じゃあ、含み損

どんな投資をしていても含み損がまったくなく、ひたすら含み益を得てきちっと利益確定までもっていけることなんてほとんどありません。だから、含み損と向き合う必要があります。

株の含み損に悩んでいる人も多いと思うのですが、これは株が時価がほとんど毎日動いて数字化されるので、嫌でも含み損を抱えている、と言う現実から目を背けることが難しいからです。儲けている時はさほど気にならなくても、損しているとかなり気になります。

私も含み損を抱えると、良い気持ちはしないのですが、原則としてもっと下がったら買い増したい、と思えるなら、そのまま抱えておけば良いし、買い増したくないと思うならその場でうっぱらってしまいます。それだけのことですが、なかなか苦悩がありますw

日本株ではバブルの頃の最高値を未だに更新していない企業がざらにありますが、そういう会社は時代が終わってしまって、いずれは倒産するのでしょうから、短期で持っていないなら処分してしまう、記念のつもりで保有したほうが良いでしょう。

小型成長株が乱高下するのは当たり前で、アマゾンだって長期で見れば右肩上がりですが、短期で見るとキツイ下げをなんども繰り返しているわけで、長期では精神的にキツイでしょう。特にアマゾンは投資に全振りするので、ファンダメンタルズはえぐい数字が並び続けています。

不動産

あまり意識していない人が多いですが、不動産ってほぼすべての物件が買った瞬間から含み損を出しています。時価と取得価格が同じであっても、取得にかかる手続きは無料ではないので、業者、役所にお金を払ったらその場で含み損を得ることになります。

そして、売りに出す時も時価では処分できませんから、これも業者、役所にお金を払ってそれに見合うだけの含み益がついていないと損をしたことになります。人口が減り続ける日本では不動産で含み益を出すのはきわめて難しく、売りに出して差益を取りたいと思って、手を出すのはかなり慎重に動く必要があります。

だから、不動産投資に積極的に手をつけないなら、自宅用として、ローンが払い終わった時に無価値であっても自分が住む家の家賃を払ってきたような感覚でいられる計画でないと最悪は売ればローンは解消できる、ということはほとんどありません。

不動産は時価がそれほど簡単に見えないので、含み損を抱えてもそれほどジタバタせずにいられるのはメリットでもあり、デメリットでもあり、パニックにならずに済むけれど、抱えているリスクを認識せず、放置してしまう可能性もあります。びっくりするくらい危険なローンで家を買ってしまう人が多いのはその為でしょう。

教育

教育は崇高なものであり、そのコスパを問うべきではない、というようなことを言う人がいますが、そういう現実逃避は人生を生きづらくします。教育は投資であり、その投資はきちんとリターンを出す必要があります。そして、卒業した時点では含み損を得た状態からスタートします。

現代社会で義務教育は実質高卒なので、高校まではほぼ全員が受ける教育なので投資ともいえないでしょうが、公立でなく、私立に行っているなら、そのコスパは考える必要がありますし、その分の含み損を取り返す必要があります。そこからの大学は完全に投資でありそのリターンは必須です。

自分はアッパーミドル出身者だからコスパなんて考えず、好きなことをやるんだ、と言い切れる人は別に良いんですけど、働かないと暮らせない無産者がそんなこと言っていればそこらじゅうの人から食い物にされる人生になりますよ。

その教育を受けることで、含み損が解消され目に見えるリターンが数字かできていないなら、やらないほうが良いです。だから、何が勉強したいのかわからない高校生は一度働いたほうが良いんですよ。そして、自分、社会が見えた時点で、何を勉強して、それをどうやって生かして、お金を取り返すかを明確にしてから大学に行ったほうが良いです。

まとめ

似たような記事をたくさん書いていますが、含み損という概念で考えると、また違う視点が持てると思ったので自分自身に向けて書いてみました。含み損を抱えていることを意識するのは辛いですが、それでもそれを認識しないと、リターンまで持っていけるかの冷静な判断が出来ず、覚悟なく心中しかねませんから、辛くても向き合いたいと思います。

ある人に「投資するということはその対象と心中する覚悟ですべきだ」と言われたことがあるんですが、まったくだと思います。その対象に時間、お金、労力をかけてリスクに踏み込んでいるのですから、その時点では心中していいくらいの覚悟がいるし、逆にダメだと思ったら大損害を喰らっても諦めがつくくらい出ないとダメだと思います。

