じゃあ、逃亡

読者さんからの寄稿、東京vs大阪のコメントで潜伏しやすい街だという評価から実際に潜伏していた市橋さんについて気になったため記事にします。

そんなに面白い本ではなく、極めて自己陶酔的で肝心なところをほとんど明らかにしていないのでお勧めはしません。よほど興味があるなら読んでみてもいいと思います。読み捨て感覚で中古本ならいいでしょうが、蔵書にするまでもありません。

コンプ

マスコミはわかりやすいストーリーにしたがるので「エリートの脱落」というありふれた報道をしましたが、実際の市橋達也さんはエリートではありません。父親は勤務医、母親は歯科医(祖父母が医院を持つ)、姉は医者(歯科医の可能性あり)なのでギリギリアッパーミドルかな、というくらいで地元の有力者と言うレベルではありません。

両親は市橋さんの為に市川に身分不相応なマンションを買っているので息子を遊んで暮らさせるほどでないにしろ、甘やかし放題にしていたんでしょう。自営業者で相続財産の多い母親が現実を見ず、徹底的に甘やかしたみたいですね。父親は比較的厳しく、本人も犯行が警察に露呈した時に父親の顔が浮かんだと著書で書いています。

市橋さんの進学先は岐阜県にある羽島北高校です。調べてみるとこの高校は「自称進学校」レベルの普通科高校でしかありません。「医学部?笑わせんなよw」というレベルの高校であり、親の希望である医学部進学は中学生時点で絶望的だったはずです。それでも親の希望で医学部を目指して引くに引けなくなった、というのが現実です。

二浪して都内私大二部に進学したがすぐに中退、最終的に四浪して千葉大園芸に進学しなおすわけですが、彼の学力からすると妥当なレベルです。底辺私大医学部なら何とか入れたのかもしれませんが、なぜ、園芸を受験したのかはよくわかりませんし、本人も語っていません。

そうまでした入った大学を卒業しても現実を受け入れることもなく、アメリカの大学進学するといって浪人生活するも、TOEFLすらまともに得点できず挫折して、ついに甘い親も堪忍袋の緒が切れて仕送り停止を通告します。そして、犯行にいたるわけです。

自己陶酔

屈折した精神が彼を極度のナルシストにしたようで、ありがちなキモヲタにはなりませんでした。元々、運動神経は良かったみたいで、中学、高校の頃は陸上でそれなりの成果を出したみたいです。大学に入ると多浪のハンデも気にせず、空手部に入って真面目に練習に打ち込んでいたようです。

被害者英国人女性を殺害した当時、付き合っている彼女がいてその前日はデートしていたみたいですから女性コンプがあったわけでなさそうで、人並みに女性経験もあったみたいで十代の浪人時代ですら彼女がいたみたいです。割とイケメンですし女性に積極的だったらしいので女性に飢えることはなさそうです。

ちなみに犯行当時の彼女は支援グループに参加しているという話もあり、危険なにおいのする男性が本能的に好きなタイプみたいです。悲劇のヒロイン願望のある女性は少なくなく、凶悪犯罪者の支援グループに入って、獄中結婚することはそれほど珍しくありません。

殺害動機を本人が明かしていないのでわかりませんが、元々、白人コンプがあり、アメリカ留学を希望して失敗した、という怒りの転嫁先になったのでしょう。被害者女性が黄色人種差別用語を頻繁に口にするタイプだったという一部報道もあり、カチンと来たのかもしれません。

流れとしては趣味と実益を兼ねて英語ネイティブの白人女性をナンパ、何回かレッスンと言う名目で会って、家に連れ込んで有耶無耶にして強引にモノにしたが、差別用語を言われて逆上し殺害してしまった、というところかな?と想像します。

逃亡

そのナルシシズムが彼を逃亡に至らせるわけで、超人みたいな逃亡劇を繰り広げていきます。すでに踏み込まれてすぐに靴を失っているのに警察の包囲網を突破するなんて心身ともに凄まじいですし強運です。

