じゃあ、残業が減らない

残業が減らない!っと言う人は多いですが、たまたま突発的に忙しくて連日の残業になった、というならともかく、日常的に月に何十時間も残業しているなら、何かが根本的におかしいです。

経験

初めての仕事をするので、なかなか上手くいかず、ずっと決められた時間で終わらない、というパターンは世界中どこでもある話です。これは上司、先輩が落ち着くまで面倒を見ろ、という話になります。通常は給与に部下、後輩の面倒も業務に含まれてます。

不慣れな人間に対して、誰が面倒を見るのか?をしっかり決めず、曖昧に放置をすると、仕事だけが溜まっていき、新人が潰れる可能性があります。せっかく採用しても、すぐに辞めてしまうなら会社にとって大損になります。採るなら、きちんと教育すべきです。

エントリーレベル、ジュニアレベルの仕事はマニュアルを使っておくべきで、ルーチンワークがメインなんだから、そのマニュアルで仕事を覚え、誰が面倒を見るのか?をハッキリと決めた上で教育体制を整えないと、教える、教わる、両方の残業は減りません。

分量

根本的に一人でこなせる分量ではない、ということもあります。ベテランが集中してやれば、なんとか定時間内に終えられる、という仕事なら、新しい人になれば、元からこなせるわけはなく、ひたすら残業をしてなんとかノルマをこなすことになります。

だったら、雑務の部分をする為のアシスタントをつけて、主務の部分に集中できるようにする必要があります。これも日本企業は苦手で雑務専用のアシスタントを雇いたがらない、というのはあります。総合職、一般職に分かれて、その中間がいないんですね。

シンガポールの外資は元から分量を1.5倍くらい与えて、待遇も1.5倍くらいにしているところがあります。見た目の給料は高いので釣られて入ってきますが、よほど早く正確にやらないと、残業、休出は絶えず、手当も出ないので、適性のある人しか残らない、というやり方をするところもたりますね。

ツール

日本企業のIT嫌いは相当なもので、未だに手書き、ファックスに代表されるハードコピーに溢れており、そんなことしてりゃ、必要な情報を得る為に延々と紙をめくって探し回ることになるので、時間がいくらあっても足りません。

当たり前ですけど、ソフトになっているデータなら検索で数秒後に目的に達するので、利益にならない紙めくりは単なるコストなんですが、何が悔しいのか?パソコンすらまともに使わない、使っていても古く、遅いハードをそのままにしてます。

コスパを考えず、仕事をしていて残業がなくならない、というのはバカだと思います。何億円の設備を入れろ!っというのではなく、最新のパソコン、サーバーを用意して、必要最低限のソフトを入れるだけで、利益にならない作業が減り、残業は減るんですよね。

サボリ

全くやる気がなく、日中は昼寝していて、定時間が終わってから黙々と仕事をし出す人がいますが、これは横領行為に近いです。タチの悪い生活残業なら従業員は解雇に値すると思いますし、その証拠、警告をして、サボリをやめさせるか、仕事を辞めてもらうしかありません。

ですが、多くの日本企業は残業を美徳としており、いずれにしても定時には帰れない、定時に仕事が終わっていたら怠けているとみなされて仕事が増やされるから定時間にサボっていることもあり、こんなことになっているのは経営者の責任です。

これを解決するにはマネージャーが職務領域をきちんと設定し、その分量、効率を見極め、簡単な報告メモ、数分の聞き取りをすることによって、どのくらい効率良く仕事をしているのか?を見極める必要がありますが、日本にはそういう習慣はありません。無駄に長い報告書、ミーティングをして管理した気になってます。

まとめ

基本的に一般業務上で残業が減らない理由はこんなところかな?と思います。日本に文化として根付いてしまった部分があり、いくら声を上げても、なかなか変わることなく、だったら、残業代という概念を無くしましょう!っという方向に行っているのは怖い話です。

ウォーターフォールによる川下のギリギリの納期設定から来るデスマーチという構造上の問題なんかも残業が減らない理由にありますが、それを置いておいても、元からこの仕事がどのくらいの工数、経験が必要であり、何が問題で残業が発生しているのか?をマネージャーが管理してないなら、そりゃなくなりませんね。

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コテツ
5 years ago

残業が減らない理由に「従業員の抵抗」って結構感じますよ。
経営者か管理職の問題(マネージャー管理も含む)ではありますが、その証拠に今まで散々残業をしていた業務が、残業嫌いの人が就いた途端に残業がなくなることは、私の知る範囲では珍しくありません。この記事でいうところの「サボリ」ですが、本人は不満タラタラでやってることが多く、それを問うと苦労が分かってないとズレたことを言うので、異動なりで飛んでもらった方が手っ取り早いです。

残業125/100は従業員にとって魅力的で、ノー残業デーとかやるところは従業員が週1日程度を望んでいて、それを週4~5日でやることまでは望んでいないんだと思います。そもそもノー残業デーの週1日導入を何十年やってんですか、週5日導入が労働条件上の標準仕様なんですけど。ノー残業デーがあれば「定時で帰りやすい」、アホかと。世の中には本当に終わらない業務量があるんでしょうけど、イマイチ信用出来ないんですよね。

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ニコ
5 years ago

新人のときに配属された部署というか派遣エンジニアとして客先で仕事したときに、不慣れで終わらない(そもそも客先なので上司も指導しない)のに低スペックのパソコンで仕事して終わらないときがありました。
当時は、何が起きたのかわからなかったですが今考えたら普通ではなかったです。

