じゃあ、アメリカ留学

子供にアメリカ留学させたい人がいるようなので、簡単に概要を記します。

高校

ベースを日本人として、アメリカ留学させるなら、高校からかな?、と思います。それ以下で行くと、日本人としてのアイデンティティが失われることが多く、帰国しても、日本社会に馴染まない人になりやすくなります。見た目が日本人で、態度がアメリカ人だと、特殊な業界でもなければ、相手にされないでしょうし、アメリカに戻っても、国籍、永住権もなく、英語ネイティブでもない、文系アジア人となると、やることもなく、行き場を失います。

個人的には高校からの留学をあまり推奨はせず、高校から教育言語を変えると、言語習得に集中せざるを得ず、理系科目をきちんとこなせず、文系に進む可能性が高くなります。私の知る限りでは高校から教育言語を変えた人の9割以上が文系選択します。そうなると、現地で仕事を見つけることは困難になり、日本に帰国しても、空気読めない文系として、居場所がなくなる可能性が高くなります。

中等教育って、理系科目、特に基礎数学をきちんと理解するためにすごく重要な期間なので、母語で理解したほうがいいです。それでも高校から行くなら、きちんとSSATを取って、きちんとした寮付きの私立校に進学させてあげるべきで、商売で外国人を選考もなしに受けいれるインターナショナルスクールに行くと、朱に染まれば赤くなり、そのままFラン文系進学することになるだけなら、まだしも、悪い遊びを覚えて、強制送還もありえます。

公立校は現地に親を含めて在住してないと、まず受け入れてくれませんし、どうしてもというなら、公立トップ校に日本の高校から交換留学で行って、そのまま転入手続きを取ってしまうのは可能ですが、本人に交渉力があり、リア充でないと、誰も支援してくれません。アメリカって、何らかの繋がりを持ってしまえば、交渉力次第で、ルールを捻じ曲げることができてしまう国です。

大学

どの辺りを目指すかによりますが、トップスクールを狙うなら、親が徹底して、戦略的に子供を鍛え上げる必要があり、トップスクール好みの経歴にするための習い事、課外活動をして、一定以上の成果を上げて、SAT、IBで9割以上取れれば、学部からトップスクールが視野に入ります。ただ、学部では外国人枠を決めている学校も多いので、戦略的に行く必要があり、情報戦になります。

子供が天才的才能を持っているケースを別にすれば、アメリカの受験はどれだけ見た目の良い履歴書を作るかの勝負みたいなもので、受験というより就活に近いです。普通の日本人の子供がこんなことを意識してやるわけないので、親がお受験パパ、ママでなければ、日本の高校からトップスクールには入れない、と思ってもらっていいです。日本の高校ではこんな指導はまずしません。

底辺から上がって行くなら、全入のコミニュティカレッジから始めて、駅弁州立大に編入、修士、博士でトップスクールを狙う、という形になりますが、これも相当なリア充で、意識の高い子供でないと、すぐに諦めてしまうだろうと思います。コミニュティカレッジは日本でいう公立専門学校みたいなもので、優秀な子供は来ませんし、そこで学力でトップを取るのは難しくないですが、駅弁州立大でトップは難しくなるので、わらしべ長者を目差すには次々にハードルが高くなります。

比較的手軽なのはカリフォルニアのコミニュティカレッジに入って、トップを取り、UC上位のLA、VAに入ってしまうことです。そんな本を出版している人がいましたが、同じ州内だと、優先枠があるので、そんなに難しいことではないです。文系なら、無理して入っても卒業出来ないことはなく、帰国しても、トップ30以内の有名大で、多くの日本人が知っていて、ハッタリかませます。(そんなハッタリに意味があるかは別にして。)

博士

私が一番勧めるのは博士からです。高校から、大学から、どちらにしても莫大な資金が必要なので、一般家庭には調達不可能であり、能力的に完全に頭抜けてないと、外国人が奨学金も取れませんし、日本の奨学金は交換留学ベースのものがほとんどで、現地で卒業するまで面倒見てくれるものごく僅かです。そんな条件のいい奨学金を取れるくらいなら、東大に入れるだろうし、別にアメリカに行って、トップスクールの外国人枠を中国人、インド人と争わなくても良い気がします。

