じゃあ、ソフトバンク-9

ひたすら書き続けるソフトバンクシリーズです。Y2018のイベントと目されるDiDi IPOについて考えてみたいと思います。

DiDi

おそらく、次のイベントは中国ライドシェア大手、DiDiのIPOだろうと思います。Y2018にはする、とのことですが、もし、実現されたらこれがライドシェア初のIPOということになり、他の地域を担当する他社にとっても試金石となり、大きな意味を持ちます。

悪いニュースとしてはDiDiのドライバーが乗客を暴行しており、社会的に非難を受けました。これはDiDiの使用者責任とは言え、ビジネスモデル自体の問題ではなく、ここで誠意を持って責任を取れば、逆に良い印象になるかもしれません。

従来型のタクシーの運転手が犯罪に手を染めることもザラにありますから事前登録の徹底、問題のあるドライバーへの罰則を徹底するなら、ボッタクリ、暴行、舐めた態度の減るので、社会にとって良い影響を与えると思います。

産みの苦しみ、と言うか、普及させる為には管理の徹底、トライアンドエラーを繰り返して、それをプラットフォームとして相応しいだけの強固なシステムにする必要があるのはライドシェアに限ったことではありません。

IPO

DiDiの想定時価総額は100 bil USDとも目される超巨大IPOになりますが、捌けるのかな?という不安もあります。現段階では世界的に金余りであり、投資家は将来のありそうなことを待っているような状態なので、いきなり大ショックで相場が大荒れにならない限りはそれなりの数字になると思います。

どこで、IPOをするのか?という話ですが、ADRにしてニューヨークにするか、香港なのか?というところですが、中国当局が本土上場を誘っているので、二ヶ所で上場するのか、まだ流動的な状況です。本土で上場すれば、余ったお金がねじ込まれて狂い上げもあるかもしれません。

IPOって、ギリギリまで当局とやり取りすることが多くて、予定が狂って直前に停止されることも珍しいことではなく、当局、証券市場、株主、経営者がひたすら交渉を重ねて、行け!っという感じでいきなり決まりますね。さて、いつIPOになるんでしょうか?

デルタ

ソフトバンクとしてはDiDiが上場したら、不安定な評価が定まり、これをデルタからビジョンファンドに移しやすくなります。現物出資でも、評価がしやすいので、他の出資者もそれほど嫌がらないだろうと思います。もしかしたら、デルタは解散するのか、デルタ2が始まるのかもしれませんね。

元々、デルタはビジョンファンドでやると、独占禁止法に引っかかる可能性があるので、分けただけであり、やりたいことが違うわけではありません。ただ、デルタはソフトバンク、サウジアラビア投資会社しか出資してないので、ソフトバンクとしては複数の出資者を募って、自分たちの声を大きくしたい、と言うのはあると思います。

ともかく、ライドシェア初のDiDi IPOが上手くいってくれれば、ソフトバンクが別口で持っている投資案件をビジョンファンドに移しやすくなり、出資者を集めやすくなるので、ビジョンファンド2,3と続けていくのが楽になります。すると、更なる投資に繋げられますね。

まとめ

孫正義氏の投資ファンド野望がここで軌道にのるか、ファンド解体になるか、という重要な挑戦であり、ライドシェアが普及して、世の中の移動手段が変わり、新たなビジネスに繋がるかもしれません。そういう話が中国から始まるのは時代だな、と思います。

投資会社として、初年度はNvidiaの狂い上げによって成果を上げ、二年目はFliplartのイグジットにより現金を手にし、分配金も確保できる見込みです。三年目に向けてIPOによってDiDiの評価が定まれば、Uber Grabの兄弟企業もそれに続けます。その間にOlaとUberを繋げることになるでしょう。

他には伸るか反るかの大勝負みたいな企業にも投資しているので、そのほとんどが失敗するのでしょうが、大勝ち一つで他の負けを消せればいいわけです。ドットコムバブル時代のアリババみたいな企業が一つ出れば、問題ありません。

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CI
5 years ago

ソフトバンクとDiDiの協業で、日本のタクシー配車システムの実証実験をするそうですね。
ビッグデータからの配車予測システムはDiDiから調達し、ソフトバンクは関係省庁との調整という分担でしょうか。

DiDiって何という日本人は多いでしょうが(私もその一人ですw)、次第に認知されていきそうですね。
アメリカの巨大IT企業が日本を席巻するだけでなく、中国のIT企業も日本に押し寄せる時代になりそうですね。

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