じゃあ、貿易摩擦

アメリカ、トランプ大統領が中国向けに巨額関税を課すことを決めて、相場が動いていますが、これは今に始まったことではなく、いつもの流れです。この決定だけで相場が総崩れするようなことはないだろうと思います。何かしらの隠れている要因が突如現れて、波状攻撃でもしないなら、サプライズではないです。

アメリカ

アメリカという超大国は借金帝国であり、双子の赤字、と呼ばれる財政、貿易赤字を垂れ流しています。それでもやっていられるのは市場が魅力的なので外貨が入ってきますし、貿易の基幹になる通貨を握っているので、いざとなれば、米ドルをばらまけば済んでしまいます。それでもダメなら、武力で徳政令を起こればいいです。

つまり、アメリカは赤字を垂れ流してもちゃぶ台返しをすれば済んでしまう国だから、諸外国が大量に物を売りつけても、どうということもないです。あれこれ言って、国債発行額を増やしたり、関税を一方的に押し付ければ、それで破たんすることはありません。市場として魅力なので、それでも無視されません。

前任のオバマ大統領は財政の壁wとか言って、ずっと借金を作り続けましたが、現任のトランプ大統領は関税を突きつける、という方向に進んでいるだけで、やっていることは本質的に同じことだろうと思います。最強の軍事力、技術、市場を持っているので、ジャイアニズムを掲げていられるのです。

中国

すでにアジアの盟主は日本から中国に移り、アメリカと貿易摩擦を起こすのは日本の役目ではなく、中国の役目です。世界の工場になった中国は大量のものを売る先が必要で、その最大の売り先は世界最大の市場であるアメリカ、ということになります。そして、対アメリカ向けに作った黒字を米国債を買うことで消化しているので、表裏一体です。

中国という国は複雑で、その財政構造はよくわかりません。対外的に巨額貿易黒字があるのはわかりますが、結論ありきで数字を作っているため、財政赤字をどのくらい出しているのかわからず、一説には地方政府は不動産価格に依存しきっていて、不動産バブル崩壊で破たんする、とも言われています。また、腐敗、汚職も酷い有様で、何が本当なのか、政府首脳ですらよくわかっていないでしょう。

そして、中国がアメリカへの輸出を止められると、あまり余ったものが国内に溢れかえり消化できず、お金が回らなくなることは確実なので、何かしらの形でアメリカに制裁を最小限に抑える交渉に回るでしょう。アメリカも中国が米国債を買い支えてくれないと、財政が立ちいかなくなるので、交渉のテーブルにつきます。

今回のトランプ大統領が課した関税も、まずは国内向けに報復関税を設定してやり返す姿勢だけ見せ、適当なところで手打ちになるでしょう。日本と同様に半完成品でアメリカに入れて、最終組み立てをアメリカ人を雇って行う、というような着地点を目指すことになるだろうと思います。

習近平永世主席の大事な一人娘さんもアメリカ、ハーバード大学卒(諸外国のVIP指定御用達し、ケネディースクール)で、アメリカには色んな借りがあるので、アメリカと全面貿易戦争なんかにするわけないです。アメリカに隠し財産もあるでしょうしね。

日本

日本は衰えたとはいえ、大幅な貿易黒字国家で、その貯めに貯めたお金を使うために財政赤字にしているようなところがあります。それが尽きるころに帳尻合わせに強めのインフレが起こって、国債発行額は適正レベルまで落ち着くのだろうと思います。成長はしないけど、安定していると思われるから、不安な事件が起こると、円高になるわけです。

日本がアメリカと貿易摩擦によって争っていたのは一昔前であり、おじいちゃんであるトランプ大統領には日本がアメリカの富を奪っているように感じているのかもしれませんが、アメリカで普及する日本製なんて、自動車くらいのものであり、家電、部品、繊維、などは過去の話です。

戦後、日本は軍事力をアメリカに依存し続けてきた為、中国のようにポーズだけでもやり返すことすら出来ず、アメリカが声を上げると、すぐに平謝りして急場をしのいできました。そして、今、中国がやっているように持て余したお金でアメリカ企業、不動産を買い漁っていましたが、うまく使いこなすこともできず、捨て値で手放してしまった過去があります。

中国首脳は日本を参考にして経済政策を立ててきて、バブルまでは同じ道を歩いています。そして、バブル崩壊という日本と同じ轍を踏まないように必死になって気を付けていますが、まったくおなじことをしているように見えますw

諸外国は日本が成長するとは思っておらず、終わった国だとみなしており、積極的に買うことも、叩くこともなく、アメリカと中国に挟まれて、彼らの影響で浮き沈みする「普通の国」になってしまいました。まあ、元々の国土、人口を考えると、それが妥当であり、世界の中心の一つとして活躍するのは無理なんでしょう。

まとめ

アメリカから叩かれるっていうことは逆を返すと、力がある、ということなんです。力がなければ、バッシングでなく、パッシングになります。相手にされずに放置されるわけです。日経平均がダウ、米ドル相場の後追いをするどころか、それより激しく売られるのは欲しくて買っていないので、さっと引いていくからでしょう。

