英語についての相談を受けて思ったことを記したい思います。ただし、下記の注意点は上級者にとってもかなり難しいことなので、気になってしまい、英語が話せなくなる、書けなくなるくらいなら気にしなくていいです。
時制
英語の時制は英語ノンネイティブ、特にアジア語母語話者にとって間違いやすいです。英語を第一言語として扱うシンガポール人にとっても難しいようで、自然できれいな英語を扱える人でも間違いだらけの時制を使っていることが珍しくなく、よほど注意しないと一致しないようです。
日本語にも時制はありますが、欧州語ほど明確になっているわけではなく、明確なのは過去と現在くらいしかありません。母語話者の場合、意識せずに使い分けているため、英語ネイティブに聞いてもはっきりと説明できないことが多いです。英語教育を専門とする人以外にはなかなかきれいに説明出来ません。
シンガポール人は時制が曖昧な中国語、マレー語をベースにしたピジン語として英語を話しているので、英語ネイティブのように感覚で正しい時制を操ることもできません。シンガポール人だけでなく、英語圏育ちで親は英語ネイティブではない二世なんかだと、たまに間違いもあるので、かなり難易度の高いことなんだろうと思います。
アジア人ノンネイティブにありがちなのは I didn’t liked 、I go shopping yesterday というような時制の不一致であり文章中で時制が混乱してしまうのです。言いたいことはわかるが、一気にバカっぽくなるので、気を付けるしかありませんが、なかなか徹底させることはできず、かなりの英語上級者でも間違います。
欧州語母語話者は母語と共通する時制操作を比較的得意としますが、他の欧州語も英語とピッタリ時制が一致するわけでもないので、やはり難しく感じるみたいです。
ちなみに、現在形はあまり使うものではなく、習慣、現象、事実など、繰り返し行われていること、そういう事象を指すだけで、今からする、近未来ですることは現在進行形で統一される傾向があり「行くよ!」がまだ止まっていても「I’m coming」となるわけです。現在形は基本なのに、案外使用例が少ないです。
数
単数とするか、複数とするか、一般名詞とするのかはノンネイティブには迷うところで、例外として複数形がないものもありますし、不可算名詞もあるので、ネイティブ以外は感覚で判断できません。ひたすら覚えていくしかないのです。
例えば、「卵を買ってきて!」と私がお母さんに頼まれたとします。これは「Go get a pack of eggs, Sing!」と訳されます。Eggではダメでeggsでなくてはなりません。卵は一つ買うものではなく、パックに入った複数の卵を買うものですから、単にeggと言えば分かるけど、ネイティブに気持ち悪く聞こえるそうです。
その温利家では卵と言ったら鶏卵のことで、鶉ではない、お母さんが卵焼きを焼くために鶏卵を買ってくる、と言うことに共通認識があり、強調したいなら、the をつけても良いのでしょうが、あまり一般的な例ではありません。
これは学部から英語圏で過ごし、博論書く人ですら、担当教官にガンガン治されるので、ノンネイティブが完璧に身につけるのはほぼ不可能だと言って良く、シンガポール人ですら、かなり教育レベルの高い人が要注意しないと綺麗に数の概念が整っている文章は書けません。
まとめ
上級者用に英語習得の記事を書きました。ちなみに、私も時制、数は高いとは言えず、自分で見返して間違っていることに気がついて治したり、他人に指摘を受けることも珍しくありません。SNSなんかは見直さずに書いている人が多いので、ノンネイティブの英語は時制、数がメチャクチャですね。
TOEIC900以上、楽勝で取れる人でも、そうなんだよなぁ、と同意してくれるでしょう。そんなことはない、私は時制、数を完璧に操ることができる、と言い切れる人は凄いなぁ、と思います。
アメリカ人でも学のない人はブロークンイングリッシュしか話せず、文法がめちゃくちゃだと聞いたことがあるのですが、どうでしょう。
日本人だからといって全員が正しい日本語を話すのでないのと同様、当てはまるのではないでしょうか。