上手く逃げられた理由の一つとしてはちょうど出かけるところだったため、財布を持っていたのと、靴を履いていたため奪取が可能でわき目も振らずに逃げたことです。初動で幸運が続いたので逃げられました。

本人の著書では無我夢中で彷徨ったような書き方をしていますが、まずは操作網を逃れるためにひたすら移動を続けて、一週間くらいで操作網が拡大されたら進路を決めることになります。そこで、実家に近い西に逃げず、都心部に留まらず、縁もゆかりもない北に進路を決めるところは冷静です。

人相を変えるために自分で整形手術をしたというのは実利より変身願望の現われだろうと思いますが、すごい精神力です。素人がおかしな手術して膿んで体力を消耗すれば危険だし、おかしな形になれば、もっと目立つわけで後になって偽名で整形手術をプロの元で受けることと比べるとメリットがありません。

整形中毒のように人相を変えまくったことが逮捕に繋がったので適当なところでやめておけば通報されなったでしょう。通報した名古屋の美容整形は市橋さんが整形を定期的にしており、ほくろの手術痕から市橋さんを判断しているので、すでに赤の他人が見たくらいではまずわからないくらい変わっていました。

まとめ

最後はどうにもならなくなって逮捕されますが、相手が先進国出身なので、なかなか逮捕できず、外交問題になりかけていましたし、警察がそう簡単に諦めるわけがありません。つまり、どう足掻いても逃げられなかったわけで、それを承知で冒険したかったという自己陶酔なのだろうと思いますし、反省もしていないでしょう。

ちなみに死体遺棄の時候が3年だということを知らなかったみたいです。知っていたら、なんとしてでも半年逃げたでしょうし、逃げれなくもなかったと思います。どちらかと言うと精神状態が持たなかったのだと思います。本人も沖縄に行ってたことが割れているなら、逆に北海道に行けばいい、と理解はしています。

学力は低いのでしょうが、フィジカル、メンタルは常人を大幅に超えた目を張るものがあります。そんなに注目を集めたい、評価されたいなら、さっさと社会に出て数字が人格の業界で結果を出せばよかったのにな、と思います。まあ、エリートっぽさがないと嫌なのでしょうけど。

今、注目されているディーン藤岡さんが映画を作ってもいますので、気になる人は見てもいいかもしれません。

7+

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、逃亡” への 15 件のフィードバック

  1. 「逃亡」というと、高野長英を思い浮かべます。逃走ルートが後年かなり明らかになったという事ですが、どうやって調べたのでしょうね。

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  2. 他人から聞いた話ですが、結婚相談所のおばちゃんの話です。私は会員ではないですがよくきく話です。
    男性の好みは古今東西変わらないのですが、このパターンの女性会員が面倒だそうです。
    男は金のかかる女が好きで女は危険な匂いのする男が好きな傾向があるそうです。
    金のかかる女ってのは、容姿や服装が華美で趣味が海外旅行みたいな華やかな感じである女です。
    危険な匂いってのは、中学校のときに不良っぽい奴がモテるって感覚やクズしか好きになれない趣向の女性らしいです。
    たまに、私に説教する女性から丁寧に話を聞くと不良やクズの魅力?みたいな話を聞くので危険な香りが好きな女性は多いみたいでそのあとに後悔してます。

    1+

    1. >男は金のかかる女が好きで女は危険な匂いのする男が好きな傾向があるそうです。
      金のかかる女ってのは、容姿や服装が華美で趣味が海外旅行みたいな華やかな感じである女です。
      →もっと正確に言うと、セックスしたい女のタイプって事じゃないか?と思います。結婚したいタイプでは無いじゃないでしょうか?
      で、その折り合いを付けられない人が、不幸な運命に遭うんだと思います。

      2+

  3. 実家に金銭的に余裕があって、犯罪者になるくらいに落ちこぼれてしまうくらいなら、福士君みたいに好きなことをやらせるか大学に残して学問に没頭させるかしたほうがいいのかもしれませんね。
    この逃亡劇をやれる根性があれば、もしかしたら芸事で成功できるかもしれませんし、成功しなくてもなんとかなったのでは?と思います。

