じゃあ、ハイパーインフレ

ハイパーインフレ、と一口に言っても、その幅が問題であり、今までデフレを続けてきた日本にとっては5%インフレでもハイパーインフレと言えないことはありません。

ジンバブエ状態

日本がジンバブエ状態になることはありえません。仮にあったとしたら、世界は北斗の拳の世界に突入するはずなので、貯金しようが、金塊持とうが、暴力が支配する世界になるので、諦めましょう。

どうしても不安な人は肩パットに鋲のついた革ジャン、モヒカンのカツラ、大型バイクを買っておき、部屋で「ヒャッハー」と叫んで、来るべき暗黒世界を生き抜くために筋トレしておくと良いと思います。

衰えたとは言え、世界第3位のGDPを誇る日本円が完全に壊れることになれば、世界経済も終わりで、収拾がつけられなくなるでしょう。まず、米国債の処理問題があるので、いきなり日本円がハイパーインフレすることはありません。

倍プッシュ

私は日本の物価がいきなり倍プッシュくらいなら、あり得ると思っています。バブルの頃から、ずっと20年以上デフレしているので、溜まり溜まった振り子の力が一気に振り下ろされることはありえる、と考えます。

事実、他の先進国物価は日本の倍以上なので、そこまで一気に上げていっても取り立てて変だとは思いません。給与も上がるでしょうし、株価も上がるでしょうから、しばらくは混乱するでしょうが、正常な方向に向かうと思います。

こうなると、老人から合法的に貯蓄を奪い、借金を半額に出来るので、日本の財政状態は一気に改善されます。老人は日本円現物を信じ込んで、外貨建、株価に資産分散してない人も珍しくないので、そういう人から無慈悲に奪うような形になります。

緩やかなインフレ

安倍首相、黒田総裁が目指しているのは緩やかなインフレなんですが、これはうまくいった例がほとんどなく、通貨流通量を増やしても、それが実経済に回らず、投機マネーになるので、あまりインフレしないんですよ。

日本より先に衰退している欧州では消費文化が廃れ、スローライフを楽しむ文化になったので、お金を持っていても、華やかにお金を使う人は少なく、多くの人は必要な物を必要なだけしか買わないので、一足先にマイナス金利を始めて、無理やり使わせようとしたわけです。

だから、日本も規制緩和による通貨のバラマキをしても、あまり効果がなく、お金を持っている人でも、わかりやすい成金的使い方をせず、貯金に回ってしまうだけです。バブル世代の定年で購買力が下がったら、もっと使わない世の中になるでしょう。

アメリカが先進国で唯一成長していくのはアメリカ人が消費大好き人間だからです。少し余裕が出ると、お金を借りて、家だ、車だ、外食だ、とガンガン使うので、お金が回って、市場規模が大きくなるのです。国民総バブル世代、とでもいう国なんですよ。

まとめ

ハイパーインフレがどの程度か?、という私の予想ですが、デフレの反動、他の先進国レベルに物価上昇という常識の範囲を超えないと考えており、経済の基本である振り子の原理が働くだけだと考えています。そして、上りより、下の方が速いです。

なんにしろ、日本円現物の一本足打法で臨むのは危ないので、ポートフォリオの一部を外貨建にしておくと、良いだろうと思います。その上で、ETF、商品なり、REITなりで、リスクヘッジしておくと良いだろうと思います。

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CI
7 years ago

確かに日本人はデフレ慣れしすぎて、インフレ対策をほとんどしていないですよね。

資産を日本円で現金に近い状態で持つというのは、将来デフレが続くことに100%賭けている状態で、
偏った資産配分はリスクが大きいと思います。

かといって、金融機関に相談にいったらろくな商品を薦められませんから、
自分の頭で考え、正しい情報を入手し行動するしかないと思います。

あと、現在低金利だといって住宅ローンを変動金利で借りている人は、インフレ局面では痛い目にあうことも想定しなければなりません。
もし、給与がインフレに追いつくのにタイムラグがあった場合、破綻してしまいます。
痛い目にあわないとしても、給与の上昇と共に変動金利が追いかけてきて、あまり気分の良いものではないでしょうね。

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ゼロカロリー
7 years ago

ハイパーインフレは、人的資産が金融資産に比べ相対的に少ない方々にとってはかなり恐ろしいでしょうね。若くて健康な人はハードリセットがあってもどうにかなりますから。戦後の焼野原から復興した時のように、若者が活き活きするでしょうし。私を含め庶民は体を鍛えるのが実は一番のリスクヘッジではないでしょうか?

