じゃあ、仕事と場所

前々から都市、地方の比較について考えているのですが、はっきりとどちらがいいとも言えずにいるので、記事を書きながら、考えをまとめたいと思います。

仕事

種類、賃金、日本では東京以上に良い都市はなく、一極集中をしている国はどの国でも同じです。首都機能、経済都市が別れている国もありますが、世界的には一極集中が多く、この流れは止まることもなく、止める必要もないでしょう。お金あるところに人が集まるのは古今東西同じで、お金がなくなれば、ゴーストタウンになります。

IT時代になり、在宅ワークが増えてくると、どうしても東京、近郊に住んでいる必要がなくなります。大企業、スタートアップなんかでは在宅ワークを認める会社も出つつあり、仕事をその場にその人を拘束する対価でなく、その成果だけで対価を出そうと言う流れです。

プロブロガーなんかは地方移住をネタ、飯の種にしていますが、当たり前と言えば、当たり前で、東京のことなんて、大手メディアがいくらでも取り上げるので、個人で情報発信するなら、競争の少ない地方の方がいいし、仲間を集うにも、タダ同然で、場所が確保できるので、イベントやるにも楽だからでしょう。彼らはサービスにお金を払ってもらうので、サービスのコストが低ければ、低いほど利益率が上がります。

チームでやる必要がない仕事はどこでやっても、問われるのはその質、正確性だけで、オフィスでやろうが、自宅でやろうが同じです。ほとんどの事務作業は誰がやっても同じ、AIがやれば、安く正確に出来るので、わざわざ1時間も通勤に使って、人にやってもらうことはないと言えるのではないのでしょうか? 通勤手当、拘束時間が増すだけです。

つまり、何かしらの飯の種さえあれば、地方に住んでいても、特にデメリットはなく、ITの発展で、それが可能になりつつある、と言う段階で、一足先に若い人が地方移住を始めています。ただし、これが可能なのは「名前」でお金の取れるネット界ではちょっとした有名人だけで、無名な人が組織に所属せず、自立するのはほぼ不可能です。

物価

都市部の物価は確かに高いですが、それは土地が高い、というところに行き着きます。その他については地方と変わらない、むしろ、競争率から、安いこともあります。ネットショッピングは特別運賃がつかない場所なら同じです。土地が高いのは人が集まるため、需要過多だからで、その理由は仕事の種類が多い、賃金が高いからです。つまり、お金に引き寄せられた人がお金を生み、その場所の価値を上げている、と言うことです。

つまり、理屈的には在宅ワーク、フリーランスが一般化すると、首都圏などうしてもいる必要はなく、土地の値段は下がり、首都圏の不動産価格は下がってくるはずです。しかし、東京の一極集中は止まらないし、土地も安くなっていません。IT大国、アメリカのIT聖地であるサンフランシスコなど、カリフォルニアの不動産価格は強烈に高いですし、上がり続けています。

人の集まるところにお金、アイディアが生まれるので、環境の良い場所がないと、良い仕事はできない、ということなのでしょうか? 特にスタートアップの仕事新しいアイディアをお金にするために試行錯誤することなので、一定時間を仲間と過ごし、意見を戦わせることなしに前に進まない、と言う一面があり、グーグルなんかは職場を自宅以上に居心地いい環境にしようとしています。

VRなんかで、チームの連帯感を離れた場所でも確保できるなら、それぞれが最も快適に感じる場所で過ごし、決められた時に決められた場所に集まることも可能で、実際に会ってもいいし、多くはVRでミーティングしてもいいのではないか?、とも思います。多分、最大のネックは人と人がやる以上、実際に会わなければ、連帯感が生まれづらいことで、これをどうやって解消するか?、が人が場所に拘束されないためのポイントです。

インフラ

都市部の魅力はそのインフラにもあります。例えば、交通インフラだと、地方なら自家用車以外に動きの取れないような場所もありますが、都市部は電車、バスだことが足りるので、自家用車を用意する必要もなく、生活のコストを下げることもできます。いくら安い車を買っても、メンテ、保険は安くないので、維持費は安くはないです。これは車という移動手段を自分だけのために拘束するコストです。

日本ではさほどでもないですが、都市部、地方では教育インフラの圧倒的な違いがある国もあります。日本だと地方トップ高校に通える範囲にあれば、東大に入ることも可能ですが、マレーシア、タイくらいなら、地方ではトップスクールどころか、大学に入ることすら困難であることも珍しくないです。そうなると、地方の小金持った家の子供は中等教育から都市部に行ったりします。

日本では特殊なパターン以外では海外に医療サービスを受けに行くことはないですが、発展途上国では先進国に医療サービスをを受けに行くことも珍しくなく、また、自分で運転できない体の弱った老人は定期検診に通うのが地方では手間になるので、都市部に住みたがる、という傾向も見られます。

ITの発展で、交通インフラを効率よく使うことも可能で、Uberのようなシェアシステムで、必要な時に必要なだけ移動手段を得られるし、質の高い教育を遠隔地で受講することも可能です。医療サービスもITで遠隔診療可能ですし、特殊な手術以外は遠く離れた医者と患者がコミュニケーション可能になってきています。

更にIT革命が続く、本格的にIoT時代に突入するのなら、都市部のメリットは徐々に失われ、人と人が実際に会わなければ成立しないこと以外は遠隔地で処理できてしまうようになるのかもしれません。であるなら、都市部の土地の価値は徐々に下がって行くはずですが、どうなるのでしょうか?

それとともに、労働力の投げ売りも始まります。クラウドソーシングは只働きに近い、と言われているように、付加価値のつかない単純作業はどんどん安くなり、物価が安く、生活費が抑えられる地域に住む人しか取れなくなります。いつも言う一物一価、という考え方です。そうならないように自分の名前で稼げるなり、労働単価の高い技術を持つ努力をしないと、生活が維持できなくなります。

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