じゃあ、マネーフォワード-2

ウォンテッドリー以上に反響がありませんが、私が興味を持っているのでマネーフォワードについて記事にしていきます。今回は創業者達の人物像を追います。

辻庸介氏

創業者社長の辻さんは京大農学部に入ったものの、専攻に興味が持てなくなり、当時イケイケだったソニーに入社を決めます。そこで社内官僚みたいなことをしていたみたいですが、社内ベンチャーに乗っかって松本大氏、ソニーで立ち上げたマネックス証券に出向します。

そこで辻さんはマネックスの方が性に合っていたみたいで、そのまま転籍して若くして部長になります。ミレニアム前後のソニーは本当にイケイケで過去に築いた有形無形の資産によって何でもアリのやりたい放題が許されていたみたいで、なんでも手を出して多角経営になって行きます。

そして、辻さんは独立を試みるのですが、これは彼の家族にも関係があります。どうも辻さんの祖父はシャープの二代目社長、実質オーナーだった佐伯旭氏みたいです。だから、サラリーマンを長々やる気もなく、最悪は家族のコネでどうにかするなり、相続で最低限は確保できる立場だったから、リスクを取れたのでしょう。もしかしたら、マネーフォワードが順調に資金調達できているのは彼の出自にも関係しているのかもしれません。

インタビュー記事を読んでいると実直で人格者のようですし、口だけでなく創業仲間にもきちんと株を分けているので育ちがよく、気前のいい、きちんと対話の出来る人みたいです。サイコパスみたいな激しい性格の多いスタートアップのリーダーとしては珍しいタイプなのかもしれません。

浅野千尋氏

ナンバー2でCTOの浅野さんは早稲田実業から、早稲田理工に入り、在学中からフィンテックに夢中になり、学生企業をしたものの失敗、その後もスタートアップを渡り歩いて辻氏と組むことに決めたようです。

大学付属の良さが上手く出たタイプで、受験に追われることがないため好きなことに時間を使うことが出来て、早い段階で自分の好きなことが見つかった為、ずっとそれに打ち込んで失敗はしたけれど、他人の会社に「ジョインw」することでIPOでファッキューマネーを作れそうです。(私は中途半端に英語を使うのが大嫌いです。ジョインする、ワークする、とか動詞を二度使うなんて気持ち悪くないですか?)

この人はウォンテッドリーに川崎さんに当たる人で、子供の頃からギークでコードを書くのが大好きだというタイプなんですが、私大付属出身者にありがちなコジャレた雰囲気で女性にもモテそうです。チャラくはないけど、そこそこ見た目もかっこいいですからね。淡い恋心を利用されて搾取されることはないだろうと思います。

市川貴志氏

ナンバー3のCIO、市川さんは元々料理人になる為に調理学校に通っていて、それからマネックスにエンジニアとして入っているみたいです。ネットワーク構築が得意みたいで、浅野さんは先端技術(ソフト)、市川さんはセキュリティーなどのインフラ(ハード)を担当する、という組み分けなのかもしれません。

ITの正規教育を受けていない叩き上げであるためか、舐められないように厳しい表情をしているのかもしれませんが、マイクもってプレゼンしている時ですら職人みたいな無表情な感じが少し怖いです。元々、料理人になるつもりだったんだから、職人気質なんでしょうね。

瀧俊雄氏

慶応経済を出た後、野村研究所に就職し、金融研究をしていた学者肌の人です。私大文系卒で企業研究職につく人は少ない(ほとんどが営業採用です。)ので、学部の頃から研究で評価されていて、野村証券に指導教授から直接推薦でも受けたのかもしれませんね。

まだ30代なのに髪の毛に不自由されている方で、スタートアップでギラギラしているような雰囲気の人ではなく、大学講師、高校教師とかしてそうな風貌です。野村時代に社費留学?でスタンフォードにMBAを取りに行っているときに、同時期にソニーから社内留学でペンシルバニアに行っていた辻さんとオンラインで知り合ったみたいです。

都築貴之氏

辻さんとはソニー時代の同僚、横国電子情報を出た後にソニーに就職、大ヒット商品のプレーステーションのハード開発、著作権保護をしていたみたいです。見た目にも人のいいエンジニア、いいお父さんと言う感じで付き合いやすそうです。大企業でやりがいのある仕事をしていて辞めようとはまったく思ってなかったそうです。

そこを辻さんに口説かれて、子供二人、ローンを抱えた、平凡なサラリーマンが苦悩しながらマネーフォワードに入ることを決断したみたいですね。(なんかドラマっぽい展開です。)5人の創業メンバーの中で最も普通の人じゃないのかな?と思います。辻さんに会ってなかったら、未だにソニーでエンジニアやっているだろうと思います。

まとめ

創業メンバーで辞めたのは1人だけだそうで、辻さんが人格者なんだろうと思います。それぞれがキャラが立っており、かぶってもいませんので、それほど激しく揉めなさそうです。少なくともIPOと同時にサヨウナラ、という人は誰もいないんじゃないか?と思います。(ロックアップ180日もありますけどね。)

すでにCOOを解任させて持ち株を奪いボロボロの人間関係になっているだろうウォンテッドリーとは対照的ですし、多くのスタートアップが抱える内部のグチャグチャの人間関係が見受けられないのは好印象です。本当の意味でのゴールはまだ数年後になるでしょうし、それまでこのメンバーで続けられることを祈ります。

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ニコ
6 years ago

投資にはあまり詳しくないのですが、この記事は楽しかったです。
ありがとうございました。

ミレニアム以前のソニーって子供のときだったのですが楽しいイメージですね。

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カツカレー
6 years ago

サービス利用していますが、創業者情報等全くなかったので興味深く拝見しました。
個人向けサービスの収益は知れているかもしれませんが、年代問わず利用できるサービスなので開拓の余地はあるのかなと感じています。おっさんが使っていると、特に厳格に家計管理をされているおば様方からバカにされるのはあれですが・・・
ともかく多少は思い入れがありますので今後も頑張ってほしいです。

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