じゃあ、ドンファン-2

話題の紀州のドンファン本を読んでみました。なかなか考えさせられる内容です。ただ、近い人によると誇張、嘘も含まれているそうなので話半分にしても、それでもそうだよな、と思いましたね。

経歴

紀州のドンファンは戦中生まれ、貧しい家庭、子沢山家庭に生まれ、体格は小さく貧弱で、面構えも平凡、学力も取り立てて見るべきものはない、という戦後の一コマとしてありふれた育ち方をしています。ただ一つ他人を大きく凌駕するのは「美女とセックスしたい」という気持ちです。

地元の中学を卒業すると、当たり前のように就職をして、家業と同じ酒屋で働き出したそうです。当時のことなので、それを疑問には思わなかったが、こんなことをしていても先はないだろうな、と毎日思っていたそうです。

当時は学歴、学閥が大きく物を言う時代であり、大学に入らない時点でサラリーマンなんてやっても無駄、優秀だろうが、ほとんど評価されないのが当たり前、という風潮であり、一年も経たず、サラリーマンを辞めることを決心しました。

そして独立、成功を収める、抱いた女性は四千人、貢いだ金は三十億円越え、生涯現役を自称していた一代のエロ英雄になりました。有名になったきっかけは元愛人に六千万円分の現金、貴金属を奪われたこと、という豪快なエピソードです。

ただ、この自称には誇張あるらしく、晩年はかなり弱っていてセックスはとても無理、排便にすら苦労していたようで、実質的には周りに介護してもらって生活していたようです。遺産も十億少々だそうなので、貢いだ金は三十億円も誇張だと思います。

種銭

まず、ドンファン氏は自営業として屑鉄拾いを始め、徐々に頭角を表していきます。物不足の時代で、戦争中の残骸なんかがそこらじゅうに落ちていて拾って売ればお金になったんですね。自分の努力、立ち回りでで収入が左右される仕事はやり甲斐があった、とのことです。

ただ、この程度のことをしていても美女を抱くことはできない、と新しい食い扶持を模索し始め、コンドーム売りをすることを決意します。当時、うめよ増やせよ、の時代が終わり、少子化が推奨されてきており、コンドームの需要が増えていたからです。

そして、コンドームは薬局にしか売っておらず、国からの認可を根拠に薬局は企業努力をほとんどせず、店員は横柄で、入りづらく、薄暗い環境の為、女性が気軽に買えるような状況ではなかったので、訪問販売を思いついたそうです。

比較的裕福そうな農家を訪ねては奥さんに売り込んで買ってもらっていたそうです。ここで、交渉術を身につけていったとのこと。どんな人にどう言うふうに切り出せば買ってもらえるか?を真剣に考え、土下座も厭わない、実演販売も厭わないスタイルで成果を上げていきました。ここで大きく勝つための種銭を用意します。

投資

種銭が貯まると、金主として金貸にお金を貸したり、株価投資を始めてお金がお金を産む方を理解して大きなお金を手にするようになります。コツコツと物を売って利益を出しても大金は手にできません。

コンドーム売りは誰にでも出来ることではないので、多角化しづらい仕事ですから限界を感じます。そして、徐々に薬局が薄暗い雰囲気ではなくなり、買いやすいものになっていくと、訪問販売をする旨味はなくなります。

そこで、金主から貸し手に回るにあたり、サラリーマン金融を思いつき、東京で公務員、大企業サラリーマンを中心にお金を貸して利益を得るスキームを編み出します。地元でなく東京を選んだ理由は関西の金貸しはヤクザとの関係が切っても切れないので嫌だったそうです。

借金をする人、というのは単にダメな人ではなく、一見、ピシッとしたサラリーマンもお金にだらしない人はザラにいて、そういう失うものが大きい人が踏み倒す可能性は低いからだそうです。金に困った無職に貸しても不能になる確率が高いですからね。

ここで覚えた金儲け、夜遊びで念願の美女抱きまくり、を実現したそうです。水商売女性に貢ぐのは効率が悪い、デートクラブに行って直接交渉するか、現生見せてナンパする方が打率が良く、好みの女性をモノにできる、とのことです。

まとめ

ある意味では王道中の王道をしてのし上がった人で、悪いことしたわけでも、突拍子もないことをしたわけでもなく、やるべきことをやって財を積み上げ、きちんと払うものは払っていますし、未成年に手を出しているわけでもありませんので、文句を言われる筋合いはないと思います。

同じことをするかは別にして学ぶ所は多い人だと思います。男性なら多かれ少なかれ多数の美女とやりまくりたい願望はあると思いますが、何よりも優先して希望している人はそうはいないと思います。それがドンファン氏をドンファン氏たらしめている強い欲求なのでしょう。

何でも良いので目的が明確になってさえいれば、その手段は選ばずにひたすら遂行していけますので、いずれは到達可能なんでしょう。凡人はそこまで純粋にはなれないので遂行出来ないし、到達もできないのだと思います。

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もっちり
2 years ago

話題にはなっているが、どのような方かしらず、勉強になりました。ありがとうございます。
美女食い散らかしたい気持ちは痛いほどわかるし、羨ましい気持ちにもなります。

タダ食いしたら、食った後の面倒臭さや、リスク処理のことを考えるとなかなか一歩踏み出せず、
現代だと、SNSで晒されたりでもしたら一巻の終わりですね。レピュテーションリスクがでかすぎる。
芸能人の色恋沙汰とか、どうでもいいですが、広告で目にすると、食ってねーのに食われただとか、もうなんでもありで、会社員の自分に置き換えると、職場風紀を乱して懲罰必至なのは自明で、恐ろしくて手出そうとすら思わないです。

じゃあ、金払って割り切って行こう。という話ですが、奢りなら良いんですけど、身銭切ってまで行くのか、というとやっぱり躊躇しますね。今の時代だと、金払った挙句、コロナもらってきたら世話ないですし、誰にも言えないですよ(笑)

、、、とグダグダ書いてしまったのですが、ストレートに男の欲望に向かっていったのはある種の尊敬の念すらあります。

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