駅弁国立理系でトップクラスのGPAを取って、きちんとした卒論を書き、それを英語でも書いておき、TOEFL90以上、GREをそれなりにこなし、進学先の狙いを定めて、その分野の教授にメールを出し、受け入れの打診をして、会いにいき、好感触を得られれば、フルスカラーシップをオファー貰える可能性が高いです。後は必死になって、勉強していれば、お金に困ることもなく、きちんと人脈作って行くだけで、ポスドク、現地就職が可能です。

日本の理系学生は学力的には良いレベルにあるので、英語さえクリアできれば、お金もらって留学可能ですし、その後の人生の選択肢を広げることが可能ですので、該当する人は検討して見て下さい。ちなみに文系はほとんどフルスカラーシップは取れませんので、行きたいなら自費で、ポスドクの枠も少なく、現地就職とほぼ無理なので、日本の大学にコネ就職が可能な人、親が金持ちな世捨て人以外には勧めません。

まとめ

アメリカの大学は日本以上にピンキリだし、中堅未満は酷いレベルなので、大金払って、わざわざ行くものではなく、最低でも駅弁州立大には行くべきだし、文系なんて絶対にやめた方がいいです。現地で就職できないし、できても日系企業の現地採用、現地企業のジャパンデスクなので、なんの経験にもなりませんし、帰国しても、日本の大学卒の方が知名度、就活時期など、有利なので、アメリカに行く意味が全くありません。

アメリカ、英語圏の学校にやたら大きな期待をする人って多いですが、平均を取れば、日本の方がレベルが高いし、コスパを考えたら、アホくさくて仕方ないと思うのですが、白人、英語ブランドに無駄金払ってしまうのは日本人に限ったことではなく、世界中からしゃぶられに英語圏に留学しています。現地では外国人受け入れは外貨を稼げるため、奨励されており、現地のFラン文系が大歓迎してくれるでしょうけど、それはお客さんだからにすぎません。

日本社会は技術者を冷遇する傾向があるので、英語を身に着け、英語圏のきちんとした大学で学位を取っておけば、世界中どこでもそれなり以上の待遇で仕事を見つけられます。理系の人は英語圏に博士留学を視野に入れて、地道に英語の勉強をしてもらいたいです。そうして、英語圏で経験を積んだ人が日本に帰国したときに、受け入れ体制をきちんとすべきだと思います。そうすれば、日本の時代錯誤な働き方も変わっていくだろうと思います。

 

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、アメリカ留学」への12件のフィードバック

  1. こんにちは シンさん

    アメリカ留学はかなり敷居が高すぎるものだという事がわかりました。文系じゃ無駄金になる可能性が高いし、理系じゃぁ大学進学を考えず(学費が高すぎて払えない)プロ学生になれる可能性が高い理系博士に行けと言うことなんですね。

    ふと疑問に思ったのですが、アメリカ留学以外で英語圏で安く理系留学できるところってないのでしょうか?
    もしご存知でしたら、教えてください。

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    1. 私が知る限りありません。インド、フィリピンなら、安いでしょうが、まともに設備が確保できてないと思います。

      シン

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  2. シンさんへ
     
    私の疑問への回答どうもありがとうございます。
    お礼申し上げます。

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  3. シンさんの的を得た小気味よい留学事情の説明のハタと膝を叩いています。小生は40年も昔に留学した者ですが、その頃からアメリカの事情は変わっていないのですね。「できの良い」学生は日本のそれなりの大学を希望すべきですし、日本に居てもよい大学に入学できない「できが悪い」学生は日本系企業の現地採用になっていました。それも英語力があればの話で、英語力がなければ三流の現地アメリカ人に負けていましたね。

    0
  4. シンさんこんばんは。僕は前々から海外留学に興味があったのですが博士からの留学がお勧めだとは知りませんでした。北大で何か利用できる制度がないか調べていたのですが、こんなサイトと(https://nitobe-college.academic.hokudai.ac.jp/)こんなサイトを発見しました(http://hokudaikaigaigrad.wixsite.com/support)

    この記事を踏まえると、後者の方が良さそうな気がするのですがシンさんはどう思われますか?
    p.s こう言った質問はココナラを通してした方がいいのでしょうか…

