じゃあ、MRJ

かなり分析された上でリクエストを頂きました。MRJはまさに国策であり、日本復活の狼煙になりうるプロジェクトであるとともに、日本の持っている闇を表す象徴です。すでに頂いた分析が素晴らしいものなので、まずは掲載して、そこから私も記事を書きたいと思います。

分析

これまでぬるりで議論されてきた日本企業の様々な問題が凝縮されているようなプロジェクトだと思い、記事にしていただけると幸いです。以前コメントでこのプロジェクトに関わったことがある人がいたような記憶があるのですが、中の人のコメントなどがついたら面白いですね。

2008年に華々しく計画発表した後、予想に反してJALやANAだけでなく米国のエアラインからも一気に400機以上の受注するなど、報道を読んだ時は日本企業に対して自分は懐疑的すぎだったのかもしれないと反省し、良い意味で期待を裏切られたと感じました。特に三菱重工は保守的な三菱グループの中でも本流で金曜会の主要会社という点でも、日本企業文化の権化のようなイメージだったというのもあり、日本企業もまだまだやれるのでは?という印象を受けました。

その後は特に注意も払っていなかったので、最近までは開発が遅れて何度も納入延期しているらしい位の認識しかありませんでした。昨年に5度目の延期を発表した際も、よく客も辛抱強く待つもんだなぁと思いつつ、ボーイングのドリームライナーも散々開発が遅延した経緯もあったので、さすがに航空機開発は最新素材や部品数も自動車と比にならないくらい多いだろうし、そんなもんなんだろうと思っていました。

先日ボーイングがエンブラエルを買収するかも、そうなればMRJにとって脅威となるという報道を読んだ際ふと気になって色々と記事を漁ってみました。以下に纏めた現状を鑑みるに、私の理解ではこのプロジェクトは既に完全に、絶望的に試合終了しているのは明らかだと思います。

*2008年に正式計画発表時には2013年に初号機納入の計画が、5回の延期で現時点の計画が全てうまく行っても2020年半ばの納入を目指すなど、既に7年以上の遅延。今年に入って米国のイースタン航空がついに40機キャンセル(顧客側のキャンセルの場合は違約金なしの模様)。他の客がキャンセルしないのは、東芝のWH買収でもそうでしたが、契約内容が相手側に一方的に有利な内容になっている可能性大(納入遅延損害金の条項による巨額損失の可能性?)。

*当初の最大の売りは、最新鋭のエンジンと炭素繊維の複合素材を使った主翼採用により、エンブラエルやボンバルディアの競合機と比べて20%の低燃費との謳い文句。ところが7年も開発が遅延している間に、エンブラエルが同じエンジンを積んだ新型機の開発を進めてしまい、しかもMRJよりも早い納入時期を予定。当初期待された炭素繊維複合素材も中型の機体の主翼ではコストと重量、さらには構造の面からも(しなりが足りないらしい)問題が続出し、結局通常素材のアルミ合金採用に変更。完全に燃費の点での差別化要因が消失。差別化要因がないならトラックレコードがあるエンブラエル一択となり、MRJを選ぶ理由が全くない。

*三菱重工と提携関係にあるはずのボーイングがエンブラエルの買収により中型機市場への参入を模索。過去の記事によれば、MRJ開発当初にボーイング側から同社のコクピット採用提案など提携を模索する提案があったが、経産省主導で税金も入っていることもあり、プライドが高く純国産にこだわった三菱重工が提案を蹴ったとの背景があるとのこと。MRJの開発費は既に5000億まで膨らみ、エンブラエルの時価総額より高額になっているとは究極の皮肉でしょう。更に、ボーイングがエンブラエルを傘下に収めてしまうと、競合であるMRJへの北米でのメンテや人的支援を拒否される可能性があり、そうなればそれらを自前で用意できない三菱は何れにしても梯子を外される。

*中国もMRJと競合する中型機のARJを開発しており、日本の関係者は技術力の点でずいぶんバカにしてたようです。MRJの最大の開発遅延要因である米国連邦航空局の型式証明取得も取れないだろうとたかを括っていたら、なんと巨大な国内市場を抱える中国は米国に型式証明の相互認証をのませてしまうことで一発逆転、一気に米国でもARJを売れるようにしてしまいました。まさに日本と中国の政治力、外交力の力の差が露呈したと言えるでしょう。

これだけの惨状にもかかわらず、誰も現状を公に認識せず、誰も責任を取らない中で泥沼の損失に突き進んでいるあたり、第二次世界大戦で負け戦を止められず地獄に突き進んだ日本をリアルタイムで観察している気分です。三菱重工も、そもそもの発端を作って莫大な税金を補助金として突っ込んだ経産省も、どことなく他人事のようなそぶりで、既にビジネスとして成り立たなくなったという事実をうやむやにしつつあります。日本企業と日本社会の体質を体現しているという点で、今後も観察したいと思っています。

