じゃあ、災害と地価

台風19号が通過しました。ぬるり読者の皆さん、ご無事でしょうか? 被害があった方は気を落とさず、前向きに活動できることを祈ります。

さて、災害が起こると、被害は地価がほとんど反比例してくるな、と思います。歴史的に安全だから地価が高く、危険だから地価が低く抑えられるわけでほとんど例外がありません。

地盤

東京23区内は露骨ですが、荒川、隅田川の決壊が想定される下町地区は地価が安く抑えられる、決壊しても被害が抑えられる山手地区は高くなっています。これは江戸時代から権力、資産を持った人間から順番に安全な場所を選択し、何も持たない人間は危険な場所を選択するしかなかったということです。

地価とは歴史であり、それが災害発生することで再認識させられるわけです。そして、喉元過ぎれば熱さを忘れる、と同じことを繰り返すのが人間のサガでしょう。しばらくすると、安さに釣られて危ない安い地域に家を建てます。

単に地盤だけでなく、インフラも重要地域を守るために設計されていくため、東京では荒川の流れを変えて江戸川区に水を持っていくことで、荒川区、墨田区、足立区を守るように水路を変えていますし、非常時は水門で調整をしています。それでもダメなら旧市街を守る為に隅田川を放水させる計画をしています。

実際、千代田区、中央区、港区、文京区は山手であり、権力者の上屋敷があったという歴史があります。渋谷は駅あたりが文字通り谷のように窪んでいます。大雨になると、渋谷は水浸しになります。だから、渋谷村だったんですよ。

だから、不動産を持つなら歴史をしっかり学んでから踏み切るべきで、割安だからとリスクをはっきりと認識せず、飛びついてしまうと大損害になる可能性が高いでしょう。賃貸のようにダメならさっさと引っ越すことでリスクを切り離すことが出来ません。

新興

このブログで前々から川崎、武蔵小杉にタワマンを買う奴はバカだといい続けていきましたが、案の定、台風被害が出ましたね。多摩川所以ではなく、急激な住民増加に伴う排水インフラが間に合っておらず、災害で露呈しました。これは今回は無事だったベイエリアも同じことだろうと思います。

元々、人が住んでいなかった地域は何かがあります。武蔵小杉、二子玉川あたりは地盤が低いので水が溜まりやすいです。だから、江戸時代は農地ではあったが、人が住んでおらず、用地買収がしやすかった為、工場地帯になった場所です。そんなところに人が急激に集まれば、インフラが間に合わないのは当たり前だと思います。

新興住宅地ってマーケティングで煽って、煽って、売りつけて行くので地価はどんどん上がって行くが、インフラは整わず、武蔵小杉は駅に入ってから電車に乗るまでが一苦労すると言われますし、ベイエリアはモノレールに乗るしかなく、距離以上に移動に時間がかかります。もっと危険なのは地盤、下水道などの基礎インフラであり、災害対策なんですね。

何でもそうですが、広告に煽られて高い買い物をするのは馬鹿であり、高い買い物は自分の頭で考え、自分の目で見て、悩んで踏み切るものであり、少しでも違和感を感じるなら、その違和感が説明できるまで調査を止めるべきではありません。その意味では新興住宅地に家を買うのは、極めて綿密な調査が必要です。

地名ロンダリングには気をつけるべきです。元々、世田谷区奥沢は衾沢だったそうですが、過去の災害を名前を変えて誤魔化しているわけです。川崎市溝の口なんて、そのまんま危ない感じですね。タワマンなんてなんちゃって港区、中央区なんてのも多いですし、住所名でなく実績を気にすべきです。人が住んでなかったのには理由があります。

地方

大騒ぎした東京が大した被害なく、地方の福島、長野で一級河川の決壊で見るも無残になったのは当たり前といえば、当たり前だと思います。だって、災害対策のために使っている金額が違います。東京は仕分け対象になりかけたスーパー堤防、貯水システムがありますが、地方は最低限しか整備していません。

地方にもっとお金を使え!と喚く人がいますが、馬鹿言うな!と言い返したいです。民主主義が最大幸福を追求するものなら、最も人口密度の高い地域、経済力のある地域に集中投資すること、首都機能を充実して司令塔としての役目を果たせるように予算を取るのは当たり前すぎるほど当たり前です。

かつて、日本は「日本列島改造論」と言う土建事業のバラマキ政策を行いましたが、それは高度経済成長期だから出来たことであり、人口減少する、経済停滞する国でできることではありません。悪平等を求める人が多ければ、多いほど、国は衰退していきます。

日本列島改造論発起人、故田中角栄氏のお膝元、新潟は気味が悪いくらい道路が整っており、自動車で移動するとバイバス道路がびっくりするくらいスイスイ進むので隣にある高速道路が要らないくらいです。でも、それって無駄ですよね?新潟に大した産業なんてないし、そんなに大それたバイパス道路は要りますか?

