じゃあ、マネージャー

相談者さんとやりとりで気づきがあったので共有したいと思います。

今まで漠然と存在した「なんとかマネージャー」というポジションは消滅し、各ポジションで実績があり、リーダーシップがある人間だけがマネージャーとして他人を管理するようになるだろうな、と思います。

フロント

どんなに世の中が変わっても、買うのが人間であるならば、人間が製品、サービスを広めないと売れないし、高額であればあるほど、決めてくる人間がいないと契約成立とはなりません。

従来、漠然と文系が担ってきたんですが、これはだれがやっても良いんですよ。それこそ、単にエロい女の子だろうが、犯罪のスレスレの炎上マーケティングだって効果が認められるならアリだし、コミュ力お化けのオバちゃんに営業させたって良いんです。

もちろん、製品、サービスに関連する技術のある人がやるに越したことはないですが、それで確実な効果が出せるかは別問題であり、ある種の資質を持った人間だけがすることであり、努力で改善できる点は限定的です。

フロントでマネージャーになるなら目に見える成果を持っているのが当然であり、そうでなければ、血の気の多い部下に血祭りに挙げられます。歩兵下士官なんて先陣切って一番乗り、一番首を挙げたことない人がすべきことではありません。

サポート

プリセールスと呼ばれる、調整役中間職みたい人たちが増えてきていますね。フロントでもない、技術者、職人でもないインターフェイスとでも言うようなポジションです。インサイドセールス、プロジェクトマネージメントなんかも同じでしょう。

日本企業だと駐在員もここに当たることが多く、本国で幹部職でもない人が駐在員としてCarerとでも呼ばれる世話役です。マネージャーとは名乗ってますが、特に権限もないし、現地人でもないのでフロントでもありません。

ここを極めても本当の意味でマネージャーになれることはないでしょう。多少の技術があっても、本職のエンジニア、研究者レベルではないし、他人を黙らせるほどの数字を自分では作れないからです。

実際、事務局レベルのプロジェクトマネージメントとか、調整役として駐在員を繰り返してきた人がマネージャーになって陣頭指揮をとっても実務経験、技術が足らないので上手くいかないことがほとんどです。

プロジェクトマネージメントなら立ち上げ、予算交渉、数字を出してクローズするところまでやらないと価値はないし、駐在員なら現地法人の幹部職として権限を与えられるまでやらないと経験ではないでしょう。

ある種の軍監的なポジションですし、それそのものが手柄にはなりません。経験の為にやるのは良いですが、ずっと誰かのサポートしていても指揮を取れるようになんてなりません。

職人

外科医から伝統工芸職人まで、どんなに時代が変わっても、その人固有に持っている技術がモノを言うことは変わらないでしょう。自分の名前で仕事が取れるくらいまでやらないと、クラウドソーシングで買い叩かれるのは要注意ですね。

これこそ、一物一価であり、世界中を飛び回る心臓外科医っていますけど、特定の手術で世界に数人しか施術出来ないなら、それを日本でやろうが、アメリカでやろうが価格は言い値で決まりますが、誰でも出来る簡単な手術なら定価できまりです。

その道を極めることさえ出来るなら、世界中、どこでも生きていくことはできますが、時間を忘れて没頭するほど好きでないと、極めることはできないし、値崩れが酷いことになります。

日本においてコンビニより多いと言われる美容師、歯医者はこの立場だろうし、出来ては消えるラーメン屋なんかも同じでしょう。その人に頼みたいというファンがいないのなら単なる千円カットでいいですからね。

どんなことでも一芸持ってりゃ、それがどんなことでも食い扶持はあるし、役に立つことはあります。孟嘗君が様々な食客を抱え、鶏の鳴き声がうまいだけの食客が危機を救ったという故事がありますが、一見意味わからないことでも強烈にうまければ身を助けてくれます。

こういうのは一匹狼であり、人をまとめたり、成果を狙っていくようなポジションではなく、道を極める為に生きていくポジションですね。突き抜けた芸で目に見える成果を出すか、愛されキャラでないとダメですね。

技術者

技術者と言っても需給です。需要の多いことなら大したことなくても一定の待遇は確保できるし、少ないことなら、そもそも学んだ技術を活かす仕事すらできません。

トップスクールでて、大した規模でもないデータ、情報系企業で働いている人って、農学部、文系が多いですね。情報系の需要は多いので、学位を持っている人だけで満たさないため、需要の少ない学位を持っている人で満たす必要があります。

私が特に強い気持ちがないなら機電系にしておけ、というのは需給バランスが良いだけでなく、一物一価を避けやすいからです。情報系だと、日本語すら話せない外国人技術者が日本で働いているし、アウトソーシングで日本企業の為に働いています。

機電系ハード設備が必要なことなら、完全に海外、外国人へのアウトソーシングは困難なので、ある程度の力さえあれば、待遇は確保しやすいからですね。

日本の技術が衰えてしまったのは二つあると思います。まず、ウォーターフォール式だからです。学位を持つ技術者は元請にしかいないのに、その人たちは日程調整くらいしかしない。下請けは独学で技術を身につけた文系メインというお笑いです。

