じゃあ、ソフトバンク-12

懲りずにソフトバンク記事を続けます。今回は通信会社、ソフトバンクの分離上場についてです。

持ち株会社

多くの人にとってソフトバンクは通信会社です。最大連結子会社のスプリントも含めると、売上の大半が通信事業から来ているので、それは間違ってはいません。ただ、ソフトバンクグループ株式会社は投資会社であり、通信会社はシナジーを生むためのインフラでしかありません。

だから、「ナンバーワン連合を謳っているのに、ソフトバンク、スプリントはナンバーワンちゃうやないかい?」という指摘を受けるんですが、それは意味が違うと思いますよ。だいたい、通信会社のナンバーワンなんて旧国営企業なんだから、個人の持ち物になることはほぼあり得ません。ドコモ、ベライゾンを個人が買おうとすれば、ほぼ間違いなく未然に止められるでしょう。

そうではなく、ソフトバンクのインフラ上を傘下企業連合軍がシナジーを出して行き交いをするのが、孫正義氏の目指すところであります。だから、通信会社ソフトバンクはその主役から降りてもらって、投資会社ソフトバンクが主役として認識してもらいたい、ということが今回の分離上場の目的の一つだと言えるでしょう。

もう、名前を変えたほうがいいですよ。グーグルの親会社みたいにアルファベット、という別名で持ち株会社を運営した方がわかりやすいです。孫正義IT帝国株式会社、略してSIEでも良いですねw 名前なんて記号なので、バークシャーハサウェイがバフェット氏が昔買った会社でしかないように、数字を出せば、人は認識します。

資金

「通信会社ソフトバンクの分離上場でカッコいいこというけど、要するに資金が欲しいんでしょう?」と言う人がいるんですが、私が思うにその意見は半分正解、半分不正解なんだと思います。孫正義氏がそんなセコイことしか考えてないなら、とっくの昔に引退してますよ。

確かにソフトバンクはそこら中からお金を借りてますので、資金が欲しいですし、有利子負債を圧縮しろ!っという声は常にあるんですが、通信会社ソフトバンクの株を三割くらい売り出して現金化しても、そのお金を自社株買いに使うなり、他の投資に使うと思います。そうでないなら、孫正義氏ではありません。

ビジョンファンドは現物出資で突き通していますから、それを踏襲すれば、今後は新しいファンドに現金は要りません。中国DiDiがライドシェア初の上場を果たせば、その勢いでソフトバンクグループ株式会社が保有しえいるシンガポールGrabも上場して、その時価で現物出資してやればビジョンファンド2は成り立ちます。

この手法が成り立っている間はセコイことしてお金を作る必要はないし、作りたきゃ、政府系ファンドにでも上場している持ち株を切り崩して売ればいいだけの話なので、たかが通信会社ソフトバンクの分離上場で得られる2兆円に執着しなくてもいいでしょう?と思います。

シナジー

一般論から言って、親子上場は嫌われます。特に同じ市場での親子上場は親会社が子会社に面倒なことを押し付けてしまうことがあり、よくわからなくなるので、株主は反対することが多いです。だから、全部まとめて持ち株会社だけが上場しているのが良いとされます。

でも、それだと孫正義氏の掲げるIT帝国はなし得ません。連結に入れなくてもいい、二、三割を持っているソフトバンクファミリーの緩い連合がシナジーを出して帝国を支える、という考えなので、親子上場は当然するんですよね。

なんだったら、通信会社ソフトバンクも過半数割れまで売って、連結対象から外してもいいのかもしれませんが、孫正義氏はインフラに関しては出来るだけ過半数握るのがポリシーらしいので、スプリントも過半数割れを嫌がってましたし、One web も(議決権ベースで?)過半数持っているようです。

確かに必ずしも過半数持ってなきゃならないことはないし、過半数持っていても、その会社全てに本体から人を送り込んで、成果を出せるほどの人材確保も容易ではなく、孫正義氏の身内で、子会社巨大企業の舵取りを出来る人なんて、宮内さん、泰造さん、クラウレさん、ミスラさん、10人もいないでしょう。だったら、優秀な創業者は残って貰う方が良いと思います。

その意味でいうと、人を含めたシナジーを出したいわけで、クラウレさんはブライトスターの創業者だし、ミスラさんはフォートレスの元パートナーなので、人ごと買ってしまうのが孫正義流ってことだと思います。一番得難いのが、投資の才能を持つ人であり、そう簡単にはいないのは事実です。

まとめ

というわけで、分離上場で小金を利確したい、とか小さいことを考えるチャチな男なら、孫正義氏はとっくに引退してますよ。日本レベルではやることをやり切ったし、日本一の大金持ちなんだから、後は余生を過ごしても名声は衰えることはないでしょう。そうではなく、夢を継続したいから引退しないんです。

私は通信会社ソフトバンクの上場で手にした資金は有利子負債の返済に充てないと予想します。当たってたら褒めてくださいw

9+

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、ソフトバンク-12」への2件のフィードバック

  1. 先日偶然ソフトバンクに昨年買収されたParkJockeyと言う会社の中の人と話す機会があったのですが、孫さんが意図しているであろう壮大なヴィジョンに圧倒されました。
    ウーバーはLIFTとのドライバー獲得競争のインセンティブが重荷になり、赤字垂れ流し状態で単体で黒字化の目処は一向に立っていないとの見方ですが、将来的に自動運転での配車サービスが可能になれば一気に収益は改善しそうです。
    それを爆発的に成長しているウーバーEATSの出前サービスに繋げ、更にParkJockey傘下の大手パーキング運用業者を抑えることでそこを将来的な配車サービスの拠点とするとともに出前の調理ハブとしても利用、配車だけでなくデリバリーを通した飲食業や食料配送などの裾野の広い分野も支配する勢いです。
    ウーバーを利用するようになってからタクシーを使うのが馬鹿らしくなったように、こんな変化がもうすぐそこまで来ているとは、凄い時代になったものです。
    孫さんの野心とヴィジョンは規格外ですね。

    3+
    1. >孫さんの野心とヴィジョンは規格外ですね。

      そうですね。ただ、核となるサービスが見えてきません。ウーバーなのか?WeWorkなのか?ハイテク産業でデファクトスタンダードとして核となるサービスなしに多角経営に成功した例はなく、孫さんの最近の投資でデファクトスタンダードを握った、握りそうな会社はまだ見えません。

      自動運転は飛行機ですら規制、既得権益から自由化にならず、ほとんどポケーとしているだけの飛行士に明らかに割高な待遇を出さないと飛行機を飛ばせません。自動車は責任分担が明確にならないと、人が運転するよりも安全でも普及しないでしょう。

      ウーバーの自動運転技術がグーグルの検索エンジンくらいの支配的技術になるなら、一網打尽に派生産業を食い尽くすことが可能ですが、どこも手を出していますが、どこも先行もしてないのが現状だと思います。

      シン

      2+

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