じゃあ、物事の本質

本当のところはどうなんだろうか?、と言う疑問を考えてみるのがぬるりと生きる、なんですけど、前提として、人間は見たいものしか見ない、と言うことがあります。

成功例

どんな集団、組織を取り上げても、一定数の成功例はあるものです。無作為にその辺を歩いている人を一万人声かけたら、何人かはひとかどの人物でしょう。だから、その声をかけた通りには成功者が多いのでしょうか?そうじゃないですよね?

なんでもそうですけど、サービスを売ろうとすると、夢を見せることで、お金を取ることになるので、売る人間は失敗例、全体像でなく、成功例ばかりを強調して、お金を払わせようとします。そして、お金を払う人間がいるので、ビジネスが成り立ちます。

多くの人、特に若い人は自分は特別だと根拠もなく思っているので、その虚栄心をくすぐるような言い方で誘惑するのが儲かるビジネスなんですよ。ネットワークビジネスだとか、学位ビジネスだとか、ギャンブル、宝くじ、だとか、射幸心を煽ってくるんですよ。

失敗例

なので、私は成功例にはあまり興味がなく、失敗例に興味があります。そのサービスを受けた人の中で、明らかに失敗してしまった人がどれだけの割合になるか?ってすごく重要です。失敗例があまりにも多いビジネスは詐欺に近いのではないか?、と思います。

例えば、漫画家、声優の専門学校ってあるみたいですけど、そういう学校って、極一部の漫画家、声優として自立できるまで、仕事を得られた人だけを強調しますけど、卒業した後に何の関連もない仕事についていたら、フリーターしている人の割合は出したがりません。

私は自分のことを特別だとか、才能があるとは思ってないので、失敗することが怖い、臆病で小心者です。だから、自分が成功しているイメージでなく、失敗しているイメージが先行するので、最悪のケースばかりを想定します。

投資でも同じことで、成功者の本、ブログを読むことはほとんどありません。その人達は特別な人だろうから、自分が同じことをできる、と想像できないのです。だから、失敗した人のケースをよく見て、同じことをしないように研究します。

才能

特に芸事って、伝統芸能、クラッシックみたいな権威主義の業界でないなら、他人に習って出来るようなものではないと思うんですよ。あくまで、才能を持つ人が試行錯誤を繰り返して、いいものを作れるようにするしかないと思うので、学校に行くのは無駄です。

漱石門下みたいに、夏目漱石の周りに慕って集まる弟子がいて、その中から、何人か作家として自活できた人もいるんですけど、作家として自活できなかった人の方が多いと思うんです。消耗するのが嫌いなブロガーさんのお弟子さんで、自活できた人っているんですか?

ブロガーだって、表現者の端くれなんだから、売文して生活したいなら、とにかく、書きまくらないとダメなのでは?上手くマネタイズできている人にすり寄って、下請けしてても、自分の名前で自活は出来ないんじゃないでしょうか?

大学だって、何か専門を学ぶわけではない、フィルターにならない文系はリア充力、コミュ力、政治力、とかで戦うんでしょうけど、そんなの習って出来るようになるとも思えません。それだけで食って行くなら、才能のある人が努力して伸ばして行くものではないでしょうか?

まとめ

自分が特別な存在であり、成功例になれる、という自信がある人は好きにしたらいいと思うんです。実際、成功したらすごいし、失敗しても、自己責任なので、誰を責めることもできません。(理由を氷河期だ、不況に求めて、社会を責める人もいますけど。)

凡人の自覚がある人が成功例を見て、踏み出してしまうことで、成功例よりも、失敗例がどれくらいあるのか?、を入念に調べて、比較的安全な選択をした方がいいんじゃないの?、と思います。

A大学の役員輩出率はどうとかって、凡人には関係ない話ですよ。ある程度以上の企業になれば、役員まで上がれる人は同年代の数パーセントで、やはり運、政治力、求心力なりがずば抜けているから、数パーセントに勝ち上がっているわけです。

今までの人生でそう目立つこともなかった人がそんなこと気にしてどうするの?、と思いますね。特に目立つ業界、会社なんかは子供の頃から何やらせても目立つ存在で、モテるし、自然に周りに人が集まって来た人たちで競争する世界です。

平々凡々に生きてきた人は三年以内離職率だとか、社員の平均在職年数だとかを気にして、落ちこぼれて、会社にいられなくなったり、激務でメンタルやられないか?、を気にした方が現実的だと思います。

