じゃあ、カフェを始める

飲食業って、割と誰でも興味があり、参入障壁が低いのでやりたがる人が多いですが、これは株なり、FXなりに投資しているのと同じなんですけど、それを意識しない人は多いです。

調達

どんな事業も資金がないことには話にならず、カフェを始めるなら開店資金、運営資金を用意することが最初の一歩になります。純投資であるなら、それを種銭と呼ぶだけで、まったく意味合いは同じことで、これを区別する意味はありませんが、区別したがる人は本当に多いです。

銀行融資は信用取引とまったく同じですし、親から借りてカフェしても、FXしてもやっている事は大して変わりません。どちらにしてもしたい投資に対して自己資金では賄えないので、誰かから借りてくるという行為に過ぎません。

その事業に対して出資者を募って、株式を差し出したり、パートナーと一緒に共同事業にすることも出来ます。純投資だと、それはファンドということになるのでしょう。どちらにしても、なんの実績もない人に出資する赤の他人はいないので、家族や友人に頼み込むことになります。

この意識差をついたのが「マルチ」、MLMであり、何の実績もない純投資家なんてギャンブラーにしか見えないので、出資する人はいませんが、それが何かしらの商材を介していると「実業」に見える為、その人を助けると思ってお金を出してしまう人は少なくないです。でも、マルチなんかに手を出す人間に協力するのはギャンブラーにお金を貸すのとまったく変わりません。

選定

さて、資金調達できたら、何に投資するのか?を選定することになるのですが、これは実業、純投資、まったく同じことであり、目利きを必要として、少しでも大きな価格差を探すことになります。実態に対して割安な対象をひたすら見て回ることになります。

カフェなら立地がかなり重要なので、立地の割に安いとか、広さの割に安いとか、将来的にここをこういう風に持っていけば、価値が上がるだろうとか、色々想定しながらどこに借りたらいいのか?を模索するわけです。

不動産屋もプロですから、美味しい物件は自分で買ってしまいますし、そのプロを出し抜くほど考え抜いて価格差を探す必要がありますが、これは銘柄選びとまったく同じであり、プロである先生方wのいうことを聞いていたらほぼ間違いなくカモられます。

いざ借りたら、内装、設備、仕入先などを選定していくことになり、これも銘柄選びとすごく似ています。真面目で安く一生懸命にやってくれるところもあれば、吹かしまくっているだけで、高く、つまらない仕事をする業者もいますから、真剣勝負です。

バイトだって同じようなもので、都合のいい奴隷みたいな人はいません。若くて可愛い女の子は引く手数多だから、なかなか採用できないし、採用しても、つまらないことでプイと辞めます。それだけ需要があるので、強気の態度です。

華はないけど、堅実な近所のおばさんを雇ってみたら、誠実で損得度外視で尽くしてくれるエースに育つことだってあるでしょうし、そのおばさんの人柄に惹かれて、常連客が来ることだってありますから、これも真剣勝負なんですよ。

銘柄選びも同じことで、若くやる気に満ち溢れた経営者は大覚醒するかもしれませんが、移り気で、些細な挫折でいい加減な仕事をすることもあります。老人経営者は大成長はしないが、堅く、地道な成長をしていくかもしれません。

話は少しそれますが、イーロンマスク氏なんて、活力、魅力に溢れますが、アナリストからの意地の悪い質問に完全にやる気ない切り捨て方をして、株が売り込まれたりするので、それはそれでメリット、デメリットがありますね。

回転

いざ、カフェが始まったら、多くの場合、赤字からスタートします。顔が広い人、有名人が始まれば、いきなり黒字かもしれませんが、無名の新人が始めたカフェなんて、一通り家族、友達が来たら、閑古鳥なのが当たり前で、そこからが勝負です。

SNSでイベント告知したり、自分思いを綴って、賛同してくれる人を探したり、トライアンドエラーで評判の良かったメニューを増やしたり、悪かったメニューを削ったりしながらバランスを取っていきます。

まずは一年間、回転資金が続いていくか?という話になります。通常、信用のない事業は前金支払いが求められます。新しいカフェなど、腐る程あり、そんなカフェが潰れるのはコーヒー豆業者は飽きるほどみており、前金以外は受け付けません。

そうなると、まずは現金を使って仕入れして、その仕入れた豆がコーヒーになり、お客さんがお金を払って戻って来るまでの回転資金が必要になり、回らなければ、黒字倒産をすることになります。理屈上は儲かっていても、新しい仕入れをする現金がないので、事業が死んでしまうわけです。

