じゃあ、トランプ大統領2

トランプ大統領が就任して、大統領令を連発して、ガンガンやりたい放題に進めています。外交面をメインに考えてみたいと思います。長くしたくないので、出来るだけ簡潔にします。

メキシコ

「本当にやるのかよ?w」と思ったのがメキシコとの国境に壁を作って、その壁にかかる費用はメキシコに請求する、ということですが、アメリカ-メキシコの国境って、半端なく長いので、壁だけでなく、その警護をするのも凄まじく費用がかかります。本当にするの???

アメリカとメキシコに限らず、中南米って、密接に結びついていて、ある意味でアメリカの経済植民地です。中南米の政権、政府系企業、財閥などはアメリカの息がかかっていて、それに反発しているのはキューバだけです。

アメリカと中南米の経済格差が広がれば、広がるほど、中南米から、不法移民がアメリカになだれ込んできます。そりゃ、治安が悪くて、仕事のない本国に見切りをつけ、隣国でやり直したい人はたくさんいるでしょう?

その不法移民を使って、アメリカ人は低価格でサービスを受け取っているので、不法移民が全然いなくなったら、アメリカの物価は激高になるでしょう。特にラティーノを中心に運営しているサービスセクターはえらいことになるでしょうね。

すでに1,000万人と言われる不法移民の大半がラティーノだし、市民権、永住権を持っているラティーノを入れると、完全に一大勢力ですし、そのコミュニティで生活するなら、英語すらほとんど話せる必要もないし、不法労働先にも不自由しません。アメリカ人は単純作業が嫌いなので、市民だけでは間に合わないからです。

こういう状況で、壁を作り、NAFTA(北米自由貿易協定)を無視して、メキシコからの人、物を拒むとなると、メキシコ経済は大混乱して、経済難民化したメキシコ人は意地になって、今以上にアメリカを目指しませんか?私の目には逆効果になるように映ります。

イスラム

アメリカのテロって、イスラム系難民出身で、アメリカ育ちのアメリカ人、永住権保持者が圧倒的に多いですよ。そして、彼らって、独特のコミュニティを形成するので、ラティーノよりも閉鎖的で、地域社会から隔絶されています。

ニューヨーク近郊を通りがかった時にイスラムタウンを見たんですけど、HARAL、と書かれた看板、フードスタンプ使えます、と書かれた看板が商店街を埋めていて、イスラム系住民しかいない、となると、近隣住民には威圧感が凄いでしょう。

イスラム、と言うことを除くと、中東系の見た目って、白人に近くて、濃い目の南欧系といっても、通ってしまうくらいなので、非イスラム化が進むと、白人社会に同化するんですが、イスラムの教え的にはそれはほとんどなく、せいぜい世俗化するだけで、イスラムを止めることはほとんどありません。

シンガポールのマレー系も普通に酒飲んでる人も珍しくないし、礼拝もほとんどしないので、日本人が仏教徒、というくらい緩いイスラム教徒もいるですけど、それでも豚は食べないし、イスラムを止めもしません。家族からの強い圧力があるのでしょう。

さて、トランプ大統領は特定国籍を持つ人の入国禁止、シリア難民の受け入れ停止をしようとしています。実際に空港で足止め食らった人、アメリカ行きの飛行機から搭乗拒否食らった人が出ているようです。シリア人って必ずしもイスラムじゃないですけど、難民が治安を悪化させると言う意味では同じでしょう。

正規にビザを持っていて、いきなり入国拒否された人は気の毒ですけど、まぁ、わからんでもないんですよ。イスラム系は地域社会に馴染まないし、同化もしない。過激派に影響されてテロまで起こす。「もう、来るなよ!」っと言いたくなる気持ちもわかります。

更にリベラル派がイスラム系難民を助けるような動きをするのですから、腹ただしいことこと上ないのでしょう。図に乗って弱者様として、あれこれ文句言い放題ですし、苛立ったアメリカ国民はトランプ大統領の強行姿勢を黙って支持しているです。