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でら
5 years ago

私のところでは超勤縮減が管理職の責務であり、職員の残業が多いと管理職の評価が下がるようになっています。
もちろん部署によっても違いますが、昔に比べると大分減ったように思います。

そして残業が多いのは管理職か、幹部候補社員か、根っからの仕事好きくらいです。
一般社員の残業を減らした結果、管理職がしわ寄せを受ける形になっていて、今の管理職は大変だと思いますね。言うことを聞かない部下に厳しいことを言ったらパワハラ認定されますし。

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かりりん
Reply to  シン
5 years ago

自分の経験からですが、会社全体で基本残業禁止、どうしても残業をせざるを得ない場合は、その理由を記述し、マネージャーの許可を必要とし、タイムカードも自分では残業分は勝手に入力できない(管理職の認証が必要)となっているので、そのようにシステム化すると、自然にそうなっていきました。

そもそも日本の総合職というのが、未だに意味がよくわからないんですが、総合職を廃止にして、専門職のチーム編成をし、その中でスーパーバイザー以上は年収、それ以外は時間給の正社員と、最初から分ければ良いのでは?

まずはタイムカードのオンライン化を進めることでしょうか?
こんなところにも、日本のIT遅れが影響しているように思います。

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くろねこ
5 years ago

何度か書いてますけど、
仕事が先にあって、そこに人を当てはめる外国のやり方に対して
日本は、とりあえず人を大量に取っておいて、そこに仕事をあてがってます。
となると、仕事が早く終われば終わるほど次の仕事がやってくるとなりますよね。
これが高度成長期には、とても効率が良かったわけですが今の時代には全くそぐわないとなってますね。

4月に年度初め&新卒一括採用してる本家本丸の官僚機構が変わらない限りは日本の労働環境は変わらないと思います。
官公庁が4月開始だから、そこに合わせて学校は3月卒業になるんです。そして大企業もそこに右に倣え、するしかないんです。
学校制度が出来た明治期は欧米と同じく学校は9月開始だったはずです。そして予算編成が4月開始になったのは秋に収穫された米を売りさばいて予算化するのに1月開始じゃ間に合わなかったからだそうです。
学校で黒板にチョークでかいて紙の本を音読して紙のノートに書いて、といつまでも明治時代から進化しない官僚機構なのです。

6+
りお
Reply to  くろねこ
5 years ago

まさに仰る通り。
国費で英米のトップスクールに御遊学して、一体何を学んでるのでしょうか。

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ガンバ太郎
Reply to  りお
5 years ago

彼らの遊学は、箔付けと人脈構築?みたいなもんで、何のスキルも付かないし実務にも全く活かされない人生の夏休みみたいなもんです。
霞ヶ関が激務なのは確実ですが、評価の枠組みの構築が出来ずor苦手で、書類捌きばかりやってて、これだと小学生の算数ドリル修行と何が違うの?って感じで、昇格すれば派閥争いに終始して彼らの人生は終わるんです。期待するだけ無駄です。
一方で、民間は天下りを受け入れてゾンビ組織の延命措置をかれこれ何十年もやってるので、日本が破綻しない限り今の現状は変わらないでしょう。

4+
ベル牛
3 years ago

日本企業のIT嫌いは相当なもので、未だに手書き、ファックスに代表されるハードコピーに溢れており、そんなことしてりゃ、必要な情報を得る為に延々と紙をめくって探し回ることになるので、時間がいくらあっても足りません。

におっしゃる通りで、 何で今時FAX使うんだよ?って思いますが
それを逆手に取った面白い使い方を されている例がありました。 これしかもITに詳しい人じゃなくて 岡野工業という会社の職人さんなのが 面白いです。

メーカーから 製品の不良が多いとクレームが来た。 実際にはメーカー側の工程(メッキ)の張り過ぎで
そっちで直すよう何度も伝えるが 課長はそれを認めず、責任をなすりつけようとする。「

頭にきたので 一計を案じFAXで文句を言う。 
すると
女性社員や下っ端社員 → 色んな人を経由して内容が知れ渡る。
→ 課長って問題抱えてるの? とか 弱いものいじめしてんの?って 噂になる。

これが電話だと あしらわれるだけだが これほど効果的な喧嘩法はないと 言ってました。(その後については記述がなくて ちょっと残念でしたが 狙ったとおりになったんじゃないかと思います)。

町工場だろうが 下請けだろうが卑屈になってなんでも言うことを聞くのでなく 頭を使えばやりあえるという好例です。

ただ、岡野工業は凄い技術力があり、 元々無理して仕事とらなくても大丈夫で 態度悪いところは 実際に大企業だろうが 仕事なくなっても困らないってスタンスなのは大きいです。 そういう風に仕事したいから規模も大きくせず、製品化してもすぐ外注してしまうそうです。 凄い世渡り力だなーと感心しました。

ここまで極端な例でなくても 職人的な立ち位置で 自身の腕があれば どこでも食える自信がある方はぬるりと生きていらっしゃるなーって思う人多いですね。

ちなみにこの話題が載っていた本は
 
不可能を可能にするあしたの発想術 (ロング新書)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%8D%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%82%92%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E7%99%BA%E6%83%B3%E8%A1%93-%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B2%A1%E9%87%8E-%E9%9B%85%E8%A1%8C/dp/484540849X

です。

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