じゃあ、感情に負ける

*コメントでの指摘を受けてタイトル、記事内容を修正します。

不思議なことに人間は自然な感情に従って動くとほぼ確実に負けます。また、何も考えず大多数と同じ選択を同時期にすると、過当競争になってしまい、これもまた負けます。だから、勝ちたいなら、感情に逆らって生きる必要があります。

恐らく人間の本能は「生きる」という本質を基準にして形成されているはずなんですが、感情、欲という余計な贅肉がついて本質が見えなくなり、明らかに間違った選択をしてしまうようです。

買い

どんなものでもそうですが、人は他人が持っているのを見ていいな、と思ったり、世間が評価している、というブランドネームでモノを買うことが多いです。これは集団心理として他人と違うことをするプレッシャーを感じずにいられるので楽だからでしょう。また、もっている、もっていないなら、持っているほうが安心するので、必要もないモノを買ってしまいます。

株価投資でも有価証券報告書など、誰もに等しく与えられている公示情報をほとんど見ず、有名企業を感覚だけで買う人がいるのですが、こんなのは自分の虎の子をどぶに捨てているのに等しい行為だと言っていいです。将来を見通すには過去を精査し、タイミングを見計らって勇気を持って踏み出すものであり、勢いで突っ走るものではありません。

二言目には学歴、偏差値、社格、企業偏差値、というようなことを言う人は少なくないですが、本当にそんな他人が勝手につけた序列に従って自分の頭で考えずに判断していいのでしょうか?不特定多数の「みんな」がいいと言っているのはあなたにとってもいいのでしょうか?そんなに安易に買っていいんですか?

人間はきちんと裏を取らずに感情で動いたり、他人と同じことをすることで安心をする本能を持っているので、勝ちたいのであれば、その逆に動く必要があり出来る限りの情報を取って感情を度外視して判断に務めるべきだし、他人がやっていることは出来るだけ避けて行動すべきです。

売る

買う以上に売るのは難しいです。お金を払うのは簡単ですが、お金をもらうのは大変なのは誰でも知っているでしょう。そして、売ることでその取引を完了させることは一抹の不安が必ずあるものです。もっといい売り手、売値があるのではないのか?という疑問は尽きないでしょう。

女性にありがちですが、自分の売値を市場価値よりはるか高いところに設定して、言い寄ってくる男性を身の程知らず、いい男がいない、とか言うのはおかしいです。オファーがある値が市場価値なんです。待っていることでもっといいオファーがないともいえませんが、メスの価値は年齢とともに衰えるので20歳でなかったオファーを30歳で受けることはまずありません。

素人投資家が負ける典型的パターンの「コツコツドカン」はまったく人間の本能によって引き起こされるもので、買値から少し上昇すると我慢できずに小利で売ることを繰り替えすが、逆に買値から少し下落しても根拠もなく上がることを信じてホールド、上手く買値を上回るとまた小利で売ります。確かにこれで7-8割は勝てるんです。

問題は1-2割、二度と買値に戻らない、長期低迷する銘柄も存在し、損切りをしないと大きな含み損を抱えてずっと塩漬けになってドカンを喰らうというわけです。含み損を耐えるのは問題ないのですが、きちんと戦略を持っていないと対処しきれません。下落は一時的なものであり、再び上昇するというなら買い増してナンピンすべきです。

我慢の末にようやく買値を上回っても適正と思うレベルまでは我慢すべきです。上昇気流に乗ったのに小利撤退では抱えたリスク分だけ損です。本当は最大含み損分くらいの利確出来ないなら、何で買ったの?何で耐えたの?って感じです。冷静に考えてみれば当たり前ですが、お金がかかるとそれが完遂できないのです。

市場

市場は欲の突っ張りあいの世界です。今日、絶大な支持を受けていたものが、明日、誰にも相手にされなくなることも珍しくありません。そして、どんな人でも数字を出せば賞賛されますし、数字が出せなければ罵倒されます。学生と違って、社会人は努力していれば評価されることはないですが、市場に直接参加する投資家達はもっとシビアです。

崇高な目標、素晴らしいキャッチフレーズ、カリスマ社長であったとしても目に見える数字が出せなければ時間の問題で市場から排除されます。テスラ、マスク氏の天才詐欺師のようなプレゼン上手であっても、そろそろ数字を出さないとキツイと思いますよ。自腹の人にはたまらないし、他人腹であっても顧客に説明できなくなります。

