じゃあ、未払い残業バブル

弁護士の過剰供給は食い扶持を得られない二流、三流弁護士をなりふり構わず、「過払い金請求」に走らせましたが、これがほぼ枯渇したため、次の食い扶持を確保する必要があり、そのターゲットは「未払い残業代」に決まったようです。弁護士事務所の広告を良く見るようになりました。

残業代

日本企業は完全に労働法に従って、経営を行っていることはほぼゼロであり、何かしらの形で違反をしています。その代表例が残業手当で、管理職には残業代を払わないのは違法であり、自ら出勤、退勤の自由が決められる立場でないなら、役職はどうあれ、残業代を出す必要があります。つまり、役員、事業所長クラスでないと、残業代免除には当たりません。

しかし、日本には経営者を法律違反に対して、厳罰に処する習慣がないため、従業員は強く出ることもなく、なんとなくサービス残業が曖昧に肯定されたまま、企業運営が行われてきました。昔ながらの終身雇用、年功序列なら、「家族なんだから、そう厳しいことを言わず、頑張っていこうよ。」で済んでいたのです。そして、良いお約束は反故にされて、悪いお約束だけが残っています。

そのため、ほとんどの日本の労働者は未払い残業代を会社に貸し付けている状態で、その会社を辞めても良いなら、請求する権利があります。そして、この未払い残業代はほぼ100%取れるので、弁護士からすると、楽勝でお金になる金脈みたいなものです。時効は2年なので、月に5万円分くらいのサービス残業があれば、100万円くらいは取れますし、2割手数料で取れるなら、美味しい仕事です。

やり方

そのやり方を簡単に記すと、タイムカードなど出勤、退勤がわかるもの、もしくはその時間に会社に残っていたことが証明できる材料があり、それに対してに給与支払い明細が手元に残っていれば、あとは計算フォーマットにしたがってまとめて、弁護士の名前で内容証明を宛名を代表者にして、管理部に送りつければ、それで終わりです。

内容を確認して、びっくりした管理部長辺りが顧問弁護士に相談して、争える要素がないことを確認したら、素直に支払うしかありません。そのまま放置すれば、労働基準監督署に駆け込まれ、監督官に踏み込まれ、役人のメンツのためにあることないこと穿り返されて、もっとやられるだけです。

みなし残業代って、何時間分なのかを明確にした上、それを超えた分は払わなければならないので、会社側にメリットがほとんどありませんし、年棒制だから、残業代はなし、というのも法定労働時間を超えた分は残業代が発生するので、サービス残業をさせられる抜け穴はありません。正式に請求された時点で、負けだということです。

ブラック企業があらかじめ社労士に相談して、ギリギリの線を就業規則に乗せて、グレーゾーンにしていても、労働基準監督官に踏み込まれた時点で、悪質企業だと認定されているわけですから、あれこれ指摘を受けて、改善命令出されて、未払い残業代を払わされるだけなので、この部分を社労士に相談するのも意味ありません。社労士なんぞ、お上に一喝されれば、しゅんとなって、黙りこくるだけです。

中小企業のパワハラ上等、オーナーも本気でお上に凄む人はいないでしょうし、仮に凄んだら、監督官は更にメンツを守るために、証拠をガチガチに揃えて、刑事事件に持ち込んでくるでしょう。そうなれば、オーナーは逮捕されます。そこまでの根性があるブラック企業オーナーはいないでしょう。法の外で生きるウシジマくんすら、お上には頭を下げているくらいですw

訴訟

残業代未払い請求は争う要素がないので、へっぽこ弁護士だろうが、司法書士だろうが、楽勝なのですが、これに争う要素が出てくると、結構面倒になってきます。法廷で争うとなると、証拠集め、戦略をきちんと練る必要があり、膨大な時間が食われますし、技術も必要です。

例えば、指名解雇、なんかは日本の法律上、かなり困難で、従業員が犯罪だとか、明らかな職場放棄をしている証拠がない限り、延々と法廷で争うことになりますので、左寄りの損得度外視の弁護士に頼まないとダメで、一般的な弁護士は優秀であるほど、嫌がります。名を上げたい若い弁護士は引き受けるかもしれません。

日本の司法制度は手続きが面倒なうえ、時間がかかるので、訴訟まで持っていったら、よほど額が大きくないと、その手間隙に見合った報酬が出せないので、民事訴訟までもつれ込むのがあまりないのだろうと思います。せいぜい、大喧嘩になった相続、離婚問題くらいでしょうか?

