じゃあ、インフレ

フェイスブック従業員の給与中央値は年25万ドル、というニュースを見ました。インフレ、、、と思ったので記事にしたいと思います。

サンフランシスコ

日本円にすると、25万ドルは2018年5月時点で2700万円くらいになるので、貰ってんなぁ、という感じで、日本ではこれだけ貰うとなると、平社員では無理です。そこそこの規模の企業で役員にならないとダメです。

でも、フェイスブックのあるカリフォルニア、サンフランシスコ、ベイエリアなら、そこまで高収入でもありせん。日本と比べると物価が3倍くらいするので、年800-900万円くらいの感覚でしょう。

ちなみに負け組SNSのツイッターが給与中央値、年15万ドルということで、このレベルだと、ギリギリ、従業員はサンフランシスコで食っていけるレベルになり、これを下回ると一斉に逃げ出して行くでしょう。

サンフランシスコ、ベイエリアでシニアレベルのソフトウェアエンジニアが住む家は月に4,000ドルくらいなので、年に5万ドル家賃に必要ですから、年15万ドルの収入だと、税金を払ったネットインカムの半分が家賃に飛んで行くことになり、カツカツです。

だから、サンフランシスコ、ベイエリアでは共働きが当たり前で、よほど高収入の人でないなら、シングルインカムでは家族が暮らすことは無理だと言えます。日本人にとってだけではなく、アメリカ人にとってもサンフランシスコの物価は異常になっています。

シンガポール

同じアジアでも、シンガポールはサンフランシスコと似たような感じですが、給与システムがアメリカ、日本と違います。年収でなく、月収提示が多く、ボーナスは一ヶ月分を基本とし、よほど業績が良くないとそれ以上は出ることがありません。

さて、シンガポールで月1万ドルもらうと、9割近くが手取りになるので、お得感がありますが、これも半分近くは家賃に行きます。安い家を借りることはほぼ無理で、汚い、古い公団住宅でも、大幅には安くなりませんので、外国人は見栄、手当てでコンドミニアムとに住みます。

外国人労働者がサービス業をしてくれるので、外食、メイドなんかは安いですし、家賃さえ払って仕舞えば、楽と言えば楽ですが、シンガポールは教育システムが特殊なので外国人はナショナルスクール、インターナショナルスクールを選択することが多いですから出費です。

シンガポール人なら、安くなるか?と言うと、確かに公団住宅を割安だ買えますが、よほどの低所得者層でないと、大幅には割り引かれないので、なんだかんだと夫婦の年金、貯金をはたいて、公団住宅の頭金にする、という感じで大変です。

子供をシンガポール人ならほとんど無料の地元校に行かせても、親は受験戦争に負ける恐怖で子供を塾漬けにする為、教育費が高い、高い、といつも言ってますし、生活は苦しそうです。まぁ、自業自得ですが、そういう社会です。

日本

アメリカ、シンガポールと比べると割安ですけど、給与も割安です。まぁ、日本から出ないし関係ねー、と言えなくはないですが、こういうデフレが長らく続く状況になると、やる気が落ちてくるものです。人間の心理として今日より明日、明日より明後日、良くなっていることで盛り上がってきます。

日本のバブル期はアメリカ、シンガポールよりも物価が高く、外国人が悲鳴をあげるくらいなんでも高かったんですけど、何もかもが良くなっていくような錯覚があり、良いよ、良いよ、買っとけや!と言うような空気があり、景気を盛り上げていたんですよね。

欧州、特に北欧に同じような感じの状況が見られますが、彼らは完全にスローライフに移行しており、無理して成長しないって約束じゃん?wという感じの成熟国家を目指して、量よりも質を求めるようになってますので、日本も同じ方向に行ければ良いですが、日本は人口が多すぎるし、資源もないです。

日本の人口が減ってきて半分くらいになり、海洋資源の発掘が始まれば、北欧みたいになっていくのかもしれませんが、日本人は社畜気質なので、のんびりまったりとすることを良しとせず、負の同調圧力を加えながら過労死するほど働くのかもしれません。

まとめ

私は日本のインフレは人工的には起きず、どこかの時点で振り子の原理で適正レベルまで戻ると考えており、黒田さんが一生懸命になってお金をばら撒いても、そのままの状態で、諦めた頃に何かをキッカケにして堤防が崩れるだろうと思います。

サンフランシスコ、シンガポールの暮らしがそれほど素晴らしいとも思わないので、成長ばかりを求めない欧州型の暮らしになれば良いと思います。そういうゆとりから新しい日本らしさが再発掘されて、売れる商材になる気がしますね。

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いずみ
5 years ago

少子化は良くない事のように言われてますが、本当にそうでしょうか。
国土が広くて、その人口に見合った仕事があるなら、多い方がいいでしょうが。

日本は、単純な面積ならそこまで小さい方ではないですが、広い平野部の面積は本当に小さく、
そういった地域は既に大都会で、満員電車や混雑などの問題があります。
あえて山奥の田舎や僻地に住んでおいて、都会と同じインフラや行政サービスを要求する田舎の人は害悪としか思えません。
原発や観光などの強みがある田舎ならいいんですが。
また、製造業も最近は不調で、工場の海外移転や産業用ロボットの発展で、工場の作業員もそこまで必要なくなってきました。
無駄に人口が多いと、受験や就活で競争が激化してしまうので、ゆとりがなくなります。