黒字倒産を避ける為、ほとんどの会社は銀行から枠を与えられており、クレジットライン、という実績に応じた借り入れ枠を使いながら、お金を回転させ、その利益の一部を利子として銀行に支払っているわけです。最近のITスタートアップは銀行よりも、第三者割当増資ですが、小さなカフェは銀行すら冷たいもので、家族、友達くらいしか助けてくれません。

これも純投資でもあることで、まずは一年くらいは待ってみないと結果は出ないので、その間の生活費やら、必要経費などを捻出しないと、そのポジションが生きるか、死ぬか、は分からず、状況に合わせて、ポジションを増やしたり、減らしたりしながら、試行錯誤したり、ひたすら忍耐を強いられます。

拡張

回転が上手くいき、お金がお金を生むようになると、事業拡張することになり、新しい設備を入れたり、人を雇ったり、2号店を出したりします。これがお金がキチンと回り出したことになり、景気、経済を回している、ということになりますね。

純投資でも同じことで、お金が回って資金が増えて、短期、中期、長期とタームが分かれて来たり、手を出すセクターが増えて来たりして、経済を回して行くことになります。ただ、純投資家はほとんど人を雇わないので、雇用には結びつきませんから、嫌われるところはあります。

数百億円のお金を回転させているBNF氏は一人でしてますが、売上が数百億円規模の実業は業者によりますが、100人以上の従業員を雇っていることもあり、その家族を含めれば、数百人の生活を支えていることになるので、公共性も強くなります。

だから、政治家は雇用を生みやすいビジネスを奨励し、生みにくいビジネスを毛嫌いする節があります。トランプ大統領なんかは露骨で、大量の単純労働者を雇う自動車業界にアメリカに残らせるために脅してます。ITは規模の割に従業員が少ない上、外国人エンジニアに依存しているので敵視している節があります。

トランプ大統領の出身業界が不動産なので、結びつきの強い金融業には甘めだとは思いますが、従来、金融業は大量の事務員がいたので、そのイメージでお目こぼしを受けているのかもしれませんが、実質的に金融機関はIT企業になりつつありますから、雇用を生みづらいです。

まとめ

と言うわけで、カフェやりたい、というのも、FX、株で食って行く、というのも同じようなものであり、そこに差をつける意味はあまりなく、その違いを挙げるなら、純投資は雇用をあまり生まない分だけ、敵視される傾向にはあります。

FXはゼロサムゲーム、手数料負けしますが、それでも為替予約をする為に流動性に貢献しているとは言えますし、敵視するようなこともないと思います。ただ、私は勝つのが極めて難しと思うのでしません。少なくとも相場の穴を見つけて自分でシステムを組んで、決められたように機械的にトレードする形でないと、勝てないでしょう。

株、不動産に関してはそこにお金が流れることで、周辺を巻き込んでお金が回るようになるので、貯金として銀行に放置するよりは世のためになりますし、それで利鞘を取れるなら、それを商売にしても、何にも問題ないと思います。

そりゃ、雇用を生んで直接的にお金を回した方がいいでしょうが、その雇用条件が労働法を無視したブラック環境でようやくお金を回せるものだったりするなら、罪悪でしかないので、これも一概に実業型のビジネスの方がいい、とも言えないと思います。

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Aki
6 years ago

立地が大事というのは、本当にそうで、とにかくロケーション。
人が沢山通る場所じゃないと、どんなに素敵なカフェを作っても儲かりません。
石垣島などに都会から移住して、夢いっぱいで建てたみたいなカフェが沢山ありますけど、結局そんなに人が来ないから、寂れた感じになってるところが多いですよね。
くつろげるカフェを作りたいとか、夢はみんなあるんですけど、あんまり居心地をよくして、長居されたら儲からないっていうのもわかんない人が多い印象です。というより、こういう夢ではじめる人で当たる人はほとんどいないと思います。
でも、資本がいっぱいあって、ロケーションの良い場所に出せて、夢もあると、上手くいきそうな気もします。

記事中でちょっと違うかな?と思ったのは、顧客数が多い、席がよく回転する、そうすれば、カフェは売り掛けはほとんどありませんし、黒字倒産というのはないと思うのですが。

とにかく、カフェでも飲食店でもレストランでも、イメージと現実はかなり違うので、現実に耐えた経験のある人以外は手は出さないほうがいいと思います。最初はうまく行っても、意外と1年ぐらいしてから腱鞘炎になったり、体にガタがきたりもするものです。

あと、一般的におばさんより若い子の方がいいですよ。おばさんの欠点は、自己流があったりして意外と頑固で使えない、老眼入ってきて、細かいものが見えていない、などです。

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Aki
Reply to  シン
6 years ago