まぁ、若い人に何を言っても、ダメなことは知っていて、あえてこんなこと言うのは単なる老婆心です。元気よく反発するのはいいですが、人生は思うようにならないことの方が多いし、敗北を意識せず、歳をとって敗北すると、決定的なダメージになりかねないことを頭の隅にでも入れておくと、いいと思います。

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ニコ
7 years ago

ありがとうございます。
個人的に毎年年末に放送されるプロ野球選手の解雇から第2の人生に向かう番組が好きです。私も散々、踏みつけられたので成功例や自慢話を聞かされると逆に暑苦しいのと自分が惨めになります。
失敗して第2の人生はこう修正した、方向転換したや家族や恋人の支えとかそういったことが本当に大事だと思います。
失敗したとしてもドラフトで指命されるくらいならプロ野球選手を目指すべきだと思いますし、それでも脱落者が多いのはどんなけ厳しいんだとも思います。

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へろ
7 years ago

こんにちは シンさん

 私はニコさんとシンさんの会話を見て、ふとある番組を思い出しました。昔、少し好きで見ただけだったのですが、番組名を忘れてしまい申し訳ないのですが、繁盛しないお店を繁盛するお店が救うという番組でしたね。
 繁盛しない店にはやっぱり幾つの共通点があったような気がします。
それは私が記憶している限りでは、店が汚い・味がまずい(しかし店主は自分の店の味が最高と信じ切っている)と言うものでした。
 私がこの番組が好きだったのは、「敗者復活戦」ということが前提にあったからだと思います。「自分のだめな点を明確化して、正しい方向に努力する」という至極当たり前だけど、誰もが忘れがちな点を痛烈に映し出している事が好きでした。もうあんな番組はやらないのかな?と、時々思います。

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ぶら
Reply to  へろ
7 years ago

横からすみません。
Kitchen Nightmares ではないかと思います。ゴードン・ラムゼイ出演の。

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Garfield
7 years ago

大企業の役員などある程度以上の成功者は、どうもある種のエゴを強烈に持っているのではないかと感じます。それは、誰もが特別なのではなく自分だけが特別な存在なのだ、とでも表現できる種類のものでかつその程度が非常に強いものです。近年の若年層も自分自身への特別感が強いですが、そこにはこのような強烈さはなく、何となくフワフワしたものです。

もちろんどの世代にも数%の激しい層は存在して彼らはその強さゆえに上に上っていくのでしょうが、今は皆が皆個性を尊重されるという価値観を幼少期から植え込まれて育つので、同世代内で勘違いする人間の割合が増えてしまったのだと思います。こういう層は肥大した自己像を持っているものの心が傷付きやすく、十分な努力もせず、情報を調べもせず、結果的につまらないものに飛びついてカモにされる気がします。

本記事の最後にもあるように、勉強でもスポーツでも何でも早いうちに再起可能な範囲でしっかり挫折をして肥大した自意識を破壊された方が、自分自身が良く見えるようになり、見たくないものも見る胆力も養われて、その後の成長が良いだろうなと思います。その点で、やはりプロ野球など結果が丸わかりとなる世界は非常に厳しく、それゆえに一定以上の品質が保持されるのだろうなと感じます。

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ニコ
7 years ago

漫画家も実際になってみると描きたい作品をさせてもらえるわけではなく、編集や読者の言いなりにならざるをえず金になる作品を締め切りに追われて描くきつい仕事だと聞いたことあります。
また、声優なんか役者崩れしか本来なれなくて才能がないならやめるべきです。また、最近は女性は容姿もモデル並みにないと稼げないらしいです。

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ニコ
7 years ago

昔、予備校の生徒がスポーツの強豪校に行きたいって言ってましたがそういった高校はほとんど特待生で生徒を集めて一般入試組はよほどの拾いものでなければ練習キツい、試合出れない、勉強できないので進学は勧めないですね。
特待生で誘われたなら才能はあると思いますので挑戦してもいいですがそのなかの競争も大変です。

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チバ
7 years ago

結局、取った情報(取らされた情報)に踊らされないためには、まずは自分の立ち位置を客観視する必要がありますからね。

例にもありました射幸心を煽るMLM辺りはまさに典型で、
偏差値65程の人がシステムとル―ルを作り
偏差値60程の人が成功者となり
偏差値55程の人がスピーカ―をやり
偏差値50前後の人をカモる

ちなみに偏差値70以上の人と偏差値40以下の人は最初から相手にしない
偏差値70以上は自ずと真意を悟り
偏差値40以下はバカ過ぎて話が理解できないからです

注)ここで書いた偏差値とは学生時代の単純な学力順位を表すものではなく、大人になってからの知力、財力、人間力、経験値、人脈等の総合的評価を物差しとして便宜上使いました。

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