就活アドバイスについて読者さんから非常に良いコメントをいただきましたので、少し編集して、記事にして、皆さんと共有したいと思います。
したいこと
まず、他人からどう見られるではなく、自分はどうしたいのかにこだわることが重要です。何かを成し遂げる、何かを発見する、何かを発信するために目立つというの行為が本来はある種の手段であったはずなのですが、目立つことが目的化してしまうと苦しくなってしまうのでしょう。
例えば、歌を歌って注目されるのではなく、歌を歌うことに幸せを見いだす。それがぬるり的な生き方な訳で、注目されること、お金を得ることを目的に据えてしまうと最後は歌を歌うことがつまらなくなってしまうでしょう。
そうした意味で就職活動をするときに自分は社会に対して能動的にどんな働きかけをしたら幸せなんだろうというアプローチをしていれば良かったのかなって思います。目立つこと(他人からの称賛)も、お金をもらうことも社会からの受動的な行為であり、受け取るという側面で進路選択をするべきではないと自戒を込めて感じました。
悪い例
数年前に大学生の就活の相談をしたときの体験談を書きます。
ある学生は英語を使って仕事をしたいと言っていた人がいました。そこで私は英語って一つの手段ですよね。英語を使って何をやりたいかが重要なんじゃないですかとアドバイスをしました。おそらく英語を使って白人と話して、国際人っぽく振舞っている自分像(ある種の他人からの称賛)に憧れていたのだと思います。
また別の学生は海外営業がやりたいと言ってしました。そこで海外ってアメリカ、イギリス、フランスみたいな欧米先進国だけじゃないですよ。治安、衛生状態が悪い、途上国に赴任する可能性もありますが大丈夫ですかと質問しました。そうしたときに、明快な回答が得られませんでした。(欧米のおしゃれな風景の中でさっそうとビジネススーツで歩く自分に憧れていたのでしょうか?)
さらに別の学生は会社で働きながら、資金援助をしてもらって税理士とか公認会計士の資格を取得してキャリアアップをしたいと言っていました。
何人かの学生の相談にのっているうちに社会人というお金をもらう立場になるのに、それ以前のお金をもらうためのアクションについて何も語れない人が多く、本当に辟易してしまったのでした。(受動的な側面からしかキャリアプランを語れないのでした。)
良い例
そうした中で、私はトイレが大好きなんですっていう学生に出会い、心を揺さぶられたのでした。その彼女はトイレという日常生活の中で必ず訪れる空間を楽しいものにして、人々の毎日の生活の質を向上したいという強い思いを述べていました。
確かにトイレが好きっていう趣向はエキセントリックではありましたが、自分が何が好きかといういう軸が明確になっているし、社会に対する能動的なアプローチが存在している。この人の相談には真剣に向き合おうと思ったのでした。
私のアドバイスが微力ながら役に立ったのか分かりませんが、無事にTOTOかINAXといった衛生陶器業界に就職していった筈です。そしておそらく、毎日を充実させながら仕事に向き合っていると思います。
まとめ
悪い例は自分のやりたいことが明確でなく、他人にどうみられるか?、が目的になってしまっており、自分のイメージ通りにカッコいい仕事ができないと、それで嫌になってしまいます。今までの人生をスムーズに過ごすことができた人は特に理想と現実のギャップに苦しむことになります。ほとんどの人は泥臭いことをしながら、何とか仕事をこなしていくことになるからです。
そうじゃなくて、良い例のように軸を明確にして、自分は何が好きで、何をやっていれば、嫌なことがあっても、乗り越えられるか?、が理解できているなら、ぶれずにやっていけます。気の乗らない仕事、嫌な上司、顧客にあたっても、好きだという気持ちがあるなら、やっていけると思います。たとえ、その会社を辞める、転職するにしても、前向きな気持ちで新しいことに挑戦できるだろうと思います。
私がぬるりと生きる、と言い続けてきたことはこういうことであり、読者さんからこんな風にうまくまとめてもらえたことを光栄に思います。学歴ランキングだ、就職偏差値だ、とか、そんな馬鹿なことを気にするのは本当に時間の無駄です。そんなことを考える時間があったら、もっと自分と向き合って、好きなことを突き詰めるべきだと思います。
