じゃあ、橋下行政

リクエストをもらい、ずっとテーマにしているのですが、地方自治とは何なのか?を橋下行政から学びたいと思います。橋下行政とは「大阪都構想」であり、それは何なのか?ということが全てでしょう。

中央集権

言うまでもなく、日本は中央集権国家のであり、東京の政策に地方が付いていくし、地方に独自財源が少なく、国の顔色を伺いながら地方自治体は運営してます。実際、地方自治体首長も中央官庁出身者が多く、選挙で選ばれているとは言え、東京の植民地になっています。

中央集権は国の発展に有利な制度で、中央が決めたことに地方がそのまま従うため、国が一つの方向を目指して突き進んでいきます。それが明治維新以降の日本の基本体制です。藩主が東京に来て、政府が地方に役人を送って統治し、それが公選になっても本質的なことはあまり変わってません。

更に日本は一党独裁状態です。戦前は薩長門閥政権、軍事政権、戦後はずっと自民党政権です。つまり、政府首脳で決まったことが議会でしっかりと議論されることもなく、そのまま通り、そのまま地方に連絡されて、そのまま施行されていく、という「お上の通達」だったわけです。

これが悪いわけではなく、日本の明治以降の発展は素晴らしく、たった数十年で食い物にされる弱小国から列強にのし上がっており、明治維新のモデルケースは中国、朝鮮を中心に見習うべきやり方として評価されています。

今でも中国がインドをリードするのは中央集権の差が大きいだろうと思います。同じ大国、多民族国家ですが、中国は共通語を決め、共通ルールを決め、地方は中央から派遣された官僚がそれに従うだけなので、一度決まったことは徹底されます。

一方、インドは共通語は徹底されず、各地は各地のやり方に任せており、インド人同士ですら、英語でないと会話できない、その英語もほとんどできないインド人はザラにいます。中央で決まったことも、地方に行く頃には形骸化し、地方独自ルールに変わってしまいます。

地方自治

さて、日本の発展を支えて来た中央集権を変えなくてもいいじゃないか!っもいう意見もわからなくもないですが、これは開発余地が大きく残された発展途上国に適したやり方であり、発展が一定まで進んだバブルで終わりのやり方なんだ、と言うのが大前研一氏の平成維新の骨格的考えです。

大前氏はアメリカの大学を出て、アメリカ人の妻を持ち、米系企業で力を持った人なので、アメリカかぶれと言われることも多いですが、地方自治の考え方についてはやはりアメリカの州をモデルとして考えています。アメリカのあり方を日本にどこまで持ってこれるのか?は別にして面白いアイデアです。

中央政府は国としての基本的なことにしか介入せず、各地が独自のルール、財源を持つことで、特色を出していき、競争をして行くことが個性、質の高い生活に繋がっていく、と言うことでしょう。それを望んでない人が億出して、東京のウサギ小屋に住まなくても、日本はそんなに狭くもないのでは?、といいたいのだと解釈しました。

アメリカはDCが形式的な存在で都市としてはニューヨーク市の方が大きいし、経済規模はカリフォルニア州がぶっちぎってます。多かれ少なかれ各地に特徴ある産業があり、競い合ってます。日本でもそれが実現できるなら理想的です。

EUはある種の地方自治、分権であり、緩やかな統治によって各国が個性を持って、競っていきましょう、と言うものですが、勝ち組、負け組と別れてしまい、負担の多かったイギリスが出て行くことになりました。地方分権が必ず成功するようなものでないにしろ、先進国が進んでいく道なのでしょう。

大阪都構想

さて、橋下徹氏がしようとしたのは日本の第二都市圏である大阪を広域化して東京都と同じように一元化しようとしたわけです。それによって大阪がかつての勢いを取り戻し、東京に出来ないことを出来る都市として再生することを目論んだわけです。

実際、過去において大阪は商業の中心であり、堂島の先物市場などの先進的なやり方が生まれた土地でもあるため、東京にはない味があり、活気に溢れた街でした。それが、中央集権、東京一極集中が進むにつれて、何の特徴もない地方都市になってしまいました。

現状の問題点として、大阪府、大阪市が別々に行なっていた行政により、無駄、中途半端なことが累積し、借金まみれの行政運営を放置してきました。特にひどいのが大阪の公務員の堕落であり、中央官僚、市役所OBがトップに立つため、利権に触ることもできず、有耶無耶にしてきました。

市営バスの運転手が民間の倍報酬を受け取るとか、業務と関連の薄いものを業務用として無料で配る、とか身内に甘々の運営をしてきたわけです。自治体首長としては支持層が公務員、その関連に連なるであるなら、そこに切り込むわけがなく、借金を増やすことを何とも思わなくなったわけです。

