じゃあ、東京の一極集中

止まらない東京一極集中について記事にします。

一極

他国に目を向けると、首都一極集中のほうが一般的であり、東京だけがおかしいわけではないです。東南アジアでは細長く、南北に交通の便が悪いベトナムはハノイ、ホーチミンの二極ですが、あとはすべて一極集中です。他の地域見ても、アメリカ、中国など、広大な領土を持つ国を除けば、一極集中をしています。

この観点からすると、日本の狭い領土で明治維新前の東京、大阪の二極化って世界的にも珍しい状況だったといえるでしょう。京都に象徴政権があって、歴史的に関西が商業の中心であったこともあり、大名も大阪屋敷を持っているのが普通であり、地元で取れた米、特産品を大阪でお金に変えていたわけです。

これが明治維新で大名、公家が東京に引越しをして、すべての中心が東京に移ったことで、徐々に東京の一極集中化が進み、戦後、もっと加速して、関西発の大企業も事実上の本社を東京に置くようになりました。結局は大企業がお役所と交渉できない場所に本社を置いておくのは辛いからでしょう。

人口減

日本では少子化が進み、地方都市を維持するほどの労働人口を確保できなくなってきています。地元に仕事がない、大学の選択肢が少ないから上京し、そのまま東京で就職して、帰ってこない、となるわけです。どこの国でもあるまったく自然な流れだと思います。例えば、タイもバンコクは田舎者の集まりであり、バンコクジモティーってあんまりいないです。

先進国ではどんなに頑張っても少子化は止まらないし、仮に移民を受け入れたって、都市部にしか住まないわけです。前に経営に行き詰って中国人を受け入れまくった田舎の短大が倒産しましたが、学生の大半は籍だけ田舎において、東京で出稼ぎ労働していたそうですよ。日本人ですら、嫌がる田舎暮らしを外人が出来るわけないでしょう?

地方なんて農業立国している間は意味があっても、工業化されて、サービス産業が確立されてくると、田舎に用があるのは地主など利権を持っている人間だけであり、自分の土地も持たない貧乏人にとっては地縁がある、という以上の価値はなく、だったら、田舎にしがみつく意味もないような気がします。

今後

今後、日本の地方は寂れていくでしょうし、それを止めることはできません。特に関東近郊、東海道沿線沿いでもなければ、まともな産業を維持するのは困難です。東北、北陸、四国などは税金使ってインフラ整える価値はないでしょう。整えたところで、若者は流出して行くので、誰も使わないインフラがそこにあるだけになります。

かつては東京と並んでいた大阪も凋落が止まりません。関西発祥企業が東京に本社移転をしたり、会社登記は大阪にあっても、事実上の本社は東京に移してます。また、産業として関西は弱電系企業が強かったため、弱電企業の凋落も関西の凋落に拍車をかけています。こうなれば、何か大きな産業が勃興しない限りは盛り返すことができません。

例外的に中京圏だけ、徐々に人口が増えてります。理由は自動車産業がこのご時世でも増収増益を続け、仕事があるため、東海圏、それ以外からも人が就職のために集まってきているからです。決して文化の中心ではありませんが、職さえあれば、人は集まってくるのが自然現象です。トヨタを中心とした自動車産業が成長を続けるなら、この地域は悪くないのでしょう。

まとめ

田舎にいる若い人でその土地に何の利権も持っていない人はさっさと東京なり、最低でも地方都市に進出する準備をするのがいいと思います。国道沿いなどのそれなりに価値のある土地を相続予定とか、公務員、地方大企業などに入り込める予定があるならともかく、それがないなら、田舎にいても何のチャンスもないです。

東京はいろんな意味で競争が激しいので、普通の若者は地元の県庁所在地を目指すといいでしょう。通常、駅弁大学は県庁所在地にありますし、ともかく駅弁理系にさえ入れば、地元の公務員、地元大企業社員になれる可能性が高いからです。もっと、自分の可能性を見たいなら、修士で東京を目指すなり、就職を東京本社企業にすればいいです。

東京への一極集中は止まらないし、止める必要もないです。国会議員は地元に税金引っ張るために無理やりインフラを整えたがるでしょうが、国益にはならない、単なる利益誘導です。そうやって焼け野原にしたほうが効率のいい農地利用が出来るでしょうから、逆に地方を寂れされたほうがいいくらいです。

