じゃあ、日本企業の決裁権

日本企業って、特定の人に決裁権が集中してウォーターフォールを形成してます。規模によってこんなものかな?と分類したいと思います。

中小

定義には諸説ありますが、ここでは売上100億円以下、従業員100人以下のどちらかに当たるのは中小企業と定義します。この殆どがオーナー企業であり、仮に上場していても、オーナーが絶大な力を持っており、権限が完全に一人、二人に集中しています。

仮にオーナー一族でない人が名ばかりの役員についても、彼らはせいぜい大企業の課長、係長程度の権限しかなく、オーナーの顔色を伺い、ビクビクしており、少しでも機嫌を損ねると、ビクッとなって、すべての予定をキャンセルして機嫌取りに走ります。

争いはオーナーの内輪揉め、家族喧嘩くらいでしか起こりません。対立構造がオーナーとそれ以外なので、虐殺は起こり、それによる小規模な一揆がごく稀にあるだけで、中世のお殿様、使用人の関係です。組合があればまだマシですが、オーナー企業は組合を嫌がります。まぁ、ワガママが通りづらくなることをあえて容認もしませんよ。

中堅

売上千億円以下、従業員千人以下、とここでは定義します。このレベルの規模になると、オーナー企業であっても、オーナー色が薄れてきている場合も多く、上場して株が分散し、赤の他人が株主としているので、あまり無茶なこともできなくなってきます。地方では地元大手になるので、世間の目も厳しいです。

それでも、少数の大株主としてオーナーは存在し、彼らの顔色をサラリーマン社長が伺いながら仕事をする形になり、板挟みなんだなぁ、と思います。社長といえど、そんなに報酬がいいわけでもなく、大企業の課長くらいしかもらってないこともザラですし、旨味が薄いなぁ、と思いましたね。

以前、面白いと思ったサラリーマン社長が率いる中堅企業の株主総会に行ってきましたが、社長が脂汗かきながら議事進行する姿を見て大変な仕事だな、と思いました。私が厳しい質問をすると、ドキッとした顔になり、質問を受け流してしまい、更に責め立てると、他の株主も乗っかってきて、場が緊迫しましたw そして、無理やり先に進めてしまいました。

つまり、中堅規模ですら、サラリーマンとしてトップに立っても、辛いだけで大した報酬もなく、ストレスもハンパじゃないと思います。私が責め立てた社長も終わった時に倒れるんじゃないか?というくらい疲労した顔をしていました。でも、トップには立ってますし、やり甲斐はあるだろうと思います。

大手

売上一兆円以下、従業員五千人以下と定義します。知っている人は知っているし、会社名をいえば「あー、xxね」という感じでしょうか?このレベルになると、オーナー企業は少なくなり、日本電産ですら一兆円超えたのは最近です。一代の英雄が率いる会社だけがオーナー企業で、あとは公共性がある企業となります。

資金的にも、相続的にも、このクラス以上の企業の株を次世代に繋ぐのはかなり難しいので、オーナー一族であっても、大株主ではない、というパターンになります。例えば、トヨタなんかがそれに当たります。豊田家のトヨタ自動車持分は親戚全部合わせても、数%だということです。

このクラスになると、役員くらいなら、そこそこ力を持ってます。体育会系企業なら、その部門長は殿様みたいな態度をしていることがありますし、年収も確定申告が必要なくらいになってくることが多く、個人秘書、運転手なんかをつけてもらって重役出勤が可能になります。サラリーマンとして恵まれてます。

でも、部長くらいだと、ザ中間管理職、という感じで、専従者のいる組合もあるので部下に対して無茶もしづらく、役員からの圧力もあり、もうひとつ上がれるか、上がらないか、で雲泥の差がある感じになるでしょうね。一番辛い立場で、必死な人たちだと思います。

それ以下の管理職なんて、何の決裁権もなく、残業手当のもらえない人でしかなく、課長止まりで終わるなら、係長までで昇進を断るほうが得、という話が出るのは当たり前と言えば、当たり前で、課長は気苦労が増えるだけで、組合員から外れて守りが薄くなり、残業手当がもらえず、出世したのに待遇が悪くなりえます。

超大手

売上一兆円以上、従業員一万人以上という日本を代表する企業になると、インフラ系、半国営の国策企業が多くなり、国の政策が会社の経営に強く影響してくるため、役人との付き合いも増えて、企業体制が官僚化してくるものです。職務が官庁接待要員みたいな従業員がいるんですよ。