人間は感情的に数字の突合せよりも感覚で判断することを好みます。そっちの方が気持ちいいからです。それが間違いだとは言いませんが、天才的嗅覚の持ち主でもない限り、感覚を武器にして市場で戦う人は負けます。数字より感覚を優先する感情的な人は市場で勝てないのです。芸術家にでもなったほうがいいのでしょうw

市場価格は常に間違っているが、それは時間の問題で是正されていくので、それを見つけるのが投資家の役割だと言っていいです。ソロス氏がそういったことを言っていますが、丹念に市場を眺めてゆがみをみつけ、それを本来の価格に戻す手伝いをする、と表現しています。

まとめ

どんなことでもそうなんですが、感情的に根拠もなくしたい、したくない、という気持ちになったら、一度立ち止まることをお勧めします。多くの場合、感情に従うと負けます。もし、経験則からすぐに説明は出来ないが、何かを選択したいと感じたなら、出来るだけ早くその説明が出来るように整理してください。一刻を争うような決断は人生にそうあるものではありません。

人間の感情は人間を勝たせるように動かしても良さそうですが、現実は逆であり、ほとんど負けるのは面白いです。単に勝つ、という目的の為には人間の本能は余りにも無駄な感情を持ちすぎており、その感情に振り回されると負けます。だから、サイコパスは勝てるんでしょう。

市場を無視して自分の感情を優先させた売り買いを行うとギャップが生まれてしまうので、そのギャップに押しつぶされて「生きる」という最も基本的な行動指標に沿わないような行動をしてしまうのでしょう。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、感情に負ける” への 14 件のフィードバック

  1. これって本能に負けるというより、欲や感情に負けるということですよね。
    本能というのは、生きたい・子孫を残したい・子供を守りたい・競争に勝ちたいといった、もっと根源的なものです。本能に逆らって生きるのは人間の生物としての存在意義を否定するようなものです。

    投資において負けるパターンは、市場分析に基づく判断より儲けたいという欲望を優先させたり、市場の乱高下に振り回されて感情的になったり、そういう欲望や感情に負けたために起きることが多い気がします。
    あと、サラリーマンが仕事の片手間に投資するのは止めた方がいいと思います。ただでさえ情報分析を行える時間が少ないのに、四六時中市場とにらめっこしているプロに勝てるはずはないです。サラリーマンはインデックス投資がベストでしょうね。

    5+

    1. それが不思議なことに極限状態で生死をかけて戦う時に本能に従ってしまうと生き残れないんですよ。アウシュビッツの生き残りの手記などを読むと、他の人がしないことを敢えてすることでお目こぼしを受けていたり、逃げるきっかけを作ったりしています。なんとかして生きたい、家族を守りたい、のはみんな同じはずですが、逆張りしないと競争に勝てないのです。

      人と同じことで安心したい、さっさと諦めて楽になりたい、と言うのが本能でなく、欲だと分類するなら、欲に打ち勝つと言うことなのかもしれません。

      安易な逆張りも負けますし、忍耐力のない順張りも負けます。本能は楽な方に行きたがるんですよね。もしかしたら、欲に従いたがるのが人間の本能なのかもしれません。

      シン

      6+

      1. シンさんの言う本能って、普通は欲とか感情と呼ばれるものです。金に対する欲求は人間が後天的に身につけるものですが、本能は全て先天的なものです。
        本能に逆らうことは誰にもできませんが(あるとすれば自殺くらい?)、欲や感情に逆らって生きることはできます。
        言葉の定義の問題になりますが、本能とは普通言わないはずです。

        2+

        1. であるなら、生きていくうちに身についた欲に本能が負けてしまうことで、競争に負けるってことなんでしょう。本能をもっと追求することが生存率を上げることになるのかもしれません。考えさせられますね。

          シン

          1+

  2. 恐怖、不安、などの不快な感情が足を引っ張るという事ですね。

    究極な本能=「生き延びたい」だとすると、自然と沸きあがる、根源的な感情に従わない方が、実現しやすい、という事になります。では、「寂しい=群れていたい、承認されたい」「恐怖感・不安=食糧が無くなるのではないか、生き延びられないのではないか」「競争に勝ちたい=生き延びたい、自分の価値を高めたい」などの、人が自然に感じる感情は一体何のためにあるんでしょうね・・?