日本は色んな意味でいったん崩壊しないと、再生はしないのでしょう。まずは過去の遺産を食いつぶして、激しいインフレを起こさないと、財政レベルは健全にはならないので、ちまちま円をばら撒くくらいなら、壮絶なばら撒き方をしたほうがすっきりする気がしますね。

大混乱に陥ったら、アメリカも諦めて、日本が持っている米国債を引き受ける新興国を消化してくれるでしょうし、徐々に償還できるなら、それを資金にして国を建て直せばいいです。今はまだ、余裕があるからそれが許されないのでしょう。

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投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

「じゃあ、貿易摩擦」への8件のフィードバック

  1. 今回も鉄鋼輸入比率上位の国は対象にならず、大した比率でない中国、日本に狙いを定めてきましたね。

    ジャブ入れてきた感じですね。外交は常にジャブというか脅しというか、さすがアメリカですねw

    体力ある国は、ジャブ入れ返すこともできるし、ない国は逃げるだけ。

    前回の田舎と東京の格差についてもそうでしたが、安く田舎で不動産や中古車を買って、「誰か」に貸したり売ったり。今回の「格差」から何か儲けにつながらないか考えたいところです。

    とりあえず、ドル100円切らないかなと待っていますw

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    1. ジャブでなく「掛け合い」なんじゃないでしょうか?ヤクザだってイキナリ暴力には入らず、口で脅しながら、相手を圧迫します。ジャブまで行くとシャレになりません。北朝鮮バリの敵領海内にミサイル撃ち込みがジャブでしょうか?

      シン

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      1. すでに国際舞台とういうリングに上がっていると思っていました。ボクシングではジャブは牽制でしょうから。

        話合い→ジャブ(=暴力)という流れと考えれば、まだそこまでいっていないとのお考えですね。

        ジャブ→ストレート&アッパーという個人的な認識です。ジャブでダウンしないでしょうから。イラッとはするでしょうけど。

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        1. まぁ、例え話なので、定義をどこに持って行くか?となりますが、トランプ大統領が中国は友達だ、友達だ、と連呼するように、今の牽制って口撃なんですよね。それが領海に巡視艇を出すとか、国際法廷に持ち込むとかするとジャブかな?と思います。思いっきりストレートを繰り出すとなると、ミサイル撃ち込みでしょうか?

          いずれにしても、お互いに着地点を探っているだけです。本気じゃないし、よくあるやり取りだな、と私は理解してます。

          シン

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          1. そうですね。
            格闘技好きは、牽制的な言動をジャブなどと表現したりします。

            猫なども「友好的」に見えて、こちらがケンカするな!と焦ったりする程、噛んだりしてじゃれたりしています。

            米中も水面下では仰るように「利害」でを握りあっているような気がしてなりません。

            第三者が振り回されているだけかもしれませんね。したたかに、金儲けにつなげる人間になりたいものです。人類の福祉のためにw

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  2. 私の子供のころから加工貿易って用語は死語になってましたね。
    また、貿易摩擦ってのも一般的ではなく、人件費の安い国で製品を作る製品輸入ってのが一般的になってきましたね。
    ただし、これも人件費の高騰で地球上を1周してどうなるかわからないですけど。

    1+

  3. 今回の巨額関税は中国側がかなり譲歩するのではと見ています。

    中国はアメリカの貿易赤字の半分を占め、輸入には高い関税を掛け自国製品を保護し、人民元は管理し通貨安に誘導と、
    圧倒的にアメリカに不利な条件となっているわけですが、オバマ大統領時代はほどんと口を出さず、かなり不自然でした。

    トランプ大統領になって、中国に対して貿易不均衡を正す方が自然かなと思います。

    中国側が交渉カードとして、保有の米国債を売ることを検討しているようですが、
    実際売られてしまったとしても、影響は少ないように思います。

    中国が保有する米国債は1兆2000億USドル程度ですが、これぐらいであれば、
    現在金余りの時代ですから買い手が見つかるように思いますし、
    中央銀行レベルでみれば、それほどの額ではないので、FRBが買い上げてしまってもよいかもしれません。

    なんなら日本に買わせるという手もあります。
    日銀が買い取ることにすれば、金融緩和を継続できますし、利害関係が一致しますね。
    個人的にはあまり良い手とは思いませんけどね。

    米国債売却は交渉カードとしては弱く、どんなに中国が強国となったといっても、アメリカと真っ向勝負するなんてことはしないのではと思います。

    3+

    1. そうでしょうね。

      中国にしても、米国債を売却しても他の手段で外貨準備高を確保できないので売れもしません。ある意味、強引な円安、通貨発行をしたい日本が買ってもいいのかもしれません。普段なら反発になりますが、米国を救うという名目ができます。

      着地点は中国がある程度、妥協する、という形になるでしょう。後は永世主席のメンツをどうやって守るか?というだけだと思います。

      シン

      1+

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