多くの人は(私も含めて)リスクに鈍感になって見て見ない振りをしながら、自分に都合の良いことを考えますが、悪い面を良く見て、それでも我慢できるか、を自分に問いかけてから勇気を持って踏み出すべきです。逆にそこに立ちすくむのもリスクでありえるので、留まるにしても覚悟して留まるしかないです。

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dw
6 years ago

私は含み損益を、未実現損益と表しています。

この未実現という考え方は人間関係にも適用できるなと、先日ふと思いました。どういうことかというと、例えば「この人といれば将来得しそうだ」→「この人といれば得する」といったように考えてしまうのです。つまり未来の利益をまだ得てないのに、実際に得たつもりになってしまうということです。これは危ういことで、口が上手い人に乗せられて利益が出たつもりでお金を使い、実際にその人が利益をもたらさないといったことは多々あります。
そういった意味で、その人がもたらす利益は確実性があるか、実現性があるか、ということをちゃんと把握しなければ、しゃぶられます。「よく分からないけど、この人といれば将来いいことがありそうだ」といったように思うことは、お金の話だけに限らず、異性を紹介してくれそうだ、いい仕事にありつけそうだ、などといったことにも派生します。

うまく文章を作れませんでしたが、言いたいことが伝わると幸いです。

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dw
Reply to  シン
6 years ago

そうです!!
端的な表現ありがとうございます。人は、見えないもの・未来のモノの方にミステリアスな魅力を感じるそうです。人に対しても、きちんと地に足をつけた評価をしたいものです。

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でら
6 years ago

不動産を投資と表現されていますが、自分が住むために不動産を買うのは投資でなく、消費だと思うのですがどうでしょうか。持ち家は他人から見てどのような価値があるかではなく、自分にとって通勤がしやすいか、環境や子育てはどうかという観点で購入するものであり、その観点が他人と重なる可能性があるというだけです。

あと、教育を投資と言い切ってしまうのは違和感があります。理系大学、それも医学系・工学系に行くのはよいことでしょうが、子供の意思や適性もあり、嫌がっているのに押し付けると退学してしまうリスクがあります。
知り合いに、娘が看護学部に行ったものの、全く合わないのでやめる・やめないの話になって親子で揉めているということも聞きました。親は進路についてアドバイスすることはできますが、最終的に決断するのは子供という形にしないと後々うまくいかないですし、下手したら一生子供から恨まれます。

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でら
Reply to  シン
6 years ago

私は教育は100%投資だということに私は疑問を持っているのですが、もし教育=投資が真実だとしても、子供に対してそれをおくびにも出しては駄目です。子供を医者にしたいのであれば、医者がどれだけ儲けられるかを示すのでなく、患者を助ける医者の仕事のやりがいや尊さを教えるべきです。友人の医者に聞いても、異口同音に「医者なんて儲からない。サラリーマンよりはいいかもしれないけど勤務時間が長いし勤務環境が酷すぎる。患者のためになっていると考えないとやってられない。」と言っていますので真実なのでしょう。医者でそうなら他の職業も推して知るべきですよ。

シンさんも読み込んでいるであろうスラムダンクでも、豊玉高校の理事長が「バスケ部には一番投資しているのにベスト8じゃ駄目だ。ラン&ガンはもう古い。」と言ったらバスケ部員がどうなったか知っていますよね?北野先生じゃないですが、「バスケットは好きか?」なんですよ。「勉強は好きか?」が原点で、そこを外したら何をしても上手くいきません。教育において重視すべきなのはまず勉強を好きになってもらうことで、投資やコスパは2の次、3の次です。シンさんは文系に行ったらニートになる可能性が高いと言われますが、私は勉強嫌いな方がニートになる可能性が数百倍高いと思いますね。

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どなるど
6 years ago

不動産はスプレッドが高すぎだと思います。この前、ローンの見積もりをしたら、ローン組む手続きだけで70万ぐらい手数料としてとられることがわかりました。
趣味で買う分にはいいと思いますが、投資で買うなら私のような初心者はしゃぶられて退場でしょう笑

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つけもの
6 years ago

教育に関してはコスパは考えない世の中になってほしいですね

文学部だとかで差別せずに学部かくして学生を取るぐらいでいいと思います

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ミリー
6 years ago

株の含み損はどう動くかわからないので、向き合うのが辛いですね。
株のような大きなリターンは望めませんが、日常生活にかける時間的コストと金銭的コストを、未来に渡って削減する事を広義の投資だと考えると、ほぼ確実に含み損を取り返して利益確定できる投資先がいくつか見つかります。
例えばレーシック(約15万円)や永久脱毛(1~30万円)です。
コンタクトレンズを使用している人は、年約30時間以上(毎日の着脱やケア、定期健診にかける時間)、約5万円以上(レンズ、ケア用品代、定期健診代)費やします。20年間で600時間と100万円になります。
ムダ毛の自己処理と自己処理で傷んだお肌のお手入れには年約50時間以上、約3万円以上費やします。20年間で1000時間と60万円になります。
金銭面だけでも元はとれますが、よりメリットを感じるのは時間コストの削減です。
単純に時給換算してもなかなかの額になりますし、時間に余裕のない(時間価値の高い)時期は、よりメリットを感じられます。