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チバ
7 years ago

消費者物価指数を数値で追いかけてるんですが、ここ最近で日本の急激な物価上昇(インフレ)があったのが1970年代でして、70年の物価指数を仮に1とした場合、77年までの7年で約2倍、81年までの11年で約3倍上昇してます。
この間にあった世界的な出来事はニクソンショックとオイルショックです。

当時サラリ―マンだった団塊世代に話を聞くと確かに急激な物価上昇(インフレ)はあったが、同様に給料も上昇していったため何とかなっていたとの事です。
シンさんのお話しされた2倍の物価上昇(インフレ)がどのくらいの期間で起こるか。
物価上昇(インフレ)の際に給料が上がらないスタグフレーションにならないか。
小市民が生活に困るかはこの辺りが肝なんだと思います。

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ダー
7 years ago

感覚的な話で恐縮なんですが、
ここ数年、消費税の影響もあってか食料品が高く感じます。

ですが衣服に関しては安いファストファッションが主流(私だけ?)な気がします。

なので多少インフレになっても不必要に高いものはどうせ売れずに適正価格に収束するように思います。

経済が先細りの日本で、もしインフレになっても給与も同じ様に上がるとは思えません。

現実的には庶民は
記事に書かれてる欧州的なスローライフにならざるを得ないのではないでしょうか。
国単位だと社会保障を食い潰しながら、騙し騙しの延命になるんでしょうが、
どうしようもない気がします。

個人的には、それならそれでちょっと楽しそうです 笑

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ベル牛
1 year ago

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻するhttps://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797

>>ということで、もうどうにもならない。国債の暴落、日本円の暴落、物価高騰、強烈な増税による政府債務の帳消し、どれかは絶対に避けることが出来ない。そしてどれを選んでも日本国民は死ぬ。

金融政策については 難解すぎて理解できないのが本音ですが、最近黒田総裁の表情が洒落にならない位暗かったのと、最近の日銀の動きなども 見た感じこの記事通りの顛末になるっていうのはかなりしっくり来ました。 このままIMF管理下に置かれて 大幅な歳出削減(社保を削るしか無いと思いますが)して 借金返済の日々になるのかな?という印象です。

韓国の通貨危機時には
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb1849b093cb1c8c6f884a62144b1647b58e0904

・IMFの要求をのみ 大幅な規制緩和や、自由貿易などの 要求を呑んだ
・失業率が大幅に上昇し 2%台 → 7%台へ
なったそうです。 日本の場合 さらにかなりのインフレになるでしょうが 他国への影響を考えると シンさんが昔仰ってたように 物価が2倍程度で 北欧先進国位の水準である程度落ち着くので無いかと思います。

国債償還の為に当分働かないと行けないですが。 日本っていまの社会保障制度維持しようとすると
2040年には国民負担率7割位になるそうで、実質高齢者にお金送ってるだけなので 不毛感やばいので 個人的にはこっちのがまだずっとか良いなというのが 偽らざる本音です。

稼いだお金の7割も取られて 極貧生活するくらいなら 失業リスクで野垂れ死にの可能性があっても、 インフレと円安を甘受しまだ足掻けるだけ足掻くほうが 良いとは思います。 

社会保障制度大幅圧縮はほぼ間違いないので、病気にならないように体調管理は マジでちゃんとせなあかんなーとは思いますけど。

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老うさぎ
Reply to  ベル牛
1 year ago

ベル牛さん

ハイパーインフレ及び財政破綻がご心配ならこの動画を2本を参考にされては如何ですか?

https://www.youtube.com/watch?v=kk6JN-3YeLg

https://www.youtube.com/watch?v=psN8NiPIzm8

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コロナの女王
1 year ago

現実的に緩和継続しか選択肢はないでしょう。今更もう後戻りできません。
ハイパーインフレでないなら物価が1.5〜2倍になるくらいだったら、いいんじゃないですか。

この30年、他国と競争して経済成長するより、老人主権国家維持のため社会保障にひたすら突っ込み、周回遅れになったツケを払うわけです。
老人が選挙に行き老人が権力を離さず、将来に負担をひたすら押し付け、散々甘い汁を吸ったのだから、今更外貨を持たない、固定収入がないなどと老人が文句を言う権利もありません。
一時的に国民の痛みは伴いますが借金帳消しと社会保障削減と国は最大の癌を退治でき少しは元気になるかもしれません。