まとめ

改めて事実関係を並べていただくと、勝負はついているのだな、と思います。日本企業の悪い点がもろに露呈したプロジェクトですね。ボーイングともっと密にやるなり、エンブラエルを買って三菱重工内に取り込んでいくなり、政治力で相互認証に持ち込むなり、方法はあったはずなのに、日本人だけで、日本企業だけで、日本のやり方にこだわったばかりに負けてしまい、負けてしまったのに誰もその事実を受け止めもせず、問題の先送りをしているんですね。

救いようのない話です。

29+

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、MRJ」への34件のフィードバック

  1. ある程度、スピード感を持って物事に取り組まないとクチャクチャになる例ですね。
    政治力は弱いのとどの国も短所はあるのですけど無理がなければとりあえず妥協策で期限を守るべきだと思ってます。

    私も航空機なので安全性やなにかしらの許可や実験やるのが大変なんだろうとしか思ってなかったのですがプロジェクトが破綻してたのですね。
    また、関係あるかわからないのですが日本メーカーで働いている私の感覚として簡単な部品の図面ですら自社で問題起きたら責任を取りたくないから外注、やることが書類だらけで出図も気持ち悪いくらいの完璧主義でそれに耐えるくらいの優秀な職人でないと仕事が回らないんだろうなと思ってます。
    課長や係長レベルが実務に参加しない、図面の議論、修正や話し合いをしない、責任取りたくないためにわけわからないチェックシートや資料作成をさせるわけなので。

    2+

    1. ウォーターフォールの敗北と言う感じですね。この辺のことは別記事で書こうと思っていますが、課長、係長レベルが実務をせず、下に丸投げして責任を取らず、文句だけつけているような組織だと、納期はどんどん遅れていきます。システムが確立しきった自動車ならともかく、新しい航空機製造となると、ほとんどの人にとって未知の世界なので、経験者を雇って権限を与え、手探りで小さな修正を常にしつつ完成度を高める必要があるのでしょうが、それをしなかったということでしょうね。

      シン

      1+

  2. これは国が製品開発に関与することによる問題であり、日本企業の問題とは違うように思います。なぜなら同じジェット機開発でもホンダジェットはうまくいっているように見受けられるからです。
    ルネ〇ステクノロジとかエル〇ーダメモリといった国策企業も総じてうまくいっていないので、つまりそういうことです。
    結論は、国の企業経営への関与は最小限にすべきだということです。

    0

    1. そうではないと思います。

      日本企業のやり方が通用しなくなってきたのであって、MRJは特殊事例ではないでしょう。どんどん似た事例が増えるだろうと思います。

      ホンダジェットはかなり前から本田宗一郎御大の指揮で時間をかけて取り組んでいたプロジェクトであり、本業の自動車が安定していたから出来た話で、こちらの方が特殊事例でしょう。

      シン

      0

      1. 日本企業のほとんどはMRJのような国策プロジェクトを持ってますか?違うでしょう。つまりこちらの方が特殊事例なのです。
        そして財閥系企業なんて数多くある日本企業のほんの一握りであり、そうでない企業は沢山あります。
        シンさんは歴史の長い、利権に結びついた大企業だけを日本企業と見ているのでしょう。

        2+

        1. 私はMRJの失敗を国策だったからでなく、ウォーターフォールの失敗だと思います。ウォーターフォールは納期が長く、カチッとシステムが確立してないと成立しないので、即決即断のアメリカ企業、アメリカ人との協業は成立しません。

          ルネ、エルの失敗は元から負け組連合であり、回復させるならカリスマがかなり強引なことをするしかなく、それをしなかったと言うことだと思います。

          トヨタですら、テスラと揉めたのはトヨタのウォーターフォールにテスラエンジニアが耐えられなかった、との指摘もあります。

          シン

          2+

        2. でらさん
          日本人の気質が変化の早い情報化、グローバル化社会で勝ち残るためにマッチしていません。成功体験にしがみつき、それを御大層に何年も保持して、情勢が変化してもそこから脱却できない。周囲の顔色ばかり窺って、自分の頭で考えて正しい決断が出来ない。(1990年代後半から周囲の顔色を窺っているうちにせっかく見つけた獲物を横取りされてきているのです。)よって大企業、中小企業問わず、日本人の集合体である日本企業は変化に弱いのです。ビジネスの対象が国策かどうかはあまり関係ありません。三菱重工の場合で言えば、日本人気質+国策のしがらみが更に状況が悪化したと理解した方が良いと思います。
          私は仕事柄、大小問わず、様々な会社とお付き合いしますが、中小企業だから変化に柔軟と考えるのは早計です。むしろオーナー色に染まりやすい中小企業の方が大企業よりも変化に弱かったりします。

