じゃあ、暗殺

サウジアラビアの記者暗殺がニュースになってますね。

サウジ

この国は政教分離がされてないだけでなく、世襲の絶対王政であり、中世がそのまま残っているような国です。それを支えているのが原油で、時代遅れのやり方に対する不満をお金で黙らせてきたのです。多くの人はお金を貰えば、不満は解消しますからね。

そして、この国の権力継承システムは長子相続制ではなく、遊牧民族に多い、一族で最も力のある人間が相続する為、相続争いが頻繁に起こります。その相続争いを勝ち取ったのが若き皇太子、MBSこと、ムハマドビンサルマーン氏です。

この人も例に漏れず、敵対する一族、その取り巻きを粛清して権力の差についているので、後ろめたいことは数え切れないほどしてるでしょう。それは中世では取り立てて問題ないことだったのですが、現代では大問題になるので、何かと気苦労も多く、それをチクチクしてきたのが、記者のカショギ氏と言うことです。

反体制派のカショギ氏が再婚のために離婚証明書を在トルコ、サウジ領事館に来たところを安易な暗殺、その証拠をトルコに抑えられていた為、すぐに暴露されて、国際社会に訴えされてしまった、と言うのが簡単な流れでしょう。おそらくはトルコは事前に知っていて盗聴していたのだと思います。

トルコ

なんで、トルコがサウジアラビアの記者暗殺を知っていたのか?と言う話ですが、トルコは右傾化し、オスマントルコの復活、イスラムの盟主、という立場にこだわるようになり、サウジアラビアのイスラム社会での台頭を快く思わないから、スパイを送っていたのでしょう。

トルコはかつて、栄華を誇り、地政学的にも非常に重要な位置にあり、上手く運営すれば、強国になるのは歴史が証明しており、第1次世界大戦での失策から、どんどん落ちぶれて周りから食い物にされるようになり、底辺の経済移民を欧州に輸出して、なんとか経済を成り立たせているような酷い国になりました。

イスラム社会の盟主に返り咲くにはお金をばら撒き、若き皇太子を先頭にして国を変革することで国際社会で台頭するサウジアラビアに釘を刺し、極右に傾くイランを牽制し、イスラム国でメチャクチャになったシリアなどを制すのに米軍にも協力して立場を作ろうとしているんですね。

アメリカ

アメリカはサウジアラビアとベタベタの仲です。保守層はサウジアラビア、原油利権を持っている人も少なくなく、ブッシュ家がその典型でしょう。ちなみに、ブッシュ家はサウジアラビア人、オサマビンラディンとも繋がっています。ビンラディンはサウジアラビア財閥の息子です。

トランプ大統領も同じことで、イスラム社会の窓口としてサウジアラビアを選び、娘婿のクシュナー氏を派遣してMBS皇太子と様々な交渉をしてきました。若い二人は気が合うようだ、と言っていましたし、同年代のボンボンである二人は通じ合うことも多いだろうと思いますね。

と言うわけで、アメリカは暗殺を徹底的に非難したくないけど、証拠は残っていて、無視するわけにもいかず、煮え切らない態度でウダウダ言っているのです。いつものアメリカなら、正義の名の下に大騒ぎするでしょうけど、喉元過ぎれば、を狙ってのらりくらりとそれっぽいことを言っています。

ソフトバンク

ソフトバンクのビジョンファンドはサウジアラビア資金を使ったものです。もっと言えば、デルタファンドもそうだし、ビジョンファンド2もサウジアラビア資金を期待していたはずです。つまり、ソフトバンクはサウジアラビアを金主としてファンド運営をしていたんですね。

孫正義氏がMBS皇太子を自ら口説いて「情報は次世代の原油」であり、自分は生涯をかけてIT社会を変えるために活動して、アリババという屈指のIT企業を見出した実績を持っている投資家なのだ、と言って、その気にさせたのです。そして、いつもの壮絶なホラで口説き落として、巨額資金を引き出すことに成功したわけです。

元からサウジアラビアはIT投資に傾いてUherにビジョンファンドの前から投資してましたし、テスラの非上場化計画もサウジアラビア資金を使ったものであり、原油から金融、ITの国へ変革しようという流れになっているのだと言えるでしょう。そこに世を騒がす巨大PEファンドを立ち上げるという孫正義氏が現れたのです。

ソフトバンクは各国の年金ファンドと変わらないくらいの影響力があり、乱れ打ちで有望なスタートアップを買いまくり、マッチポンプでビジョンファンドの巨額利益を積み上げています。もはや、トヨタすら霞むような存在感ですね。

ただし、遠足は帰るまでが遠足、と同じように、投資は利確するまでが投資、なので、上場すらしてないスタートアップの評価額なんて数字だけのものです。フリップカートのようにイグジットしたものはともかく、上場しているNVIDIAすら半導体相場の下落で評価額が下がってますしね。

まとめ

さて、どんな幕引きが待っているでしょうか?

暗殺というより、ほとんど拷問みたいな殺し方をして、このまま国際社会で許されるわけもなく、サウジアラビア主催の投資イベントは欠席者が相次ぎました。ソフトバンク、孫正義氏も欠席するが、サウジアラビアへ行ってご機嫌とりをする、という折衷案を採用しています。

しかし、時間が経つ共に忘れられていき、何事もなかったようにサウジアラビア資金を利用する人に溢れるのだと思います。原油、そこから生まれる資金が世界経済の大きな要素ですし、サウジアラビアを突きまくっても、得をする人はそんなに多くないし、反体制派はこの事件で怖くて何も言えなくなるでしょう。

しかし、イスラムは怖いですね。生首を切るとか、生きた状態で胴体を切るとか、えげつない殺し方をするので、北朝鮮のガスであっさり殺してくれるやり方が親切に見えてきますw

最後にカショギ氏のご冥福を祈ります。

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