じゃあ、海外生活に向かない人

以前は海外生活についてよく記事を書いていたので、海外生活をしたことがない人向けに基本的にどんな生活が待っているのか、を書いてみたいと思います。

アウェイ

海外で暮らす、ということはアウェイで戦うということで、ゼロからのスタートでなく、マイナスからのスタートになります。まず、合法的に滞在し、労働するだけでも、許可が要りますし、母語でない外国語で話す必要があり、違う文化の中で生きていく必要があるからです。これが地方出身者が上京するだけなら、ゼロからのスタートさせることができます。

したがって、何かしらのプラスアルファを持って、海外に行かなければ、そのマイナスが埋まらず、自動的に負けてしまうわけです。例えば、駐在員として海外に引っ越すなら、所属している日本企業がビザを用意し、家を用意し、日本語のできるスタッフを雇い、現地で恥をかかないように手当を用意してくれるので、プラスからスタートすることができます。

また、現地に配偶者がいるなら、ビザ、家、通訳、文化理解など、ある程度のことはやってくれるのでいいでしょうが、至れり尽くせり、というわけにいかないので、ゼロからスタートをして、現地に馴染んでいくための努力をして、その国にささやかながらも貢献できるように精一杯やることで、徐々に認められていく必要があります。

単に現地採用として、海外に飛び出ていくなら、よほど何か優れたものがない限りは自動的に負けてしまいますし、実際、シンガポールに来る現地採用者は3年以内に半分以上は帰国しますし、残っている人の大半も惰性で残っているだけで、現地に馴染んでいっているわけでも、キャリアアップができているわけでもなく、帰国して現実を思い知るのが怖くて、足がすくんでいるケースがほとんどです。

アウェイであることを意識して、それでも現地で根を生やして生活するだけの根性のない人は海外生活に向いていないので、駐在員としてきているなら、任期が終わったら帰ったほうがいいし、現地採用なら、限界を感じたら、すぐにでも帰ったほうがいいです。意地を張って、残るとどんどん状況が悪化します。

先入観

先入観が強く、「マイルール」をたくさん持っており、他人が自分の基準に満たさないと、イライラして、怒り出す人がいますが、そういう人は日本でも迷惑ですし、海外ではもっと迷惑な存在になります。もともと、文化の違う人たちなので、日本人基準を求めても、満たしてくれるわけがないので、ずっとイライラすることになります。

シンガポール人は謝罪を避けるため、つまらないウソをついたり、露骨なお金の話をしたがりますが、日本人であれば、確かにそういうことをする人は嫌がられますが、シンガポール人としてはそれが悪いことだという意識もないのです。なので、悪いと思ってほしい、と考えることが間違いなのです。それが間違っていることを認められないなら、海外に住まないほうがいいですね。

日本人同士でもそうなんですが、変われるのは自分だけで、他人を変えようとしても無駄です。海外では外国人である自分が変わって、相手に合わせていく努力をしないと、認められないし、友達もできません。自分をわかってもらいたいなら、それ以上に自分が相手のことを理解する努力が必要です。

アイデンティティ

逆説的なんですが、相手の理解をして、受け入れることは大事なのですが、日本人らしさを失うと、海外でやっていくことは難しくなります。特に白人は非白人が白人気取りの態度をとると軽蔑をしますし、日本人が日本人らしくないと、そこで尊敬を勝ち取ることはできません。自分は日本人であり、日本人の良さを大事にするつもりがないと、上手くやれないものです。

ありがちなのは現地人の良くないところばかり真似て、良いところを真似ない、というパターンで、そうなると、現地人には嫌われ、同じ日本人からも嫌われ、どんどん孤立していきます。東南アジア人に感化されて、時間を守らなくなったり、白人に感化されて、どんなに軋轢になっても主張を突き通そうとしたりして、日本人の良さがなくなり、日本人の悪口ばかりを言っているが、現地にもなじんでいない、という最悪のパターンになりがちです。

大人になって、生まれ育ちを変えられるわけでないので、自分のアイデンティティを大切にして、卑下することなく、最大限に生かす努力をすれば、それを認めてくれる現地人はきっと現れますし、日本人の美徳はどの国の人間にとっても心地いいものだと思います。例えば、相手に気づかれない親切が本当の親切だ、という考えはどこでも受け入れられます。

まとめ

日本の悪いことばかりを強調して、「海外」というどこの国を指すのかわからない言葉を使って、日本を非難する人っていますが、こういう人はほとんど「海外」のことを知らないから、夢を見ているのでしょうが、どの国にもいい点、悪い点があり、それは日本も同様であり、外国人として外国に住むのであれば、その国のいい点を味わうことができないものです。

また、バラ色の海外生活を思い描いている人には夢の海外生活で現実を思い知ってつらい思いをしている人がいたら、初心に戻ってください。アウェイで戦っているのだから、マイナスからスタートしているのであって、つらいの当たり前、現地人の何倍も努力して、ようやく同じくらいの成果を得られる。それを覚悟して、来たのではないでしょうか?日本人としての良さを強調し、相手に寛容でいられたら、徐々に楽しくなってくるはずです。