          3+

          1. 日本人が駄目、日本企業が駄目と言いますが、それに私がいつも反論しているのは決めつけになっているからです。そして、自国だから厳しく見てしまうのてすね。

            外国の企業と比較して言っているのだろうと思いますが、そういう外国企業はその国の中で特に海外志向が強い企業のはずで、例外的なのです。また、我々が海外企業を見る場合は失敗事例に注目することはほとんどなく、成功事例しか見ないことがほとんどです。生き残りバイアスという言葉を知っていますか?

            普段は失敗事例に注目することが多いシンさんも、外国に関しては成功事例ばかり見てしまっているのは何だかな〜と思います。

            0

          2. ほとんどの日本企業はダメなんですよ。決めつけてあるわけでも、バイアスでもありません。インデックスが冴えないのが全てです。平均的日本企業はダメだからインデックスが冴えないんだと思いますよ。

            シン

            2+

          3. 株価が全てですか。シンさん、馬脚を現しましたね。
            株価なんて、投資家以外にとっては無意味な指標です。

            経済の指標としては失業率の方が重要なのですが、日本の失業率は世界最低レベルです。ついでに犯罪率も最低レベルですね。あのトランプ大統領も雇用の改善だ大事だと叫んでいるくらいです。あれだけ企業業績な好調なアメリカですよ。

            いくら企業が利益を上げていても、失業や犯罪に怯えて暮らすのはゴメンですね。
            日本の労働環境がクソと言われますが、最近の働き方改革の取り組みによって劇的に改善されてきていますから。

            0

          4. 馬脚を現す、と言われても困りますね。私は常に数字が最も大事、良いことをしたいならお金が回らないとダメ、企業価値とは時価総額、と言い続けているので普段通りだと思います。

            日本の労働環境はかなり悪いです。非正規雇用の割合、同一労働同一賃金も進んでません。サービス残業の強要、有休消化拒否という犯罪みたい法律無視も多いです。そういう観点では失業率は高いし、犯罪率も高いです。過労死という企業に殺される事件も後を絶ちません。

            最近マシになったと言っても地獄みたいな環境が多少マシになっただけで、先進国レベルではありません。一週間の連続有休消化すら認められない国は他に知りません。(私は国家間合意を感情を根拠に無視するお隣さんを先進国とは思ってませんw)

            シン

            1+

  3. >>プライドが高く純国産にこだわった
    →目的ではなく手段にこだわって自滅する日本企業特有の典型的な例ですね。もうメイドインジャパンなんていうブランドはとっくに廃れているのにまだそれを認識できてないのですね。

    3+

  4. 平成14年のダイヤモンドプリンセスの建造中の火災は
    入社30年のベテラン作業員の作業手順を無視した溶接
    が原因と結論付けられましたが、客船のフィリピンクルー
    達の噂話で、あれは放火だった言うのでまさか思い、一笑
    に付していました。

    今回、2500億以上の赤字を出した客船アイーダの建造
    では、3度も放火されボヤ騒動を起こしましたので、噂は
    本当かもしれないと思うようなりました。実際溶接作業を
    しているところは、誰も見ていないようですし。三菱に客船
    を作られては困る、イタリア・フランス・ドイツの造船会社
    が、裏で金を掴ませてやるなんて・・・・考えすぎかな?

    客船事業評価委員会の報告書では、ボヤ騒動のことは何も
    触れていませんが、こんな小さな事の方が重要だと思うの
    ですが。これだけの巨額赤字を出したのだから、当然社長
    は引責辞任をすると思いましたが、次期社長に自分の子飼
    の事務屋を社長にすえ、自分は会長として院政を敷くつもり
    らしいです。

    池井戸潤の小説、下町ロケットに出てくる、図体がデカイだけ
    で、役員が無能な帝国重工そっくりに見えてきました。他の
    会社ならどうでも良いのですが、日本の防衛産業の要である
    三菱重工がこんな事では、困ったものです。

    http://www.mhi.co.jp/finance/library/others/pdf/161018_01.pdf

    2+

  5. 以前、MRJの事で少しコメントさせていただきましたが、正におっしゃる通りですね。

    私の家族、友人がまさにMRJプロジェクトにどっぷり浸かっています。

    実は三菱重工はつい数ヶ月くらい前まで、なんとかボーイングにMRJを買収していただきたいよう動いていたようなんですが、まんまとエンブラエルに先に越されてしまったようです。

    純国産にこだわる余り、機会損失に次ぐ損失。
    追い討ちをかけるような神戸製鋼のアルミ製品データ改ざんのマスメディアでの報道。
    *この報道は英語圏でもかなり話題となっていました。
    これについてはマスコミに言いたいことはたくさんあります!
    なぜ?このタイミングで?日本のマスコミは馬鹿としかいいようがない。
    国力を更に落とすような記事を上げて、いったいどれくらい日本に危機をもたらしているのか分かっていない!

