じゃあ、本が売れない

本が売れなくなって久しいですが、これは仕方ないと思います。

テレビ

テレビが登場する以前は本って、最大の娯楽であり、作家って、時代を代表するアイドル、文化人でした。比較的最近でも、石原慎太郎さん、田中康夫さんは元は卑猥な小説を書いていた人ですが、自治体のトップになるほどの知名度、信頼を得ていたわけです。

それが娯楽が映像に移り、テレビ全盛の時代になっていくと、本は徐々に読まれなくなっていきます。無料で娯楽が提供されているわけで、お金なんか払う意味がない、となってくるわけです。これが今の主流である消費者への無料提供、広告主からの広告収入、というスタイルになっていくわけです。

小説がまともに売れたいのはバブルの頃までで、ファッション的に売れていて、W村上だとか、山田詠美さんなんかを読んでいるのが大学生の嗜み、という雰囲気があり、インテリは小説位は読もうよ、と思っている人が多かったわけで、テレビと共存出来ていました。

日本の景気も良かったので、一冊千円以上する本を一般消費者は躊躇することなく買っていたし、本にお金を使うのは良いことなんだ、という出版社のイメージ戦略が成功していたのです。この辺は新聞も同じで、「普通」という感覚にすると、人は疑問を持たずに払います。

不景気

21世紀に入る頃に日本の景気はどん底に落ち、日々の生活に支障が出てくると、小説を買う余裕がなくなるし、他の娯楽の方が手軽で、安く上がる、と消費者が考えるようになるのです。

出版社は下火になった小説の起死回生策として、伝家の宝刀である芥川賞、直木賞というブランドを若者、アウトサイダー、他分野の有名人に与えることで、業界を盛り上げようとするのですが、一時的に話題になるだけで、業界の復活には至っていません。

平野啓一郎さん、綿矢りささん、から始まって、最近は又吉直樹さんと、色んな人を引っ張って来て、必死になって業界を盛り上げようとしているのですが、時代の波に逆らっているだけの無駄な行為だと思います。マスコミが作るヒーロー、ヒロインはもう通用しないのです。

また、小説家志望者は増えて、小説読者が減る、という現象もあり、雑誌の購読者数からすると、ありえない数の新人賞応募がある、と言います。普段、文芸雑誌なんて読んでない層が売れることだけを夢見て応募するのです。

好きな小説家を聞かれても、多くの人が困るようになります。少なくとも私は同年代の小説家で好きな人は一人もいません。読んだことはあるが、繰り返し読みたいような作品は一つもなく、娯楽として、読み流すだけです。

そういえば、ノルウェーの森で、ワタナベ君が同年代の作家は読まない、と言っていましたが、村上春樹さんはずっと売れているで凄いです。日本語で書いているのに、翻訳が外人に売れているっていうのは例外中の例外です。

ネット

最後にとどめを刺したのがネットで、一体料金で無限の情報を与えてくれるので、たった一冊に千円以上払って、小説を読むなんていうのは熱狂的ファンだけになりました。こうなると、本が売れるわけありません。なんでもそうですが、ライトユーザーを引き込まないと、大ヒットにはならないのです。

ネットはプロ、アマの垣根をほとんど取り払い、熾烈な競争を繰り広げるようになったので、かつて、娯楽の王座にいたテレビすら、YouTubeなど新しい映像娯楽に押され、苦境に陥り、小説はブログに追い討ちをかけられるように押されまくっています。

何と言っても、ネット回線さえ用意すれば、ほとんど無料で使えるので、消費者はスマホにしかお金を使わなくなるのです。貧困層と言って良い人たちが、iPhoneを平気で高いプランを契約して、分割払いで、手にしますので、従来、PCを触らない人もネット消費者になりました。

もはや、小説家は憧れの存在ではなく、ヒカキンさんだと、はじめしゃちょーさん、だとかの方が子供にとっては憧れなんですよ。ふざけた遊びして、億稼いでしまうスーパーヒーローです。意味ありげなこと言って、貧乏な芥川賞作家よりかっこいいですよ。

まとめ

小説家志望者はネットで戦うべきで、すでにある程度の知名度のある作家もネットを主戦場にしようとしています。辻仁成さんはウェブベースで文芸雑誌をやろうとしてますし、これが通用しなきゃ、小説はもうダメだ、とくらいのことを言ってました。

逆にいうと、面白ければ、素人でも大勝ち可能な時代ですし、資金も要らないので、YouTube、ブログなんかを利用して、やりたいことをやりまくればいいし、サラリーマンやりながら、趣味としていくらでも続けられる時代です。言い訳せずにやりたいことをやって、ネット配信すればいいんじゃないでしょうか?

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

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