となると、日本の適正人口は、8千万人くらいで、都市部に集中しているが混雑はさほどないくらいが理想だと思いますが、どう思いますか?
1億人以上も、これからの日本に必要なのか疑問です。

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ニコ
Reply to  いずみ
5 years ago

いずみさん
少子化が問題というより、高齢化が問題かなと思います。
少子化にメリットは、いずみさんの意見でいいと思ってますが、高齢化はデメリットが大きいです。

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いつき
Reply to  シン
5 years ago

極論を言えば高齢者をまとめて殺処分するのが理想的ですが、
現実問題としてそうもいかないので一案です。

田舎や一戸建ての家に住む高齢者に対し、
大都市圏の集合住宅に移住するための補助金を支給することです。

同じ水準の生活を送ろうと思ったら、実は一戸建て・田舎の方がコストがかかります。
社会福祉を受ける条件として、生活コストの安い、
都市部の集合住宅に住むのを義務付けるべきです。

七大都市圏以外の田舎は、非効率なので居住地としては放棄して、
インフラ整備や社会保障の対象外として良いと思います。
それでも住みたい人はご自由に、但し、全て自己責任で。
何かあっても一切助けません、という訳です。

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CI
5 years ago

経済成長する景気が良い地域は、金余りとなり、不動産に流れ高騰するというのは世界共通事項のようですね。
急成長した中国の深センも不動産価格が高騰していると聞きます。

日銀の金融緩和は始めてからもう6年くらいになりますけど、始めは劇薬としては良かったと思いますが、長くやり過ぎて悪い点が目立ち始めてきましたね。

アベノミクスによる金融緩和で失業率が下がりましたから支持する日本人は多いとは思いますが、
中央銀行がお金をばら撒き、円の価値を実力以上に安くするという意味を理解していない人が多いかなと思います。

高度成長期の頃のように、通貨安を利用して大量に輸出する時代であれば、通貨安政策も悪くないとは思いますが、
今や家電を海外に輸出するわけでもなく、強みの自動車産業は現地生産の比率が高くなり、通貨安に比例して利益が出るわけではなくなりました。

消費者物価指数を見ると、物価があまり上昇していないように見えてしまいますが、
円安で食料品の輸入価格が高くなり、アベノミクス以降エンゲル係数が高くなっているというデータも出てきました。

高くなった食料品の分、他の消費を抑えてしまい、物価が上昇し難くなったということではないでしょうか。
これで給料がずっと同じだった場合、実質的にインフレとなっていて、生活レベルが下がっているということになります。

具体的に金融緩和のどこが通貨安を発生させているかというと、金融緩和では日本政府が発行した国債を日銀が買い取るわけですが、これ自体は借金が民間から日銀に移っただけです。
問題はどんな価格でも買い取るため、利回りが低下します。(債券の価格が高くなる=利回りの低下)

現在、国債の長期金利を0%に誘導するように買い入れしていますが、
日銀の保有残高は約400兆円ですので、仮に金融緩和をしない場合の自然発生な利回りが1%だとすると、
本来年間4兆円を利回りとして日本政府が支払わなければならないはずが、支払いが不要となっています。

日本政府が借金しても利息の支払い無しでラッキーなんて、そんな都合のよいことはなく、
本来支払うはずの利回り4兆円をばら撒いて意図的にインフレを起こしていると考えるのが正しいはずです。
数年くらいなら影響はそれほどでもないでしょうが、これが延々と続くと考えると恐ろしいことです。

ちなみに日銀は、日本政府から国債の利回りを受け取ったとしても、日銀は営利団体でないため、利益を国庫に返納しますので、どんな利回りでも実質0%で借金ができます。

あと、アメリカの金融緩和は出口で、アメリカ国債の長期金利が上がって来ていますが、通常であれば日本の国債も連動して上がるものなのですが、長期金利が0%固定のせいで、実質金利差が拡大し、より円安が進んでしまいますね。

3+
でら
5 years ago

はっきりとはわかりませんが、サンフランシスコはアメリカ人にとっても優秀な人が働く場所・稼ぐ場所であり、生涯そこに住もうと考えている人は少ないのではないでしょうか。働いているうちはいいですが、引退したら住んでいても高い家賃ばかり取られますから。そしてほとんどの人が賃貸で住んでおり、持ち家の人は大家さんと、とんでもない金持ちくらいでしょう。

欧州のようなスローライフですが、日本でも地方ではそのような人が増えている印象です。確かに東京だけを見ていると社畜ばかりという印象ですが、地方ではワークライフバランスを重視している人が多いです。日本第二の都市である大阪でも、組織のために身を粉にするというよな人は少ないですから。
地方は首都圏に比べると人口が少なく、資源が多いですから、欧州みたいなところも結構出てきていますよ。