日本

トランプ大統領は日本を過大評価してから節があり、バブルの頃にマンハッタンの不動産を買い漁った頃のイメージを持ち続けているんでしょうけど、実際、日本企業はアメリカでそれほど強い立場でもなく、強いのは自動車産業だけで、後は日本製なんてほとんど見ません。

TPPを実行して、得をするのはむしろアメリカで、日本の具体的メリットはあまり見えてきません。アメリカは金融、ITなどを規制廃止させて売りまくれますけど、日本は日本車の輸出くらいしかメリットがなく、現地生産が進んでいるので、それもどの程度の効果があるのか謎です。

TPPは実質的に日本、アメリカの二国間協定に他の国が乗っかって来るだけなので、アメリカが降りたら、ほとんど意味がないものになります。今までの外交努力はなんだったんだ?、と言う話ですが、日本のメリットがよく見えない話だったので、もういいんじゃないですか?

アメリカにとって脅威は日本じゃなくて、中国ですよ。目に見えない形でメイドインチャイナはアメリカを侵食してますし、米国債を叩き売られそうになったら、戦争によって、無効にする必要があります。

日本は米国債を買い増すことはあっても、絶対に売れません。売って、アメリカを混乱に陥れたら、在日米軍は引き上げ、中国はここぞとばかりに侵攻してくるので、米国債は借金と言う名の上納金であって、返ってくると思っているのがアホウですよ。

まとめ

大統領令って言うのが実質的にどういう扱いになるのかわかりません。公約もしたことだし、乱発しといて、ダメそうなら、取り下げてしまうのか、本気でやるつもりなのかわかりません。本気なのか、冗談なのかわからない男です。

何かとネタを提供してくれるおじさんですが、在米邦人は気が気ではないでしょう。特に在米邦人は日本が二重国籍を認めてないので、永住権止まりで、アメリカ国籍を取ってない人も多いですから、外国人としていきなり追放されたら、堪りません。

私としてはアメリカのTPP離脱は日本にとって悪い話ではないと思うし、まだ、在日米軍の撤退まで踏み込んでないので、高みの見物です。しばらくしたら、他の視点から記事にしようかな、と思います。

[amazonjs asin=”B000E8QVJM” locale=”JP” title=”ブラックバイスクル”]
0
0 0 votes
Article Rating
Subscribe
Notify of

10 Comments
Oldest
Newest Most Voted
Inline Feedbacks
View all comments
CI
7 years ago

私もTPPはアメリカにメリットがあると思いますね。

中国がアメリカの言うことを聞かなくなってきて、アメリカを中心としたアジア経済の包囲網として中国の進出を食い止めるための物と思ったのですけどね。
もたもたしていると中国中心のアジア経済網が着々とできてしまい、ドルの影響力が弱まってしまうのではと思っています。

国内では日本の農業が危ないと騒いでいる人が多いですが、いまさら農業の市場を狙っているとは思えないですけどね。
国内で危惧すべきは保険業界かなと私は思っています。

日本人は保険の加入が大好きで、巨大な市場がありますが価格競争力のない国内生保が牛耳っていて、
規制がなくなれば一気に制覇してしまうのでないかと思っています。

0
かりりん
7 years ago

しんさん、リクエストにお答えいただきありがとうございます!

確かにTPPに関しては、むしろ反故にしていただいてことによって日本側には有利になると思います。
しかし、NAFTAはどうでしょう?
また、不動産購入促進のため、オバマ大統領が発令した銀行商品限定ルールが反故になりそうな感じです。
つまりリーマンショックバブル崩壊以前の状態にまた戻ってしまう懸念があります。
頭金なしでまた家で購入できるようにすると言ってるので。。。(苦笑)
(注)トランプはもともと不動産王。。。

トランプ就任後にびっくりしたのは、大統領権限だけでこんなことができるのか?
議会は何のために存在しているのだろう?ということでした。
恐ろしいことです。

また、今回イスラム教徒や難民の受け入れ問題で、アメリカ国内の空港がすごいことになってしまっています。
影響を受けているのは アップルをはじめとしたIT企業。
イスラム圏のエンジニアが多数いるためで、彼等がいないと会社が回らないとまで言っています。
インド人にもイスラム教徒は多数いるので、納得です。

