じゃあ、テンバガー

投資家の夢であるテンバガー、持ち株が買値から10倍以上に上がって行くことですが、リーマン以降は無理ゲーに近いなぁ、と思います。

小型

時価総額が10倍に上がるとするなら、元が小型株でないと、厳しいものがあります。有力なスタートアップがプラットフォームを凄まじい勢いで占拠して行くか、市場に放置されたようなボロ株が何かをキッカケに変わることになります。

近年、アメリカでは小型株が消滅しつつあり、会社ごと売ってしまう、面倒なので上場廃止するケースが見られます。つまり、勝者総取り体制なので、上場する巨大なプレーヤー、非上場を保つニッチャーの二極化していると言うことです。

日本では小型株もありますが、金余りの時代で、明らかな買われすぎたり、怪しい匂いがして買えない、のこれもまた二極化してます。例えば、ぬるりで紹介したウォンテッドリーは明らかに買われすぎですし、グノシーは怪しすぎます。そうすると、ちょっとしたことで乱高下します。

日本市場が縮小し、日本には世界のプラットフォームを占拠できるほどのハイテク銘柄がありません。スウェーデンからSpotifyが生まれているので、無理ではないでしょうが、かなり困難だろうと思います。もしかしたら、小型ロボティクス銘柄に後に世界を制す銘柄があるかもしれません。

ユニコーン

元々は滅多に見るものではないから、ユニコーン、ビリオン米ドルの評価を持つ非上場企業だったんですが、最近はさほど珍しいものではなくなり、アメリカ、中国、インドでは続々と登場しており、その動向が注目されています。

日本ではメルカリだけで、他の先進国でも各数社、というところで、多くはないですが、これはもう時代の流れで、アメリカを軸とした、中国、インドの成長、という世界の流れを示しているものだろうと思います。

ユニコーンに共通するのが、プラットフォームを占拠して、デファクトスタンダードになり得るような壮大な事業だと思います。メルカリはそこまでではないですが、それでもヤフオクにはない画期的なやり方のC2Cだと思います。パソコンを持ってない層を上手く取り込みました。

ユニコーントップのUberは70ビリオン米ドルくらいの評価額なので、ユニコーン70匹くらいの価値があるってことで、この時価総額って、最近、Uberに出資をしたソフトバンクの時価総額と大して変わらないんですよ。とんでもない規模の非上場企業です。

PE

Private equity firm、非上場株式を取り扱う会社はどんどん大きくなっていき、ソフトバンクみたいな民間投資会社だけでなく、政府系投資会社も入ってきて、札束が乱れ飛ぶようになってきています。そこまで凄いかな?というような会社すら凄い額が出資されていきます。

例えば、DoorDashというアメリカのデリバリーサービスは単なるケータリングのプラットフォームで、既にUberEatsもあるのに、ソフトバンクは出資をして、シンガポール政府ファンドと競って希望額250ミリオン米ドルに対し、倍の出資をしています。

ソフトバンクは被った分野にすら出資をしていくので、投資会社はビジョンファンド、デルタファンド、フォートレスにファンドを分けており、独占禁止法によく引っかからないよね?と言いたくなるようなことをしてます。

前二つはイギリスのタックスヘイブンに対し、後ろはアメリカにあり、アメリカにみかじめ料を払って目をつぶってもらっているのだろうと思います。アメリカはみかじめ料を払わない会社を徹底的に潰しにきますので、きちんとロビー活動は必須です。

そういうわけで、非上場企業の評価額がガツガツ上がっていくので、上場した時点で割安感はなく、たった数年でアメリカのトップ一角になったフェイスブックですら、4倍程度にしかなっておらず、テンバガーには程遠いです。

フェイスブックより前に上場している成長企業のアマゾン、グーグルはテンバガーになってますし、変わり種としてテスラもなってますが、これは業績を無視してかち上げしていますから、事業が10倍になったというわけではないです。

まとめ

バブル、と言われて久しい、ハイテク銘柄ですが、ドットコムバブルの頃と比べると、業績はついてきているし、赤字を垂れ流しているにしても、規模そのものは大きくなっているので、本当にバブルなのか?、という気もします。

日本のドットコムバブルではソフトバンクが今の3倍くらい時価総額をつけて、日本一になってますけど、事業規模は今の何分の一、という話なので、これは明らかにバブルだと思いますが、今のソフトバンクはほとんど放置状態です。