    0

  4. テレビの地元住民へのインタビューによると、母親がヒステリー気味の教育ママだったらしく、医学部にいけなかった事を怒っているようでした。
    市橋達也の出身高校は、偏差値55のところなので、医学部どころか普通の大学すら厳しそうです。
    塾に通える環境で、本気で勉強して、偏差値55の高校に入るなんて事はあり得ないので、
    プライドは高いが、地道な努力が嫌いだったため、学力が低かったのだと思います。
    千葉大の園芸に入ったのも、園芸に興味があったというより、関東の国立大で夜間以外では、1番簡単なところだったからだと思います。
    大学卒業後、海外の大学院にいくと親にいっていたものの、院試に落ちたため、親から仕送りを打ち切られて、事件前に追い込まれていたようです。
    また、白人にコンプがあったというより、白人女性が好みだったようです。
    もともと、被害者を殺すつもりはなく、自宅に監禁していたら、拘束具がほどけて逃げようとしたため殺したようです。

    自宅から逃走後、障害者用トイレでカッターナイフでほくろを切り落とし、ハサミで唇をきって整形したり、
    大阪市の西成区で働き、指名手配されていながら、年に100万円の貯金を作ったり、
    沖縄の無人島で、魚や蛇、ヤシガニを食べたり、野菜を栽培したり、
    裕福な家庭で甘やかされていた人間とは思えないです。
    大阪市西成区のあいりん地区は、身分を証明しなくても、日雇い労働に雇ってもらえたり、家賃が大阪市と思えないほど安いので、指名手配されていた市橋が来るのは自然な流れだと思います。
    西成区は行った事がありますが、昭和にタイムスリップしたような街並みで、浮浪者みたいなのが多く、ひどい悪臭の街でした。
    観光地の通天閣や天王寺動物園の近くにあるのに驚きました。

    1+

    1. 私もそれくらいのレベルの高校なのでわかるのですが、医学部に進学する人は皆無で優秀な人で地方旧帝か駅弁です。
      私立なら文系なら早慶にいける人もいるって話で理系ならマーチや関関同立あたりが精一杯だろうと思います。
      理系なら日大レベルがボリュームゾーンですね。
      なので私立医学部も厳しいと思います。

      医学部受験で家庭崩壊した話はよくきくので医師に向いてないなら諦めることも大事でしょう。

      1+

      1. 受験は暗記だと言われますが、私立文系なら気合と努力で知識量と反復すればいいと思いますが、理系だと要領の良さやセンスみたいなものがあると思います。センスがないと他人より時間かかりますよ。
        私なんか勉強できない人だったので高一から塾通ったのと苦手な理系にしたために必死に頑張ってマーチ下位の理系だったから親にこんなに金と時間使ったのにこんなけ?って言われましたよ。しかも、理系でも英語を倍にするミッション系だから数学や物理があんまりできなくても合格できただけです。

        医学部でなくても理系学部でと追い込んだらいけないですし、万が一入っても卒業できないです。

        1+

  5. 私の大阪へのコメントから記事を展開して頂いてありがとうございます。
    殺人犯を肯定する訳ではありませんが、市橋達也の逃亡劇は、
    現実逃避したい人間にとってのモデルケースのようです
    紹介して頂いた本・映画は未見で、市橋の足取りは
    ニュースで知っているだけですが、顔を変える、日雇いを転々、
    沖縄の無人島で自給自足と、冒険譚を絵に描いたような足取りです。

    こんな苛酷な逃亡をするくらいなら、無期懲役で刑務所暮らしの方が
    むしろ楽と思えるのに(1人殺害では基本的に死刑はない)、
    あそこまでして逃亡生活を送ったことには、一種のロマンを感じます。

    1+

    1. いつきさんにインスパイアされましたよ。日常生活に惓んでくると無性に潜るように生きたくなります。実際はしないし、できないので、単なる現実逃避ですが、不謹慎だと理解しつつ市橋氏の逃亡劇にある種の憧れが生まれます。塀の中の生活の方がよほど楽そうですけどねw