橋下徹氏の上手いところはここを前面に押し出したことです。はっきり言って大阪都構想は難しいです。その内容を把握するにはかなりの知識と努力が必要です。だから、ほとんどの人は理解できないし、しようともしません。でも、公務員の無駄遣いをやめせる!というのはわかりやすいので、橋下支持に回るわけです。

大前研一氏の平成維新はもっと難しく、あまりにも理論的すぎる為、政治家、官僚には有意義な提案かもしれませんが、一般人にはちんぷんかんぷんであり、だから、都知事選でわかりやすい青島氏に惨敗したのだと思います。深いことを考えたくない人の方が世の中には多いです。

さて、話を戻すと、橋下氏の構想としては大阪府、大阪市、堺市を一元化して、監督官の役割に制限して、各区の権限を大幅に与えることで、競争し、独自性を持たせ、その枠を広げて広域都市として大阪府を変えていく、というものであり、これが成功すれば、各地に広がる可能性があり、日本が変わる可能性を見出したわけです。

橋下氏は最終決戦に敗れるわけですが、敗因は中途半端に国政に手を広げたり、素養、経験のない人間を身内に入れてしまったことで、不祥事、足並みが揃わなくなり、「漠然とした不信感」を有権者に与えてしまったことだろうと思います。元々、大きな変化は怖いものであり、勢いが必要ですが、その勢いが政策と関係ないことで削がれたわけです。

まとめ

よく考えてみると、極めて面白いことをしており、成功すれば、まさに維新になっただけの大事業になったでしょう。私個人としても、中央集権は十分なので、もっと個性ある地方を作っていくことを望んでいます。東京のミニチュアが地方にあっても、何の魅力も感じません。

日本の新しいモデルケースとして大阪が地方分権をやってみたら、面白かったと思いますが、橋下徹氏は政治家を辞めてしまいましたし、残っているのは小粒な政治家だけですので、頓挫してしまった、という形です。何か継続できる方法がないのか?と思います。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、橋下行政」への9件のフィードバック

  1. 良い記事です。
    大阪都構想が否決された時、速報内容に目を疑いました。
    当時、橋下さんなら可決されるだろうと、外野の私ですら思っていたからです。

    現状維持では衰退あるのみで、橋下さんに変革してほしかったです。
    あれだけ才を持っていたので、政治家を辞められたのは残念です。

    ところで、都構想否決後から、インバウンドや地方創生がよく取り上げられるようになりました。
    今の難波の盛況をみるに、大阪都構想で観光客向けにグンとアプローチできていれば、
    更なる成長につながったのでは。と素人目に見ても思いました。

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  2. 私も否決でがっかりしてしまいました。
    たしか、若者は賛成が多く、高齢者は反対が多かったですが、
    改革と言っても老い先短い高齢者に響かず、現状維持を望むのも当然かなと思います。

    住民投票の再実施を目指しているようですが、実施できたとしても、橋下さんが裏方に回ってしまい熱も冷め、また否決しそうな予感です。

    イギリスのEU離脱は移民の流入などの負担増で、もはや待ったなしに追い詰められたから可決したと思いますので、
    大阪ももっと追い詰められないと大阪都構想は難しいのかもしれません。

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    1. 今更、住民投票しようが、カリスマは神輿は降りており、時すでに遅しです。どうにもならないくらい大阪が衰退して、カリスマの復帰を待ち望む声が満ちて暴発しかねないくらいの力になったら、先に進むかもしれませんが、現状ではこのままでしょうね。

      シン

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  3. 大阪府民は自分たちでチャンスを逃して、馬鹿なことをしたなと思います。

    敗因ですが、周りの意見を聞いてると以下のように思いました。周りでは反橋下氏の年配の方々が多かったです。
    ・現在のままで何が悪いか分からない
     →財政がやばいと言っても、具体的にどうなるか予想ができない
    ・いきなり変えようとしてきて怖い
     →年をとった者は変化に対応できません。橋下氏の場合、信者がいるので一見カルト的な怖さもあります。
    ・既存公務員、メディアからの反発
     →中田市長のときもありましたが、メディアが足を引っ張った感があります。世論ってなんであんなに流されやすいんでしょう?脳みそあるのかな?といつも不思議に思います。

      脱線しますが、暑いのに「12月だから」「みんな着てるから」とコートを着たり、その逆もあります。超簡単なことなのに自分で考えて行動しない人が多すぎます。そのほうが楽だからでしょうけど。

    力ずくではなく、優しく懐柔する必要があり、このままではどうなるのかを具体的かつ実現性を加味して発信するべきだったのかなとおもいます。正しいことをするだけでは変わりませんからね。自分にも言い聞かせなければな、と思います。

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    1. >力ずくではなく、優しく懐柔する必要があり、このままではどうなるのかを具体的かつ実現性を加味して発信するべきだったのかなとおもいます。

