じゃあ、サラリーマン社長

サラリーマン社長の評価ってすごく難しくて、オーナー社長に比べると、非常に曖昧な役割の人たちです。

政治

サラリーマンが社長になろうとすると、何よりも大事なのは政治力であり、後は運だと思います。自分で始めたわけではないので、最初からトップとして舵取りするわけでなく、人に仕えながら、徐々に登っていくので、時の権力者に嫌われたり、タイミングが悪いとそれで終わりです。

そうなると、「政治力も実力のうち」「運も実力のうち」なので、実際の経営力はあまり問われてない、とも言えます。創業オーナー社長は資金を集め、集中投資、回収して、再投資、という投資家としての実力が要求されますが、サラリーマン社長はそんなことしなくても運営できます。

確かにサラリーマン社長ではあるけど、傾いた会社、平凡な会社を成長させた人もいるんですけど、そういうのは例外的で、ほとんどのサラリーマン社長はうまく社内政治に勝ち残り、社長の座を掴んだだけです。そして、特に問題がなければ、前例に沿って運営すれば、利益が出ます。

遺産

ある程度の規模の会社になると、今までの有形無形の遺産があるので、そんなに経営が難しいわけではありません。過去に築いた資本、内部留保があり、固定客、サプライヤーがいて、銀行からの借り入れも信用があるので、審査が楽です。

だから、経営が落ち着いた状況でサラリーマン社長になったら、4-5年の任期くらいを滞りなく務めるくらいはなんの実力もいらず、現状維持しながら、明らかに時代に合わなくなったシステムの改善さえしていれば、いいからです。

オーナー企業の二代目がかなりの無能でも、案外、簡単には潰れないのと同じことで、会社は減収減益を繰り返して、きれいに右肩下がりになるでしょうけど、10年くらいはなんとか存続してしまうものです。創業社長が無能なら、3年続けば、よく頑張った方です。

他社

プロ経営者、と言って、何社かの雇われ社長をする人っていますけど、その度に会社を成長させる人って記憶になく、ある会社を大成長させれば、その会社が手放さないので、転職する人は無能だとも言えます。

でも、一度、有名企業のサラリーマン社長をやると、名前が有名なので、大した実績がないどころか、倒産の危機に落として、会社が追われても、白羽の矢が立ち、仕事に困らないものです。有名企業でサラリーマン社長をしたことがある人が少ないし、ブランド力で判断します。

劉邦が韓信の登用に懐疑的だったように、いくら天才的な人物でも、どこかで経験したことがある、という事実なしに外様を登用するのは難しいからでしょう。本当に眼力のある人は滅多にいないので、天才を知るのもまた、ある種の天才なんでしょう。

まとめ

ルノー日産のゴーンさんがやったことって、単にリストラなんですけど、彼が外国人で、外圧を背負っていたから出来たことであって、日本人には出来なかったんですよ。やったら、日本に住めなくなるくらい追い込まれたでしょう。

ゴーンさんにGM、Fordなりの再建をさせてみたいですけど、ルノーの資本が入ってからだと、また、違う話になるので、ルノーをクビになり、外圧なしにやって、日産と同じことが出来るのでしょうか?まぁ、ルノーの王様になってしまったので、実現はしないでしょう。

日本人の伝説サラリーマン社長なら、ファナック、稲葉清右衛門さん、信越化学、金川千尋さんなんかが他社で社長をやると面白いですが、彼らは高齢すぎて、実現の可能性はほとんどゼロだと思います。

アップルで名を挙げた原田さんは結果を出せずに点々としてますので、たまたま運が良かっただけなんでしょう。シャープの片山さんはこれからですが、もしかしたら、永守会長から、後継者指名を受け、日本電産をさらなる飛躍を持っていくかもしれませんが、まだ始めたばかりです。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、サラリーマン社長” への 8 件のフィードバック

  1. 子供のとき、サラリーマンをずっと頑張っていると最後は社長になるんだと思ってました。

    大人になるとだんだん経営と労働はまったく別物だとわかってくるのですが、、なれるんですねw サラリーマンから社長に。一応。

    実態は社内政治の極みみたいな存在で、なったところでオーナーに詰められ、株主に好き放題言われ目茶苦茶気をつかいそうです。並大抵のメンタルじゃ務まらないと思います。。

    本人はあまり楽しそうじゃないですが、以前の経営者の記事にあったように、自分がサラリーマンで勤めるなら、サラリーマン社長の会社が良さそうです。

    何でもアリの投資家社長より常識人っぽいイメージです 笑

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    1. サラリーマン社長は実はトップじゃないので、やはりオーナー社長を目指すのが正解ですが、仕えるなら、サラリーマン社長の方が数年で変わるし、常識的なことも多いでしょう。

      アメリカでは株主にゴチャゴチャ言わせないためにオーナーは議決権10倍、サラリーマンのストックオプションは議決権なし、とか言う不平等株式が新興企業では当たり前になりつつあります。それだけ株主はうざいのでしょう。