税金で持ってかれるぐらいだったら、道楽のひとつとして億単位のお金を投資してカフェかレストランのオーナー(パトロン)やろうかな、ぐらいだったら良いとおもいますけど、雇ってる料理人に指示を出すのも非常に気を使うと聞きます。料理長の機嫌を損ねたら、その場で辞めてしまったり(部下まで引き連れて)、突然お店自体の営業ができなくなるなんて話もざらです。日本料理の話ですけど。彼らの高校時代の写真を見せてもらうといいと思います。

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松本
6 years ago

投資も起業も会社員もやってみなければ分からない事ですね。雇う立場だと使用人のなんと難し事か実感します。其を知った上で会社員になると特権階級の様です。

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ダー
6 years ago

そう考えるとサラリーマンってゆうのは他人の投資に乗っかってるわけで、
会社の都合で振り回されて右往左往してしまうのは当たり前といえば当たり前なんですね。

頭では理解していてもなかなかスッキリ割り切れないですが。。

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松本
6 years ago

どんな事でも経験に勝る事は有りません。若い内は苦労も勉強になりますが、歳を取ってくると、投資も含めて時間を見方に出来なので不利ですね。

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でら
6 years ago

確かにカフェ経営も投資ですが、投資ありきでカフェ経営をすると味気なく、面白みのない店しかできず、フランチャイズ店になすすべもなく負けてしまうと思います。

成功しているカフェには経営者の強い思いが入っているとか、地域から愛されているとか、従業員の熱量が高いとか、そういった指標では測れないものが必ずあります。こういったものは冷静な分析の他に、経営者自身が汗をかかないと手に入れることはできません。

経営が投資と違うのは、経営には経営者本人の総合的な人間力が求められるということではないでしょうか。

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でら
Reply to  シン
6 years ago

飲食店経営を投資という観点で見た場合、個人店がチェーン店に勝つのは不可能です。資金力もノウハウも段違いで、あらゆる分野の専門家が居ますから。まあ、竹槍で戦車に向かうようなものです。

個人店が生き残るとしたら料理の腕を磨いて圧倒的に美味しい料理を提供するか、地縁や人脈、政治力を駆使して地域住民や地元企業に使ってもらえるような店にするか、ほとんど儲からなくても最低限食っていければいいと腹をくくるかのいずれかでしょう。どれも投資とは違う観点からのアプローチになります。

そもそも、外食産業自体が過当競争の分野であり、資金とノウハウを持った大企業以外が参入しても上手くいくものではないです。
そんな中で生き残るとしたら腕の確かな料理人、営業の鬼、あとは地元有力者と太いパイプを持つような人くらいでしょう。
利益を考えず趣味として細々と続けるやり方もありますが、これは生き残っていると言えるのかは疑問です。でも、年金生活者で半分趣味のような形でカフェをやっている人は結構いるでしょうね。

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tb
6 years ago

私は学生時代にカフェで長くバイトして、今は投資(トレード寄り)の世界にいるのでこの記事はよくわかります。リスクを取って資本を出してリターンを得る、という点では”実業”も投資も変わりありません。一見何もしていないように見える純投資家よりも、形の見える実業をやっている方がわかりやすいゆえ、イメージは良いでしょうが、投資として成り立っていない=利益の出せない事業は存続できないですから、結局は実業経営者も投資家そのものです。

ただ、実業の場合は自分がコントロールできる領域が大きい、一方で純投資の場合は市場環境条件を受け入れ、投資先に全てを任せるのみという点では受動的だ、という違いはあります。

しかし、「雇用」という観点はなるほど、と思いました。確かに、投資は一人でもできて直接的には雇用を生みませんね。自分が取引することで金融業者の仕事を生む、稼いでたくさん消費することで間接的に雇用を生み経済を回す、納税して国に貢献する、というところですかね。そういった点でどれだけ国と経済に貢献しても世間的に褒められることはありませんが、これはもう仕方ないですね。

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nobunobu
6 years ago

シンさんの言われる人生全て投資なんだという言葉は、私にとっては目から鱗でした。
全くその通りだと思いました。

参入障壁ということで言えば、カフェでも、人生かけてやるんでしょうが、純投資で言えば、少額なら本当に気軽にできます。
単に私が、純投資に対する覚悟がないだけなのかもしれませんが、
大金を投資しても、直ぐに引き上げることができます。
実業は、そういうわけにはいきません。
失敗したと思っても、直ぐにやめることはできません。
ここら辺が違うのかなとは思います。

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Y
6 years ago

うまくマネタイズ出来ているカフェって、飲食業と並行してお店で挽いた豆をネット販売していたりして、店舗などの固定費用をネット収入でうまくカバーしている印象を受けましたね。洋食屋さんやカレー屋さんだとお店の特製ソースやスパイスを販売したり・・。
キャッシュフローの複線化、リスク分散が負けない秘訣だと思います。

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