      これをどうすればいいのかわかりません。現状維持を望んでいる人、変化を嫌がる人、他人と同じでないと気が済まない人はいくら優しく懐柔しても動かず、怒りの力がないと事態が進展しません。ブリグジットが起こったのは移民に対する怒りであり、離脱にメリットを感じたわけではないでしょう。

      政策理論を学ぶ気がない人の方が圧倒的多数なのでいくら噛み砕いても理解はしてもらえないでしょう。だから、わかりやすい対立軸を作り出すのが落選なんでしょう。

      シン

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  4. シンさん
    リクエストの記事書いていただいてありがとうございました。

    私が元々、平成維新という内容でリクエストしたこともあり、その肝である道州制を中心に橋下行政についてシンさんにまとめて頂きました。

    そのおかげで、大前さん・橋下さんがやりたかった道州制の意義と狙いについては理解が深まりました。
    ありがとうございます。

    一方で、橋下徹氏の政治家としての功績についてはあまり記載がなかったので、リンクを貼ります。

    橋下徹氏の功績って?
    https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12182625182

    yahoo知恵袋の回答なのであまり期待してなかったのですが、魚拓でもとっているのか?と、思わざるを得ないほど詳細に橋下氏の功績が記載されています(これでも一部らしいですが)。

    圧巻なのが、自身の報酬を大幅カット + 職員の給料もカットしつつ、行政的にかぶっている内容や、無駄な内容について大幅に削減を行い、大阪府の財政を黒字化させたこと。

    黒字化させただけでなく、私立高校の無償化・低年齢の児童の医療費補助拡充など、少子化対策につながるような部分については、思い切ってかなり手厚い保障を実施しています。

    これを見て、橋下行政の凄さについては疑う余地がないでしょう。

    大前氏が仮に都知事になっていたら、昔はもっと財政的に余裕があった + マッキンゼーチームの協力も得られたということで 橋下氏以上の改革がなされた可能性が高いと感じました。 そういう意味では非常に残念ですが、彼の政策は非常に難解 + ドラスティックにすぎるので賛同者が少ないでしょうし、下手すると暗殺されそうな勢いです(本人も言ってましたが)。 まあ、そういう意味では一歩引いた距離でいる今のほうがいいかも向いているのかもしれません。

    現在は橋下氏も一歩引いて政策の助言をしていますが、将来的にハイパーインフレなどの要因により、まともに行政が機能しなくなったら、中央政府のスモールガバメント化 → 道州制の機運は否が応にも高まってくると思います。

    そうすれば、距離を置いて好きに動けるポジションから、橋下氏や大前氏のような人が指揮を取って、しがらみが少ない状態で動ける可能性はあるのかな?と、思います。

    そうなると、痛みはかなり伴うにしても 無血改革で悲願の道州制が成し遂げられる気がします。
    まるでパンドラの箱に残った一筋の光のようですね。 

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    1. 大前氏がバブルの頃に政治家になっていたら面白かったと思います。年齢的にも働き盛りで、日本に余力があり、変化に耐えられるだけの体力があったと思います。橋下氏ですらギリギリです。これ以上はどうにもならなくなって爆発しないと変わらないだろうと思います。

      リーマンショック以降の日本の凋落は顕著になり、悪習だけがそのまま、古き良き日本は消えてしまいました。これはマズイなぁ、と思いますね。

      シン

      1+

  5. はっきり言って大阪都構想は難しいです。その内容を把握するにはかなりの知識と努力が必要です。だから、ほとんどの人は理解できないし、しようともしません。でも、公務員の無駄遣いをやめせる!というのはわかりやすいので、橋下支持に回るわけです。

    政治が、選挙で大きく変わる時は、選挙民の意識の中に「怒り」があるのは、シンさん、ご指摘の通りだと思います。
    橋下氏が、当初大阪であれだけの支持を得られたのは、「公務員の無駄遣いをやめせる!」ということで、選挙民のなかに鬱積していたものを橋下さんならやってくれるだろうという期待感からだと思います。
    都議選で小池さんが都知事就任した時も、自民党都議会の中に、なんだか得体のしれない悪いのがいて、そいつが都議会を牛耳っているという(本当のところは私にはよく分かりませんが)対立軸を作ることで、うまく選挙民の「怒り」を煽り圧勝したのだろうと思います。
    民進党が政権を取った時も、今の自民党ではだめだという「怒り」にも似た空気が漂っていました。

    橋下さんくらい口が立ち、行動できる政治家、何より自分のことより選挙民のために行動する政治家は、そうそう現れるものではないと思うので、橋下氏が引退したのは大変残念に思います。

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  6. まあ、民主党みだぐ実際にやっぢまうど叩がれっがら、惜しまれで、やんねえのが、ボロが出なぐでいいがもな。

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