アメリカは日本より遥かに人種的・民族的に多様性に富んでいるので、使われる英語には日本語の方言どころでない多様性がありそうです。
アメリカ人といっても英語ネイティブとは限らないですし、出産コミュニティのピジン語もあるので、文法に関してはかなりいい加減な人もいますね。黒人英語には時制がないこともあります。be動詞はすべての肯定がbe すべての否定がain’t 時制は前後関係で推測する、という中国語スタイルです。おそらく、母体のアフリカ言語がそうなのでしょう。
シン
私にとって、日本人が話す英語は非常に分かりやすく、ほぼ日本語と同じ感じで聞き取れます。
一方でインド人が話す英語は何を言っているのかわからず、英語なのかも判然としません。
白人の英語ですが、分かりやすく説明してくれると理解できるのですが、日常会話になると付いていけませんね。
まあ、日常の戯れ言が聞き取れたからといって何かいいことがあるのかというと微妙ですけど。
聞き取れる音域の問題ですね。日本人なり、韓国人の英語は聞き取れる音域にありますが、インド人英語はそうではなく、白人英語には多少の慣れはあるため、標準英語はわかるが、訛っているとわからない、ということです。
理解する必要がないなら理解できなくても良いと思います。でも、理解する必要があるなら、理解する為のトレーニングが必要です。
シン
私にとっては日常の他愛のない会話が難関です。
日本語でも、仕事上の会話はできるのですが、普段の他愛のない会話が苦手で、社交の場など拷問に近いです。
英語でも、アカデミックな内容は理解できても、日常会話はちんぷんかんぷんという変な状態になってます。
取り留めのない話の方が面倒だったりするのはどんな言語でも同じですね。そういうのを軽くこなせるのも才能だと思います。
シン
私は日本人の英語だけでなくドイツ人、中国人、チェコ、ロシアなどの東欧系の人の話す英語は滅茶苦茶分かりやすいです。英語が母語じゃないけどかっちりと文法と発音を学んだ外国人との英語のコミュニケーションは総じて楽です。逆に意外ですが、イギリス人の英語には苦労します。(EnglishというよりもBritish?)ドイツに旅行した時の方がむしろ楽でしたね。(ドイツ人の40以下の人々の多くは英語が堪能で、発音も聞き取りやすいです)あとはオーストラリア人、ニュージーランド人などの発音には癖があって分かりにくいです。オーストラリアに行った時にAをアイと発音するので初めはさっぱり聞き取れませんでした。
私はスラブ系のRの音が苦手ですが、欧州語母語話者にはスラブ系もアジア系訛りよりもわかりやすいそうです。
ちなみに、アジア人が英語のスピーキングで高得点を取れないのは採点しているのが欧州語、英語ネイティブなのでアジア系訛りが苦手なのも一因だろうと思います。
ノンネイティブがしっかりやるとなると、標準語になってくる、ややこしい表現、語彙を使わないので、最も言っていることがわかりやすい人たちになります。ノンネイティブで英語に慣れている北欧人の英語は極めてわかりやすいです。
シンガポール人でも海外経験があり、どうすると外国人にも通じる英語になるのかわかっている人はすごく通じますが、シンガポール人としか英語で話さない人の英語はほとんどわからないこともあります。一般的にシンガポール人は外国人慣れしているので、相手がシンガポール人でないなら気を使うため、意味不明な人は少ないです。
ネイティブだと、訛り、癖が強く、ネイティブにしかわからないような話し方をする人も珍しくなく、日本人にとって英語標準語とは北米西海岸のことなのでそれ以外の地域、遠ければ遠いほど、慣れないとわかりません。ネイティブ以外とは話さない人は非常にわかりづらくなります。
シン
定型表現などは暗記できるにしても,やはり英語の時制と冠詞は難しいですね.
言語は理論と感覚が半分・半分といいますが,このような文法は感覚で習得することしかできず,ノンネイティブにはキツそうです.
最近は,文法のミスを自動で直してくれるソフトウェアも大量に出回っていますが,時制・冠詞のミスは,あまり精度よく直されていないように感じますね.