こういう組織で、東大法学部出身者が好まれるのは当たり前で、学生時代のツレ、先輩後輩が官庁にいるので、情報が取りやすく、ロビー活動が容易になりますし、天下り官僚を同窓生として引き抜いてきたり、世話したりしたら、されたり、とねっとりした人間関係が必須になってくるからです。

この手のロビー活動は世界中どこでもあり、アメリカでもロビイスト、という政治家、官僚に働きかけて利益を引き込む人はいます。フェイスブックのサンバーグさんはホワイトハウス向けのロビイストを雇われ社長としてしていると言えます。日本風には天下り官僚で社長しているみたなものです。

このクラスになれば、役員になると億を超える報酬になるので、ファッキューマネーも作れますし、社内だけではなく、財界の大物になることも可能ですから、やはり出世争いは壮絶になります。課長になれればよくやった方、部長になるなんて同期で数人というレベルです。まして、役員なんて一人いるか、いないか、ですよ。

それでも、超大手で部長になれば、それなりの待遇、権限はありますし、プライドも満たしやすいとは思います。日本人なら誰でも知っている会社の部長なんだ、と言っても、赤の他人には関係ないかもしれませんが、その会社ではそれなりのものですしね。

まとめ

日本企業はアジャイル組織ではないので、ほとんどの人はほとんど何の権限もないしがないサラリーマンであり、身を削るようにして働く対価としては割に合わなすぎるだろうと思います。何かしらのテーマがあって、信念によって取り組むなら、その限りでもありませんが、待遇、権限のためにやるなら、アホだと思いますね。

少し増えてきたのは外資コンサル、総合商社で名を挙げて、オーナー、株主サイドの指名で、プロ経営者、という名の雇われ社長をする人が増えてきてます。これを望む人は多いですが、すでにレッドオーシャンなのでよほどのことがないと、この路線を狙うのは難しいでしょう。芸能人になりたいのでアナウンサー目指すようなものでしょう。

偉くなりたい、お金が欲しいなら、やはり自分で起業するのが最も可能性が高く、サラリーマン社長になるにしても、自分の会社を大手に売って役員として引き取られる方が社内の出世競争を勝ち抜くよりも明らかに可能性があるだろうと思います。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、日本企業の決裁権」への5件のフィードバック

  1. 会社規模よりも、まずは出資者で分けたほうがいいかもしれませんね。

    ◎オーナー企業
    創業者一族が実権を握っているので、彼らの決裁がどんな場合にも必要です。
    超大企業になると、トヨタ自動車のようになるのでしょうが。

    ◎外資系企業
    本国の本社が決定権を持っており、ローカルでもある程度の決定権はありますが大本の方向性は本社が決めます。

    ◎子会社
    本社が決定権を持ち、社長も本社からやってくるので意思は本社そのものです

    ◎一般企業
    持ち株会社、というのでしょうか。
    子会社の親会社で、オーナー企業でない場合がこれにあたります。
    役員たちで決定し、その中から社長などを決めるのでしょうがよく分からないですね。

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    1. 確かに資本主義である以上、規模ではなく、出資者が誰で、どんな構成をしているのか、で社風が変わってくる、と言えるでしょう。

      シン

      1+

  2. 上場企業、非上場企業でも違いが出てきそうですけどね。
    株主の発言力が強い上場企業では、オーナーといえども大株主の意向を伺いながら経営を行わねばならず、常にビクビクしている印象があります。
    一方で、非上場企業ではそういったことがなく、よりオーナー、経営者の意向が強く働くのではないでしょうか。
    まあ、資本主義の本場であるアメリカの方がそういった違いは大きそうですが。

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    1. やはり規模よりも議決権がどうなっているのか?と言うのが一番大きいのでしょう。だから、資本主義大国のアメリカは議決権の違う株を使い分けてオーナーの意思を通し切るんでしょうね。

      シン

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  3. 私の会社の取引先で社長やってる人の話で例の居酒屋や洋服屋のブラック企業のオーナーでもあんなに会社を大きくして凄いとか言ってましたね。
    また、私の知り合いの自営業者は朝スーパーにバイトしにいってるとか言ってたので楽しんでやってるみたいですが大変そうです。

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