2+
ベル牛
Reply to  コロナの女王
1 year ago

老うさぎさん
ありがとうございます。

高橋先生の 動画拝見いたしました。 
高橋先生の意見に同意いたします。 30%以上のインフレが 急に起こることはほぼ無いと思います。
日銀 + GPIFの投資金額が大きすぎて そこまで急激な円安が起こったらそれこそ世界恐慌になりかねません。

万が一 IMF管理下になるなどして 国債返済に大幅に予算をさく必要があるなら 社保の大幅圧縮は避けられないですし 現役もダメージでかい施策になる可能性は高いので 自衛策として 体調管理は今以上に気をつけないなとは思いました。

コロナの女王さん

>>現実的に緩和継続しか選択肢はないでしょう。今更もう後戻りできません。
ハイパーインフレでないなら物価が1.5〜2倍になるくらいだったら、いいんじゃないですか。

私も正直そう思いますし 生活費くらいなら それで給料据え置きでも 数年くらいならぜんぜん大丈夫です。 なにかいうと 老人イジメだ! 高齢者を殺す気か? こんな危険なことするな!とか
日本に必要な変化をことごとく反対してきた 高齢者には キツイお仕置きは必須です。

個人的には団塊世代は逃げ切れると思ってましたが、 厳しいかもしれませんが 私含め溜飲が下がる人は多いのでは?

借金の問題・ 社保の問題退治できれば、中長期的には 能力のある日本人は大幅に良い生活を送れるようになると思いますね。 

ロシアがハイパーインフレになったときも 外貨を稼げた若い人は結構いい生活してたそうですし。

2+
ベル牛
1 year ago

ハイパーインフレについては
実際にロシアで なったことがあり その記事がありました。

「遠からず世代闘争が尖鋭化」 大前研一氏インタビューhttps://www.donga.com/jp/article/all/20130125/420275/1

>>「現在のシステムが続けば、若者の社会保障革命は避けられない。歴史的な実例もある。ロシアは、エリツィン大統領時代、超インフレにもかかわらず老人年金をそのままにした。若者が老人を助けずに見捨てたのだ。すると物価は暴騰するのに、年金受給額が変わらない老人たちは生活ができなくなった。若者はタクシーに乗って移動するが、老人は10キロ程度なら歩かなければならない。

ちなみにwikiによると

ポリス・エリツィン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%84%E3%82%A3%E3%83%B3

>>1992年に前年比2510パーセントものハイパーインフレーションを引き起こし、1992年の国内総生産 (GDP) は前年比マイナス14.5パーセントとなってしまった。

物価25倍で年金据え置きなら 文字通り完全に見殺しですね。 ただ、ロシアの場合は、高齢者の餓死者は出なかったようです。

都市と自然を往来する二拠点生活ロシアの郊外ハウス、ダーチャの創ることを楽しむライフスタイルhttps://perfectday.jp/2020/11/dacha/

ロシアってダーチャって言って、国がかなり広い農地を国民一人一人に貸してくれるらしく
そこに掘っ立て小屋を建てて 金曜の夜から 土日にかけて 夏は兼業農家してるらしいです。

じゃがいもなんかは ダーチャで作ったものが 国内の生産量の9割超えるほどだったという話もあるそうです。 冬はメチャクチャ寒いですし、夏に大量に野菜などを収穫して地下にでも貯蔵しておくだけで 一年間食べられたそうで それでハイパーインフレを乗り切ったそうです。

その後プーチン大統領が一気にロシアの経済を成長させて 今に至るんですよね。 
その功績がデカすぎて 戦争中でも7割もの支持率を誇るそうです(情報統制も大きいとは思いますけど)。 確かにこれだけ貧しい生活救ってくれたらプーチン大統領に心酔するよなぁとも思いました。

ロシアの社会福祉制度の変遷(共産主義体制崩壊以降)については 以下に詳しく述べられていました。かなり長いですが 個人的には面白かったです。 

ロシアの社会福祉―体制転換期の高齢者の生活―
http://www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11yukiko_yamakoshi.pdf

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