かと言って、既に10兆円近い時価総額のソフトバンクがテンバガーになることは難しいでしょう。アマゾンが100兆円規模になっているので、不可能というわけでもないです。少なくとも、天才、孫正義氏はそう嘯いていますw

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ルシ
5 years ago

憧れのテンバガーですね。グローバルはともかく、にほんの飲食店銘柄なんか面白そうですけど、シンさんの見立てはどうでしょうか。

いきなりステーキのペッパーフードサービスとか、あっという間に爆上げしてました。回転すしとか名古屋めしとか。

まあ、すべて受け売りですがw

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CI
Reply to  シン
5 years ago

いきなりステーキは、2014年か2015年頃のまだ店舗数が少ないときに、行列に並んでまで何度か食べに行って何か他の飲食店と違うものを感じていたはずですが、
当時株を買うという考えが一ミリも思いつかなかったのが残念ですねw

例え当時買えたとしても爆上げするまで数年も待ち続けるのはキツそうですね。
売るタイミングも悩ましく、倍ぐらいに上がったら、下がる恐怖で慌てて売ってしまいそうです。

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松本
5 years ago

昨年は北の達人が11倍になりました。私は初動出はないので4倍位になりました。ガンホーは今年一日だけ400円を超えた時に逃げそびれてしまいました。

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松本
5 years ago

日本株だけで考えると美容、健康が大きなテーマかと思います。自分の好きな輸出メーカーは為替の影響と世界のファンダメンタルで一瞬で奈落の底です。シンさん御指摘のDMG森精機も2700円超えた時に売る事が出来ず、2000円ほどをうろちょろしてます。利確の難しさをいま感じますが、倍を狙うなら握力が必要ですが、選択と集中で殖やしていきたいです。
ヤーマンとかなり売り込まれたライザップは面白いのかなあと感じています。

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nobunobu
5 years ago

一度、達成してみたいですけど、まだ達成したことはないです。
性格的に、株で儲けようという人でなく、危険分散のために貯金の1種として株に投資し、その後、投資したことを忘れてしまい、何年か後、10倍になっていたというような状況でないと無理みたいな気がします。
でも、危険分散で株に投資する人は小型株とか危なっかしい株は買わないだろうし、なかなか難しいだろうなぁと思います。
株で儲けようと思う人はせいぜい2~3倍に上がってくると、その時点で、喜んで売ってしまいますね。

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nobunobu
5 years ago

持ち株を徐々に売っていき、最後に持ち株の10パーセントくらい
を放置しておくと、ある日テンバガー達成ということに
なっているかもしれません。

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松本
5 years ago

テンバガーを狙うなら成長企業で分割をしていく、会社に株価を上げる意志が見える企業を3ヶ月事の決算時期に利確しながら最後は放置する必要が有りますね。

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nobunobu
5 years ago

>>完全放置なんて突き抜けた精神力がないと出来るものではありませんね。

人間って、損することにはすごく敏感ですが、儲けている分には、うれしいんですが、、そんなに敏感ではありません。
邱永漢さんが、言うようにタダ株にして、もしくはプラスの状態で持っている分には、最初から放置するのと比べ、精神的に比較にならないほど楽だと思います。

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nobunobu
Reply to  シン
5 years ago

>>長い低迷を乗り越えて買値を少し上回ったくらいから待つのはかなり苦しいですね。小利撤退して楽になりたがるものです。

本当に、その通りですね。

>>買ってすぐに噴き上げて含み損が出ている状態からじっくり待つのはまだ楽ですが

「含み損」これ「含み益」の間違いじゃないですか。
買ってすぐに噴き上げて、その半分以上を利確すると、残りを放置するのは、私は、精神的
に楽です。

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松本
5 years ago

孫正義さんと同じ様に売って利益確定が一番難しいです。上がってる銘柄を売って買った銘柄のパフォーマンスの方が上がった銘柄をそのまま持っていた時の方が良い場合が多々あり、動かないという選択が結果良かった場合は、マイナスに沈んで塩漬けに耐えるよりも儲け損なうストレスの方が自分は堪えます。
どの銘柄を買うか売るかより、どのタイミングで買うか売るかがやはり難しいです。

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