1+
でら
Reply to  シン
5 years ago

日本のワークライフバランスですが、正社員は賃金が高く安定している代わりに私生活を犠牲にして働く必要があり、非正規社員は賃金が安く安定していない代わりに好きなように余暇を楽しめるというものなんですよね。この両者のどちらを選ぶかという究極の選択です。
良い例はユニクロで、店長や店長見習いは私生活を犠牲にして働かされる一方で、アルバイトは生き生きと楽しそうに働いています。
結局は社会の中でどうしても生まれてくる重い負担・責任をどこが担うかということだと思います。欧米も例外ではなく、そういったところは不法移民が担っていることが多いですし、中国など海外に重労働を押し付けていることもあります。
結局のところ理想の世界などなく、どこが負担を負うかという問題になると思います。

4+
でら
Reply to  シン
5 years ago

>シンガポールの単純労働移民は完全に権利侵害されてますが、事前合意したルールには従っており、彼らがシンガポールを憎んで帰っていくことはありません。
→ 憎んで帰ることはない、と断言できるのですか?それは安倍政権が国民から支持されていると断言するのが危険なのと同じで、人によって思うことは千差万別ですから、そのような断言をするのは危険です。小国なので、そのような人権侵害をしても世界から文句を言われにくいだけだとも言えます。

>日本の研修生制度はあまりにも酷いルール違反に反日になって帰っていくみたいですね。
→ そういうところもあるが、一部です。どこの国でもルール違反を犯す人間はいますが、ルールを守る人間はそれ以上の数、います。シンガポールも単純労働移民の扱いについてルール違反を全く犯していないとは考えられないです。

日本の労働環境は悪いとしきりに言われますが、それなりの給与と安定を得るためには必死で働かないといけないのは当然ではないでしょうか。ブラック労働の問題もありますが、それを言うなら欧米では不法移民の問題があり、どちらが深刻かは一概に言えないでしょう。

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かりりん
5 years ago

確かに、アメリカ都市部のインフレはずっと上昇傾向にありますね。
田舎の州、市などはそうでもないように思いますが。

IT業界に限った話ですが、今、一番美味しいのは、カリフォルニア州、サンフランシスコやロスアンジェルス、サンディエゴ等に拠点を置くIT企業で、IT技術者として、リモートワークが可能なポジションに就職して、物価の安い地方都市にキャッシュで家を買って、その家から仕事することですね。
給与設定は企業が拠点を置く都市、州に準じて高く、しかし生活費は安く抑えられるという利点があります。

私もカリフォルニアの物価、税金の高さには正直、嫌になってきています。
サンフランシスコなんてクレイジーに物価が高く、それにカリフォルニアといえでもSFは、冬は寒く、曇りの日が多いので、そこまで魅力は感じないんですよね。。。SFに住みたいとは思いませんね。

うちは共働きですが、子供が成人してしまったため、扶養家族がいない分、高額の税金を払わなければなりません。
ただ、夫が昨年の夏から、州税ゼロの州に引っ越した為、次回からは夫の分だけは税金を抑えられる算段です。

私自身も最初は夫について、引っ越す予定でしたが、夫がやはり数年後にはカリフォルニアに戻って来たいと切望しており、その時すぐに仕事が見つからなくても、私が支えていけるよう、また私の会社はアメリカでは、稀なほど福利厚生がすばらしく良いので、そのまま留まることにしました。

アメリカで稼げるだけ、稼いで、アーリーリタイアメントして夫婦揃って、日本へ帰国する予定でいます。
それこそ、高齢社会に更に二人乗っかるような形になってしまい申し訳ない気持ちではいますが、やはりいつか日本に帰りたいという思いのほうが強いです。 その時、日本はどのようになっているのだろう?と、いろいろと想像を巡らせています。

1+
MDCS
Reply to  シン
5 years ago

シンガポール在住期間が長くなり、日本の資産よりシンガポールの資産の方が多くなりました。普段は郊外の自宅に引き籠もりがちのローカル生活ですので食品や光熱費などのインフレはあるものの全体的にはそれほど生活費が高いとは思いませんが、日本食や居酒屋、酒類の値段が日本の何倍もするのが痛いです。

年に何度かの日本出張での仕事の後に、海外永住者の特権を生かしてジャパンレールパスやANA・JALの格安航空券を利用して北海道から沖縄・八重山諸島まで各地を旅行していますが、どこでも日本の宿泊費、食費、酒などのコストパーフォーマンスの良さを実感します。将来は、引っ越しは面倒なので生活の拠点はシンガポールにおいたままで、季節の良い時期に日本各地で1ヶ月〜数ヶ月間の逆ロングステイをして少しでもシンガポールの資産を日本で使おうと思っています。

1+
かりりん
Reply to  シン
5 years ago

> 外貨を日本に持ち帰り、何かしらの形で海外経験を若い人に伝えてもらえるなら、海外に長くいた人が帰国するのは好ましい、と思います。

こう言っていただけて、前向きな気持ちで日本に帰ることができます。
ありがとうございます!

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