    プロジェクトの失敗は、シンさんのおっしゃる通り、ウォーターフォール式が諸悪の根源です。
    三菱やその傘下のエンジニアは優秀な人が多いのですが、上に正しい意見が言えない風潮があるようです。
    現場のエンジニアはよく分かっていますよ。

    数ヶ月前に、数々の航空業界で活躍してきた外国人シニアエンジニアをトップエンジニアチームに迎え入れていますが遅いんですよね。とにかく何もかもがアクションが遅い。

    もう絶対にこの赤字を埋めることは出来ないだろうとタカを括っていても、今更やめられないというのがあるようで。
    現在追加テスト機 2機 開発中なんですね。
    なんだか日本そのものの凋落を目の当たりにしているようで、寒々します。

    8+

    1. ウォーターフォールの敗北ですね。エンジニアが無能だというのではなく、間違っていることを間違っていると上に言うことができないシステムが古いのです。そして、もう明らかに負けているのに上のメンツのために更に突き進むわけで、死の行進という感じですね。

      シン

      3+

  6. 私がMRJの惨状に日本社会・日本企業の現在の苦境を映していると感じる理由は幾つかあります。

    まず、企業間競争がグローバル化し激しさを増す中で、技術的な差異はあっという間に国を跨いで平準化されてしまうため、日本の内向きな技術依存のプロダクト・アウト手法は時代遅れで通用しなくなっている点。更に、勝者総取りの傾向を強める世界市場で生き残るには、プラットフォームを押さえ業界基準を牛耳るための俊敏さと政治力が勝敗の決め手となりますが、島国気質の世間知らずさと絶望的に貧弱な英語力が仇となり、そのどちらにおいても世界で戦うには既に中韓などの後塵を拝していると思います。

    でらさんがホンダ・ジェットの成功例に触れていますが、これはむしろホンダが何十年もかけて北米で事業を行ってきたからこそ政治的にうまく立ち回れたわけで、現地の政治家や規制当局へのパイプもなしに現地の暗黙のルールもよくわからず特攻した三菱重工とはわけが違うと思います。具体的に言えば、ホンダジェットは完全な独自開発ではなくGEとの合弁会社にエンジン開発・製造を担当させ、製造工場も米国に設立することで現地雇用を創出し、ちゃんと米国に対して「みかじめ料」を払っています。ホンダはさすがに長年米国で事業を行ってきただけあって、覇権国家である米国の逆鱗に触れずに市場に食い込み相応の分け前を得る術を知っていたと言えますし、当然計算してそのようなアプローチを選択したと想像します。

    実際、私はホンダがGEと組んだのは大変に賢い戦略だと思います。GEはホワイトハウスに政策助言する企業評議会にメンバーを出し、民主党政権時にはヒラリー・クリントン国務長官を使って他国に自社製品のトップ営業をさせて市場開拓したりと、製造業としては米国の政治権力にかなり近い企業で、その後ろ盾を得たというのは非常に大きかったでしょう。

    90年代から韓国や中国企業はワシントン議員を取り込むロビー活動に多大な労力と資金を投入していたと聞き、逆に日本企業からのロビー活動の存在感の低さに危惧を覚えるとの話も既に2000年代初頭には聞こえ始めていましたので、まさにこれまでの積み重ねが中韓との競争力の差として顕在化している現状は否めません。2010年にトヨタが「急加速問題による大量リコール」で米国で突如として吊るし上げられましたが、当然あれもGM破綻後の政治的理由があり、トヨタがその後息の根を止められるような巨額賠償金などを回避できたのも、ちゃんと影響力のある議員へのパイプを維持していたからだと聞きました。

    技術力さえあれば素直に当局から承認され、市場からも評価されるだろう、売れるだろうと正面突破しようとした三菱重工に、ガラパゴスで育ったお山の大将状態の日本企業の典型を見るように思います。それを打破するために必要な技術力・英語力・政治力を持った人材は、三菱重工のような伝統的な年功序列を維持する日本企業の給与体系では採用・維持できないことも、さらに問題の解決を難しくしていると言えるでしょう。

