じゃあ、危機に接する

危機に接したときの対応が人間の真価を問われますが、多くの人は下記のようにします。

思考停止

自分の器で受け止められない事態が発生すると、多くの人は思考停止に陥ります。どんなにすごい人でも、それは同じだと思います。そこから、どれだけ早く立ち直って、今出来る、最善の策を練って、実行に移せるか、が出世する人、しない人のわかれ道なのだろうと思います。

ソフトバンク、孫氏でも、T-mobile USが買収できなかったのは計算外だったでしょうし、アメリカ政府の態度が覆らないことがはっきりした時は思考停止しただろうと思います。でも、ほんの数時間から数日で立ち直って、スプリントの経営改善のための策を練ったのでしょう。政権が代わって、巻き返しのチャンスが見えてきたところで、速攻、トランプ大統領と個人面談まで持ち込んでいるのは脱帽です。

おそらく、思考停止は人間に備わった本能で、きつい現実をまともに受け止めると、精神が持たないため、しばらくは考えることから強制停止、時間とともに忘れていく、という能力があるのではないかと思います。目の前が真っ暗になる、とか言いますが、それ自体はよいことなんでしょうが、そのまま放置するのが良くないのだと思います。

ブラック企業なり、グレー企業だと、体育会出身者が理不尽に対して、思考停止させて、仕事に取り組む、ということがありますが、自分自身を洗脳して、目の前のことに疑問を持たないようにして、精神的辛さから逃げている、ともいえます。間違っている、と思っていることを遂行するためには考えてはだめです。

希望的観測

根拠もない希望的観測を持って、なんとかなるだろう、と勝手に思い込みます。そして、周りを巻き込んで、道連れにしようとして、多弁になり、無理やり楽観的な雰囲気を醸し出しだそうとします。企業が末期に来るとき、ブラック企業、経営危機の会社が妙に明るい雰囲気になるのはこの為です。

赤信号、みんなで渡れば怖くない、というやつで、あまりにも多くの歩行者が信号を無視すれば、運転手は青信号でも止まるしかなくなります。Too big to fail (大きすぎて潰せない。)という状況になり、きちんと清算することもなく、税金で生き延びさせることも珍しくないのも事実です。

JALは複雑に絡み合った組合問題、市場価格を無視した賃金体系をきちんときれいにすることなく、100%減資で株主だけに責任を負わせ、税金を使って復活させましたから、リストラ回避できた人はほとんど無傷で切り抜けることができました。東芝でもこういう楽観的な雰囲気を感じます。

だから、危機管理能力が高すぎるのも問題で、根拠もなく、何とかなるだろう、と考えていて、実際にどうにかなることも多いので、危機に対して、対策が思い浮かばないなら、思考停止させて、楽観的に構えているのもありだと思います。ダメならダメで仕方ないですからね。

311の事故でパニックになり、自主避難して、人生をメチャクチャにした人も少なくないと思いますが、あの時点で、具体的にどのくらいの放射能汚染があるのか?、は誰にも分らなかったですし、今でも分かりません。しかし、今の暮らしを放棄して、突発的に避難してしまえば、具体的に失うものは大きかっただろうと思います。

現実逃避

目の前にあることと、関係ないことに熱中しだしたり、どうでもいいことを見つけてきてわめき散らして、現実逃避する、というのもありふれたパターンです。本業が行き詰った企業オーナーが本業そっちのけで趣味で始めた事業にのめりこむのなんかは典型的で、全力で取り組んで、数字が出ないため、適当にやっている、と言い訳するわけです。

学歴コンプをこじらせたバカな大学生が大学の勉強もせず、仮面浪人しだしたり、何の根拠もなく、ネットでマイランキングを披露したり、受験生時代に全然勉強していなかったアピールしたりするのは理想を追うために全力を尽くすなり、現実と折り合って、目の前のことを精一杯するでもなく、言い訳探しをしているのです。