まとめ

こんなのは「過払い請求」と同じで、誰でも出来る簡単な請求なので、本人がやれば良いのですが、サラ金から借りてしまう情弱、サービス残業をしてしまう情弱は自分では行動に移せないので、弁護士に頼んで、代わりにやってもらうわけです。ググレよ!っと言いたくなりますが、ググレないから情弱なのです。

注意点として、日本人が大の苦手とする日常的な「証拠」を残してない場合は弁護士、労働基準監督署もなかなか動かないし、ラチがあかなくなるので注意です。労働基準監督署の文句を言っている人の多くが証拠不足で、ブラック企業の反論を許してしまっているのです。

パワハラで、タイムカードを押してから働かされる、とかなら、パソコンから、自分のメールアドレスに送信して、証拠を残せば良いし、出退勤時間のメモを取る癖をつけても良いし、やれることはいくらでもあるのに、情弱だからやってなくて、労働基準監督署の文句を言っても、自己責任です。

最初から労働法を意図的に無視すること前提で、メチャクチャして、お上の指導も上等だ!っというような犯罪者が経営する会社に入ることが間違っているし、入っても、すぐやめるべきだし、なんとなく食い扶持のために続けていることは犯罪に消極的に協力しているんだと理解したほうが良いです。

未払い残業代訴訟がもっとブームになって、日本の労働環境が良くなったら良いな、と思うのですが、日本人は奴隷気質で、義務でもないことをサービスでやってしまうから、なかなかなくならないだろうと思います。そのうち、外国人労働者が増えて、彼らにブラックオーナーがフルボッコにされるようになると、ようやく日本人も立ち上がるのかもしれません。

日本人は働き方を考え直して、長時間労働によって収益を上げようとしても、物価の安い国の労働力と戦えるわけもないので、いかに効率よく、独自性があり、簡単にまねの出来ないことをしていくか?、を考えて働くべきです。それにはたっぷり休んで、頭をすっきりさせたほうが良いと思います。

勝ち組企業のグーグルは自分の担当業務と関係ないことをするのを推奨していますし、そういう趣味性の強いことから、新しいことが生まれてくるものです。逆に言うと、一定の範囲内で従業員に好き勝手にやらせる余裕のない会社からは何も生まれません。そして、会社に泊まりこむ社員がざらにいるグーグルが未払い残業で訴えられた話を聞いたことありません。

昔のソニーはそういう会社だったみたいで、役員会ですら、研究テーマを発表しない役員だとか、井深御大を驚かすおもちゃを作るために徹夜で遊ぶような人がたくさんいたらしいです。こういう人たちは残業やっているつもりではないので、残業代を請求されることはないでしょう。

そういう新しいアイディアのない仕事なら、ITに置き換えてしまえばいいと思いますが、日本人はアホみたいな社内会議用の資料をシコシコ作るために徹夜をする社内官僚が経営中枢にいる会社があり、そういう会社がどんどん危機に陥っているのだろうと思います。

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、未払い残業バブル” への 13 件のフィードバック

  1. グーグルに限らず、IT企業技術職の場合 やるべきことを期間内にちゃんとやってさえいれば、労働時間はそんなに厳しく制限されることがないのがアメリカでは一般的です。
    ベーシックとしては1日8時間x5日/週 ですが、最近は 1日10時間 x 4日/週で3日休みというところも増えてきました。

    勤務中はよく働いて、休むときには思い切り休む という考え方は欧米では一般的なんですよね。

    そもそも個人教育を小さい時から叩き込まれているので、会社と心中するという馬鹿なことはしません。
    終身雇用という地盤がもともとないので、退職金制度もないので、できるだけ条件の良いところでどれだけ貯蓄できるか?資産運用ができるかというのが老後の安心 ひいては 次世代に引き継げるものとなっていきます。
    なので、もともと会社なんてアテにしてないので、全ては自己責任というのは常識なんです。

    日本は終身雇用時代の親父様方が役職にまだまだ残っており、やっぱりここが全ての癌なんでしょうね。
    彼等はまだ退職金がもらえる世代で、守りの姿勢。また自分が若い頃にやったんだから、若い部下にもやって当然的な考えを持っているのでしょうが、そもそも昔と今では 雇用条件が違うので、そこは理解してあげて然るべきと思います。
    なんと器の小さいことかと思いますね。

    また若い方々には パワハラや無給残業を強制させられた際、証拠は必ず取っておくことは言わずもがなです。
    口約束は絶対にダメです!

    私も以前、日系企業に勤めていた際、薄給にも関わらずExempt=管理職同様、年収 で、その会社はいかにも残業が多そうな部署や職務内容によって、平均より少し上乗せした年収で使い倒すというような感じでした。
    幸いに上司が温厚な方で、部下のモチベーションをくすぐる発言が上手い方でしたので、チーム内で(英語圏の人も含む)訴訟までいったケースはなかったです。 おかげで3年続きました 笑 もちろんもっと良い条件の会社へ転職が成功したからんですけどね。そこでは給与や各種ベネフィットは申し分なかったのですが、直属の上司が最悪だったので、上司との会話は出来る限り 直接の対話は避け、チャットやEメールでやり取りしました。あとでこれは使えると思ったものは、証拠としてUSBドライブにSAVEしてますよ 笑 たぶん使うことはないと思いますが、念のためです。

    日本国内においても、弁護士に頼るのではなく、自分でネットで検索して、何が自分に出来るのかを先に模索するべきです。民事訴訟であっても、裁判というものは証拠ありきで勝敗が決まります。ドラマのような弁護士が弁がたつから、勝敗が決まるということはほとんどないはずです。

    自分の身は自分で守る。会社にとっては自分は歯車の一部、弁護士は金になることしかしない っていう事を考えれば、当然だと思うんですけどね?