こんなことが続くと、IT企業はこぞって本社をアメリカ国外、例えばカナダに移動させるのではないかと予想しています。
もともとITの場合は工場は必要ないし、実態のないものを売ってるわけですから、優秀な人材さえ確保できていれば、場所はどこでも良いわけです。もしそんなことになったらアメリカ経済においては大打撃です。
ですが、この隙を狙って、日本のIT企業にもがんばってもらいたい気はしています。

そもそもトランプの掲げる政策って 時代を逆行している気がします。
60年代か70年代のままで止まってしまっている感じがしています。

また、アメリカの一般のスーパーマーケットで売られている果物や野菜は大半はメキシコ産です。
このためなのか、野菜や果物の値段は日本より断然安いのです。
今後、これらの食材は高騰するだろうし、不法移民はまあいいとして、合法のラティーノ移民は黙っていないでしょう。
トランプ就任以前に可決された、最低賃金を15ドルにするという政策はまだ生きたままですし。

そもそもアメリカはインフレなのに、この先に物価が更に上昇するのは目に見えています。
また、私の場合、今回でグリーンカード2回目の更新だったのですが、今まではアメリカシチズンとGCの差っていうのは、
GCは選挙権がない、陪審員として召集されることがない くらいだったんですが、これから差をつけられる感じがしています。例えば、財産分与や年金支給額など。。。 
まあ、GCを更新するのは日本人くらいらしいですけどね。。。

しばらく様子を見て、IT企業がこぞってカナダにいくのなら、私もついていこうかな。。。などと考えてしまいます。

それからここでアメリカへ渡航される予定の方のために注意喚起しておきます。
最近、空港での入国審査が厳しくなり、日本人には甘いだろうと思っていたのですが、そんなことはなく
前回、自動入国指紋照合システムの不具合だったのが理由だったのですが(後でわかったこと)、
初めて別室に連れていかれました。
驚いたのは、その別室にいる日本人の多いこと、多いこと!

しかもほとんどの渡航者が入国審査官の話している英語がわからないらしく、JALやANAのCAの方たちの通訳を通じてやっとという感じだったのですが、どうやら聞こえてくる話の内容から、渡航目的の欄に’Sight Seeing’(観光)以外を掻いた人は全員連れてこられた感じでした。

ですので、他の理由で渡航されたとしても、ビザやグリーンカード無しの場合は、渡航目的理由欄に’Sight Seeing’と書かれることをお勧めします。 

0
かりりん
Reply to  シン
7 years ago

アドバイスをありがとうございます。

今、現在グリーンカード更新中で、まだ正式なグリーンカードが届いていない状態なので、気が気でないです。
この後、トランプの攻撃対象の矛先は中国かな?と思っていたのですが、中国は大国ですし、アメリカにはかなりの数の架橋や中国系アメリカ人が存在するので、日本がスケープゴートにされるのではないかという気がしてきました。

またシリコンバレーが反旗を翻し、なんと昨日 カリフォルニア州知事がカリフォルニアを独立国として認める旨、サインをしたらしいのですよね。確かにカリフォルニアにはハイテク産業がうごめいているし、肥沃な土地があり気候も温暖、エンタメ産業があるハリウッドもあるし ということで、カリフォルニアの人はこの採択に大喜びしています。最初はジョークかと思っていましたが、なんだかもしかして? という雰囲気です。
カリフォルニアに限らず、民主党支持の州はすべて独立しようという運動も起こっていて。
まさに、アメリカ分断?の危機?え?本当に? という感じになってきました。
赤、青で分かれるんでしょうか?