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ran
7 years ago

・関西企業はふるわないようですね。
京都のメーカーは、まだ元気なイメージありますが、大阪メーカーはオワコンなイメージしかありません。
・工学部の場合、情報系以外は田舎勤務になると思います。田舎でも、工業のある田舎と、ない田舎で明暗を分けるでしょう。
メーカーは、本社東京でも理系が働くのは田舎なケースが多いと思います。
自分は、ウサギ小屋と満員電車の東京生活は嫌ですが、たまには東京に行きたいので、東京に近い田舎暮らしがいいです。

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ニコ
7 years ago

就職で名古屋に来てますが、週末に実家に車で帰れる距離だから田舎のデメリットが相殺できてます。
また、他の地方都市よりはマシなので地方出身者にとってはまだ住みやすいと思います。

三河の独特な田舎臭さが苦手ですけど。

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ニコ
Reply to  シン
7 years ago

三河は、徳川家康の地元なのか知りませんが、皆さん我慢強くて真面目な人が多いです。地元愛が強いのか、優秀な理系が戻ってきます。
しっかりした人が多いのでプライベートでも変わっていたり、チャラチャラしたりすると浮きます。考えが古い人間が多いので独身貴族でも浮きます。
だからかもしれませんが重工業や自動車関係が強いです。

また、三河の工業高校でも就職がいいので底辺が仕方なくいくわけではなく中堅以上の人が進学してきます。

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ニコ
7 years ago

また、愛知のメーカーに多いのですが、賃金や手当てが適齢期になったら転勤なしでマイホームや家族を持つことが前提みたいなこともあり、住宅手当てがなく、家族手当ての充実、個人の負担が増えるますが健康保険の病院での負担も安くなります。
また、会社のイベントも家族連れが楽しめるものが多いのでおっさん1人だと痛い人になります。

何が言いたいかと申し上げますと家族を持つならいろいろ優遇されますが、独身だと独身税のようなものを負担させられてる感じはあります。

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ran
Reply to  ニコ
7 years ago

自分も、今のところ関東か愛知のメーカーに就職しようと思っているのでそういう情報は、参考になります。
まあ、自分は高校まで愛知だったので、もう飽きたから、次は関東がいいかなあ、と思っています。

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Garfield
7 years ago

地元の駅弁国立大学の理系に進学するというのは悪くない選択肢ですね。入試はあまり難しくなく、学費も私立より安く、実家からなら余計な家賃もかからないです。
卒業と同時に資格が得られる(例として技術士補)課程も多いですし、就職ランキングで出てこないような地方優良企業とも研究室を通じてコネが得られる可能性もままあるでしょう。技術者としてしっかり生きていくには十分だと思います。技術があればその後どこへでも行けますし。
それでも10代だとやっぱり最初から東京に行って遊びながら色々経験したいという学生も多いでしょうけどね。

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つけもの
Reply to  Garfield
2 years ago

技術士補を卒業と同時に取得するにはJABEE認定のコースで卒業する必要があり 若干卒業要件が厳しくなるので あんまりいいものとは考えていません
技術士補は取得しても独占業務がないと良く言われます

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ran
7 years ago

子会社について記事にしてもらえませんか?
一概に言えないと思いますが、大企業の子会社と中堅企業は、どちらがいいと思いますか?
個人的には、多少小さくても独立的な中堅企業の方がいいかな、と思います。

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ジム
2 years ago

「東京のみで産業は十分であり、地方への投資は必要ない」とする御説に明確に反対するものであります。

【1.農村編】:「食料自給に必要」

まず農漁村についてですが、
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/chart/html/g0004.html によると、第一次産業従事者数は215万人。

この215万人で、国内消費量の、米鶏卵で10割、野菜8割、水産物6割を生産しており、農漁業の生産効率の高さに驚きます。
http://www.cjc.or.jp/school/d/d-2-1.html

