じゃあ、クシュナー

前にトランプ大統領シリーズを書いたことがありますが、私が気になっているのは娘婿のジェレッド・クシュナーさんです。ユダヤにありがちな鷲鼻のイケメンで、トランプ大統領の実の息子さんたちよりも目立ってしまうカリスマ性はすごい物です。

一家

アメリカ、クシュナー家はジェレッドさんのおじいさん、ジョセフさんがベラルーシからホロコーストに送られ、アメリカに逃げてきて、ニュージャージー州に落ち着くところからスタートします。彼は移民一世として、現場作業員として、身を粉にして働きながら、徐々に資金を貯め、不動産投資を行って、ニュージャージーに4千軒もの物件を持つ大家にのし上がります。

そのジョセフさんの事業を継いだのがお父さん、チャールズさんで、彼は違法スレスレのやり方でどんどん事業規模を拡大しましたが、2004年には逮捕、実刑、塀の中で臭い飯を食べています。それでもめげないチャールズさんはニューヨーク、マンハッタンで1ビリオンUSDを越える巨額取引を成立させ、桁違いの大金持ちにまでのし上がります。

その息子がジェレッドさんで、ユダヤ式の教育を受け、お父さんの巨額寄付によってハーバード大学に入学し、学生の身ながら、母方のおじさんの助けを借りながら、大学のあるマサチューセッツ州で不動産ビジネスをはじめ、卒業する頃には20ミリオンUSDもの利益を出したそうです。そのお金でニューヨークオブザーバーという新聞を買って、実業に本格的に参入しています。

ジェレッドさんの弟である、ジョシュアさんも同様にハーバード大学に入って、ファッション雑誌創刊を行うなど、学業そっちのけで、コネ作り、実業経験を身につけていって、大学卒業して、ゴールドマンサックスにほんの少し勤めただけで、自分のファンドを立ち上げて、ゴリゴリに資金集めをしだしています。保険ビジネスは大損したらしいですが、それでもめげないのでしょう。

ユダヤ

クシュナー家がいかにもユダヤだな、と思うのが、勝つためには手段を選ばないし、仮に負けても、その屈辱を武器にして、更に這い上がる。教育方針は極めて実践的で、理論はさておき、お金の力を実際に経験させてみる、と徹底しています。入試はお金の力で解決、大学なんかはブランドを得るものなんだと割り切って、大学で勉強なんてせず、すぐに実業に足を踏み入れているわけです。

日本だと華僑がそういう教育方針を持っていることがあり、村上世彰さんは大学生の頃には投資の運用益でスポーツカーを乗り回していた、と聞きますが、それに似た印象を受けます。一般日本人家庭でここまで現実を子供に突きつけるような教育をすることは少なく、国際競争とは現実主義を叩き込まれた人たちとガチンコ勝負することだと思い知らされます。

また、本当にユダヤの絆は強いな、と思わされます。ジェレッドさんの政治活動もユダヤ人脈を通してのものが多いです。世間で騒がれるトランプ政権のロシア関係もクシュナー家のユダヤ系オルガヒ人脈を通しのものらしいですし、アメリカのイスラエル政策の窓口も担当していますので、ユダヤは国を飛び越えて、助け合う人たちなのでしょう。

イスラエル人の若者は高校を卒業すると、3年もの兵役につき、その後、放浪の旅に出るのですが、これがまた実践的で単なる自分探しのたびではなく、何かしらのマイクロビジネスを携えて、お金を現地で作りながら、旅をすることがあり、その中でアウェイでの戦い方、警察、地回りのヤクザとの交渉などをしながら、路上販売をしたりするのですから、これ以上ないくらい実践的です。

不動産

アメリカは未だに成長市場で、日本のバブル期にあったような話が当たり前に通用するのだな、と思わされます。ほとんど借り入れで、資金をフルスイングしながら、ゴリゴリに開発していくのは舅のトランプ大統領も同じで、違法スレスレ、もしくはアウトなことでも、勝つ為にはリスクを取って、突き進んでいき、最後に勝てれば、過程などどうでもいい、というスタイルです。実際、リーマンショックの時にかなりの痛手を負っているのですが、それでも何とか切り抜けてここに至るわけです。

人口減がほぼ確実となった日本で、クシュナー家、トランプ家みたいなイケイケの不動産開発をすれば、一度、悪いサイクルに入ったら、持ちこたえるのが困難で、今の東京がオリンピックが終わって、需要が一巡したら、資本のぶん回しでイケイケ開発している業者は持ちこたえられず、倒産ラッシュになるでしょう。アメリカなら、数年耐えれば、また上がってきます。

不動産業は国が成長して、土地の人口が増えさえすれば、自動的に上がっていくものであり、後は目利き、資金繰りだけしかやることがありませんが、人口減の国で不動産業が成長していくのはかなり困難です。よほど、ニッチなやり方を考えないと、箱を作る業者に良いようにやられるだけです。日本は相続税対策のアパート建設ラッシュらしいですが、そんなのはデベロッパーにアホな地主がしゃぶられるだけでしょう。