      シン

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      1. サラリーマン社長は実質株主と取締役会を納得させられる範囲内でしか経営判断できないので、どうしてもよく言えば常識的、悪く言えば凡庸な経営しかできないのは仕方ないですね。株主や社外取締役なんて事業自体に精通しているわけでもなければ、衆愚的な批判を繰り返すことも多いし、その反対を押し切ってまで雇われ社長が正しい経営判断をしたところで、善管注意義務違反で訴えられるリスクもあります。日本のリーマン社長は巨額報酬貰ってるわけでもないのにそんなリスクは割に合わないです。

        逆に言えば、社長というのは株主・投資家を納得させるのが仕事なので、突き抜けた発想の経営判断を強引に納得させてしまうカリスマを持っていれば、ジョブズや古くはウェルチなどのサラリーマン社長でありながらオーナー社長ばりの独裁を敷けるのでしょう。

        世の中の偉大な事業の多くは独裁体制でないと実現不可能だったものも多く、ワンマン社長の独裁が特に悪いとは思いません。森ビルなんかもそうですが、六本木ヒルズやアークヒルズなんてあんなの非上場のオーナー企業でないと何十年もかけて地上げなんてできなかったと思います。友人が働いていましたが、オーナー企業の例にもれず一種の宗教団体のようなもので、信徒になれないのであれば脱退するしかないのは同じのようです。

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        1. 優良企業でも、オーナー企業は宗教じみているので、合わない人には辛いでしょう。まして、ブラックだと、洗脳されてないとやっていけません。

          サラリーマン社長で強烈な個性で突き抜けても、日本企業だとそこまでの旨味はないですが、サラリーマン社長が大株主でもないのに会社を私物化することはあります。ファナックは稲葉家の私物化しており、孫が三十そこそこで取締役就任して、世襲体制を確立しつつあります。アメリカにこういうことはありません。

          ジョブスは二期目も個人大株主なので、純粋にサラリーマン社長という立場ではありませんでしたが、持分からするとサラリーマン社長に近かったと言えます。

          個人的にはサラリーマンやるなら、自分の技術を磨きながら、適当にやれる会社がいいと思います。はまり込んで、人生つぎ込んでも、見返りが少なすぎます。

          シン

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    2. ダーさん

      ユニクロの柳井氏、ソフトバンクの孫氏もついていくのは大変で結果を出してなければただのブラック企業ですよ。ワ⚪ミの社長なんかは狂ってます。
      私も経験があり思うことは、何かしらずば抜けている人に仕えるってのは大変でその人に惚れ込んでいたり、素養がないと精神的、肉体的にキツいです。

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      1. 経営側から見たら人件費ってコストですもんね。シビアにやるほど労使の利害が相反します。

        真のブラック企業はもっと酷くて
        効率もなにもよく考えてないので、まったく利益を産まない意味不明の謎作業を、延々と夜中までやらされたりします。法律もガン無視します。

        ですがそういうブラックって
        どっぷりと中の人になってしまえば実は意外と楽です。上の方の人間は筋道の通らない個人的なわがままでも、大声出せば通すことができます。

        私はどっぷりまではいかないですが下っ端でもないので両方見れるのですが、
        ブラック中小の労使は会社組織というより中世の王様と奴隷のような関係です。

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        1. ダーさん

          謎作業や効率が悪い仕事って私の感覚ですと実務の能力がないことを証明してるようなものですよね。
          実務というのは、頭を使うししんどいんです。会議で時間潰れるって頭使わないし、意味不明な資料に時間かけるので。

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          1. ニコさん

            もちろん正当に能力を評価される環境があればそうなんでしょうが、
            ブラック企業はちゃらんぽらんなので、客観的な市場価値が反映されにくいです。
            適材適所が成り立っておらず、スキルと仕事内容が関係ないことも多いです。

            たとえば英語圏の外国の取引先の対応をするのに、他に英語を喋れる人材がいてもワケのわからないことに拘って日本語しか喋れない担当者をつけるとか、
            技術を持ってる人でも上が気に入らなければ、唐突に遠方の全然別の職種に左遷されたりします。
            逆にただの事務員やルート営業なのにやたらと権力を持っている人もいます。

            私の会社の場合は少し事情が特殊なのですが、元々はある超ニッチ分野の小さな会社でした。
            ある時期その分野の需要が急拡大し、会社も急成長しました。その後は旨味を知った競合が増えてしまい現在は絶賛凋落中です。
            ただ凋落中とはいえ、一応短期間で急成長をしたという経緯があります。

            この場合は能力よりももっと重要なのは入社時期で、私はまだ会社が小さいときに入社しているので中堅よりやや上くらいの扱いです。
            入社10年少しですが、人数のバランス的には大半の社員が後輩にあたります。

            自分で言うのもなんですが、おそらく私の場合は自分の能力の市場価値より待遇は良いです。
            会社はブラック企業ですが、私が直接ブラックな仕打ちを受けることもありません。この辺りにギリギリメリットを感じています。

            山高ければ谷深しで急激に崩壊しています。
            そのうち沈む泥船ですがしゃぶれるだけはしゃぶってやろうと思ってます w

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