    1. 本来、アメリカ人の立ち振る舞いは働く上で当たり前なんだと思います。

      前に日本は法曹の数がアメリカに比べて少ないから、法律に弱い、とかいうバカな意見を耳にしましたが、どんなに弁護士が有能でも、証拠のないことはどうしようとなく、日本人が法律に弱いのは甘えていて、自分の身を自分で守る意識がなく、証拠を残さないからです。

      サビ残、パワハラは証拠に残して、必要な時に使えるように常にすべきです。それをせずに、日本の法律、弁護士、労働基準監督署の悪態ついても、自己責任なんですよ。

      確かに日本の法律は雇用者に甘く、ありえないような契約違反も許される、軽微な罰則しかありませんが、にしても、戦うための証拠も残してなければ、泣き寝入りすることになります。

      シン

  2. パワハラ主因、傍証サビ残で争った事があります。
    朝ミーティング分の早出強制について、証拠としてタイムカードのコピーを出したところ、会社は「確かに早く出てきたが、皆でお茶を飲んでました」と主張しましたw

    まあ、文書提出命令で、全員のタイムカードだせ、とか色々展開もあったと思いますが、主因ではないので。。。
    今からやるなら、やはり録音でしょうね。(例:「おまえはどれだけわたしの心を叩いてる!!」 )
    なお、パワハラはしっかり録音していたので、勝訴(和解)でした。

    で、同僚たちはどうだったかというと、何のアクションも起こしませんでした。
    そら、次の行き先がなければ、起こしようもないですよね。そんな感じの人たちでした。

    1. そんなあなたに一人一揆をオススメします!日本人の弱さについて書いた習作です。気が向いたら、ご購読下さい。

      シン

  3. 私の会社ではないですが、営業やってる知り合いは残業手当が固定だそうです。
    理由を聞いたらどこまでが移動か仕事かわからないからだそうです。
    自信を持って言われてしまいました。

    1. 出張とかあると業務時間とか分からないですからね。
      工数が多いからってそれだけ生産がある仕事でもないし、仕方ないと思います。

    2. 会社命令で移動しているなら、業務の一環ですから、残業代対象時間になります。日本の営業は意味なく移動しまくるので、そんな時間にお金を払いたくない気持ちはわかりますが、だったら、意味のない出張、移動をするな!っと会社側が指示する必要があります。

      残業代支給対象外は完全歩合制で、上司の指示系統からほとんど外れている場合です。毎日の出社義務もなく、数字さえ挙げていれば、何をしていてもその人の勝手、という仕事スタイルに残業手当が発生はしません。

      営業だから、残業代は固定、という考えで、本人がそれで納得しているなら、別に良いのかもしれません。

      シン

  4. 会社を訴えて勝訴できたとしても、その後の会社での待遇や居心地が、悪くなる事はないんでしょうか?
    また、転職時に不利になる事はあると思いますか?

    自分は、まだ学生なのでそこらへんはわかりませんが、その事を考えると尻込んでしまいそうです。
    自分は、先生と対立した事ならありますが、なかなか居心地悪いです。
    対立した原因は、あまり効果なさそうなのに手間のかかる宿題を提出しなかったり、実力に見合わないレベルの駿台模試の受験を拒否したことです。
    二流の自称進学校の癖に、教師陣や一部の生徒の謎のプライドの高さには、ウンザリしていました。
    自分の場合は、高校だったので、成績が下げられても、推薦や奨学金を利用しなかったので、先生に文句言われて居心地悪いだけで済みましたが。
    中学だと、高校受験では内申が重要なので、ハズレ教師にあったらドンマイとしか言いようがないです。

    1. 本気でケンカするくらい嫌な会社に残る意味なんてないし、転職先を見つけて、安全を確保してからケンカしないなんて、アホです。次が見つけられない、どんなに嫌でも我慢しなければならない社畜になるな、ということです。

      シン

    2. 会社を訴えるどころか、ちょっと上司に楯突いただけで会社での居心地は悪くなります。
      たとえそれが「サービス残業は嫌だ」などといった正当なことでも。雰囲気が悪くなるだけならまだしも、左遷で遠くに転換させられることもあります。
      社会人は退路を確保してから、相手を見極めてケンカすることが大切です。

  5. 営業職の中小企業の場合タイムカードすら置かずに出勤退勤の管理をしている会社は多いいと感じます。就業規則は会社側は基本的に非開示で、見たいということすら言えない雰囲気です。そのシステムを遂行する為に必要なのが、社畜社員であり、鬼軍曹です。会社側も裁判等で争う事を想定して証拠が残り難い方法で人を管理します。

    1. そこまで酷い会社なら、最初から関わらない方がいいでしょうね。ブラックどころか、漆黒企業で、黒光りするレベルです。仮に関わってしまったら、即辞めるべきです。時間の無駄です。

      シン

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