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本当にそう思いますね。
仕事は、犯罪でなければ自分が良ければ いいと思います。よく、収入や知名度で決める人もいます。
仕事が充実してるのとそうでないのでは違いますよ。
仕事が充実してないと友達も遊びに誘ってくれないです。
誰もが楽しそうな人の関わりたいので、愚痴、文句だらけの人は孤独になりやすいです。楽しんだ人が勝者です。
シン
中高年が若い人にするアドバイスは時代遅れで役に立たないものが多いですが、記事の内容は時代を超えて有益な助言だと思います。就活時に、周りから「スゲー!」って言われたい誘惑に打ち勝つことは難しいのかもしれませんが、若いみなさんには是非、自分にふさわしい選択をしていただきたいですね。
私は未だに「自分のやりたいこと」が判らなくなる時があります。「やりたいこと」って年齢によって変化しますしね。情けないです。
時代変われど、普遍的なアドバイスだし、もう若くない人にすら、考えさせらるアドバイスだと思います。
シン
私が言えたことではないですが、英語を使って仕事したいとか言って高校から金ばかりかかるFラン高校の国際高校に進学した私の教え子がいました。
具体的に英語で何がやりたいかとかわからないですね。
翻訳の仕事もありますけど、派遣ばかりですよね。
ツールが目的化すると、どこにも到達せず、イライラしだすでしょう。なんで、こんなに英語力があるのに活かせないの?、と言われても、英語力そのものを活かせる仕事はほとんどないからです、と答えるしかありません。
シン
本当にそのとおりだと思います
やりたいこと 人からどう見られるか
自分ができそうなこと
”人からどう見られるか”という問題を解決できたら
人生の苦悩の大部分は消えると思います
まったくです。人生の苦悩の大半はその二つがはっきりしてないことだと思います。
シン
逆説的ではありますが、自分のやりたいことを軸にするには(人にどう見られかにこだわらない)自分自身が人を見る際に社会的地位、権力、お金というバイアスを外して相手の本質が見れるようになりません。そうした時に初めて、自分自身が世間の目から解放されるのです。
個々人が精神的に自立して働く社会を広く実現していくには、各々が人の本質を見抜く眼力を養っていく必要があると思います。
文体がおかしいので、訂正します。
逆説的ではありますが、自分のやりたいことを軸にするには(世間体にとらわれない)自分自身が人を見る際に社会的地位、権力、お金というバイアスを外して相手の本質が見れるようにならないといけません。そうした時に初めて、自分自身が世間の目から解放されるのでしょう。
今後、個々人が精神的に自立して働く社会を広く実現していくためには、各々が人の本質を見抜く眼力を養っていく必要があると思います。まだまだそうして点で私も未熟者です。
まったくおっしゃる通りです。
他人にレッテル貼って、上っ面で判断するような薄っぺらい人は自分にも同じことをするので、世の中の本質なんて、まったくわからない情弱なんですよね。
シン
ニコさん シンさん
文系出身の調達や営業の人達は自分達に技術知識(≒数理的思考能力)が無いことについて半ば開き直ってしまっている部分があります。もう少し調べてから技術部に問い合わせをしてもらえませんかとお願いしても、私たち文系ですから分かりませんという回答で全く響きません。
そもそも文系の人達には、分からないことを自分で調べてみる、分析して考えるという能力が欠如していて、そのベースが無いとそもそも技術知識なんて身につかないのだろうと思います。思考力の根本を成す数理的能力や調査能力の欠如を文系という言葉でカモフラージュしてしまっています。
確かに日本社会では「文系だから」が言い訳になっているところがあり、ろくに調べず、勉強せず、丸投げするのが当たり前になって、コミュ力(大してコミュ力もない癖に)の名の下に開き直り、正当化されているのではないか?、と思います。
リア充社会のアメリカですから、コミュ力を根拠に知識がないことを正当化する人達はいませんし、もう少し勉強します。ハッタリが上手い人たちなので、わからないなりにも、上っ面だけでもわかったふりして、なんとかしようとします。弱みを見せると、やられる社会だと言うのもあるでしょう。
