じゃあ、ミステリーショッピング

なんでもそうですが、利益率が高いのは口利き商売であり、法人、個人の間に入って、利ざやを取る商売はほとんど資本がいらず、条件さえ整えば、誰でも出来るので、乱立します。そんな商売のひとつであるミステリーショッピングについて記事にします。なんか、人材紹介に似ているな、と思いました。

商売

ミステリーショッピングは大手法人客が顧客満足度、競合調査を代理店に外注、その代理店が調査員バイトを雇って、決められたステップで調査をさせます。その調査結果をまとめて、プレゼンするだけでお金が発生するので、かなり美味しい商売だといって良いでしょう。

そして、バイトにお金を払うのは顧客から支払いがあってからに設定すれば、資金繰りに困ることもありません。客がごねたら、そのままバイト料の値下げをごねればいいのです。つまり、弱い人間に負担を押し付けていけばいいので、自分がとるリスクは最小限に抑えることが出来ます。

潤沢な資金を持つ大手企業のマーケティング、広報なんかにコネがあり、何かしらの対象に対して、広告調査費として予算をもらって、バイトを集め、それっぽい調査をして、それっぽい口出し、紙芝居作って、提出し、コンサルと称するだけでいいので、特に何の専門性もいらないし、大したノウハウもいりません。

従来、大手の正社員がチマチマ調査していたことを外注しているだけなので、大手も正社員にやらせて固定費になるより、費用で落としたほうが懐が痛まず、それっぽい調査を内部に上げることが出来ます。素人の総務社員が調査するよりはそれを専門としている会社がやっているほうが精度は高いでしょうから、Win-Winだといえます。まったく、サラリーマン的です。

クライアント

クライアントは本当に欲しい情報を調査できていれば良いですけど、多くの場合、代理店は体裁を整えて、数をこなすだけになりがちなのは人材派遣業と同じで、調査会社はまったくのアンマッチだと理解しながら、ノルマのためにひたすら手持ちの駒(手がける調査内容、バイト)をぶつけることになりがちです。

そうして、明らかに実態に合わない無駄な調査が行われて、クライアントは得をしないのですが、サラリーマンにとっては実態に合っていようが、合っていなかろうが、ともかく体裁を気にします。この辺が人材紹介と同じで、ともかく、面接に呼んだ、という事実、採用した、という事実を優先させるサラリーマン事情です。

私はこんなことにお金を使う会社は馬鹿だな、と思いますが、広告宣伝費ってある種の機密費で、なきゃダメなんだけど、費用対効果を算出するのが難しく、儲かっている会社なら、ある種の節税対策の一環として使えるかもしれません。資産、固定費にはならないので、そんなにめんどくさくないし、それっぽいことして、仕事した気になっているのにはちょうど良いからです。

調査員

この仕事が合うか、合わないか、は人によると思います。時間の自由が利きますが、顧客に役立つための本質を調査、分析でなく、どうでも良いような項目をひたすら埋めていくような細かい作業になるので、タダ飯食えても、食った気がしない気分になる人には向かないと思います。何か聞き漏らしたり、確認し忘れたら、報酬が減額、最悪は報酬が貰えないです。

細かい性格の人にはいいのかもしれません。クーポン使うのが大好きで、そんなに行かない店のスタンプカードで財布の中がいっぱいで、お得が大好き、何もなくても、店員の言動、見た目、店の雰囲気などを常に気にしているタイプなら、苦にならないのかもしれないな、と思います。私の感想としては割に合わない仕事だし、誰の役にも立たないだろうな、と思います。

この手のバイトは女性がメインだと思います。子供が幼稚園、学校に行っている間にさっと調査に行ってきて、空き時間に報告を出すパートの感覚、後は若い女性は居酒屋、レストランの調査に行くみたいです。私は男性でやっている人はあまり知りません。面倒な割には細かくて、たった数千円のために報告して、ごちゃごちゃ言われてやり直し、2ヵ月後くらいにやっと報酬が貰えるなんて、多くの男性は途中で怒り出すでしょう。

将来

すでにオンライン調査のサーベイモンキーがあるので、人の手で調査するのは時代遅れだと思います。グーグル様はすべてのネットユーザーの個人情報を持っているので、彼らが情報を売れば、調査の類は全滅するでしょうが、さすがにグーグル様がそれをすると、めちゃくちゃなことになってしまうので、やらないでしょう。

人材派遣がLinkedinに押されて、徐々に停滞してきているように、ミステリーショッピングもオンライン化、無償化が進んで、商売として成立しなくなるのも近いのではないだろうか?、と思います。凄まじい勢いでオンライン化が進む世の中で、人海戦術みたいな手法は長生きできません。あえて人の手を使うなら、その人にブランド力がないと、意味がありません。

広告、調査は無料、ブランドの二極化して行って、無料だが、何かしらの手段でマネタイズする方法を考えるか、その人、その組織であることで法外な報酬を得られるような形にしていくしかないです。タベログは基本無料でマネタイズをして、ミシュラングルメガイドブックは出版してもマネタイズできるし、元々、タイヤメーカーの広告部門がやっていることなので、宣伝効果があり、儲ける必要もありません。

まとめ

ミステリーショッパーって何なの?って思うことがあったので、調べてみて、まとめてみました。私にとっては何にも面白くない小銭稼ぎですが、合う人のはあるのではないかと思います。クラウドソーシング一般的にそうですが、「クラウド」というように、その他大勢の一人、として仕事をすると、単価は最低レベルになるのは当然で、ぬるり的にはやるべきことじゃないな、と思います。

もし、「温利信」に調査の依頼があるなら、タダでやってもいいですが、「一ブロガー」として調査してくれ、といわれて、どうでもいい細かい項目をひたすら埋めていくような作業をするなら、かなり時給が高くないとやりたくないです。一日で終わって、10万円くらい貰えるなら、検討します。人として、その人格を認められて、信頼されて、やるなら、その期待に応えたいですけど、誰でも良いなら、私以外に頼めば良いじゃん?、と言いたくなります。

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松本
6 years ago

シンさんに仮にミステリーショッパーをお願いするならば、株式投資の判断材料としての深堀をお願いしたいです。

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松本
6 years ago

その企画はとても楽しみです。私は地方住まいで総会等には参加できないので、是非シンさんならではの切り口で記事にして下さい。

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松本
6 years ago

経営陣側ではなく、村上ファンド側からの記事は楽しみです。証券会社等とは違うシンさんならではのファンドレポートを期待してます。

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