綿苗さん
the moon, the sun, the internet ,the world 。この世界に唯一ものにはtheがつくというのが理屈ですが、どこまでを唯一ととらえるかは英語ネイティブにしかない独特の感覚が要求されるようですね。the sunも親から見たら唯一でしょうけど、一般人からみればa sunでしょうし。
時制と数って日本人というか英語を母国語にしない人にとって非常に難しいです。
大学の英語の授業で購入した中学英語レベルでさえネイティブの感覚を解説した本でさえわざわざ説明すると辞書みたいな本になります。
当時のイギリス人の先生は、日本人だから簡単な文章以外は、過去完了や現在完了は使わないで未来系、過去系で一つ一つ単文で書いて、話してほしいって言ってましたね。
また、上記にはないですが、文章を書く際、同じ意味で単語や熟語を繰り返すのを嫌う節はあります。ニュアンスが違うから別なのかもしれないですが。
例として、basicを使用したら次の行ではfundamentalになってるとか。
>当時のイギリス人の先生は、日本人だから簡単な文章以外は、過去完了や現在完了は使わないで未来系、過去系で一つ一つ単文で書いて、話してほしいって言ってましたね。
良心的な先生ですね。ともかく、現在、過去、未来さえわかるなら、話は通じるので、初心者が過去分詞、大過去、時制の一致をさせないと話が通らないことはしない方が明らかに実践的です。
シン
私は時制よりも、イディオムで苦労したことを思い出しました。
あとは冠詞のあたりですかね。。。
例えば、赤頭巾ちゃんは 英語では ‘A little red riding hood’ ですが
大きさが先に来て、その後に色、最後に形態(形容?)した対象物がきます。
例えば
「硬くて、大きくて、ごつごつした、あの丘の上にある黒い大きな岩を持ち上げるのを手伝ってくれ」
これを英語訳してくださいと言われても、ちょっと考えないと間違ってしまいそうです。(苦笑)
卵を買ってきて!は アメリカでは “Go get a pack of eggs”というのが普通でしょうか?
欧州は分かりませんが..
でもこのままでは命令形で相手に失礼になるので、
“Would you go get a pack of eggs?” という言い方を私ならしますね。
とは言っても、あまり文法を気にしすぎて話をするのもぎこちないですし。
かといって、あまりにも間違いが多いのも問題ですしね。
このあたりの加減は、やはり英語圏で暮らしてみないと実感できないことかもしれません。
日本語だって、私たちが普段話す場合、文法を意識して話してるわけではありませんしね。
逆に日本語文法をかなり勉強した外国人の日本語は、文章をそのまま読んでいるような話し方で違和感ありますよね。
そういえば、以前 日本語を学んでいるというアメリカ人に ~が と ~は の違いは?と聞かれて
答えることができませんでした。わからない と正直に答えましたが。
そんなこと考えながら、普段、話してないですもんね。
かりりんさん
冠詞も難しいですね。数の概念に関係しますね。
アラジンのテーマのA whole new worldもテレビのテロップも間違いでaがなかったですし。
theとかつける理由とかわからないですね。
ニコさん
そうなんですよね。
例えば、ヒマラヤ山脈は’The Himalayan mountains’ と’The’ がつきますが、エベレスト山は’Mount Everest’ で’The’ はつきません。冠詞は今でも文章を書くときには気をつけて書いています。話すときはあまり気にしていませんが。。。
>例えば、赤頭巾ちゃんは 英語では ‘A little red riding hood’ ですが大きさが先に来て、その後に色、最後に形態(形容?)した対象物がきます。
これも広義の時制ですね。現在分詞で後の部分を引っ張って来ています。この形は日本語にはないので感覚的に理解するのが難しいですね。
>“Would you go get a pack of eggs?” という言い方を私ならしますね。
この辺の加減ってなかなか説明が難しくて、アジア人は母語の影響から必要以上に丁寧に書くので、探索を頼むとアメリカ人からすると堅苦しすぎると、かなり簡素に治されたことが何度かあります。
相手が家族ならWould はあまり使わないかもしれません。命令形も明らかに高圧的に言ってないなら、親しい人には日常的に使う人もいます。この辺も人の感覚で、日本語でも敬語、丁寧語しか使わない人もいれば、よほどのことがないとタメ口きく人もいるのと同じだと思います。
ともかく、本筋は我々にとっては卵は単数でも複数でも卵であり、1パックとまで指定せず、大家族でもなきゃ、1パックは当たり前だろう?と曖昧に指示するため英語の数の概念に混乱する、という話です。
シン
確か、日本の大学でも東京大学はTokyo universityに対して京都大学はThe university of Kyotoなんですよね。
意味は京大は我々は東大とは違うトップスクールだぞってアピールですかね?