    22+

    1. 三菱重工に派遣されたことのあるフリーのエンジニアの人も同じことを言ってましたね。
      日本企業の中でもかなり古い体制の残る企業であり、学歴の話を上の方がずっと話しているみたいらしいですしメイドインジャパンの記事にあるように派遣、外注だらけで品質も怪しいです。

      また、三菱重工の造船が大赤字なのと冷熱事業の子会社化、事務系の採用をやめた様子を見る限り本気で体質を変えないといけない時期かなと思います。

      3+

  7. 研究でも設計でもそうですが、期限があって100点でなくても落とし所を見つけて世に出すってことをしないといつまでも未完成で他社に追い越されたって感じなんですよね。
    例えが悪いかもしれないですが、テスト前に赤シートで必死に覚えたときが一番成績が伸びる感覚に似ていて〆切と落とし所を見つけないといつまでもできないですね。

    また、本当かどうかわからないですがMRJはシミュレーション解析で燃費が改善してると主張してますが、そんなことは60点でいいので早く試験、安全とか製品になる段階に進めてほしいと思います。

    1+

  8. 日本人がダメとか思わないのですが、日本企業の雇用の劣化みたいなものが進んできている印象がありますね。
    大企業の正社員が特権階級であとはグループ会社も含め下請けに痛みを強いるような構造ができてきてる感じがします。
    親世代と話してもそこら辺は同情もされるし理解されないことがあります。

    1+

    1. 日本人がダメなのではなく、日本企業がダメなんですよ。とっくに通用しなくなったやり方にしがみついて事態を悪化させ続けています。それがインデックスに現れているんですよね。

      シン

      4+

  9. 日本企業全般に該当する一つのことを愚直にコツコツ努力するというスタイルは十年単位のの右肩上がりの時代にはうまくはまっていました。さらにその努力による性能向上は人々の欲求の上昇に順応し、評価を受けてきました。しかし、現在は汎用製品の性能向上は技術的な限界にきています。そして、そもそも人々が既存の水準以上の性能向上を要求しなくなってきました。そのため、日本企業の従来の勝ちパターンが通用しなくなっているのです。今はLGのテレビでも十分にきれいな映像が見られます。素人にはパナソニックとの違いなんて分かりません。それならば安いLG製を買うのは当たり前です。ドンキで独自ブランドの4kテレビを安く売りだして、盛況なのも象徴的です。
    このように競争に勝つポイントがハードの性能は90点でも、とにかくプラットフォームを抑えて、そこからエコシステム(経済生態系)を構築することにシフトしているのです。アップルはi pod、MACを皮切りに携帯電話にうまく切り込んでネットワークの生態系を完全に掌握してしまったのです。
    実際にi phoneと日本製のスマホの純粋な性能を比較したら日本製の方がいいかもしれません。でもシェアは比較にもなりません。何度も言いますが、ハードの全般的な水準が50点だったときはその水準を50点から55点に上げる努力には意味がありました。今は中韓税でも80点はキープ出来てしまうのです。そこまで高い安全性が問われない民生品に限って言えば、80点を90点に上げる暇があったら、その労力を革新的なものをリリースするために投入するのが正しいやり方です。
    実は私はそのappleと仕事をした経験があるのですが、彼らの合理的思考、フットワークの軽さ、決断の迅速さには舌を巻かざるを得ませんでした。日本の某メーカーが納入している製品はほんの少しの傷でもやみくもにNGで破棄します。それをみたappleの工程監査員は激怒に次ぐ激怒です。彼らの質問の第一声が忘れられません。
    「その傷はiPhoneに搭載した時に支障となるものですか?」そして彼らはすぐさま、
    iPhoneに搭載した時に傷が識別されてしまうか判定出来る冶具を作らせました。そして本社のクパチーノと日本企業の工場責任者とappleの工程監査担当者を交えたテレビ会議をおこない、その日のうちにGoが出ました。そしてその方式で一気に歩留まりを向上させました。大した設備投資もせずに、目的を見据えた合理思考のみで三日もしないうちに大幅なコストダウンを達成してしまったのです。
    こんな単純なことではありますが、日本企業に同じことが同じスピードで出来るでしょうか?まず傷があることは無条件にNGと判定することを疑わないでしょう。疑ったとしてもそれを表明はできないでしょう。それを表明したとしても周囲がそれを否定するでしょう。否定されるだけならまだしも、表明した人は窓際に干されるかもしれません。
    運よくマネージャーの理解が得られたとしても、それを上層部へ上奏するためにマネージャー同士で不毛な会議を何回も重ねるでしょう。そこでOKが出たとしてもマネージャーの代表者が本社まで直接乗り込み、そこで何回も会議を重ねるでしょう。合理思考を阻む何重にも重なる壁。本当に絶望的な気持ちになります。
    日本企業への逆風は性能面のニーズの変化だけではありません。さらにパラダイムが完全に変化してしまうと、従来は価値とされてきた性能が完全に無意味になってしまう恐れもあります。鉄鋼は日本のお家芸で海外には負けないと豪語する人もいますが、AIの急速な進化で車に衝突を完全回避するシステムが構築されたらどうなるでしょうか?耐衝撃性能が売りで車に採用されていた日本製の鉄材は安いインド、中韓勢に完全に敗北します。日本の鉄鋼製品の強みである耐衝撃性能が完全に意味をなさなくなります。
    このようなハードの技術的臨界点と高度な情報化、パラダイムシフトの高速化という環境下ではグローバル海外企業が一歩上手なのです。日本企業のらしさである一つのことを皆ではなしあって愚直にコツコツのスタイルが完全に裏目に出てしまうのです。日本がそれをしている間に欧米企業、中韓企業は外部から人を引っ張ってきたリ、技術を丸ごと買いあさって、とにかくスピード重視で製品を市場にリリースし、プラットフォームを一気に抑えに行きます。(場合によってはルールを変えてしまいます。)
    こうした海外のグローバル企業においては、マネージャーが外部からコンサルタントや専門家を招聘し素直に教えを受けることの心理的抵抗が薄いです。日本企業では会社や部の組織全体の利益になるにも関わらず、外部から専門家を招聘することを頑なに拒むマネージャーが非常に多いです。専門家が来ることで自分の立場が霞むのが嫌だ。専門家だからと言って自分よりも年下に頭を下げたくない。こうしたくだらない、ちっぽけなプライドが組織のブラッシュアップ、進歩を大幅に阻害します。思考が近視眼的なのです。組織を活かして自分も生きるではなく、自分が活きることしか考えられずに組織全体を弱体化させてしまうのです。長々と書きましたが、日本企業は現在本当に大事な岐路に立たされています。過去の成功体験を捨てて、変化を恐れずにとにかく謙虚な気持ちと持たないと本当に海外勢に食われてしまいますよ。

