じゃあ、ポケモンGO

少し沈静化したものの、世界中でポケモンGOが大人気となりましたし、マリオのスマフォアプリ登場がiPhone 7の登場に華を添えました。

任天堂

気の早いマスコミに「ポケモノミクス」と名付けられたプチバブルは任天堂、その関連会社の株を急騰させ、急落させました。任天堂はポケモンGOに関係する会社ですが、運営会社ではなく、上場しているのが任天堂だけだったか買い上げられただけで、主人公であるNianticはグーグルからスピンアウトしたばかりのスタートアップで、ポケモンの版権は任天堂でなく、任天堂の関連会社のポケモン株式会社のもので、この会社は上場していません。

任天堂自身がポケモンGOの業績に対する貢献は限定的だとIRで表明したことで、急落したものの、以前の捨値で放置された状態を脱し、未来へ繋がるIPビジネスの可能性を示すことができました。任天堂はIPの活用が出来てない企業で、色んな提携話を断り続けて来ましたが、経営状態の悪化から、ようやく重い腰を上げ、いくつか種を蒔き、その一つがポケモンGOとして開花しました。

他にも任天堂はDeNAと資本提携をして、スマートフォンゲーム、スーパーマリオランに乗り出していますが、これも画期的なことだと思います。任天堂は他社に自社IPを任せることを頑なに嫌がっていましたし、スマートフォンゲームの廃課金と言われる中毒性のつよいゲームに嫌悪感を示していたからです。だから、今回のマリオは買い切り型のゲームとなったようです。

まだ、Free 2 play ゲームは発信されて、いませんので、どのようなスタイルになるのかわかりませんが、ポケモンGOのように浅く広く課金をするスタイルになるのだろうと思います。どうぶつの森なんかは緩い課金向きだと思いますが、ファイアーエンブレムはどうするのかに興味があります。ただし、任天堂の本命はプラットフォームをNXで確立し、コンソールゲームに消費者を引き戻せるか?、ということでしょう。

今後、任天堂としてきちんと収益があげられるか、ということはわかりませんが、面白い展開になってきたことは事実で、ゲームを離れて、頑なに断っていたUSJからの誘いを受けて、マリオランドをやることにしましたし、リオ五輪で安倍マリオが登場して話題になりましたが、世界で見ると、キティーより、どらえもんより、マリオだから、首相がコスプレし、概ね好評だったわけで、凄まじい財産だと言えます。

Niantic

AR、日本語にすると拡張現実と訳される技術はグーグルから発し、グーグルマップを主導したジョン・ハンケさんがグーグル内の社内ベンチャーとして立ち上げ、収益化の見込みがつかず、解体、収集される予定であったため、独自路線を望むハンケさんはスピンアウトすることを決断し、グーグルから了承を得て、資金を調達し、独立をしました。

当初、イングレスという位置ゲームを立ち上げたものの、マニア受けはしたが、それ以上繋がらず、強いIPを手にすることで、アイディアが生かされる、と考えたことがポケモンとの提携になります。ポケモンGOでも、イングレスで収集した情報は生かされており、ポケストップはイングレスで登録された場所となっており、イングレスの準備が今回の成功につながったと言えるでしょう。

ゲームを外の世界に持ってきた会社はNianticだけではないのですが、成功に持ってきた初めての会社であり、これからのすさまじいポテンシャルを持った会社になりました。ちなみにソフトバンクが売却したテンセントは約1兆円の評価が付きましたし、この会社がそれ以上の評価にならないとも限りません。

資金調達の際にはベンチャーキャピタルからあまりいい顔をされず、ほとんど出資を受けられなかったようですが、結果的に出資元がグーグル、任天堂、ポケモン、と直接商売に関係ある会社になったことで、やりやすくなったのではないかと思います。当面はポケモンGOに集中するでしょうが、さらに任天堂IPに手を出すことも検討していくでしょう。

欧米スタイルはソフトの乱発でなく、限られたゲームをひたすらやり込ませる戦略をとるので、ポケモンGOのアップデートをしながら、ユーザーを飽きさせない仕掛けを小出しにしていくのだろうと思います。本家のポケモン自体が息の長いゲームですし、バージョンアップをしても、ポケモンを容易には捨てないでしょう。