素朴な疑問ですが、ほとんどの男性が髭を永久脱毛しないのはなぜでしょうか。一般的にはビジネスでも日本女性にも、清潔感のある髭のない男性が好まれるので、毎日髭剃りする人が多いと思います。40年毎日髭を剃ると約2000時間費やします。80日間以上ずっと髭を剃り続けているようなものです。それでも男性にとって髭は、残しておきたい、思い入れがあるものなのでしょうか。

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Reply to  ミリー
6 years ago

10年以上前にレーシックを受けました。
当時最も症例の多かった医院で、院長の執刀の追加料金を
加算して合計100万弱かかりました。-10dという最凶度近視で疲れ目乾き目、コンタクトも半日しか装用出来ず非常にストレスフルでした。手術直後より視力はかなり戻ってしまいましたが、運転免許はなんとかメガネ無しで更新出来てますし、日常生活はメガネなしです。現在の相場では考えられないお金を支払いましたが、私にはプライスレスでした。

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dw
Reply to  ミリー
6 years ago

レーザー脱毛、痛いですしね。
何回も通わないといけないですし、意識高い人しか行かないでしょう。

0
ミリー
Reply to  dw
6 years ago

男性にとって髭は思い入れがあるのではなく、髭剃りの負担をあまり感じない、わざわざ痛い思いと手間をかけて永久脱毛をしようと思わない、という事ですね。ありがとうございました。

女性や、髭が濃すぎて困っている男性に限ると、永久脱毛は良い投資だと思います。私は時間に余裕がある(時間価値の低い)学生時代に少々時間をかけて永久脱毛をし、時間に余裕のない(時間価値の高い)時期にその何倍もの時間を節約できているので、割安に買った株を割高に売っているような気がしています。またお金も時間もとっくにペイできていて、今後はひたすらプラスになるだけです。

レーシックについては、ずさんな衛生管理で集団感染を起こした銀座のクリニックがあったので、絶対に問題ないと言い切れませんが、紫さんのように症例数の多い安全なクリニックをよく調べて選択すればよいと思います。100万件以上手術して1件も問題を起こしていないクリニックもあります。
なお、国内でレーシックが原因で失明した事例は一件もありませんが、コンタクトレンズが原因で失明した事例は多々あります。またレーシックよりコンタクトレンズ常用者の方が、目の諸症状で治療を受ける割合がずっと高いそうです。
レーシックはリスクが高いからと言ってコンタクトレンズを常用するのは、飛行機は事故が怖いと言って乗るのをためらいながら、はるかに事故率の高い自動車に乗るのと同じようなものです。
したがって、コンタクトレンズ常用者にとってレーシックは、とりたててリスクの高い投資ではないと思われます。

1+
dw
Reply to  ミリー
6 years ago

ヒゲ脱毛については賛成です。
見た目もすっきりして良くなるし、費用よりリターンの方が明らかに大きいです。

レーシックについては、身体にメスを入れるというのがこわいのでしょう。イメージですが、コンタクトの被害は治療できるのに対し、レーシックはメスを入れてるので後遺症が出たらどうもならない気がします。
ちなみに、レーシックの説明だけ受けたことがありますが、説明を聞きに来たのに「施術日はいつにしますか?」などと、既に受ける流れに乗せられていたのが怖かったですね。

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なまず
Reply to  ミリー
6 years ago

コンタクトレンズは装用年月が決まっていて(確か28年くらい)、若い頃からコンタクト常用だと中年あたりで装用限界を超えます。レーシックも新しい技術なので予後はまだよくわからない部分がありますが、メガネでは度数が出ない強度近視、メガネでのひどい疲れ目で仕事にならない等どうにもならない人もいます。
 目と歯は人生のコスパに影響大なので、親は幼児の頃からしっかりケアするのが子供への愛情ですね。

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松本
6 years ago

私自身は含み損に対する耐性は有りますが、逆に利益確定した後に更に値を上げて儲け損なうとストレスを感じます。自身がMかSかでも受け止めかたが違う様です。

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