中抜き商売ってどんどん減ってきています。
リエゾン
調整役のことをアングロサクソンはリエゾンと呼びます。例えば、顧客が日本人の場合、日本人の連絡役をつけたほうが上手く行くので橋渡しだけをする人をリエゾンと呼びます。これは日本人に限らず、アジア人顧客向けにはアジア人をつけたり、白人向けには白人をつけることはよくあります。
母語でのコミュニケーションをしたほうが円滑だ、という以上に同国人でないとわからない感覚ってあります。多民族国家だと、同じ人種をつけないと意思疎通がすれ違う、と言うこともあります。呑まないと関係を構築できない中華系、呑めないマレー系は同じシンガポール人でも微妙な関係になります。
日本人の場合、ほとんどのキーマンが英語を話せないので、社内の英語屋を介して話が進むことが多く、長い社内稟議があります。だから、それを汲んで、予めかなり長めに期限を設定してもらわないと決済を取ることが出来ませんし、何回か接待をして顔見世をしないと円滑に進まないことが多いです。これを外国人にやらせるのは無理です。
特に専門性を必要としない御用聞きではあるんですが、いないと仕事として成立しないことが多かったわけです。これからも減りはするけど、まったくいなくなったりしないでしょう。NY、シンガポールなどに日本人キャバ嬢がいるキャバクラがあるのはやはり同国人ならではの風情があるからでしょう。
不具合
でも、キーマン同士が直接話し合わないことで意思疎通が出来ないこともあり、それをアングロサクソンは嫌います。彼らはマネージャー以上になると四半期ごとに数字を見られるので、のんびりしていると自分の数字が挙がらずに解雇されかねないからです。
そして、リエゾンと言われる人たちは自分のポジションを確保する為、わざと自分達にしかわからないようなコミュニケーションを取ったり、自分に都合の悪いことをキーマンに伝えないことがざらにあります。
外資系日本事務所みたいな組織だと、日本側、日本人にほとんど決裁権が存在せず、本国キーマンの言いなりになって仕事をします。そうなると、立場の弱いサプライヤーに当り散らしたり、難癖をつけたりしながらストレス解消をしたり、存在意義を見せつけようとするんですね。
本国のキーマン、日本人召使がサプライヤーに監査に行ったりすると、キーマンは黙っているのに召使がギャーギャー英語で喚き散らすものです。そして、キーマンが何か言うと、それに被せてます。
プラットフォーム
この手のリエゾンはプラットフォームが構築されると困ってしまいます。システムがカチッと決まっているようになると、キーマン同士の直接やり取りが可能になり、仲介者が要らなくなります。
例えば、英語が世界語として確立され、世界的に英語力って上がっています。英語が下手なことで有名な日本人すらTOEIC900くらい当たり前に成ってきていますし、東南アジア諸国だと海外にまともに行ったこともない高校生がTOEFL100以上取ることも珍しくなくなりました。これもある種のプラットフォームです。
日本以外のアマゾンからだって直接注文できますから、わざわざ仲介業者を使う意味もないです。最低限の英語が出来て、手続きがオンラインプラットフォームになれば、仲介者がいなくても手続きが出来てしまうわけです。アマゾンに手数料が落ちて終わりです。
TPPもある種のプラットフォーム整備であり、一定の共通ルールを持つことでリエゾンを廃して、直接参入可能にする、というものです。アメリカが降りてしまったので、ほとんど価値がなくなりましたが、いいにしろ、悪いにしろ、大きなプラットフォームになったはずです。
まとめ
これからの時代は自分がプラットフォーマーになるのが求められてます。でも、プラットフォーム争いは熾烈を極めていますので、そう簡単には市場を占拠できませんが、それが一番儲かります。だったら、まずはプレイヤーになることです。
社内の調整役だとか、社外向けのジャパンデスクだとか、そういうことやっていてもどんどん仕事が減るだけです。自らの専門を磨き、自分自身がプレイヤーとして戦える武器を身につけないと、仕事単価は落ち続けるでしょうね。
この記事にある「中抜き」とは少し違うかもしれませんが、公金チューチューで最近話題になっている「中抜き」についてはどう思いますか?実際、あるのでしょうか?
そういう場とのつながりがないため真偽が分かりません…
利権あるところに中抜きあり、ですよ。オンライン化を頑なに拒む勢力って、そういう一面があります。気になったらオンラインで簡単に見積もりが見えて終えば、中抜きできませんからね。
シン