こういうことしていると、可能性がどんどん狭まっていき、最後に残るのは拗らせた醜い自分だけで、まともな人にはどんどん相手にされなくなります。お金持っている人はお金目当て、若い女性は体目当ての人しか寄ってこなくなり、何も持っていな人は孤独になるか、同じような拗らせた人間同士で、信頼関係のない傷のなめあいをするようになります。

放射能によって、物理的な被害でなく、精神的な被害を受けた「放射脳」と揶揄される人たちは今更、放射能なんて、ただちに人体に影響がないことを認められないんですよ。だから、直接関係ない事例を持ち出して、無理やり放射能に結びつけたりして、現実逃避しているのだろうと思います。逆に認めたら、もっと精神を病んでしまう人もいるでしょう。

まとめ

危機に陥った時に状況を整理して、自分が取れる対策を用意できるならいいのですが、それができないなら、思考停止させて、楽観的に構えている方が生存率が高くなるでしょう。でも、目の前のことを真剣に取り組まず、どうでもいいことに熱中しだしたら、そうなってくると、取り返しのつかない状態になりかねないので、そこまでいかないようにすべきです。

出来るだけ冷静になるには何かを習慣づけして、精神状態を安定させる方法を確立させるべきなんでしょう。成功している人の多くは縁起を担いだりして、生活をパターン化しているといいますが、これは突発的な危機が起こったときにいつもの習慣を行うことで、落ち着きを取り戻したいからではないかと思います。

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、危機に接する” への 4 件のフィードバック

  1. 思考停止に陥ってから、現実に戻ってこられた人は、少し精神的に強くなっているのではないかと思います。

    そういえば、投資を始めたころ、ガクッと評価額さがって思考停止に陥ったことを思い出しました。
    よくある塩漬けは、こういう状態から陥るのかと身をもって体験し、こんなメンタルでは投資なんて続けられないと思い、
    私が取ったのは、下がろうが上がろうが、毎日評価額をチェックするという方法でした。

    最初はしんどいながらも、続けていくうちに徐々に苦痛でなくなっていき、少しはメンタルが鍛えられた気がします。
    今では日々の評価額の変化はほとんど気にならなくなり、心がずいぶんと落ち着き、今度は日々チェックが面倒になってきて、少しさぼっていますw

    自分の器を越える損失を出したら、また思考停止になってしまうかもしれませんけど、現実に戻ってこられるようになりたいですね。

    1. 私も評価額との付き合い方を模索しています。今、長期投資の勉強をしていて、企業価値と関係ないところで、評価額は動くので、毎日見ても意味ないし、その時間に他のことを考えていた方がいいと思いますが、毎日どころか、暇があると見てしまいます。上がっていても、下がっていても、さほど何とも思わないのですが、見てしまうんです。バフェットさんはおそらく毎日なんて見てないし、重要なIR以外はスルーしているはずで、そんな暇があるなら、決算書類でも読むでしょう。そこに何かが隠されているかもしれませんが、チャート、評価額と睨めっこしても、長期なら意味がありません。

      凄まじい下げは滅多にあることではなく、リーマンショックだとか、中国株で経験していますが、前者は案外冷静で、後者はパニックになりました。元々、怪しいので、全く理由がわからないからです。理由にすれば、いくらでも材料があります。

      こう考えると、理由のつかないものは気にせず、情報開示をしっかりしないものは買わない。上げても下げても理由のわかるものは適切な対応が出来ると、良い精神状態なんでしょうが、なかなか達観できません。

      難しいものです。

      シン

  2. 大前研一さんが著書で「日本人は問題があっても過ぎ去るのを待っている。」との指摘をしていました。風土柄、台風(問題)がきても家の中にいれば過ぎ去る(解決)からだそうです。
    今、日本はたくさんの問題を抱えていますが、どれも過ぎ去るものではなさそうです。

    1. 事勿れで放置しても、事態は悪化するような問題ばかりで、根本的な解決を目指さないと、大混乱するでしょうが、大混乱してからしか動かないのも民族性ですね。

      シン

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