まとめ

クシュナー氏って、古いアメリカだな、と思います。同じユダヤでもザッカーバーグ氏、ブリン氏なんかのITの人たちからは感じられない、何代も続く人脈だとか、土地に根ざした不動産投資、黒に近いグレーゾーンをついて、荒稼ぎしていく姿はある意味わかりやすくてかっこいいし、庶民の心をつかむでしょう。実際、ジェレッドさんのおじいさんは貧しい移民一世の肉体労働者だったわけで、庶民が好きそうなわかりやすいサクセスストーリーです。

おそらく、多くのトランプ氏支持の貧困層はグーグル、フェイスブックがどうやって収益を上げているのか理解していないでしょうし、説明されても、困惑した表情を浮かべるだけなんじゃないでしょうか?ナヨナヨした白人の若者がアジア人の移民エンジニアを使って、なんかよくわからないことで大儲けしている、薄気味悪い、というようなイメージを持っているのかもしれません。

それでも、アメリカは懐が深いな、と思うのはゲイツ氏、ザッカーバーグ氏のようなミドルクラスのがり勉タイプ、クシュナー兄弟のような成金タイプ、ケネディー、ブッシュ家などの上流階級が同じハーバード大学で学び、清濁併せ呑むような巨大な器に多種多様な人たちを飲み込んで、そのうちのいくらの人たちは世界中を騒がすような大人物になるのだから、アメリカにはとても敵わない、と思います。

仮に東大が1億円の寄付で1人分入学枠を売ります、とすれば、大騒ぎになって、どうしようもなくなるだろうし、そういう非難を受けにくい私立大は少子化を受けて、実質的にお金で入学枠を売っていますが、ブランド力はどんどん下がって、下げ止まらない状態です。アングロサクソン流(ユダヤ流)は他の白人ですら、真似できないきわどいものです。

日本人が想像するIT大国のアメリカ、実は半分マフィアみたいな不動産ころがしが力を持つアメリカ、アメリカ人なのにアメリカの産業のことがほとんどわからない貧困層がいるアメリカ、英語すらおぼつかない不法移民の労働力に甘えるアメリカ、とグチャグチャにいろんなことが交じり合って、サラダボールと呼ばれ、色んなものをかき回しながら、世界の中心であり続けるんです。

我々が生きている間にアメリカが世界の中心でなくなることはないんじゃないかな?、と思います。逆に世界の主戦場が他に移る様子を見ることが出来たら、わくわくするんでしょう。多くの人がアメリカの後継として期待した中国はこれほどのパワーがありません。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、クシュナー” への 10 件のフィードバック

  1. 英語のプレゼンの研修を受けたことがあるのですが、技術的な説明よりスティーブ・ジョブズみたいになんだかわからないけどこれ楽しいんだぜ!って雰囲気で中身スカスカの内容でやってくれって指導されましたね。
    そんなことばかりではないと思いますが、白人らしいなとも思いました。難しいところや手と頭を使うところはエンジニアにやらせておいしいところをいただくって感じですかね。

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  2. アメリカにいると、本当にユダヤ系のコミュニティの大きさ、強さは実感できます。

    ほぼどの業界にもユダヤ系のトップがいますね。
    さほど頭脳明晰ではないにしろ、金の成る木に敏感というか、起業して成功している人が少なくないです。
    クシュナー氏はその典型でしょうね。

    息子の友人の父親がハリウッド映画業界で助監督をしている、話をする機会が何度かあり、やはりハリウッドもユダヤ系に牛耳られているんだなと思いました。不動産はいわずもがな、医療系でもユダヤ人医師は多くいます。
    特に歯科医に多いように思います。アメリカは歯医者は儲かるので、やはりそこなんだろうなと思います。
    また弁護士、税理士も多いです。

    たまにユダヤ人と日本人は思考回路が似ているなどという話を耳にしますが。
    私は全く違うと思います。

    ユダヤ人は、親が子に資産継承はしないと子供のことから言い聞かせられており、自分の食い扶持は自分でなんとかしろというのが彼等の子供に対する基本教育思想です。
    だからといって、子供に冷たいのかといえばそうでもなく、どうしようもなくなった時に助け舟は出してあげるようです。

    イスラエル建国までは、やはり帰るべき地がないということで反骨精神は半端なかったんだろうと思います。
    アメリカでは一台でのしあがった成金ユダヤ人、有名人を多く輩出しています。
    ただ、日本人とは相性がいいとは思えません。

    ましてや結婚相手としては、絶対に避けたい人種です。
    ユダヤ人と結婚してうまくいった日本人を私は知りません。
    むしろ離婚時に相当な痛手を受けた人をたくさん知っています。

    別れる配偶者にはビタ一文、経済的なサポートはしない、資産共有もしない、
    子供の親権は譲らない、勝手に日本に帰国できないよう法的手段をとってがんじがらめにするなど、徹底してます。
    また相手の弁護士もユダヤ人ということがほとんどなので、英語の壁もあり、日本人には勝ち目はないです。

    日本人が苦しいと思うことは、彼等にとっては屁でもないので理解できないことも影響しているように思います。
    やはりホロコーストが人類史上最悪な歴史だということは誰の目にも明らかですよね。