    1+

    1. 本能、本質に忠実であれば生存率が上がるのに、感情、欲が人間を盲目にしてしまうみたいです。じゃあ、なんでそんな感情、欲を人間が沸きあがらせてしまうのか?は本当に不思議です。

      シン

      0

      1. 人間は社会的動物ですから、感情に従えば皆と同じことをしてしまうわけです。
        文明や社会の進歩には、それが最も都合がよかったのですが、今のような成長のない社会においては人と同じことをしても駄目で、逆張りが必要になってきます。投資においてはそれが最も重要で、感情に流されず冷静に逆張りしないと勝てなくなっています。
        低成長社会、変化の激しい社会、投資参加者の増加といった、社会環境の激変が原因でしょうね。

        1+

        1. 社会性が本能に忠実であったり、知性を働かせる阻害になる、と言うことですね。社畜なんかはこのパターンと言っていいかもしれません。意識的に本能、知性について考える時間を持つといいと思いました。

          シン

          2+

  3. シンさん

    いつも、拝読しております。
    はじめてコメントさせていただきます。

    今回のテーマの感情(当初は本能?といっていたもの)ですが、脳の三層構造という考え方と関連付けて考えてみると、非常に面白いのではないかと思います。

    この考え方は人間の脳は以下の三つの層がある、というものです。
    一つは脳幹。爬虫類の脳とも言われ生命維持の根幹を司る部分。(食べたいとか、眠いとかでしょうか)
    二つ目は大脳辺縁系。哺乳類の脳とも言われ、感情を司ると言われます。
    三つ目は大脳皮質。人間脳とも言われ、理性や思考を司ると言われます。

    何億何千万年前、我々の祖先が爬虫類やネズミのような形をしていたときはもちろん、人類が誕生してからもしばらくは我々の祖先はその日生きるのでやっとという生活をしていた。爬虫類やネズミのような姿であれば、恐竜のような捕食者に食べられないか、人類誕生後も当初は肉食獣等の敵から逃げることでいっぱいだったのだと思います。爬虫類の脳や哺乳類の脳からわき出てくる感情(本能?)に従って怯えながら暮らしていた。

    しかしながら、高度な知能を備えた人間の脳を駆使して、我々の祖先は他の動物には思いつかない、火を使ったり、道具を使ったりという手段で、自分よりも強い動物を倒したり、威嚇して地球を支配するまでになりました。

    しかし、知恵を使って強者に立ち向かうことは、ありのままの感情に従って逃げ続けるよりも、確実に勇気がいります。失敗する可能性が高いかもしれないですから。

    高度な文明が築かれた現代でもその原則は同じで、「人間を強いもの足らしめること」=「本能から沸き上がる感情を抑え、知能を使って戦略的に勝負できること」ということなのかなと、感じました。

    初めて投稿させていただくもので、論点がずれていたら申し訳ありませんが、コメントさせていただきます。

    5+

    1. 非常に良い投げかけをありがとうございます。三層だと考えると理解しやすいですね。

      私は湧き上がってくる感情を本能と定義してましたが、多分、本能はもっと原始的でもっと生きたい、子孫を残したい、とかいうものだろうと読者さんの指摘で思いました。だから、本能に感情、欲が絡まってきて、その素直な感情はほとんどの場合、負けにつながります。その感情を知性によって制御してより高い可能性を探って勇気を持って踏み出すことは人間にしか出来ず、それが出来る人間は少ないということなんでしょうね。

      気がついた点がありましたら、またコメント下さい。私もいろんな試行錯誤をしたいので良いコメントは助かります。

      シン

      0

    1. 感情で相手を選ぶと安定より、ドキドキになってしまうので長くは続けられない、と言うことかもしれません。

      シン

      0

  4. 感情に流されると負けるのですが、我慢ばかりだと人生楽しくないんですよ。
    それはそれで無機質な人生になります。
    ぬるりと生きるを全て実践したら仙人になれると思います。それがなかなか難しいです。

    2+

    1. バランスなんでしょうね。感情に従いたい、それで損しても耐えられるほどすきならやった方が良いと思います。

      シン

      1+

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