日本の国土の耕作可能な地域は大部分が開墾されており、関東近辺だけでは耕作地が全く足らず、全国的に耕作する必要があります。

人口500万人程度の小国ならともかく、人口1.2億人では自作で耕作して、世界凶作時への備えが必要でしょう。

このため、地方を含めた農漁村の維持が必要であり、どの地域の国民も平等でなければならない為、地方へのインフラ投資が必要です。

【2.工業編】:「東京だけでは工業用地が圧倒的に不足」

とはいえ、農漁業者数は215万人で就業者の3.2%(この中核産業に付随する周辺産業を含めても11.2%)に過ぎず、
やはり産業の中心は製造業です。

製造業従事者数は1045万人(15.7%)。この人口に付随する周辺産業従事者数を含めると55.0%となり、日本の人口の半分超は製造業によって成り立っています。

御説の「地方への投資を止め、人口は全て東京に集中すべきだ」という論においては、「この製造業全てを東京に集約できるか」という点が焦点となります。

さて、工業には臨海工業用地が必要です。ここで衛星地図を見て欲しいのですが、なんと東京の近辺の湾(東京湾)にはもう空き地がありません。

工業にも当然ながら工業適地が必要です。そして、新しく湾内の臨海工業用地を求めようとすると、東京では中心から60km先の富津市近辺(実際には湾外で不適地ですが)、大分市では10km先の別府市東部に空きがあります。

東京60km地点(富津市は千葉市、横浜市からも60km)と、大分市10km地点では、利便性が逆転します。

まとめると、工業用地も東京だけでは足りず、全国的な湾地利用が必要なため、全国的にインフラ投資が必要となります。(さもなくば工業生産が消滅し、人口の半数分の職が失われます)

http://blog.livedoor.jp/veritedesu/archives/1871800.html を見ても、工業の大部分は湾岸地域(「湾」に面する地域)という事が分かります。

[四国(南部)・東北編]
ただ、御説にある「四国(のうち南部)・東北」地域については、有力な湾も一切なく、工業立地的に弱いのは確かです。
これらの地域については、残念ながらインフラ投資が実を結びにくいのは事実であろうかと思います。

逆に、瀬戸内海岸(阪神地域含む)、中京地域については、工業適地についても開発余地があり、今後も必要不可欠な地域であろうかと思います。(東京にはもはや湾岸工業適地の余地はありません。)

【3.将来人口編】:「現状で日本人県民減の半数を新規在住外国人がカバー」

御説中で、「日本は人口減少社会、特に地方は消滅」とあります。が、 https://www.mizuho-ir.co.jp/publication/mhri/research/pdf/insight/pl200909.pdf によると、2019年は年間日本人減少数50万人に対し、在住外国人数は20万人増とあります。近年、居住外国人数の増加は著しく、PDF中にある通り、特に地方で顕著です(東京はワースト3です)。

現時点で、日本人県民人口減の半分をカバーしているのだから、今後の取り組み次第では人口増加に転じられるのではないでしょうか(特に地方においては)。

本文中に「日本人ですら、嫌がる田舎暮らしを外人が出来るわけないでしょう?」とありますが、理由はともあれ実際には来て頂けてるようです。(恐らく、国の開発度合いの差に由来する賃金差の為でしょう)

【4.東京の将来編】:「東京は就職が悪い」
2.の工業適地不足に関連して、東京では工業高校率が
4.4%(男子だけなら7.7%)、山口では14.4%(男子だけなら27.1%)と3.3倍(3.5倍)の格差があります。(下記リンク)

https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003209542
(極めて見づらいですが、ブラウザをPC表示にして、左の「表示項目選択」を選ぶと、工業周りの状況が見れます)

それに伴い、東京では、「いまや高卒者を多く受け入れているのは介護業界くらいしかありません」という状況となっています。
(地方だったならば、工業高校に進学&就職が可能だったにも関わらず。) https://president.jp/articles/-/20000?page=1

これが工業適地不足の実害です。最終的には、こうした東京の暮らしにくさ(工業がある地方の暮らしやすさ)が知れ渡り、人口平準化・流出に進むでしょう。

むしろ、東京の何が暮らしやすいのか分からないジムであります。

ジム

【補足1. 農村人口について】:非都市的地域の人口の6割は農漁業由来。食料自給のため農村維持が必要

なお、日本の非都市的地域の人口は2500万人です。

農漁業従事者数は215万人ですが https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/chart/html/g0004.html
中核産業の存在に伴って、中核産業従事者数の2.5倍の周辺産業人口(538万人)が生まれるので、農漁業由来の就業者数は計752万人。

日本の就業率は50%なので、農漁業によって非都市的地域の人口の6割にあたる1500万人が養われていることになります。

農村在住者の半分以上が食料自給に関わっています。住民の6割が、食料確保に携わっている&移転不可能な以上、引き続きインフラ投資を行い、都市的地域住民との生活格差を生じさせない事が必要でしょう。

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