    13+

    1. まったくですね。ハードの完成度はそんなに変わらなくなっており、プラットフォームを抑えてソフトの充実を図ることで市場を占拠するやり方が主流になると、真面目にコツコツ良いものを作りましょう!っという日本人気質は邪魔にしかなりません。性能に関係ない、外観に影響のないことを不良にするような無駄な完璧主義はコストをあげて、競争力を失わせるだけです。

      我々日本人は変わらないとダメです。アングロサクソンどころか、ある部分では中韓にすら劣ることを受け止めて、彼らの良いところを見習い、真剣になって戦うべきですね。

      シン

      2+

      1. そうなんですよね。
        昨今はハードは価格低下競争になっており、いかにソフトを充実させるかを重点に置くべきなんです。
        ソフトとなると、当然ITの分野になりますが、そのソフトの開発部隊が下請けでやるってことが問題だと思っています。

        アメリカはアップルにしろ、アマゾンにしろ、GOOGLEにしろ大手、中小企業もITエンジニアやデベロッパーは全て正社員で、かなりの好条件です。逆にそれらを仕切るプロジェクトマネージャーや設計技術者はプロジェクト単位での契約社員になっていることのほうが多いです。つまり日本ではプロパーが担当する仕事が派遣、実務作業をやるエンジニアが正社員です。真逆ですね。

        MRJにしても、電気系統はほぼゼロからやり直ししているだけではなく、その制御や乗客サービス部分でのソフトの開発がかなり遅れているようです。

        日本は早々に、エンジニアこそ正社員として大量採用して、マネージメントや雑務をやる文系社員を契約社員でまかなうというスタイルにしていくことこそがアジャイル化への近道だと思います。

        ちなみに私は2社でウォーターフォールからアジャイルへ変更していくプロセスを経験しましたが、エンジニアが皆正社員なので、かなりスムーズに移行できたなと思いました。

        またアジャイルにすると、自宅からのリモート勤務への移行も、難なくできてたように思います。
        正社員じゃないと、社内LANにアクセスできない、VPNがないとアクセスできないサーバー等、セキュリティ面の問題もありますからね。

        日本は、企業の雇用体制の変革がまず最初の課題でしょう。

        参考までに、エンジニア同士で頻繁に連絡を取り合い、誰が何を担当していて、それぞれの作業の更新は1時間刻みでアップデートしています。不具合が見つかったら、その場で必要があれば、関係者でグループビデオチャットをし、即断、簡単な不具合の修正はその日の午前中。午後にQA、QAが終了したらすぐにリリースという感じです。
        その部分に影響を受けない部分を受けない技術担当者はそのまま作業を進めます。
        仕様漏れを発見したら、すぐに上へ報告し、営業担当者ともビデオチャットをして、すぐに仕様追加をしてもらいます。
        そういう場合でも、優先順位の高いものであれば、早くて1日、遅くとも3日以内くらいには新しい仕様を追加した部分をリリースします。

