ベーシックインカムについての記事リクエストがあり、あれこれと考えていました。
コンセプト
AI時代に仕事を生き甲斐としてやっている人以外は働く、働かない、は自由にしてしまおう、というコンセプトは大賛成です。誰でも出来ること、自動で処理できることを人間がやることなんてないし、人間にしかできないことをやる努力する社会は素晴らしいです。
片道2時間近くかけて、郊外から都心まで満員電車に押し潰されて、心身をすり減らし、やっていることは御用聞き営業、伝票処理事務みたいな雑用なんて、人生の無駄遣いにしか思えませんし、そういう人も真剣に何かに取り組めば、お金になるほどのことはなくとも、他人の心を打つような仕事ができるかもしれません。
結局、目に見える製品、サービスに結びつかない仕事はマネタイズすることが難しいし、人がやりたがる仕事なんて偏っているから、よほど突き抜けたことを出来ないなら、それで飯が食えることなんてないんですよ。それはlike!による軽い共感をお金にかけることが出来るようになりつつあっても同じ事で、勝者総取りになるだけです。
だったら、国がお金をあげるから、それで最低限が確保して、あとは自己責任で好きにして下さい、としてはどうか?というコンセプトがベーシックインカムだろうと思います。人の価値観なんて様々なんだから、こうじゃないとダメ、ああじゃないとダメと決めなくても良いと思いますし、イヤイヤやっているようなことに価値があるとも思えません。
実現性
例え、ベーシックインカムが素晴らしいアイディアであっても、実現性がないなら、単なる戯言の域から離れることはありません。さて、どうしたらベーシックインカムを実現できるのだろうな?と思います。今まで、実現性について考えたことはありませんでしたね。
シンプルに国民全員に月に10万円を無条件に出すので、あとは好きにして下さい、とするだけでも、10万円 x 1億人で、100兆円になってしまうので、年間歳出に至ってしまい、まったく実現性がなくなってしまうんですよね。最低限必要な国防、教育、インフラ維持などをするお金がなくなります。
ベーシックインカムに近いことをしている国は人口の少ない資源国であり、掘って湧き出る原油なり、飼料なりを売るだけで収入になる為、国はお金が使い切らない為、国民にお金を配っています。汚れ仕事は外国人労働者に押し付けて、国民総貴族社会が実現できています。
つまり、日本がベーシックインカムを発生しようとするなら、巨大な海洋資源開発に成功して、ここ掘れワンワン状態でお金が入ってこないとダメです。もしくは、AI、ロボットが納税して、産業を支え、歳入を増やしてベーシックインカムで生きるニート達を養っていく時代まで待たなくてはなりません。
ナウル
ベーシックインカムが導入されて起こり得る問題点はナウルに学ぶしかないでしょう。この国は太平洋に浮かぶ鳥のフンで出来た島に住む、ポリネシア系住民を中心とした人口1万人程度しかいない小国で、リン鉱石を掘って輸出するだけで生計が成り立った為、早くからベーシックインカムを導入しました。
国民はほぼ全ての人がニートであり、働くわけでもなく、勉強するわけでもなく、遊ぶわけでもなく、単にダラダラして過ごしており、三食を中国人労働者の営むレストランで取り、至近距離も高級車で移動して、勝手気儘に生活してきたそうです。子供は働く、という概念がない上、働く場所も存在しないのでニート連鎖です。
暖かい国の人は温和である一方、だらしないんですよね。甘やかされた環境に慣れきってしまい、現状に満足するのが共通点で、東南アジアの現地系は多かれ少なかれニート体質です。私はナウル人に会ったことないですが、マレーシア人、フィリピン人の適当さに拍車がかかったような人達だと思います。
21世紀になる頃にリン鉱石が枯渇してきて、国は少し危機感を持ち、出来の良さそうな子供を海外留学させたりして、産業を作り出そうとしたみたいですが、大した効果もなく、隣国のオーストラリアに集ったり、マネーロンダリングに手を出そうとしたり、と安易な方向に進んでいるみたいです。
まあ、なんと言っても、たった一万人しかいないので、隣国のオーストラリアもは過去の歴史から責任があり、余計なトラブルに巻き込まれたくないので、市民権やるからオーストラリアに来いや、と言っているみたいですが、タラタラ暮らしてきたナウル人が一般の資本主義社会に馴染めるとも思えないのか、保留という名の先送りしているみたいですね。