    私自身も最初のアメリカ人夫の離婚、離婚後 相当苦労しましたが、まだユダヤ人じゃなくて良かったと思いました。
    それくらい文化の違いや教育思想はかけ離れています。
    とうてい真似できるものではありませんが、学ぶべきところはあります。

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  3. まさにユダヤは”銭闘民族”ですねww
    しかし,グローバルエリート()は海千山千の強者ばかりですねえ.
    昨今の大学教育では,グローバルに活躍できる人材を!というスローガンをよく聞きますが,
    こんなヤバイ人たちに日本のエリートはどう立ち向かっていくのでしょうか・・・
    とりあえず,自然科学・工学関係であれば,マーケティング,プロモーション等はともかく,技術だけなら実力勝負なので,そこでは負けて欲しくないですね.

    パックス・ブリタニカが19C中ごろから20C初頭までの70年弱
    第一次世界大戦終結時からパックス・アメリカーナが始まったとすると,100年はアメリカ中心の世界が続いているのですね.
    アメリカによって世界の平和が保たれているか否かはともかく,アメリカ中心の世界はあと数十年は崩壊しそうもないですね.
    個人的には,民主主義・個人主義・自由主義等の近代的諸価値観が無力になったときに,アメリカも力を失うのではないかと思ったりしてますが.

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    1. 綿苗さん
      コメント最後の、近代的諸価値観の無力化について興味があります。宜しければ詳しくご意見を伺いたいです。

      今週、VALU人気により、90年代に謳われた評価経済が再燃している感があり、価値観変化の書籍を再読していたところです。

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      1. 私は,近代的諸価値観として,合理主義,自由主義,民主主義,科学主義等が挙げられるかと思っています.
        これらがなぜ,無力化しているのか,と言えば,まあ結局のところは,これらの限界が見えてしまったからだと思いますね.
        民主主義を全ての国家に押し付けたとしても,全く上手くいかない(中東がいい例です).寧ろ,民主主義発祥の欧米諸国ですら問題点が噴出している.
        科学主義により,どんなに凄い技術を生み出しても,庶民の生活は結局は良くならない,それどころか寧ろ悪化してさえいる.
        自由主義を標榜されても,やはり人間は隣人に関心があり,異教徒,外国人,移民が流入してくることには,本能的な恐怖を感じる.
        まあ結局は,近代的な価値体系には欠陥がある,もしくは時代遅れとなっているという現状です.
        そして,アメリカはこのような近代的諸価値の権化として,建国され,それを布教して,ここまでの大国になってきた国です.
        そのために,その価値がなくなったときに,アメリカが世界の中心でいられなくなるのではないかと考えるわけです.
        トランプ大統領の出現,オルタナファクト,このような言葉を聞くたびに,もはや合理主義やら民主主義やらは,ある種のフェティシズムになってしまったのだなと思わざるをえないのです.

        評価経済も,以上のような文脈で捉えられるのでしょうね.
        個人的には,VALUのように,人間に露骨に経済的な評価を与えることは,倫理的に容認できないものではないかと思うのですけどね.
        以上,拙意ですが,参考になれば幸いです.

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        1. これはごもっともな指摘です。

          近代で培われた価値観を体現した国がアメリカであり、アメリカが倒れるときはその価値観が倒れるとき、だというのは頷けます。その兆候は徐々に見えるので、何十年か後には別の価値観が世の中の標準になるのかもしれません。

          ベーシックインカムが標準化するなら、人は強制されて、嫌なことをする必要がなくなるので、もっと、人間の本能に近いことが好ましい価値観となるのかもしれません。

          シン

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        2. 非常に興味深い内容、ありがとうございます。

          アメリカが力を失った後は、新たな大国が世界を支配する世界のではなく、経済活動よりも自分の気持ちを優先し、心、快楽に忠実に生きるのかもしれませんね。綿苗さんのコメントと、少し前に流行したカーツワイルのユートピア論などが、ひとつに繋がるようで、ワクワクします。

          近代的価値観である科学(ナノテクやAI)を踏み台にして、金銭ではない新たな価値観の時代になるのかもしれません。

          しかし目先では、価値を測る簡易な手段がお金なので、お金儲けに興味がなくても、VALUという露骨なシステムにならざるを得ないのかなと思います。

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    2. http://todai-umeet.com/article/3829/

      こういう若者が出てきているのは良いことだと思いました。クシュナー家ほどでないにしろ、実家にお金があり、親に支援してもらって、若いうちから実業で奮闘するのが当たり前になると、その中から大物が生まれてくるだろうと思います。ヤフー掲示板では親が金持ちなんだろう!っとやっかみコメントで溢れていますが、そんなの当たり前で、それにしたって、これだけの行動力があることが面白いことなんだと思いますけどね。

      本人が気がついたように、東大、ハーバード行って、コンサルにでもはいって、他人のビジネスに入り込む、というような他人のブランド依存しているうちはユダヤにとても敵わないどころか、食い物にされると思います。

      シン

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  4. 自分のコメントを読み直したら、シンさんを真似たような内容になっており、お恥ずかしいです。ぬるりブログに、洗脳されているかもしれませんw

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