次に実務に最も精通しているべきマネージャークラスが管理という名目でパワポ、エクセル弄りしかしなくなっていることは大きな要因でしょう。管理などせず、エース級人材に過負荷を与え続けるだけです。

ソフトの時代だと、実務がわかり、チームを率いる適正のあるマネージャーが必要な人材を揃え、細かく修正を加えていく必要があるのに、マネージャーが実務を知らない、チームを率いる適正がない人がやっていれば、単なる消耗戦になりますよ。

研究者

需要のないことで研究者になりたいなら芸能人になりたい、と言っているのと同じだと思ってやった方が良いと思います。需要のあることですらテニュアとれない人が続けるのは勧めないです。

取り返しのつかないことになる前に諦めないと悲惨なことになります。三十過ぎで諦めたとして、その研究成果を評価してもらえなければ、単純作業を一から覚えていく必要があり、メンタル崩壊起こしかねません。

芸能人と同様に突き抜けた力があれば別ですが、そうでないなら枕営業、男芸者が生き残る世界であり、その辺の強かさがない人は食い物にされることは理解すべきでしょう。

研究成果がテニュアに繋がるとも言えないし、学部長、学長というポジションは研究者としての能力とは全く別です。そもそも研究者、教育者は別の才能が必要ですし、学校、研究所経営はビジネスですしね。

この辺をごっちゃにして考えているとやりがい詐欺に引っかかって、人生、能力の浪費をすることになりますね。何がしたいのかを整理してからアカポスに挑戦すると良いと思います。

まとめ

どんどんノウハウが整理されていく時代です。AI、機械学習が可能になりつつある時代に人間しかできないことを模索して突き抜けないと、コモデティーとして買い叩かれてしまいます。

大手をリストラくらったオッサンが転職面接で「出来ることは部長です」と言ったという笑い話がありますが、マネージャーとは担当レベルの仕事で突き抜けた力があり、経営者から予算を取り、人を採用して、他人に指導し、チームとして成果を出せる人のことです。

なんとなくポジションについて上から下から挟まれて四苦八苦していただけなら、その会社以外で必要とされるわけありません。湿った人間関係の中で産まれた立場なんて評価のしようがありません。

まず、その仕事において自分の代名詞的成果を出し、自他共に認める存在になってないなら、キャリアもクソもありません。良い大学出てるからポテンシャルがあるとか、社格が高い会社に勤めていたから力がある、とか、せいぜい日本企業の転職くらいにしか通用しません。

外資はどこでもマネージャーを採用するときは同業者で目に見える成果を持っている人間しか採用しませんし、嘘、齟齬がないように十回面接をするとかザラです。推薦状持ってこい、元同僚に連絡して成果の確認もします。それでも、一定の成果を決められた期間で出せないならクビです。

自分の立ち位置を明確にして取り組まないと十把一絡げになって価格がつかなくなる時代ですね。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、マネージャー」への1件のフィードバック

  1. >>技術者と言っても需給です。需要の多いことなら大したことなくても一定の待遇は確保できるし、少ないことなら、そもそも学んだ技術を活かす仕事すらできません。

    恐らく私の道路建設エンジニアとしての技術は「並」だったのだと思います。それでも40半ばの今までやって来れたのは、田舎の道路造りに一定の需要があり、泥臭くて男臭い業界で同世代に敬遠され、競合相手が少なかったからなのでしょう。

    >>なんとなくポジションについて上から下から挟まれて四苦八苦していただけなら、その会社以外で必要とされるわけありません。湿った人間関係の中で産まれた立場なんて評価のしようがありません。

    正にこの通りで、結局私は、土建業界独特の濃い昭和オヤジ社会、ガラの悪い現場作業員との飯場暮らしに適応する事で生き残って来た、昭和のサラリーマンだったのだと思います(就職したのは平成になってからですが)。その所属先の会社も、ここ3-4年位の間に、影響力のあった現場上がりの役員が定年で居なくなり、現場を知らない天下りが経営を仕切るようになって先が危うくなって来ています。

    情けない話ですが、今の私には更に技術を磨いて他社からヘッドハンティングを狙う気力は、最早ありません。ここ半年間、コロナの影響で実質的に週休3日、1日6時間労働のような状態になりました。それで気付いたのは、仕事のストレスが少ないと、低い生活水準でも十分に満足出来るという事です。飲みに行ったり外食したり旅行したりしなくとも、質素な食事を自炊(希望者は自宅待機状態になったので寮はガラ空きで共用台所を好きに使えています)して、暇な時は近所の川原を散歩し、人の少なくなった寮の大浴場にゆっくり浸かるだけで、充分満足出来るようになってきました。

    養育費の支払いさえなければ、年収250万円分の最低限の仕事だけしてストレスを減らせば、それなりに充実した暮らしが出来る気がしています。40代で隠居志願です。

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