じゃあ、日本人の出稼ぎ

日本は戦後、高度成長し、出稼ぎする習慣がなくなり、むしろ、出稼ぎで南米に向かい、現地に根を下ろした人たちの子孫が戻って来るようになりました。

戦前

日本は国土の狭さの割に人が増えすぎたため、国民を養いきれなくなり、海外への出稼ぎを奨励し、特にアメリカ大陸に進出をしました。南米における日系人の影響力は大きいですし、ペルーにおいては大統領が日系人のフジモリさんになり、その娘も大統領候補になったくらいです。

ちなみに日系人に限らず、アジア系は教育にお金、時間を惜しまないので、どの国でも平均的学力が高く、それに伴い社会的地位も高い傾向があります。アメリカのトップスクールではアジア系の比率が上がり過ぎたため、アファーマティブアクションにより、締め出しをしているくらいです。

第二次世界大戦以前は工業化完全浸透しておらず、どの国も多かれ少なかれ、農業をベースとした産業構造をしており、農地が足らない国から、農地があまり、労働者が足りない国へと人が動く、という考え方が基本だったわけです。アメリカ大陸は世界で最も肥沃な土地で、広大な平地、溢れる資源、穏やかな気候、と農地として最高の場所だったわけで、未だにアメリカの自給率は高いです。

これはアジアだけでなく、欧州でも同じで、アメリカのアイルランド系移民はジャガイモ危機で食い詰めて、アメリカに新天地を求めたいわけで、ドイツ系も二度の敗戦、肥沃ではない国土から抜け出して、アメリカ、ブラジルに進出したわけです。ラテン系移民は南米に向かい、母をたずねて三千里、のマルコのお母さんはアルゼンチンに出稼ぎ出かけにいったわけです。

戦後

工業化が一気に進んで、食うに困ることがなくなると、土地を求めて移民をする、ということはなくなり、経済発展すれば、足りない食糧を食糧の余る国から買ってこればよくなりますし、母国で工場に職を求めれば、通貨で対価を得られ、食糧を得ることができるようになります。そうなると、工業化した国に人が集まるようになり、移民を出していたドイツも、受け入れる側になっていきます。

日本が工業化すると、都市圏に大規模工場がどんどんできて、地方で細々と農業していた人達の子供が金の卵、と呼ばれて、集団就職をしていくことで、人手不足を解消していきます。日本は移民を受け入れなくとも、地方に食い詰めた人がたくさんいて、子沢山が当たり前だったので、分地相続も出来ない小規模農家は子供を都市圏に喜んで送りました。

しかし、国の発展があるステージまで到達すると、少子化は確実に始まり、日本も団塊ジュニア世代が誕生する頃に人口増はピークアウトし、日本は人口オーナスをするようになります。これを止めるには移民を人口が多い国から、受け入れるのことで食い止めることができるのですが、幸か不幸か、日本はその閉鎖性から、移民を受け入れず、今に至っています。

現在

シンガポールの国父、故リークワンユーはこう言いました。

私が英語のできる日本人の若者なら、日本を飛び出して、移民することを選ぶだろう。

彼は実用主義者と、自らを定義する人だったので、人口が経済発展の基礎であり、人口減になれば、国は衰退する、という考えから、シンガポールに大量の移民を受け入れ、小さな国にひしめき合うくらい人口密度の高い国にしました。それが急激すぎたため、いろんな弊害を作ったものの、基本的な考えは間違っていないだろうと思います。

ただ、単に英語が話せるだけの日本人が出稼ぎに出かけて、現地で労働許可を取っても、日本で派遣社員をやっている方がマシな生活を送れると思うので、私は安易に出稼ぎを勧めはしませんが、何かしらのスキルがあるなら、人口ボーナスによって、経済発展が望めて、その波に乗れる国に出稼ぎに行った方が旨味があるのは事実だろうと思います。

これからITによって、一物一価が浸透していくと、単に場所を変えても、何のスキルもない人は物価に係数をかけただけの報酬しか受け取れないし、アウェイの不利を跳ね返すことが出来ず、徐々に疲弊していくでしょう。事実、シンガポールに飛び込んでくる現地採用のほとんどが三年以内に何の成果も上げられず、失意の帰国をしていきます。

まとめ

何かしらのスキルがあり、場所を変えることで、高く売れる、という場合は出稼ぎもありだと思いますし、フィリピン人は世界中で、出稼ぎしています。ただし、スキルのあるフィリピン人は物価差、需要の違いを享受し、故郷に凱旋帰国することもありますが、スキルのないフィリピン人は現地人、人材エージェントにしゃぶり尽くされ、ボロボロになって帰国します。

場所を変えれば、どうにかなる!ってのは旧時代のことで、これだけ情報に溢れたIT時代にやっても、売れるスキルがなければ、惨めな結果に終わるのは目に見えています。幸い、日本の教育レベルはまだ高いですし、賃金レベルも酷いレベルではありません。まずは日本でスキルを身につけ、経験を積んで、売れるものを持った上で、場所を変えて、出稼ぎするならいいだろうと思います。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

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