じゃあ、生き残る会計士

ふとしたことで大手監査法人を辞めて、新興のクラウド会計サービスに転職する人の決意表明を見る機会があり思ったことを書き記します。プライバシーなので彼の表明を転載しませんが、要はフィンテック時代に会計士は生き残れるはずだ、そうに違いない、という悲痛な叫びであり、すごく痛々しい抽象表現の連発でした。

営業

会計士が「先生、先生!」と呼ばれて、ふんぞり返っていられたのは供給が絞られていた前時代の話になり、彼らは営業力がないと生き残れなくなりつつあります。実際、上述の彼は新興企業の営業になるみたいです。すでに契約した会社に対するフォローアップなのでルート営業みたいなものでしょう。

営業力のある人は何かしらの手段で活路が見えてくるので、会計がどれだけフィンテックによって作業化しても、その作業を指導してもらったり、間違っていないかをフォローアップする人は確実に必要です。中小企業なら、会計マネージャーを置かない代わりに外注で週一回来てもらってもいいかもしれません。

つまり、会計知識を営業力に乗せて、会計営業とでも言うポジショニングを自分で確立させて顔を売りまくっていくことで、最終的には引き抜きでCFOという立場でオーナーの右腕になっていく、というストーリーなら十分に将来が見えてきます。少なくともその彼はそんなニュアンスのことを書いていました。

提案

次がコンサルなんですが、すでに大手監査法人がコンサル部門を持っているので目新しいものではありませんが会計士はコンサルにシフトする必要があり、監査業務は人がやらなくても、ITがやればいいことですし、その監督者は会計士ではなく、ITエンジニアがやればいいんですよ。

だから、兵站すべての観点から業務改善を提案できるだけの幅広い知識を持って、会計だけでなく、トータルで守りを固める軍師ポジションになっていかないと、一般的な会計知識なんて必要もなくなるので、専門家に教えてもらう必要もありません。会計は素人が数ヶ月勉強して簿記二級くらい取ったら、そこそこ回せるようになるでしょう。

だから、上にも書いたCFOポジションにならないとダメですが、ここは投資銀行、戦略コンサル出身の口先から生まれてきたような連中と戦ってもぎ取る必要があるので楽な道ではないです。どんなに時代が変わっても、兵站を担うCFOポジションがなくなることはないでしょう。

特殊

あとは通常の監査業務ではない特殊なやり方を熟知してそこの世界でやっていくといいでしょう。VCとの有利な折衝の仕方を知っている。IPOまで最短で突っ走るスキームが頭に叩き込まれている、とか、そういうパワープレー、ナックルファイトに近いようなせめぎ合いをAIはできないので、そこに特化するわけです。

そういう特殊スキルを持っていれば、そのスキルをお金に変えて生きていけばいいと思います。超大型案件を個人で請け負ってガツンと成功報酬もらって逃げ切るようにしていくもいいし、VCに入ってもいいし、スタートアップがIPOを目指す段階でCFOになるのもいいでしょう。

だって、IPOなんて年に100件もないくらいなので、そんなに詳しい人はいません。何件かフィニッシュまでこなしていれば、それは立派なスキルです。その世界で知られていれば、仕事で関わった人が不意に思い出して声をかけてくれるでしょう。

まとめ

彼も言っていましたが、会計士試験を受かっているくらいだからアホではないわけだし、色んな会社と付き合ってきて世間知だってあります。社会全体を会計の観点から見てきたという強みがあるのだから、会計士と言う仕事が衰退したって、やりようはあるはずです。

何を具体的にどうしたら自分は生き残れるのかを必死に考えて取り組む人には必ず何かが見えてくるでしょうし、そんなに悲観しなくてもいいと思いますが、考えることを放棄して、「なんとかなるっしょ?w」というスタンスで現実逃避はしないほうがいいと思います。フィンテックはそこまで迫って仕事を奪いに来ています。

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