いや、東大がthe university of Tokyo で京大はKyoto university です。
シン
すいません
逆でした。間違いました。
シンさん
すみません、英語の数の概念の話でしたね。
本筋が少しズレていたように思います。
私も留学渡米中に理解できなかったのは、people は既に複数の人間の集まりを指すのに、people’s と更に’s’と付けた使いまわしがあったりする事でした。渡米後しばらくたってから、一人の人間でもpeople と指す場合もあることに気付き、people’s は一人の人間を指すことは絶対なく、ある属性に類した集合体にいる集団の人達のことを指すのだなと。こういった概念は日本語にはないので、確かに混乱しますよね。
思うに、日本語はあいうえお~わをん まで86、アルファベットは26と圧倒的に日本語の方がひらがなだけでも数が多い分、また漢字も混ぜて使い分けができ的確に表現できるのと反対に、アルファベットを軸とした英語圏では、数の概念、冠詞のルール等を混ぜないと正確に表現できないのでは?と個人的にはそう理解しています。
ハワイ語はもっとアルファベット数が少なく、確か12か14だったか記憶が定かではないのですが、それくらいだったと思います。それゆえ、ハワイ語は同じ単語をいくつか重ねた名称が多かったですね。例えば、ハワイ州の州魚っていうのがあるんですが、’フヌフヌ・ヌクヌク・アプア・ア・ア’(Hunu Hunu Nuku Nuku Apua A A)という名前の熱帯魚です。
逆に日本語は数を数える時に 物なら一個、同じ発音でも一戸だと家、動物を数える時は一頭、でも鳥は一羽、なぜか うさぎも一羽 と ここらへんは外国人にはほぼ理解不可能なようです。
確かに日本語の数の数え方は外国人には理解不能なのと同じなのかもしれません。日本語には漢字がある分、同じ読みですら意味合いを変えることが可能ですが、英語はそうでない為、単語の定義、数の概念をしっかりとしたがるのでしょうね。
シン
一度、イギリス人の先生に英語の文章を見せたらずいぶん固い表現の文章書くねと言われることかありました。
It is ~ to ・・・をよく使うのですが論文書いてるみたいと言われたり、関係代名詞の後は長い修飾はあまり好きじゃないと言われましたね。
シンさんのおっしゃる通り、良心的な先生で日本人より日本語がうまい有名な研究者です。
ノンネイティブはよほどの上級者でないなら短文で前後関係が把握しやすい文章に心がけると、間違って伝わる可能性を制限できるということでしょう。
シン
イギリス人の先生曰く、車を運転するときに日本語だと英語みたいに左から右に読まないですぐにわかるのがいいとか言ってましたね。
免許の試験の日本語が難しすぎて何回も受験したそうですが、外国人で免許の筆記までできるのは語学の才能に恵まれた人だと思います。
授業はクソ厳しい人でしたが。
そんなに日本語の読みは外国人に難しいんでしょうかね?
ちなみに私はシンガポールの免許書き換え試験に一発合格しました!日本のシステムを採用しているらしく、意地悪な引っ掛け問題がありましたが、練習問題を一冊やるだけで合格できましたよ。
シン
アメリカのテネシーで、I would like a chickin .と言ったら、鳥の丸焼きが出てきて、恥ずかしい思いをしましたw
そういう意味ですからねw 相手は何も悪くないです。まぁ、明らかに英語ノンネイティブで一羽丸ごとは多いなら、確認してくれる親切心があってもいいと思いますがね。
シン