じゃあ、ダメな買い方

アホだな、と思う個人投資家の行動を書きたいと思います。

テクニカル

テクニカル分析なんて短期勝負するのでないなら全然意味ないです。どんなにシグナルが出ようが、業績の前には無力であり、シグナルがビンビンでてるから買ってみたら、下方修正しましたw、とかIRが出たらシグナルを無視して一発で暴落します。

古典的に言われている値動きのルールなんかで勝てるなら機関が全勝するんですよ。だって、その手のシグナルは機関がアルゴを組んで自動的に知らせてくれるどころか、自動売買システムで反応します。それでも、多くの機関が負けるんだから、個人投資家がテクニカルなんて覚えても意味ありません。

したり顔でテクニカルがどうとか言いたがる個人投資家が勝っていることなど、ほとんどありません。勝ち組短期個人投資家のBNF氏、cis氏って入った時期が良かったこともありますが、彼らは洞察力、判断力が図抜けています。機関の運用ルールを見抜いたり、勝てる可能性の高いイベントに早い段階で気づいて、決めたら即全財産を放り込むくらい決断が早いです。

cis氏はテクニカルもかなり造詣が深いそうですが、その手のありふれたテクニカルパターンなど、勝つ為にはほとんど意味のないことです。そうではなく、ほとんどの人がスルーしてしまうような僅かなサインを見逃さずに入ってきます。そうじゃなきゃ、なんでプロの機関がテクニカルを駆使して負けるんですか?って話です。

例えば、日産のカルソニックカンセイ売却の噂は前からあったのですが、cis氏はそれに気づいてステルスで買い集めて売却した、とか圧巻です。私もその噂は知ってはいたんですよ。でも、行動に移さなかったし、何かしらの確信は持てなかったんです。後付けであれこれ言うのは誰でもできます。実際に行動して結果を出すのは誰でも出来ません。

ファンダメンタルズ

偉そうに、あの会社は借金が多すぎるとか、PER、PBSが高すぎるとか、誰でも見りゃわかることを言う人っているんですけど、本当にバカだな、と思います。その手の数字を鵜呑みにして勝てるなら、それこそ機関は全勝しますよ。数字上、有利な指標を出している会社を順番に買えば勝てることになります。でも、そんなことはありえません。

PERなんて、利益のつけ方だけの話であり、積極投資をする会社のPERはエゲツないことになるし、少し投資効果が出るのに時間がかかって減益すれば、とんでもない数字が出ます。でも、そんなのは事業の本質とは関係ないですよ。なんで、赤字上場が許されるんですか?と言う話になります。事業規模が大きくなり、回収ステージに入れば、ジャカジャカ利益は生まれます。問題はそのステージまで行き着けるか?という話です。

PBSだって、簿価ってつけ方は任意なんですよ。だから、固定資産なんかは取得価格で放置しても問題ないし、毎年更新しても構いません。統一ルールなんてありません。そして、その固定資産がフローを産める資産なのか、持っているだけの遊休地なのかは簡単に見えるものではありません。

まして、ブランド力なんていくらの換算していいのかまったく不明です。でも、アップルのリンゴマークってかなりの価値があるとは思います。あれこれ理由をつけてブランド力の評価をしますけど、こんなのも適当に根拠を作っているだけで、どこまでの正当性があるのか判断はできません。

こういう見たまんまの数字持ってきても、何にもわからないので、中長期で成長する企業を探したいなら、ひたすら小さなサインを探す必要があります。若手個人投資家の五月さんなんかは適時開示を丹念に調べているそうですし、その開示の意味することを真剣に考えて成長株を探すそうですが、ひたすら財務諸表の数字を追いかけても、その内容が理解できてないなら意味ないです。

数字になることで絶対的な意味を持つような感覚になってしまうのは偏差値病と同じですが、ファンダメンタルズ病とでもいう、見せかけの指標を盲目に信じ込んで、カモられるアホは本当に多いです。ファンダメンタルズとは過去の数字、会社予想を基にした数字であり、現在の数字でも決定未来の数字でもありません。

程度の差こそあれ粉飾決算のなんてありふれており、東芝ほど酷くないにしても、多くの企業が利益の付け替え、期ずらしなんかは常套手段として使ってます。だから、数字じゃない何かを見つける必要があります。その数字はおかしい、これが正しい価格なのだ、と思えるようなサインを探すしかないです。

決算

最終的には株価の行き先は近々の決算なんですよ。証券取引所がどれだけ信用できるか?、監査法人がどれだけ信頼できるか?、ということは置いておいて、公的に認められた直近の決算の数字に株価は追随します。どれだけの売上があり、利益があり、資産が増えているか、と言うのが企業の成績です。

その決算の数字を予想するのが投資家であり、決算が出てから後付けして理由つけても全く意味ないだけで、ウザいです。先生方wは後付けしかしないので、単なる詐欺師だと思いますよ。経済、株式評論家の中には自分で相場に参加しない人すらいますから、職業は詐欺師です。

テクニカルがどうあれ、最新の決算で下方修正、赤字を出せば株価は下がりますし、成長率に陰りが見えれば株価は落ちます。逆に明るい要素が明らかになれば株価は上がっていきます。過去の数字を目安にするファンダメンタルズも結果とともに良くなっていく、と言うことです。

その意味で決算発表は直近の成績発表であり、投資家にとっては自分の予想がどの程度当たったか?の答え合わせみたいなものでしょう。テストの点数が悪いことを知っているなら発表前に勝負を降りることも出来るし、逆に予想より良いことを確信できるなら発表前に入ったって良いんですよ。

