じゃあ、日本企業は嫌だ!

これはシンガポールの話ですが、私の知るシンガポール人、外国人で、日本びいきの人であっても、積極的に日本企業に勤めたがる人はほとんどいません。

日本

日本企業はコース別の採用、配属をしない為、海外ビジネス経験なし、英語もほとんど話さない人が単なるポスト配分の一環で海外拠点に権限を持った駐在員として、本社から来ます。彼らは疑いもなく日本方式を当たり前だと考え、それを現地スタッフに押し付けるので、英語が通じないだけでなく、通訳を通しても、話が全然かみ合いません。

滅私奉公を求める上司、仕事は仕事以上ではないと考える部下の話し合いは常に平行線で、部下は有給休暇は全て消化する、病欠は別に取得する、のが当たり前の価値観を持っているので、消化を嫌がる上司が全く理解出来ないのです。残業に関しても同じで、仕事が終われば帰るのが当然、終わってなくても帰るのは上司の仕事の割り振りがおかしい、と考えるわけです。

そのうち、駐在員は自分で部下の仕事をし出したり、日本人現地採用を雇って、日本方式を貫こうとし、部下は常に転職を考え、次が決まった時点で、辞めて行きます。駐在員は自分がおかしいと思わず、ローカルは仕事ができない、とこぼすようになり、益々、人間関係は悪化していきます。ようやく、理解するようになった頃には帰国の辞令が出て、同じような人がまた来ます。

ローカルが日本人駐在よりも数字を出しても、名ばかり管理職にするだけで、日本人が全てを握り、ローカルに権限移譲しないので、ほとんどの人はやる気を失い、辞めていくか、就業時間中に上司の目を盗んで、副業に熱中したり、資格の勉強でもしだしたり、ダラダラ時間が経つのを待っている無気力社員だらけになります。

英語もろくに話せない、技術もない日本でしか通用しない人が海外に駐在員としてきて、手厚い手当でセレブ生活しているのに、ローカルは割安の待遇に抑えられるので、やる気を出したら、おかしいです。日本では年功序列があるので、我慢しますが、それが成り立たない海外では我慢するわけないです。

外資

欧米系外資はどうしているか?、と言うと、海外ビジネス畑でキャリアを積んで来た人、特に現地に精通する人を駐在させたり、社内に適切な人がいなければ、外から雇って、契約ベースで駐在させるので、ローカルと全く話が通じないことはほとんどありません。シンガポールは華人国家なので、中国式のやり方で管理するだけです。

彼らのやり方は割高な給与で求人し、業務内容を事前に決めて、契約書にサインさせてから、仕事がスタートするので、仮にその業務内容がこなせなければ、残業手当なしに残業させる、業務がこなせなければ解雇します。中国式で仕事をさせるなら、はっきりと業務内容を決めないと何もやらないのが当たり前です。中国人は決まったことはしっかりやります。

元々、日本が例外的システムを取っているだけで、欧米系、華人系は相性が悪くなく、一定数がすぐに辞めることを前提に人事計画を建ててますし、使えないことを想定して、即解雇できるように試用期間を長く、解雇してもトラブルにならないように会社のシステムを整えてあります。逆に信賞必罰なので、年次、年齢は関係なく、数字を出せば、そのやり方にはこだわりません。そのため、ローカルは出世の為、割高な給与を維持する為に必死になります。

ローカルは外資に行くなら、欧米系、特に米系を望みます。解雇リスクは高いが給与は高いし、上手くいけば、本国で役員になれる可能性もありますし、そうでなくとも、社内異動でアメリカへ移住を狙う人が少なくないからです。世界最大の市場であるアメリカに魅力を持つ人はどこの国でも多いです。アメリカが労働許可を制限するようになって久しく、現地での直接雇用を諦め、制約の少ない社内異動を狙って、シンガポールで就職する外国人もいます。

ローカル

シンガポールでは公務員ですら、年功序列、終身雇用ではなく、外国人も公務員になれますので、日本のように一度公務員になったら、ひたすらミスを避けて、しがみついている組織ではないです。シンガポールの最優秀層は政府系機関の奨学金で英米のトップスクールに留学するので、卒業後は一定期間の就業義務がありますので、優秀なローカルはローカル系企業にいます。

日本人駐在員は最優秀層たちとほとんど関わらないので、ローカルは無能だ、とか言う人も多いですが、自分たちの周りにいるローカルが無能だったり、やる気がないだけで、どの国の人も同じですが、ローカルも千差万別です。最優秀層は中華ベースの欧米風味、というハイブリッドで、国父、リークワンユーの薫陶を受けた人たちです。

シンガポールが外交上手なのは官僚たちがどうすれば、アジア人が白人とやりあえるのか?、をずっと学んで来ているからで、日本のように東大出て、試験突破し、国費で修士を英米で取っただけの付焼き刃ではないのも一つの要因です。最優秀層は流動性があり、ローカル企業トップでも、生え抜きではなく、色んな転職を重ねつつ、キャリアを積み上げて来ています。

ローカル系大企業の報酬は役員クラスから億を優に超えるので、最優秀層どころか、中間層ですら、頑張っても名ばかり管理職が終着駅である日本企業なんて行くわけないし、アウェイで白人とやりあって、勝ち抜くよりも、ホームで上を狙う方が魅力的なのは当然でしょう。従って、ローカル系>欧米系>日本企業の序列になり、日本企業より人気がないのはローカル系の中小零細くらいでしょう。

まとめ

私が日本の若者にアドバイスするなら、組織にしがみついて社畜やってるなら、日本企業は良いけど、メリットはどんどん薄れているので、常に市場価値を意識して、ダメだと思ったら、出ていける準備を怠らないようにすべきだと思います。旨味があるなら、いてもいいけど、ないのにしがみつくなんて、人生の浪費です。

世界的に見て、日本企業はかなり変わった組織で、外国人からすれば、噴飯物のルールがてんこ盛りなので、日本企業を正常として価値観を持っていると、世間を狭くします。世間を狭く持っている人間には何のチャンスもなく、面白くもない人生を消化試合のようにこなす羽目になります。負けたとしても、やるだけやる人生の方が楽しくないですか?アホくさい日本企業にしがみついている自分がアホくさくないですか?

安易に日本を飛び出せ、と言ってませんが、自分のやっていること、置かれている状況くらいは把握して、自分の身は自分しか守れないことくらいは理解していないと、社畜として、資本家に虐げられる人生を歩んでいくことになるのは間違いありませんよ。あなたは何を必死になって守っているんですか?守るべき価値のあるがあるかを再考したほうがいいんじゃないでしょうか?

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