        Yさんのおっしゃってることは、すごく良くわかります。
        このスピード感が日本企業にはありませんね。

        2+

        1. >>日本は、企業の雇用体制の変革がまず最初の課題でしょう。

          日本は変革途上で中途半端に終身雇用・年功序列の正社員と非正規に分かれてしまっているのが問題かと思います。何事も中途半端が一番いけないです。徹底的に解雇を容易にしてしまえば、むしろ正社員と非正規の垣根も低くなり、非正規が一方的に搾取されることも無くなるのでは。

          北米でミレニアル世代以降の平均勤続年数は既に3年を切ると言われており、日本の若者も傾向としては後追いすると想像すると、雇われる側も同じ会社に勤続し続けることは期待していないのだから、もう終身雇用・年功序列構造は綺麗さっぱり撤廃してしまう方が合理的だと思います。私の身の回りのスピード感でも、転職後6ヶ月は試用期間と社内人間関係構築、その後12ヶ月単位でプロジェクト遂行と数字の評価のサイクルに入り、入社3年以内にそれなりの成果が出ない人は解雇、成果がある場合は昇進(俗に言うUp or Outです)。大きな成果が出ているのに社内報酬や昇進が色々な理由で追いつかない場合は、ほぼ例外なく他社に引き抜かれていきます。

          会社が解雇する場合は上司のオフィスに呼び出されて直接通知とパッケージ(解雇補償金)の提示、デスクには戻れず荷物は後日配送ということでその日を持ってアクセスカードも没収。従業員が転職する場合もきっかり辞職予定日から2週間前通知(ボーナス振り込み直後が最も多い)、引き継ぎ資料作りをしてあっさり会社を去ります。お互いに冷酷なようですが、むしろフェアなゲームという意味で組織の風通しは良いと思います。

          2+

          1. 私は米国型の雇用システムをそのまま持ってきても、日本人には受け入れられないだろうと思います。だから、日本流に作り替える必要があり、そういうことは得意なので、本当に危機になったら始まるのではないか?と思います。それまでは放置するんだろうと思いますが、、、。

            いずれにしても、同一労働同一賃金がスタートで業務内容に対するグレードで時給を決める。正社員の解雇を認める代わりに、企業の不正は懲罰的罰金などで厳罰対応するなど、労使お互いがフェアだと思う環境にする必要があると思います。フェアであるなら、無駄なことは徐々に消えていくでしょう。正社員はクビにならないと思うからさぼるし、無駄な仕事で残業代を請求するような詐欺もするし、管理職は言うこと聞くと思うから理不尽なことも言えるわけです。

            シン

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      2. 海外グローバル企業が強いのは当たり前であり、国内競合他社を打ち破って国内覇者となり、資金力・政治力を駆使して海外市場に打って出た猛者ばかりです。

        そういう企業はアメリカでも100社に満たないはずで、中国30社、日本20社、韓国10社程度でしょう。日本だとtopix core30の更に選りすぐりという感じでしょうか。appleが例に出されていますが、この会社は米グローバル企業のトップ中のトップの存在で、例外といってよいものです。

        appleと日本企業を比較するのもいいのですが、人材力・資金力・政治力の点で比較にならないため、貶すのは違うと思います。強いグローバル企業は日本に20~30社あれば充分であり、あとは日本ローカル企業として戦う土俵が違います。

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        1. 有名だから話題になるだけで、日米の中小企業同士を比べても日本企業はダメですよ。アメリカ人経営者は良くも悪くも利益最優先ですが、日本人経営者は意味のわからないことを平気でします。経費節約の為、WindowsXPをつかうとか、FAXで間に合わせるとかするのに、雑用の為に事務員雇うとか、用事もないのに客先に行く営業を雇うとかしますからね。そんなアホをアメリカ人どころか、中国人すら見たことありません。

          シン

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          1. どこの国でもわけのわからないしがらみがあるものです。
            例えばアメリカの企業ではアファーマティブアクションのため、能力の低い黒人や女性を一定数雇わないといけません。中国企業では露骨な親族優遇が珍しくありません。
            外国の悪いところに目を瞑り、日本企業の悪いところをあげつらうのは公平ではないです。

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          2. 日本企業のIT嫌いはしがらみですらなく、単なる前例主義になってます。特にメリットもないのに前からそうだから、と思考停止しています。