場が終わって発表されたら、投資家は即反応してくるので、後出しジャンケンは出来ません。PTSが反応し、次の開場と共に売り買いが殺到するし、その気配を見て動いてくることもあるので、それはそれで新しい読みが必要であり、当てるのは簡単ではありません。ストップ高、安なりの後に来るリバウンドを狙う動きなんかもありますね。

まとめ

お金は命の次に大事なんだから、お金を稼ぎたいなら戦争に参加するしかありません。だから、職場の人間関係は難しいし、それは世界中どこでも同じことです。株式市場みたいに生のお金の奪い合いするなら、人間の欲望が剥き出しになった、それはそれは醜い争いになります。

そういう戦争で生き残るには他人の言うことを鵜呑みにしたり、便宜上付いている数字を信じ込んだりせず、自分の目で見て、感じて、消化したことを悩み苦しみながら覚悟して決断するしかないんですよ。損したって、文句言ったって、それはすべて自分の責任であり、誰も責任を取ってくれません。

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ルシ
6 years ago

シンさん、投資に対する基本的な心構えを教えていただき、ありがとうございました!

特に、まとめの文章は俺の心に突き刺さりました。甘い気持ちでは、身ぐるみ剥がされて素裸になるわけですね。

生半可な知識で、知ったかぶりして、市場のアノマリーだとか利用しようとしていた自分を戒めました。

今度の買い時は、直近高値のSPYが5割下げて、VIXが45から35に戻ったら、その時に勝負だ!などと考えていましたが。最近のVIX指数は、SNSがホラ話ばかりする影響で、恐怖も感じずに麻痺してると記事で読んだことがありました。

この記事自体も疑う必要ありますが、いずれにしても自分でもがいて掴むしかないのですね。貴重な記事を書いていただき、感謝です!

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ルシ
Reply to  シン
6 years ago

決算書読みこんで、日経新聞読み込んで、いろいろなアンテナを広げていくしか凡人にはなす術がなさそうですね
_| ̄|○

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チバ
6 years ago

個人的にダメだと思う(株)投資家の特徴です。

①トレンドによって稼ぎ方が違う事を理解してない。トレンドと戦術が合っていない。 

②常にポジションを持っていないと落ち着かない。ポジションを持っていない事を機会損失だと勘違いしている。

③現物を担保にして保証金維持率ギリギリまで信用取引で勝負したがる。 

④情報収集源はヤフーニュースと日経新聞

⑤とにかく投資セミナーに行きたがる。

ですかね。

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CI
6 years ago

インデックスにしか投資しないので、もし個別株を買うときはどう選定しようかなと考えたとき、
この記事にあるファンダメンタルズのところで行き詰まってしまいます。

数値だけで有利不利が決まり、勝てるのであればプロのトレーダーやAIに敵わず、個人投資家にチャンスなんてなく、
数値にはない何かを見つけなければ他人を出し抜いて勝つことはできないはずです。

それを見つけられる人は、時間を掛け、丹念に無数の企業を精査し、地道な努力をし、勝負の日に向けて準備できている人ではないかと思います。
努力もしていない私に見つけられるわけもなく、平均点を狙うインデックスでも買っとけいう結論になるわけです。

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nobunobu
6 years ago

いつか、シンさんが、おっしゃっていたように、投資ってメンタルのゲームで
メンタルが強けりゃほとんど勝つというのは本当だと思います。

いきなり勝つのが続くなんて期待しないほうがいいです。
銘柄選びでもありません。
何を買うかより、いつ買うかが重要だと思います。
何回も損して、損に耐えるだけのメンタルを鍛えるしかありません。

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CI
Reply to  シン
6 years ago

メンタルのゲームだと気づいたとき企業の分析能力がない私にもチャンスがあるなと思いましたね。
どんなにすばらしい投資手法を思いついても、それを続けるメンタルがなければ負けてしまいます。

よく、株の儲けをあぶく銭だなんてことを言う人がいますが(妻にも言われましたw)、
勝つまで耐えるという代償を払っているんだよと言いたいですね。

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nobunobu
6 years ago

含み損であっても、損するのは本当にきついです。

今が、皆が皆株があがるのをあきらめ、自分が
底値だと思っていても、更に下がる可能性は常に
十分あります。
もう、後は下がり切ったら、必ず直近の上値を抜いて上がるという
過去の相場を信じて、ガチホするというのが正解なんでしょうけど、
辛く苦しいです。
それでも、底値になる前の上値で持ってた人よりは、
有利なんですよね。
勝負をかけるといっても、全力で買うというより、最初は様子見程度で買い
もっと下がるかもしれないと常に考え、徐々にナンピンできる余裕資金は
必要だと思います。

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松本
6 years ago

正直にトランプ大統領に成って株価は景色が様変わりしました。難平出来る余力を残すべきなのですが、常に全力買いです。あと少し下がった所で買い下がってしまうので資金不足になります。ドーンと構えて下がりきった所で難平すれば、今だに3年も塩漬けにはならないのにと思いますが、失敗と成功を積み重ねて徐々に何となく分かって来ました。前にシンさんが仰っていた通り日経が上がれば普通は負けません。今は時期が良いので勝ってますが、下がる時にも個別銘柄で勝ち続ける事が必要ですね。

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ルシ
6 years ago

あと4割下がって欲しいところですw
プラス円高になってくれればw
でも、相関関係内容ですよね。

ヘタレインデックス派の俺は、小型インデックスIJR全力買いしたいと思いますw
神様、いかがでげすか

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松本
6 years ago

全力買いなので嵐が過ぎ去るのをただ待つのみです。日経225は一つも有りませんが日経以上の下落率に軽くビビりながら経験を積ませて頂いております。

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松本
6 years ago

確かにそうですが、全力買いはバーゲンセールの時に指をくわえて無いといけないのが辛いです。

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