まとめ

日本が災害大国であり、人口減少する衰退国家だとするなら、よほどの事情がないなら持ち家なんて要りません。一戸建てを買うのなら先祖代々の土地に建てるなり、旧市街地、昔ながらの住宅地に家を建てるべきでしょう。アパートはまだマシですが、タワマンのように金食い虫で、リスクの高いアパートを買うのはアホだと思います。

前々から言っていますが、今、田舎に住んでいる人はさっさと都市、都市圏に引っ越すべきです。特殊な理由でそこに利権があると言うなら別ですが、賃貸住宅で暮らしているサラリーマン家庭なら田舎に留まる理由が全くありません。

都市部に住んでもよほどのことがないなら賃貸住宅で十分です。特に東京は市街地が広いので、転勤、転職で勤務先が変わると、同じ東京でも通勤時間がえぐいことになりかねません。ただし、万が一ハイパーインフレが起こるリスクを考えて一定の現金を確保しておくべきです。インフレ兆候が見えた時に手頃な物件を買ってしまいましょう。

14+

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、災害と地価」への14件のフィードバック

  1. 名古屋の実家が高台で水害とは無縁な土地ですので今は高級住宅地です。
    昔は田舎だったらしいのですが、地下鉄もバスも学校もあるため地価は急上昇しました。
    水害がないだけでも住みやすいですね。

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    1. 名古屋市西側は海抜が低く、東側の海抜が比較的高いです。高級住宅地として知られる辺りは小高くなっているのは他の都市と同じですね。名東、天白、緑区は市街地から遠く開発が遅れましたが、この辺りは小高くなってますね。

      シン

      1+
  2. 災害に備えて、何々を準備する系の番組が流行っていましたが、そもそも論の災害率が高さそうな地区に住宅を買わない、が根本的な解決方法と言うのは間違いないですね。
    ただ、これを、住宅不動産などの産業もスポンサーであるマスゴミが言えるわけも無いのすがw
    賃貸でも、ハザードマップを見れば大体危険度は解りますが、川や海や山の近くは止めておいた方が無難です。
    あとは、しっかり損害保険に加入しておけよ、という事、位ですかね。
    日本人は生保の加入率は異様に高いですけど損保は低いらしいです。
    宣伝に踊らされやすく合理的判断が苦手な国民気質の様ですね。

    3+
    1. >住宅不動産などの産業もスポンサーであるマスゴミが言えるわけも無いのすがw

      全くですね。不動産業は利益率が高く、マスコミにとっては重要顧客です。だから、不動産開発業者が注力する元沼地、埋立地なんかに住むな!っとは絶対に言いませんね。

      シン

      2+
  3. 武蔵小杉、見事なまでに評判が下がりましたね。
    普通に考えて川崎や多摩川エリアが、鉄道が便利なわけでもないのにあそこまで高騰してたのがおかしいのです。何回も言うようですが、東急のマーケティングが成功しただけですね。

    ハザードマップ、路線図、時刻表を見て土地選びをしたいですね。楽しそうです。

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  4. タイムリーな記事ありがとうございます。気になって調べてたんですが、川崎市上下水道局より、武蔵小杉地域の下水道は雨水と生活排水を同じ管で流す方式とのことなので、今回逆流した水は、うんち水であります。あちこちに散ってるので、完全除去は自然の雨に頼るしか無いのでしょうかね。いずれにせよ、被災された方の心中お察しします。
    対岸の火事ではなく、私が居住していた大阪ですが、不動産が高騰してます。築古の川沿いマンションリフォーム済みで3LDKで3000万で飛ぶように売れてるとのことです。川氾濫したらジ・エンド
    で、そのリスク込みの金額ならあまりにも高すぎると思いますね。
    増税前の駆け込み需要だったからかもしれませんが(増税を理由に不動産を買うのはあまりにも情弱ですが )、そもそも人口減で空き家がたくさんある日本において、いまの不動産の現況はバブルを彷彿とさせます。
    ちなみに、梅田もタワマン建設ラッシュです。が、梅田も地盤が緩いはず。いくら、貯水システムを整えても自然には勝てないです。

    2+
    1. >梅田も地盤が緩いはず。いくら、貯水システムを整えても自然には勝てないです。

      →埋田=梅田な感じの地名ですよね。
      大坂の陣、陣形図を見れば分かりますが、キタは基本川と海ですからね。

      3+
      1. くろねこ さん
        レスありがとうございます。

        中学時代の担任が言っていたのですが、
        今みたいに開発が進む前は田んぼが多かったと聞いています。

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  5. こうした天災は、本来居住に適していない土地はどこなのかを浮き彫りにさせますね。

    東京なら職業があって現役世代が集まるので、地盤の悪い土地でも何とか災害対策して住まなければならず、ある程度仕方ない面はありますが、大した産業もない田舎に住むのは無駄を通り越して、日本全体にとって害です。

    これからの日本が人口減少と経済の縮小によって衰退していくのは最早避けられません。であれば、「選択と集中」は必須です。税金でインフラを整備するのは、産業が成り立つ大都市圏のみとし、それ以外の田舎に住みたいなら完全に自己責任、と突き放すべきです。