まとめ
果たして、日本人がベーシックインカムを手にしたら、国民総ニートになるのか?それとも、高等遊民による文化が美しく花開くのかわかりません。確かに芸で飯を食っている人は元からアッパーミドル出身者も多いですけど、時間があっても、寝てばかりいる人も沢山いるので、お金に不自由しなくなったら、単なるニートになる人の方が多いのかもしれません。
私は怠け者なので、一切の義務がなくなったら、ぬるりと生きるすら更新しなくなるかもなぁ、と思います。何かと義務に追われて、空き時間でチョコチョコと更新しているから、目標に向かって継続できているだけで、暇すぎたら無理かもしれません。
私がラッキーなのは楽しみにしているよ、と言ってくれる読者さんがいるから、それをプレッシャーにして自分を制することが出来ますが、本当にただの日記だったら、とてもじゃないけど、毎日毎日、どうでも良い記事を上げて行くことなんて出来ないだろうな、と思います。
こうして考えると、今の段階ではベーシックインカムの実現性はほとんどないし、なっても、案外楽しくないのかもしれない、と思います。何かしらのプレッシャー、義務感がないと意志薄弱な人間は継続出来ないし、お金をほとんど介在しない遊びですら、継続しないと面白くなってきません。
ベーシックインカムには反対しませんが、それにより必要な仕事を外国人が担うようになるのは反対です。
ナウルのように、日本人全てがニートになり働くのは中国人だけというのはとんでもないディストピアです。
日本の労働環境が酷いとよく言われますが、それは酷い労働環境でも喜んで働く日本人が沢山いるということであり、その意味で日本人は世界一の仕事好きなのかもしれません。
女性は働かなくても精神の安定を保っていられますが、男性が働かないと飲む打つ買うといったろくでもないことにうつつを抜かすようになるので、ベーシックインカムが導入されると日本全体が錦糸町みたいになってしまう気がします。仕事は男の存在意義を決める重要な位置付けですから。
https://tokyodeep.info/kinshicho-2009/
社会的な立場がなくなり、社会に必要とされない、という環境になると、多くの男性は時間を浪費するようになるんでしょうね。日本中の都市が錦糸町みたいになっても困ります。ほんの少しあるから、そのディープさが面白いだけですね。
シン
温かい気候の人たちの文化ってダラダラした文化ですよね。
これは、何もしなくても食料が手に入るし、過ごしやすい、もしくは暑いからダラダラするしかない気候だからだったかもしれませんね。
地中海の人は、シエスタがありますし、東南アジアは上記の通りです。
日本でも沖縄はおおらかな文化だと聞きます。
将来のナウルに近い場所にいるのはブルネイでしょう。原油の膨大な利益で国家は潤い、王様は贅沢三昧、国民は税金無し&医療費無料&教育費無料ですから、現金はもらっていないかもしれませんが実質的にはベーシックインカムに近い状態ではないでしょうか。
シンさんの指摘される通り、ベーシックインカムは天然資源の豊富な小国では実現できるでしょうが、日本では財源の点でとても持続可能な形で制度が維持できるとは思えません。年金、生活保護、失業保険など社会福祉予算とやこれらに関わる公務員の人件費削減分だけでは、とてもベーシックインカムに必要な財源には足りず残りは税収を増やすしかないようですが、消費税、所得税、法人税、相続税などを驚くほど増税されることになりそうです。子供が3人もいれば月収50万円ですから、人口低下にブレーキはかかるかもしれませんが、働きたくない人が増えるのも自明です。その結果、日本全体ではGDPが減少し、その分より一層増税しないと現状のGDPを元にした財源の計画は成り立たなくなります。昨年からフィンランドで限定された国民に2年間限りで試験的に導入されたベーシックインカムの主要な目的は、将来の税収予測に必要な該当者の労働意欲の変化を調べることだそうです。
ベーシックインカムで国からお金が貰えることのメリットのみを強調しているホリエモンのような人もいますが、財源の裏付けのない制度ではこれまでのストックを消費するだけで行き詰まることは明らかでしょう。