シン
シンさん、Yさん
ありがとうございます。
文系だから技術の話はしたくないや数学や理科が嫌いだったとかで逃げる輩がうちの会社にもたくさんいます。
しかも、トラブルやクレームを自分のこととして考えないで調べたり考えないで設計や生産技術に聞いてくる、上から目線でこうしてほしい、ああしてほしいとか言ってくるのでメーカー文系が嫌われるんだと思います。
無意識だろうけど品質管理や生産技術を馬鹿にしてるように聞こえる。
知り合いは、客先の最前線で怒られるのが嫌とかいうのですが、法的に電気工事の資格もなく工事担当やるといろいろまずい上に、英語もやらないんだったら最前線で怒られるしか仕事任せられないのだと思います。
愚痴っぽくなりすみません。
ニコさん
おそらく文系の人達は科学技術や電気資格の有用性が理解できていないんです。そもそも高校で数学Ⅲや物理を学習していない人が多いので、それが出来ることのすごさも分からないんです。だから技術部の人達のことも尊敬出来ないんです。本当は欧米や中華圏のように出身学部などで給与や役職に差をつけて、スキルの違いを分かりいやすい形で見える化する必要があると思います。しかしそうした人事制度の設計を行っている人達は文系の方々なので自分たちの既得権益を崩すようなことは絶対しません。
また技術士、電気主任技術者といった技術系のアナログ資格も資格の取得難易度に比して社会全体の認知度や評価がいまいちなのも残念です。
シンさん
内容について大変勉強させてもらいました。僕はまだ高校生ですがこれからの参考にしようと思います。
私事になりますが、僕は来年大学を受験する身で、現在私立文系クラスに所属しています。数学の成績が原因で文系に行ったのですが、ある漫画と父親との会話がきっかけで理転することにしました。
僕の周りだけかもしれないですが、今の若い人はこの記事の良い例のように具体的に自分の好み、世界観がわかっているという人が少ないように感じます。僕自身何が好きなのか、やりたいのかわからず安易に成績で進路を決めました。特に私立文系クラスは遊ぶため、大学ブランド、とりあえず楽なほうへなどといった理由で大学を目指す人が多いです。
現代日本はやりたいことを自由に選択できる社会ですが、それが見つからずに自分の軸をもてない人もいると思います。そういう人はどういう身の振り方をするのがいいのでしょうか。
時間があるなら、色んな体験をして、色んな人に会い、色んな本、ブログを読み、自分に合うものをやりこむ、読み込む。それをお金にできないか?、と落とし込み、何を勉強すれば、目的に到達できるか?、を追求すべきです。
もう受験までに時間がないなら、興味がある中で、できるだけ出口の広い専攻を選ぶといいでしょう。文系は選択肢が多いイメージがある、と受験生が思っている、とする記事を見たことがありますが、全く逆で文系にできて、理系にできないことは存在しないので、文系を選ぶだけで、多くの選択肢を放棄することになります。
大学に入ったら、きちんと勉強しながら、たくさん遊んで、たくさん恥をかいてください。ほとんどの人は恥をかかないと成長できません。恥をかかずに年だけ取ると、何もしない完璧主義者、他人を見下して自己防衛するつまらない人間になります。
シン
助言ありがとうございます。
これからたくさんの経験と常に頭を使うことを心掛けます。今思えば、僕の周りで自分の軸をしっかり持っている人は教養があるといいますか…とにかく面白く魅力的な人が多いです。
とにかくまずは、目の前の数学、理科を攻略したいと思います。
ジンさん
理転されるのですね。がんばってください。私は今から10年ちょっと前に入学した元理Ⅱ生ですが、物理等で赤点から合格レベルに上がった経験がありますので、参考書や問題集で迷ったら下記ご参考になればと思います。
(ちなみに予備校には行かなかったです。どのレベルまでやるかは、適宜志望校の入試難易度を過去問でご確認ください。)
【数学】
・マセマの「合格!数学 I・A」のシリーズレベルをまず解けるようにして、その後同じくマセマの頻出・ハイレベルまで解けるようにします。
・高校数学はパターンなので、頻出パターンを解いて暗記してしまうと非常に楽です。上記問題集で基本のパターンが分かれば、過去問などで補強していきます。