    0
    1. 個人的な相談ではなく、ブログで共有していいならココナラではなくても構いません。

      留学というのは学位を伴うものであり、それ以外は遊びです。学位を取ろうとするなら相応の準備、費用が発生するので、費用を出来るだけ抑えられる博士はオススメです。ただ、博士を取ろうとするならかなり計画的にやる必要があります。

      日本の博士課程はびっくりするほどいい加減ですが、他の先進国でそんな国は聞いたことありません。大学によって博論の予備審査基準がまったく違う国なんてあっていいのかよ?と思いますし、国際レベルでない身内だらけの国内学会で発表しても、評価対象になるわけないだろう?と思います。日本の大学でとった博士がバカにされるのは仕方ないです。

      シン

      1+
    2. 北大の話ということでコメントさせていただきます。
      4月ももう終わりで新渡戸カレッジは募集し終わっているかもしれませんが、優秀な受講生が多く刺激を受ける機会になると思います。2年生でも受けられるのでもし興味があれば調べてみてください。
      留学、奨学金をお考えでしたらGPAは本当に大事ですので授業のレポート、試験をがんばるのもよいと思います。

      1+
      1. ありがとうございます。

        僕の目標は日本に限らず世界で必要とされる人材になることなので、何処かのタイミングで英語圏に行こうと考えています。もちろん、新渡戸カレッジに入校することも考えましたが、最終的に自分には必要ないという判断をしました。

        理系が学部留学をしようとするとかなりしんどいんじゃないか?と思います。
        B2.3は自分の専門を学ぶ重要な時期かと思いますが、留学を視野に入れると専門の勉強/実習に加えてTOEFL-iBTも出来るだけ早めに規定点に乗せる必要があります。
        新渡戸カレッジでは基本的な履修に上乗せして、授業を受けなければならないため理系の学生にとってはかなりの負担となります。

        もし仮に留学に行けたとしても、新しい専門分野の知識を母語でない言語で学ぶのは得策ではないと考えました。このような理由から学部留学は見送って、行くならph.D courseから覚悟を決めて行きます。

        学部生のうちはTOEFL-iBT,GREの対策/勉強を手抜きしてやらない/早めに面白そうな研究を探す、やらせてもらう。を意識して生活するように心がけます。

        ただ、日本に限らず世界で必要とされる人材になるために、英語圏にphDを取りに行くべきなのか、まずは日本企業に入って力をつけるべきなのか、それともまた別のオプションを考えた方が良いのかは分かっていません。日本の新卒採用の状況/機会費用の問題/自分のモチベーション/偶然の巡り合わせ等を総合的に見定めながら動いていかねばならないと思っています。

        1+
  5. 横から関係ない話ですいませんが、

    >日本の博士課程はびっくりするほどいい加減ですが、他の先進国でそんな国は聞いたことありません。

    まあそもそも、日本の高等教育以上(学部・大学院)は、標準的な教育内容が殆ど決まってないですね。博士どころか、学部教育もかなりいい加減です。
    日本で学部教育で教える内容が一定以上に定まってるのって工学部ぐらいですかね。
    日本の大学って、いい意味でも悪い意味でもレジャーランドですが、工学部が殺伐としてるのはこれが原因でしょうか。

    >国際レベルでない身内だらけの国内学会で発表しても、評価対象になるわけないだろう?と思います。日本の大学でとった博士がバカにされるのは仕方ないです。

    一般的な日本の理工系博士課程では、インパクトファクター付きジャーナル、プロシーディングスが2, 3報、必要とされるので、欧米を中心とする世界標準と日本で差があるとは思いませんね。
    論文博士、社会人ドクターとかは、日本独自というか、アヤシイ制度かなーと思いますが・・・

    3+
    1. >一般的な日本の理工系博士課程では、インパクトファクター付きジャーナル、プロシーディングスが2, 3報、必要とされるので、欧米を中心とする世界標準と日本で差があるとは思いませんね。