    徹底するなら、水道・電気・ガス・回線は公共では整備しませんので、どうしても住みたい人が自分で引いてください、警察も消防も救急車も出動しませんので、何か起きても自分で何とかしてください、とします(但し、火事が延焼しそうだったり犯罪者が田舎に逃げ込んだ時は出動します。田舎に住む情弱がどうなろうと知りませんが、都市に迷惑が掛かってはいけないからです)。

    農業・漁業・土建業など、どうしても僻地に住まないといけない仕事はありますが、そういった仕事の従事者には会社が寮を提供すれば良いのです。従業員の寮も用意できない、補助金頼みの零細な企業や個人による農業・漁業は、社会の効率化のために潰れるべきです。

    東日本大震災にしても、ただでさえ高齢化と人口減による衰退が著しく、大して産業もない東北地方を何故復興させるのか? と思いました。地震や津波は、無駄な村を放棄するいい機会だったと捉えるべきです。

    今後、天災が起きたら、首都圏・京阪神・中京・福岡以外の被災地は復興させずに、放棄すべきです。復興資金は、環境に有害な瓦礫等を処理して田舎を自然に戻し、被災者を都会へ移住させるのに使うべきです。

    8+
    1. いつき さん

      仰る意見、同意です。しかし、今の日本でそれを声高らかに言うと潰されます。
      本来なら、政治家が光陰決めて引っ張っていくはずですが、今の日本を見ると、期待できそうな人がいません。

      3+
    2. 近親者のを亡くした方、避難生活を余儀なくされた方は気の毒には思いますが、元の生活を返せ、故郷に戻りたいとか言っているの聞くと、今までどれだけの富を生み出し、さらに復興したあとどれだけの富を生み出せるの?更になぜ他の土地ではダメなの?といいたくなります。これが隠居老人なら、国税はあんたの余生保障のためにあるのか?ですよ。国民年金20年分一律支給して、いくらでも空きがある古い公団にでもお住まい頂いた方がよっぽど世のためです。都会、田舎、南国、北国と選択肢は豊富ですしね。サラリーマンの多くは居住地選択の自由が実質ないわけですから被災者だけがその権利を主張し、弱者ぶったら反感もたれても仕方がないです

      防潮堤なんていくら波の高さを想定し、高さを計算したところでダメなときはダメと証明されたじゃないですか。結論は高台に移れしかないわけです。元々限界集落化しているのに、また万里の長城みたいのつくるのって、投資収益率どうなるの?です。恐らくは復興に投資効率を求めるなんてけしからんとなりますが、普通の資本主義国家はそうじゃないのかな。

      一方こういう無駄って、他に有効な対策がない状況故に、何となく景気対策になっている面もあるのかなと感じています。仮に東日本大震災がなかったら、さらに起こったして放置プレイをしていたら、果たして日本経済や自分の生活は今よりも良かったのだろうかとの疑問もあります。
      だから私は声を大にして持論を述べることは躊躇していまいます。政治家にいたってはその時点で政治家生命絶たれますね。

      3+
  6. 政治家の仕事は社会全体の利益を最大限にする方法を考えることです。
    その為には、個人の我儘を一々聞いていたらキリがありません。

    一応人権があるので、最低限の住居くらいは保障すべきとは思いますが、
    それなら住む場所を選ぶな、と言いたいです。

    「楽に暮らしたきゃ、指定の公営集合住宅に移れ。
    それが嫌なら、どこに住もうと勝手だが、何があっても一切助けない」
    と言えば済む話です。

    しかしながら、この正論を公の場で言ってしまうと、
    弱者様が喚いて手が付けられなくなるのが鬱陶しい限りです。
    そんな連中は皆洪水で死んでくれれば、社会全体のためには一番良いんですがね。

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  7. 物事は多面性があります。
    経済だけを見れば、コメントにある通りの意見が導かれるのも理解できますが、
    それだけでは無いのが社会。

    日本という器にはいろんな考えを持つ人がおり、国民の要望を叶える人が選出され政治家になります。

    資本主義とはいえ、古歌にあるとおり故郷は忘れがたきもの。災害で家族を失った人が、都市に出ずに
    故郷にこだわる気持ちを持つ人がたくさんおります。糅てて加えて、都市部の人間の利益享受のために地方に原発が作られたのも事実。狭い日本なのだから、皆仲良く暮らせればよいものです。

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    1. >>物事は多面性
      これって物事を数字で明確に示せない文系のクズが自分を正当化する時に使う定番台詞ですね。

      >>故郷にこだわる気持ち
      それが無駄なんですよ。土地なんて住むための場所です。それ以上でも以下でもありません。住めればいいんですよ、どこだって。

      >>都市部の人間の利益享受のために地方に原発が作られた
      原発は必要です。しかし原発の作業員が生活する寮さえあれば、原発利権で食い繋ぐ村は必要ありません。

      >>皆仲良く暮らせればよいものです。
      それなら多数派が効率よく暮らせる方式に従って下さい。社会は、全体の利益を最大化するために、経済効率を最優先にして運営しなければなりません。少数派の我儘に付き合う余裕はありません。

      別に趣味で田舎に住むのは否定しませんよ。但し、そんな個人の趣味に税金をつぎ込む必要はない、と言っているんです。

      3+

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