド市場に注目していますが、やるならADR(アメリカ上場株)を狙うつもりです。BaiduのADRに行こうとしていかなかった後悔もあるので、インドの雄といえるのはどこなのかをずっと検討しています。やはり、彼らの強みはITかな、と思う一方で、それはありふれているから、財閥系か?、と色々考えて、なかなか足を踏み出せません。

ロシアは知りませんが、資源国家なので、オルガヒが持っているような資源株を持っておくといいのかもしれません。プーチン皇帝が君臨するうちは国策銘柄はずんずん伸びるのかもしれません。まったく、調査したこともないので、想像で言っていますが、そんなに人口が多いわけでもなく、あまり興味がないです。

思いつくことを自身の経験を踏まえながら書きました。依頼者さんがそうなのかは知りませんが、若い人はガツンとリスクを取って、夢を見ても良いんじゃないかな?、と思います。百万円くらい貯めて、ADRのインド株を持って、億り人を夢見て、10年くらい放置したら、家族を持った時に家をキャッシュで買えるくらいになるかもしれません。