      それが確保されていれば、バカにされないと思いますが、怪しい話が本当に多いです。

      そもそも、なんとなく修士に進んだ後、たった3年でインパクトファクター2以上二本か、4以上一本を取れる人がそんなにいるの?と聞きたくなります。熊本大学は2.5 x 2 or 5 x 1と明示してますが、これが日本の大学で徹底されてるのでしょうか?日本の大学は博士論文の査読もあっという間に終わるのは???ですよ。欧米では学部から直接博士に飛びますが、そこから5、6年かけて卒業を狙います。そして、博論出しても半年くらいは待たされるので、働き出してからディフェンスになるのに、日本の博士はきちんとディフェンスして卒業してから働き出すのだから、実質、2年少々で博論に到達が必要になります。そんなの相当優秀な人以外は無理ですよ。

      >論文博士、社会人ドクターとかは、日本独自というか、アヤシイ制度かなーと思いますが・・・

      ディプロマミルだと思います。

      シン

      2+
  6. >熊本大学は2.5 x 2 or 5 x 1と明示してますが、これが日本の大学で徹底されてるのでしょうか?

    確かに無意識に中堅国立大以上の博士課程を前提としていましたが、中堅私大未満の博士課程では、徹底されているかは分かりませんね。
    私が見聞している限りの一定レベル以上の大学では、少なくともパブリケーションの規定は徹底されてきていると感じが。
    私自身、日本、米国、欧州問わず、一定レベル以上の大学の状況しか分からないので、ディプロマミル化している博士課程が日本に存在している可能性は、確かに否定できません(が、それはアメリカ、欧州も同様な気がします)。

    セーシス・ディフェンスに関しては、日本の雇用慣行、博士号授与慣行が相まって、曖昧な状況になっている感じは否めませんね。
    しかし、これもTHEやQSの大学ランキングにのるような大学であれば、所謂グローバルスタンダードに近づいているとは思いますが。

    欧米(これも欧と米では大分制度が違いますが)、日本問わず、博士課程って、分野の違い、テーマの違いで取得難度やパブリケーションの要件が劇的に違うので、あまり能力とか質の担保になってる気がしないのですよね。
    小保方さんよろしく、研究不正を見つけるのも相当、難しい話で、不正でパブリケーションしてドクター取得なんて、世界中で横行してます。
    このような状況下で、国を問わず、博士号を取得したということ自体が無価値化してる気がしますね。

    アメリカ留学したいのであれば、博士課程はおすすめですが、正直、アメリカの博士課程も一定のお金・ブランドにものをいわせて、各国から人材を毟り取り、科学技術のための奴隷労働させているという側面も否定できません。
    米国phdは、米国就職への足がかりにはなりますが、米国への強い気持ちがないと、日本に戻り辛いという点もあります(日本だと、博士号取得時点で研究職以外の道が事実上ないことが多いので)。

    1+
    1. >セーシス・ディフェンスに関しては、日本の雇用慣行、博士号授与慣行が相まって、曖昧な状況になっている感じは否めませんね。

      日本でディフェンスに持ち込んでメジャーリバイスが求められることがあるのでしょうか?他国では割とある話です。すでに就職しており、時間が取れず、博士号を諦めるとか、ディフェンスで猛撃を受けて泣き出す女子学生とか、ありふれた光景ですが、日本では聞いたことがありません。予定調和的に流れていくように見受けられます。

      >日本問わず、博士課程って、分野の違い、テーマの違いで取得難度やパブリケーションの要件が劇的に違うので、あまり能力とか質の担保になってる気がしないのですよね。

      それはあります。そもそもインパクトファクターが分野によって全然違うし、公共性の高い分野、あまりお金にならない分野は甘めに付きやすいです。人気のコンピューターサイエンスとかになると、なかなかインパクトファクターはつきませんしね。

      >米国phdは、米国就職への足がかりにはなりますが、米国への強い気持ちがないと、日本に戻り辛いという点もあります

      需要のあるコンピューターサイエンスなら特に問題ないですが、機電ですら日本企業が嫌がる傾向があり、海外でPhDを取り、年を取った新卒、転職回数が多いとなかなか思うような仕事は一般企業では見つかりませんね。その辺はよく考えて行くべきだとは思います。どんどんPhDもインフレしてきているので、職歴五年分くらいの価値しか認められない傾向が強くなるとともに、PhDで変哲も無い普通な仕事をすら人も増えてきていると思います。良くも悪くも企業側がなんとも思わなくなりつつありますね。

      シン

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