・「大学への数学」シリーズも有名ですが、解説が簡潔なので上級者向きです(私は「新数学演習」で挫折しました・・・)。
【物理】
・浜島清利著「物理のエッセンス」上下巻が高校物理の概念理解に非常に分かりやすいです。その後同著者の「名問の森」を全部解けるようにします。理Ⅰ・Ⅱの合格レベルになります。
・今は同著者の「良問の風」という問題集が出ているので、「名問の森」が難しすぎると感じたら、こちらを先に解くと良いと思います。
・有名な本で「難問題の系統とその解き方」もありますが、大学への数学シリーズと同様に解説が簡潔で難しく、理Ⅲや京大医に行きたいとかでない限りは必要ないです(名問の森が解けるレベルになったら例題だけ解いてみるのはありです)。しかしそのような余裕があるならば、それよりは山本義隆著の「新・物理入門」を読んだ方が物理の微積の基礎が分かって良いと思います。
【化学】
・数研出版の「化学重要問題集」レベルを全部解けるようにします。卜部吉庸著「化学Ⅰ・Ⅱの新標準演習」でも良いと思います。
・最初は高校でもらえる問題集を解きながら覚えていけば良いです(自分の高校ではセミナー化学という参考書兼問題集でした)。
・卜部吉庸著「化学Ⅰ・Ⅱの新演習」レベルまで解ければ、理Ⅰ・Ⅱに普通に合格できます。
・石川正明著「新理系の化学問題100選」もありますが、これまた理Ⅲや京大医に行きたい人用です。
【その他】
・過去問はすごく大事です。ある程度の学力を付けておいて、夏休みが終わるまでには一度志望校の過去問を5年分くらいは全部見ておくことをお勧めします。
・理科が2科目で済む大学ならば、化学物理をお勧めします。高校で基礎があると大学に行ってから応用が効くからです。
・問題集は最初は解けなくても問題なく、復習してできるようになれば良いです。大学入試レベルでは理系であっても理解後にパターン暗記をして解法のストックをどんどん貯めていくのが重要ですし、合格への一番の近道です。
・合格体験記(理Ⅲとか)を読んでみると、合格者は皆同じような問題集を使っています(少なくとも私の受験時はそうでした)。
大学入試の傾向で文高理低の記事を見ましたけど、なにを根拠に言ってるかわかりませんね。
私も昔、私文クラスの人に歴史覚えるのが大変だとか数学は直前に考えればいいとかいろいろ言われましたが一部のイケメンやリア充以外はまともに就職できてないです。
大学生活の楽しさは、文高理低だと思いますけど学校で交尾して怒られるやつがいるくらい楽しそうでした。
就活生の皆さんへ
今から自身の日常の意思決定について、曖昧さを排除し、論理的に考える習慣をつけてみてください。また過去の意思決定はどのような根拠に基づいて行ったのかを検証してみるのも良いでしょう。(自己分析に近い) 業種は違えど、マーケティング、設計検証、与信管理といった上流部に位置する仕事の本質は意思決定の曖昧さを可能なかぎり排除して、成功の確率を高めることです。 これは仕事の方向性を決定づけるもので、ここを誤ると後工程でいくら良い仕事をしても失敗します。そのため、そうした検証作業が緻密に出来る人=仕事が出来る人となるわけです。私の経験でも、仕事が出来る人は過去の自分の意思決定を詳細に語れます。なんとなく感覚で決めたとか、上司に言われたからというような回答は絶対しません。必ず自分で調べて考えて、意思決定の論拠を固めます。 就職活動では、どの会社や行政機関でも志望動機が必ず問われると思います。しかしながら企業は別に志望動機を聞きたいのではなく、学生が会社を志望するにあたって、どれだけ論理的な根拠を積み重ねて受験という意思決定を下したのかを問いたいのです。 その際に論理的整合性のとれた志望理由を述べられる学生は会社組織に入って仕事をする際にも、明確な根拠に基づいて仕事を行い、仕事を成功させる可能性を高めることが出来ると目されます。二次面接、三次面接でも、志望理由は問われることはなくなっても、うちの組織に入って、どうしてそれがしたいの?といった形で、切り口を変えた形で意思決定の背景を深く問われます。 このようなことから、普段の些細なことであっても、意思決定の根拠を深く考えるトレーニングをしておくことが、大切です。(志望動機だけ本気出して考えたけど、普段の意思決定が雑な人はここで落とされます。)