じゃあ、ホテルビジネス

ホテルビジネスについてリクエストがありましたので、考察してみたいと思います。

不動産

ホテルビジネスはほとんど不動産ビジネスだといって良いので、今から手を出すとなると、実家が裕福で、資金を引き出せる人しか直接的にホテルビジネスに関わることは出来ません。新興ホテルチェーンですら、創業者は日本が高度成長期に手を出していたり、家業を継いだ人だったりします。どうしても、と言うなら、出資者をかき集める必要があります。

いつもこのブログで言っているように、衰退期に入った、人口オーナスの日本で不動産に手を出すなら、よほどニッチに攻めないと、資金をかき集めて、ぶん回しているだけで、苦しい時期さえ乗り越えれば、いずれは収益化が可能、というような山師的、度胸一発では遠からず破産が待っているでしょう。

つまり、借り入れを少なくして、ほとんどを自己資金でホテル向け不動産を調達して、それを上手く回していくニッチスタイルを確立しないとダメです。多くの新興リゾート企業は老舗旅館など、旧来型のビジネスで行き詰ったホテル業をほとんど買い叩くような形で仕入れて、各社それぞれのノウハウで再生するスタイルを取ります。

オンライン

観光産業はここ数年で一気にオンライン化して、航空券、ホテル手配のプラットフォームは乱立して、それどころか、プラットフォーム比較サイトすら乱立して、過当競争になり、更にAirBnBの圧倒的な普及で、民泊は世界中、どこでも当たり前になりました。(一部、規制のある国、地域はあります。)

ほとんどサービスの変わらない「コモデティー」であるなら、壮絶な価格競争になり、手数料をもらっているだけのプラットフォームプロバイダーですら、手数料の値下げ競争をし、サービス提供者はあり得ない位どんどん苦しくなります。同じフライト、ホテル、時期でオンラインで検索して、最も安いサービスから予約するのが当たり前です。

観光都市、パリではAirBnBがあまりにもホテル業を侵食して、経営を蝕むようになり、組合がAirBnBに正式に抗議をしたり、シンガポールでは治安の問題から、民泊を禁止にしていますし、日本でも不透明なルールで、近隣住民とのトラブルが耐えなくなりつつあります。一般的なワンルームにバックパッカーが数人、毎日入れ替わっていて、トラブルにならないわけがありません。

経験

こうなってくると、差別化するのは「経験」だけになってきて、価格勝負でなく、何かしら特別な経験を提供することでしか、一定以上の価格をつけられなくなります。だから、新興ホテル企業はここに注視して、経営をしています。

外国人のインバウンドを狙ったホテルなら、餅つき、かまくら作り、お祭り、といった日本の伝統行事を数日に詰め込んだパッケージを提供したり、旅館は浴衣を提供して、周辺を歩き回れるように行政、地域とタッグを組んで、一体とした雰囲気作りを心がけるようになりました。

逆に出張など、社用族はホテルに寝に来るだけで、他のサービスをほとんど利用しませんので、余計なことをすべて省き、コスパ重視で、部屋の広さをさほど気にしませんから、部屋数を増やして、薄利で、利用者を増やしたり、プリペイドカードの提供など、キックバックのようなパッケージを用意する、朝ごはんを充実させるなど、コンセプトを明確にしています。

まとめ

人口オーナスに入った日本で観光立国はしていかなければならない大きな課題であり、行政はもっと地域社会を活性化させるための援助をして、外国人が気持ちよくお金を落とす、周辺都市から人を呼ぶ、そこに住む住人に愛される街づくりをしていかないと、経済が回りません。

アイディア、IT知識があれば、元手のほとんど要らないプラットフォームプロバイダーはともかく、実際に不動産を持ってビジネスをするなら、元から裕福でないと、手が出せないので、アッパーミドル出身で野心的な若者に新しいサービスを始めてもらって、一石投じてもらいたいな、と思います。

日本各地どころか、世界各国との観光客の取り合いが進んでいますので、日本勢もお互いに切磋琢磨して、安易な安値競争に走らず、高いものを買ってもらって、御礼を言われるような取り組みをしてもらいたいものです。

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、ホテルビジネス” への 4 件のフィードバック

  1. 地域にもよりますが、民泊が3000-4000あたり(カプセルホテルとほぼ同じ)、安いビジネスホテルが5000-6000でしょうか。
    そう考えると民泊ってそんなに安くもない気がするんですよね。
    ただ、ホテルはシーズンで値段がかなり違うので(某女社長のとこなんかひどい…)、民泊の方が安く安定してるイメージはあります。

    これから東京オリンピックがあるので、東京では悪くないビジネスになるんじゃないのかなと淡い期待を寄せているのですがどうでしょうか?オリンピックだけじゃ弱すぎますかね。

    1. 民泊も経験を売っているところがあり、パリなんかは普通のアパルトマンに一週間くらい居着いて、パリジャン、パリジェンヌを体験するようなコンセプトなので、安宿より高いこともあります。

      民泊がこれからもっと競争するようになると、渋谷系の一週間、と言うようなコンセプトを売るようになると思います。

      日本には観光資源が沢山ありますが、イマイチ活かしきれてないので、もっと色んな意見を出し合って、他の国から観光客を奪う努力をすべきだと思います。

      シン

  2. 一定期間(東京オリンピックまで)東京限定なら日本不動産投資もありだと思います。
    1)外国人向けに販売。
    2)来訪外国人の宿泊。

    1)は海外で資産を持ちたい某国民向けの需要。
    2)は東京オリンピック目当てで来訪の外国人需要。

    民泊も話題にありますが、ネガティヴイメージ(住宅地でマナーを守らない)があるので、分譲マンションでは、規約で民泊転用禁止にするケースがあります。よって今のままでは日本で普及は難しい感じがします。

    東京オリンピックをきっかけに外国人来訪者向けの整備が進めば良いと思います。(レンタルサイクル施設の普及など)

    1. 不動産投資の短期勝負はまったく意味ないので、今更、東京オリンピック特需を期待した投資は危険すぎると思います。リーマンショック明けの投げ売りを買っている人は東京オリンピックが楽しみでしょうね。

      シン

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