      シン

      0

      1. 私も孤独な逃亡生活に憧れます。

        私は払うべき家や車のローンもなく、それなりの貯金もあるので、
        トンネル工事現場の経験を活かして高時給の短期バイトを繰り返せば、
        根無し草の様に生きていく事も出来ると踏んでいるのですが、
        元妻への養育費月12万円の支払いがあるのでそれが出来ません。

        5年以上も会っていない、今後も会える事はないであろう、
        そして1人は自分の子かも疑わしい子供2人と、
        実家依存の世間知らずのヒステリー不倫女に手取りの半分強を支払うなど、
        理不尽この上ないですが、義務から逃げる訳にはいきません。

        だからこうしたサイトで現実逃避しています。
        このサイトを見た方は、私のような悲惨な目に遭わないよう、
        甘やかされた実家依存女と結婚するのだけは止めて頂くのが賢明です。

        5+

  6. 市橋受刑者に似たような境遇の同級生は小学校や中学校に何人もいました。1990年代の話ではありますが、親が医者だったり弁護士だったり地元でそれなりの企業の創業社長であったりするものの、本人たちは全然パッとせず学力が低く、どうもいろいろプレッシャーを感じていたように見えました。学校の先生たちからも軽んじられていたように思いますが、それでも本人たちは裕福でそれなりに自分にプライドを持っていたように見えました。現状に対する不満やストレスからか、学校で集団で弱いものいじめ(特に裕福でない家庭の子供に対して)をしているのを何度も見たことがあります。

    そんなようなグループに分類される子供たちの中で、能力の割りに自意識が過剰だったり、性癖が異常であったりする頭のちょっとおかしい人たちが市橋受刑者のような人間になるのだろうなと思います。ある意味家庭と社会とで育てて開花させてしまったモンスターなのかもしれませんし、予備軍も多いと思います。

    同じような家庭出身でも、高校で地元のトップ校に入ることができた人たちはほぼ例外なく親と似たような道(特に医者の子供)を辿ったので、地方では高校受験がその後の進路のあり方の重要な境になるのだろうなと思いますし、今でも変わっていないだろうなと思います。

    1+

    1. 田舎だと親の社会的地位、資産が子供の学校での立場に大きく影響し、その期待に添えないと荒れてくることはよくありますね。都会だと早い段階で私立に行かせて似たようなスペックの子供で固まるので荒れづらいです。田舎は良くも悪くも選択肢が少ないのと、人間関係が濃厚ですからね。

      シン

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  7. 市橋達也の映画と著書を見ました。

    思うのは、市橋はトップエリートとまではいかなくとも、
    相当の頭脳の持ち主ではあろうということです。
    単に頭でっかちなだけではなく、麻酔なしで自分で整形手術をし、
    土方日雇いの仕事を続ける根性、図書館で得た知識を実践活用できる適応能力、
    警察の状況を常に伺って逃げる状況判断力、
    その行動を支えるだけの体力・運動神経を持っています。

    頭脳、外見やコミュ力、身体能力ともに、かなり平均を上回っています。
    但し、医者や研究者などの、所謂インテリ職に就ける程ではなかったのでしょう。
    この中途半端なハイスペックさと、母親に甘やかされた故の
    現実に見合わないプライドの高さが災いして、ニートになっていましたが、
    人並みに生活のために追い込まれていたら、そこそこの仕事に就いて
    安定した人生を歩んでいたかもしれません。

    また、文才と教養を活かせば、ブログや著作で一発当てること位は
    出来た可能性もあります。その道のプロになれる程ではなさそうですが。
    色々な意味で、せっかくのスペックを勿体ないことにしてしまったと思います。

    2+

    1. 医者に拘らなくても、他の道で成功してもおかしくないスペックはありますし、成功できなくても平凡なサラリーマンくらいは楽にこなせそうです。なにも犯罪者にならなくてもよかったのに、とは思いますね。

      シン

      0

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