じゃあ、サラリーマンの限界

ゴーン氏が逮捕されましたね。サラリーマンの限界、メーカーの限界を感じましたね。

サラリーマン

ゴーン容疑者がルノー日産の神として20年君臨しても、さはり作れる資産は知れているわけで、「公式に」年収十億円だとしても、半分くらいは持っていかれます。彼のようにパーマネントトラベラーをしていても、住民税は回避できますが、支払われる国でも所得税から逃れられるわけではないです。

ゴーン容疑者はサラリーマンだから源泉徴収されていたから脱税はない、という記事を見ましたが、それは間違っていると思います。サラリーマンでも年収二千万円以上で確定申告対象者になるので、自分で税務申告しているの脱税しているのかも知れませんね。

給与所得は節税しづらいので、なかなか純資産は貯まらないし、ゴーン氏は会社に個人出費を払わせる、というやり方をして、給与所得から税金を引いて、あとは個人資産として確保する、という手法に出たわけです。

これもきちんと申告すれば、セーフなんですが、株主は納得しませんよ。だって、十億円ですら日仏両国で高い、高い、と文句言われていたわけだし、同じ分だけゴーン氏の個人出費を会社から出していれば、非難轟々でしょう。

ストックオプション

さて、給与所得では節税できないとなると、ストックオプションを出す、という手法になるわけですが、これはキャピタルゲイン、配当所得は分離課税で2割しか取られないのが一般的で、国によっては無税だからです。ある程度以上の高額報酬ならこの方法がお得です。

アメリカではストックオプションが一般的で、雇用者としては忠誠心を従業員に植え付けられますし、ある種の現物支給になるので、キャッシュフローも痛みません。あとは株価が上がれば、誰も文句言いません。

ただ、議決権が分散するリスクがあるので、議決権ベースで株の種類を分けてますね。創業者グループは議決権10倍、議決権付き、議決権なし、と別れていて、議決権なしを従業員に渡していればいいのです。

メーカー

じゃあ、なんでゴーン容疑者が自分にストックオプションを振り出しまくる、という手法を取らなかったのか?というと、メーカーでは株価がガツガツ上がらないからです。低迷していた経営が改善しても二倍、せいぜい三倍に過ぎません。

メーカーと言っても、ファブレスは違うんですよ。例えば、Nvidiaはあっという間にテンバガーになりましたけど、これは製造を持っていないからであり、圧倒的な技術力を背景にして、下請けを使うからなんですね。これはアップルも同様です。

これが純ソフトだと、プラットフォームを占拠さえすれば、倍々ゲームは当たり前であり、ドットコムバブル時代に上場したグーグル、アマゾンなんからエグい上がり方をしてますし、老舗のマイクロソフトですらガツガツ上がります。

その分だけ、ソフトは負けたら跡形もなく消えるし、プラットフォームを占拠するまでの投資が半端なくキャッシュを食っていくので、IPO前なんてエグいくらい赤字を垂れ流します。Uberもエグい赤字ですし、WeWorkも同様です。

そういうわけで、製造をするメーカーはストックオプションにさほどの魅力はなく、ゴーン容疑者が頑張っても、ルノー日産の時価総額が倍になることはかなり難しいし、かなり頑張って10年かけて倍とか、インフレを考えれば、大したことないレベルに落ち着くんですよね。

まとめ

ゴーン容疑者逮捕はサラリーマンの限界、製造するメーカーの限界を感じた事件でした。市場はとっくに気づいているから自動車メーカーのPERは低空飛行を続けて、単なる数字としては冗談かと思うくらいです。たった7-8倍しかないので、バーゲンセールだと言えます。

単なる物作りなんていうのは時代遅れであり、コンセプトと合わせて売るものでないと、将来性はないんですよ。テスラなんてイメージを売る会社ですしね。せいぜい製造するならロボットですが、これは製造業の元請けとしてシステムを売るから良いのでしょう。

18+

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、サラリーマンの限界」への1件のフィードバック

  1. 日産に関しては、詳しい方ならばご存知のようにゴーン体制からガラリと変わりましたよね。自動車や航空機のような絶対安全が優先されるモノに対してはサプライヤーとある程度は協調関係を維持して、信頼感の醸成が不可欠です。新車の構想から生産に3~5年要すので、その期間は二人三脚で歩むことが大切です。しかしながら、サプライヤー同士を無駄に競わせて、コストカットを煽ることが常態化し、サプライヤーも日産に対し不信感を抱くようになってしまいました。構想の初期段階から入り込んでいたのに、直前で外されるのは珍しいことではありません。新規の取引の無いサプライヤーにとってはチャンスという見方もありますが、新規のサプライヤーは企業体力が劣ることが多く、結果的に消耗するだけで、どのサプライヤーにとってもうまみが無かったと言えるでしょう。それでも何故日産と取引を続けるのかと問われた時に「関係性の維持」これに尽きる。出来る事ならば辞めたいが本音の様でした。
    巷では自動車サプライヤー(俗にいうtier1,tier2)は大手自動車会社の厳しい要求に応ずる技術力、コスト競争力があるので就職するにはお勧めと宣う大人がいます。しかし個人的にはお勧めしませんね。何故ならば、大手自動車会社からの仕様でがんじがらめで、単価0.01円単位の厳しいコストカットの中ではエンジニアの独創性を発揮できる余地は皆無に等しいからです。お勧めしないという言葉には語弊がありすね。新卒で3~5年と割り切って、自動車業界の品質要求の高さを学ぶというならまだしも、骨をうずめるというと少し違うかなという気がします。(もちろん家族を養うために最低年収~万円いる、なおかつ地元の優良企業がそこしかない人など、それそれ事情があるので一概には言えませんが・・。tier1,tier2になれば給与水準は悪くないです。)
    個人的には規模や業界シェアは小さくてもプロダクトアウトして、市場を自分たちで作っていける会社で働いた方が面白いかなと思いますけどね。

    7+

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です