グーグル

すでに収益を確実にしたのはグーグルだけで、ポケモンGOの課金はGoogle Playでされると、30%の寺銭を得ることができます。これがプラットフォームを持つ会社の最大の強みで、自分たちが直接的に何かをしなくても、プラットフォームを使う第三者が自分たちの利益のために頑張ってくれるのです。それはアップルも同じことです。

任天堂がグーグルにすり寄りすぎないのは彼らもMy Nintendo、NXという形でプラットフォームを作ろうとしており、そうでなければ、任天堂はソフト屋として、グーグル、アップルの下請けになってしまうからです。近年、任天堂はスマートフォンゲームに押されっぱなしで、存在感を失いましたが、元々は任天堂はゲーム業界で主導権を握る王様だったんです。

すでにネット業界でグーグルは巨人であり、競合もいない絶対王者ですので、喧嘩せず、うまく付き合っていくことが好ましいです。彼らを刺激せず、うまく分け前を分ける形で、ビジネスをしていくのがネットを使う会社すべてに求められていることです。

何事も栄枯必衰とはいいますけど、グーグルがヤフーのように落ちぶれて、どこかに引き取られる時があるのかもしれませんが、近々にそういうことがあるとは思えません。マイクロソフトOSがあまり評判が良くても、他に選択肢がないように、一度、根深く食い込んでしまえば、他を選択するのが非常に難しくなります。

まとめ

ポケモンGOはびっくりするほど、流行し、世の中の広告を変えてしまうような勢いを持っています。すでに被災地復興、パートナーシップ、イベント、といったユーザーからお金をほとんど取らなくとも、収益化できるビジネスモデルを確立しつつあり、グーグル流がゲームになったってことでしょう。

また、IPビジネスというのがいかに重要かも思い知らされます。圧倒的多数に認知されているということが、どれだけのお金になるか、ということをポケモンGOは示しましたし、大切に育てていけば、それだけでずっとビジネスをしていくことができます。ディズニーなんかはミッキーマウスで何年生き残っているのか?、という話です。

私は日本人なので、グーグルに任天堂、ポケモンが食われるのでなく、お互いに利用しあって、任天堂が日本のディズニーのようになり、東京五輪の主役の一人になり、マリオランドに外国人がお金を落としていって、日本経済を潤してくれることを希望します。

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でら
7 years ago

Googleが今後どのような会社になるのかを考えることがあります。
Googleがいかに革新的かつダイナミックな企業だとしてもそれが20年、30年そうあり続けるのは難しいのではないか。しかしながらインターネットがここまで人間にとって欠かせないインフラになった以上、ネットインフラ企業としての存在に姿を変えていくのではないでしょうか。

100年ほど前に電気や電話が人間の生活をがらりと変えましたが、100年を経た後はそれらの運営を担う企業は東京電力やNTT西日本といったインフラ企業になっています。
Googleも同じようにインフラ企業化・公営企業化の度合いを強めていき、インターネットの規制も整備が進み、独占禁止のために国ごと、地域ごとに分割される運命にあるのかな、と想像しています。

夢も希望もない想像ですね。すみません。

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かりりん
7 years ago

Pokemon GO のポケスポット(ポケモンがGETできる場所)もレストラン他サービス業をやっているお店に売っていて、表には公表していないようですがそこそこ収益を出しているようです。
レアポケモンはxxxカフェの前にいる となれば、ユーザーがその場所に集まり、その中のグループが ちょっと一服しようか?って話になれば、お店の収益にもつながりますからね。
これも面白いビジネスアイデアだなと思いました。
さすがにはじめの頃のブームに比べると、ユーザー数は減少しましたが、それでもポケモンで育った世代(ミレニアル)はまだ遊んでいるようです。

グーグルのアプリ部門だけに関しては、フェイスブックという競合がいます。
私はFBのゲームしかやったことないんですが。。。

ただ、グーグルはグーグルマップを使って新しいビジネスをはじめましたね。
グーグルマップでナビ選択する際に、車、公共交通機関、歩き などをまず選んで
スタート地、執着地の住所入力すると自動計算で所要時間や乗り継ぎ回数、もしくは最短距離
などが出てきますが、Uber 等の代行運転会社と連携したようで、Uber なら何分で来てくれる、
料金なども自動で出てくるようになりました。
これも新しいアイデアですね。

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