ただ、私のGCはアメリカ合衆国のGCであって、カリフォルニア独立したらどうなるのだろう?とか、たとえ今、国籍とるにしてもどこの国籍取るの?アメリカ?カリフォルニア? というもうなんだかわけがわからない状態になってきました。

トランプの政策に否を唱えた、副司法長官イェーツ女史のスピーチ後、速効解雇 などやりたい放題。
アメリカはいつから独裁国家になったのか?など こちらではもう大騒ぎです。

私、個人としてはホワイトハウス周りのIPアドレスベースでツイッターやFBをブロック(トランプが利用できないようにする)、アイフォン使用禁止など すればいいのに?とちょっと思ってしまいました。

とにかく、もうむちゃくちゃです。
H1ビザも危ないらしいので、日本人の駐在員の方も戦々恐々しています。

0
かりりん
7 years ago

こんにちは

最新情報です。
http://www.cnn.com/2017/03/16/politics/donald-trump-budget-blueprint/

要約すると、国防・軍需機関・への予算拡大
メキシコとの国境の壁の予算確保(本気のようです。。。結局私たちの税金から。。。怒)
教育、医療保険、公共交通機関等への予算削減
世界環境保護に関する支援の撤廃

これだけを見ると、人、自然に過酷な気がします。
ただし、教育に関しては、文系が割りを食う形になっており、理系科目や専修学校への支援は継続していく感じのようで、そこはまあ納得できますが。。。

これではますます貧富の格差が激しくなるのではないかと心配です。
シンさんのご意見も伺えると嬉しいです。

0
かりりん
7 years ago

メキシコとの国境壁 あきらめてくれますかねぇ?
あきらめてくれるといいのですが。。。

教育費を削減、軍需費を拡大って かのどこかの国のようで ものすごく嫌な予感がします。

アメリカン・ドリームってとっくの昔に崩壊していると思ってましたが、言われてみればそうですね。
私たち日本人にとってはアメリカのミドルの暮らしってそこまで憧れではないですが、新興国、発展途上国の人たちにはまだまだアメリカン・ドリームなんだろうなと思います。

この国って借金しないと信用を得ることができない不思議な国で。
貯金することより、借金をどう回すか?を考えているアメリカ人は多いです。
行き詰ったら Bankruptcy (自己破産)すればいいやという感じで。
自己破産申告者の数はハンパなく多いです。

ある知人のアメリカ人男性なんですが、ビーチ沿いの資産価値2ミリオン超の家に住んでいたのですが。
ローンをもう1年以上払っていないと言ってました。
払いたくないのか、払えないのかは定かではないのですが。。。
で?どうするの?と聞いたところ、「追い出されるまでは家賃タダだからそのまま住むよ。
あとはちゃんと自己破産の手続きすれば、追い出されるまでに貯めたお金で、ちょっとランクの低い家をキャッシュで買えるだろ?」と言ってました。そうか、そういうことができるもんなんだ!と最初は驚きましたが、できちゃうところがアメリカなんですよね。

その彼は結局、ローン滞納2年過ぎたところで最後通告を受け、追い出されましたが、6ヶ月ほどアパートに住んで、その後に普通の家、とはいっても600K(約6000万円)の家をキャッシュで買ってました。

どうやら、資産価値の高い家ほどローン滞納してもすぐには追い出されないようです。
買い手を見つける目処がたつまで銀行も何も言ってこないのかもしれません。

自己破産ってアメリカ人的にはそんなに珍しいことでもなく、悪いという感覚もなく、結構頻繁に耳にします。
クレジットスコアも7年すれば元に戻りますしね。。。
この辺りは日本と大きく違うところですね。

武力を背景に、さらに国債を発行するのではないかと予想しています。
上記に記したアメリカ人個人の考え = トランプの考え という風に繋げると
たぶん借金をチャラにするつもりで、他国から吸って、吸って、吸いまくるのでしょう。

相手も武力行使しそうになったら 「やれるもんならやってみろ!」と言えるように、武装するんでしょうね。
ちなみに軍需産業もほぼ白人の既得権益みたいなものです。
黒人を初めとした非白人貧困層は無視した政策のように思えます。

そうですね、日本は馬鹿を見ないように、よくよく考える必要があると思います。
しかし米軍の後ろ盾がないとやっていけない日本って立場的に非情に弱いですよね。。。

0
10
0
あなたのご意見、ご感想をお待ちしています。x
タイトルとURLをコピーしました