きちんと精査もせず、メリットだけを強調して騒ぎまくっているのがベーシックインカム論者ではないか?と思います。本気で検討するならナウル、ブルネイ、産油国などのベーシックインカムに近い制度を持つ国を詳細な調査して報告するくらいのことをしてもらいたいですね。
シン
ベーシックインカム、賛成です!ただし、俺にだけお金をくれるなら、という前提ですがねw
まあ、これは冗談で、シンさん、皆さんがコメントされているように、うまくいかないと思いますし、もらった人は多分堕落しますよね。特に休日に何もやることなくダラダラする傾向ある人は。
あと俺が、ベーシックインカムで気に入らないのは、発想がエリート臭いことです。
「オマエラ、どうせ働いても意味ないんだから、小銭渡しとくからテキトーに遊んでろ」
「小遣い渡すから、外で遊んできなさい」
「騒ぐんなら、寝てるか、教室から出ていけ!」
そんな雰囲気がします。そもそも誰かのために何か役に立っているから、お金をいただけるのであって、それ以外のカネはあぶく銭ですよね?(シンさんすみません。悪気無しです。羨ましいですw)
ベーシックインカムもらうようになったら、犬猫と同じでございますよ。
確かにエリート根性の凡人切り捨てみたいな言い方になりがちなので、なんかな?と思うところはありますし、やっぱり自分の食い扶持くらいは何かしらの形で社会貢献して得てくるのは大事なんだな、と改めて思います。
シン
ベーシックインカムだけで生活するというのは、生活保護やヒモを連想してしまいますね。
男性から自分の力で稼ぐプライドが失われてしまったら、それを取り戻すのは難しいように思います。
ベーシックインカム受給者同士の夫婦から生まれた子も大人になったらベーシックインカム受給者になるという連鎖が生まれ、
働く人とそうでない人の間で分断された社会となり、新たな身分制度が生まれてしまいそうです。
ナウルがそうですし、世代を跨いで働かないことが当たり前になってしまうと、向上心、競争心がなくなってしまい努力をしなくなるんでしょうね。
シン
シンさんは、「ベーシックインカム反対」の立場のようですが、私自身は「ベーシックインカムはあり」だと思いますね。それに、私はベーシックインカムをもらったら日本人は働かなくなると言うのは実は懐疑的に見ています。(働かない人は働かないが、働く人は働きますよ)
何故ならば、私の知っている事例ですが、佐川急便の高齢者が宅配代行を行っているということをご存知でしょうか?
人員確保のためにモスバーガーも高齢者を求人してますが、働かれている高齢者の方々は「モスジーバー」なんて言われていますよ。こういうのを事例を見ると「ベーシックインカムをもらう=働かなくなる」なんて言うことはありえないということがわかります。
私が思うベーシックインカムの日本における最大の利点は「ブラック企業撲滅」だと思っています。なぜならば、「衣食住」を確保するためにブラック企業で働くのであって、ある程度のお金が手元にあれば誰が好き好んでブラック企業なんかで働くんでしょうかね?ここはブラックだと思えば、皆止めて行きます。止めていくから職場環境や給料を改善する必要性に迫られるんですよ。違いますか?
それに手元にある程度のお金が毎月来るって判っていれば、人は気楽に自分の好きなことにトライしたり、起業したり、色々好転するのではないか?と私は見ています。
毎度のことなんですが、へろさんの読解力の低さ、薄っぺらさに驚かされますw
私はベーシックインカムに反対しているのではなく、現段階では実現の見込みすら立たない上、上手くいった先例、類似例はないと言っているだけです。実現の見込みがあるなら試験的に進めることはありだと思います。
シルバー人材もお金にまったく不自由しているわけではないにしろ、心許ないから働いているわけで、たんまり年金があったらやらないだろうと思います。少なくとも、アッパーミドルの老人がシルバー人材で単純労働して働いているようなことはないでしょう。
ブラック企業の撲滅は日本人がもっと個の力をつけるしかなく、世の中が変わってくれることを願っている他力本願な人たちだから、法律違反を平気でするアホに文句も言えないのでしょう。
シン