            親族優遇なんて世界中どこでもあるし、それはオーナーの責任でやって貰えばいいし、アファーマティブアクションはアメリカの事業税みたいなものです。やる必要もないし、メリットもないのに、むかしからやってきたことにこだわっている日本企業とは違います。

            シン

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    2. 素晴らしくわかりやすい具体例ですね。いつの間にか手段が目的化してしまい、「顧客はそこまで求めてないのでは?」という様などうでも良いことに膨大なリソースを割いてしまうというのは、官僚的な組織ではよくあることだと思います。

      >>こうしたくだらない、ちっぽけなプライドが組織のブラッシュアップ、進歩を大幅に阻害します。思考が近視眼的なのです。組織を活かして自分も生きるではなく、自分が活きることしか考えられずに組織全体を弱体化させてしまうのです。

      日本企業が外部専門家を雇うなどの機動性を著しく欠く理由は、日本人の思考や個人レベルでの利己的な行動が原因というより、組織構造の問題だと思います。どの国の企業であっても、働いているのは同じ人間なので程度の差はあれ皆利己的で、自分の利益を差し置いて組織の利益を優先させる人はほぼいないでしょう(むしろ被雇用者の立場でそこまで求められるべきでない)。

      どの国のマネージャーも当然自分よりも年下に頭を下げるのはいい気分がしないですし、自分の社内での存在意義を霞ませるような専門家を雇い入れるのは嫌がります。ただ、自分のチームの数字に直接的に責任を負わされる組織構造の下では、むしろ利己的であるからこそ「自分がクビにならないために」なりふり構わず年下であろうが外部専門家であろうが、利用できるものは何でも利用して最終的に自分に数字さえもたらせばいいという意思が働き、それを履行する権限と予算も与えられているのだと思います。

      これは「じゃあ、責任を取る」の記事にもつながる議論ですが、要は責任と権限の所在が一致していることが重要なんだと思います。

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      1. >>チームの数字に直接的に責任を負わされる組織構造の下では、むしろ利己的であるからこそ「自分がクビにならないために」なりふり構わず年下であろうが外部専門家であろうが、利用できるものは何でも利用して最終的に自分に数字さえもたらせばいいという意思が働き、それを履行する権限と予算も与えられているのだと思います。
        →日本の企業において管理職や役員が大失態を冒しても、引責辞任や降格がないぬるま湯は問題ですね。利己的な判断をしても傷が浅くて済むので、当然ながら自分のプライドをかなぐり捨ててでも結果にフォーカスをした合理的選択は取れません。前職で製品の品質向上ために専門家を招いた勉強会を開催し、管理職に何度も声を掛けました。しかしそれを最後まで頑なに拒み、従来の非効率不十分な品質管理で、不良率が高止まりとなったままでした。でもどうなんでしょう。結果に対する責任を明確に取らせるシステム云々以前に本当に成功している人達は、とても謙虚で、自分よりも優れた点があれば素直に教えを請うことが出来る人達だと思うんですよね。そうした点で、組織以前に人としての向上心、謙虚なメンタリティ点が欠落している人が多いかなと思ってしまいます。

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  10. 今の日本企業のやり方というか技術部の計画ってのは、技術者のスキルやレベルが野球でいうとエース級の選手が万全の調子で先発して完投しないと成り立たないというような完璧な計画を立ててる感じなんですよね。
    そりゃあ、部署に一人くらいはいるけどできないものはできないですね。

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  11. 車で言えばバンパーのような部位に傷があった場合、例えそれを補修し納品すると言っても、「不良品は使えない」「傷を発生させるような会社の製品は信頼できない」などと抜かして、バンパーどころか車そのものの作り直しを要求するのが一般的な日本企業です。個人レベルではそこまで無茶は言わない人達も会社レベルになると話は別で、上から詰められる可能性を恐れてそうなっちゃいます。当然納入側もそれを見越して、コストを上乗せしたり、外から見えない部分は徹底的に手を抜く等対応をとり、最終手段がカルテルだったり、検査データの改ざんとなるわけです。
    書類なんかは官民、業種、職種を問わず校正員、チェック員が溢れていますので体裁至上主義が国是化しているといっていいでしょう。そのおかげで多くの雇用は守られ、IT化クソ食らえといえるわけですが、高コスト、低スピード体質からは脱却できず、国際競争力の低下という形で返ってきます。
    記事及びコメントを拝見して、国と日の丸を背負うと自負している企業のプロジェクトが失敗に終わりそうなのは必然という想いを強くしました。

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    1. おっさんの集まりだとそうなりがちなんですかね。
      日本は男性度が高い社会だと聞いたことがあります。
      男性度が高いと融通がきかないらしいです。
      アメリカとかが女性度が高いかというとどうかと思いますが
      日本よりは高そうですけどね。

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