じゃあ、ソフトバンク-6

いい加減飽きているかもしれませんが、ソフトバンクについて書き続けます。

今回はソフトバンクのインド投資について書きます。主に4つに分かれるのですが、全部IT関係です。その辺は天才、孫正義氏にぶれはありません。ただ、彼は被り投資もするので、その辺の交通整理をどうするのか?が見所です。

Ola

インドのライドシェア企業で、同業他社と同じように赤字の垂れ流しをしています。ソフトバンクはすでに筆頭株主になっており、25%くらい持っているようです。過当競争によってダウンラウンドをしているところを買い増しており、そろそろ決着をつけるでしょう。ちなみにこれはソフトバンク本体が買っているようです。

大方の予想は中国、東南アジアに続いて、Uberとの資本提携がある考えられており、二度あることは三度ある、との格言の通り、ほぼ間違いなく、ソフトバンク主導で統合を即していると思います。前回の東南アジア、Grabはソフトバンクが強く統合を推奨したことが明言しています。

ここがUberとの統合をすれば、アメリカ、中国、インド、東南アジアがソフトバンクグループで制圧されるので、このビジネスはソフトバンクの寡占市場になるといえるだろうと思います。あとはブラジルが残っているくらいですね。時間の問題で統合されるでしょう。ロシアは現地のヤンデックスとUberが資本提携しており、間接的にソフトバンクグループです。

地域トップを傘下に収めたところで、すべてビジョンファンドに入れる予定みたいで、ソフトバンクの支配下で成長させる、と言うよりも、大企業連合の持ち合いにしようとしているのだろうと思います。そういうファンドを次々と立ち上げて、膨張させるのが孫正義氏が70歳までにやりたいことなんでしょうね。

Flipkart

イーコマース、日本でいう楽天みたいなもので、アマゾンインドとガチンコ勝負をしている会社だと言っていいでしょう。ソフトバンクはビジョンファンドで去年入ったらしいですが、これは純投資なのかな?と思います。

すでにアメリカ、ウォルマートが買収を決めて、ソフトバンクは持ち株売却、イグジットに入っているのですが、あれこれゴネて値段を吊り上げようとしています。アマゾンインドに売るとか、グーグルに売るとか言いながらせめぎ合いをしていました。

アマゾンインド、Flipkartでインド市場、イーコマースは8割近くのシェアになってしますので、アマゾンインドが買うのは現実的ではなく、インド当局にほぼ間違いなく止められるでしょうが、買収価格を上げて、ウォルマートにダメージを与えることが目的だったようです。

このディールでソフトバンクは15億ドルくらいの差益を得るようで、ビジョンファンドはNvidiaへの差益に続いて、今年も順調に利益を上げています。今年のIPOが予定される中国のDiDiはデルタですが、来年にビジョンファンドに入っているUberがIPOをするので暫くは大丈夫だと思います。

Snapdeal

ここもイーコマースの会社なんですが、魅力は重い荷物も運んでくれることみたいです。そんなにうまくいっているとは言えず、アマゾンインド、Flipkartの二強状態なので、何かしらの形で差をつけないと第三極にはなれず、その他大勢として消えていく運命になります。

ソフトバンクとしてはアマゾンインド、Flipkartのどちらかに売ってイグジットしてしまうか、他の弱小を買ってくっつけることで第三極化を即していくか、のどちらかを迫られることになるでしょう。すでに2017年にFlipkartに売ろうとしたみたいですが、上手くいかなかったみたいです。

おそらく、ソフトバンクはPaytmのイーコマース部門と統合して、被害を最小限に止めようとしていると思われます。10億ドルを投じた案件をいくら取り返せるのか?と言うところです。Flipkartの提示はソフトバンクの評価に対して2割程度と大損レベルであり、そのまま受けたら、8億ドルくらい損を出します。とは言え、Flipkartで勝っているので、大問題でもありません。

ここに関してはおそらくはソフトバンクの失敗案件になるでしょう。どう見ても上手くいくような雰囲気にはなっておらず、よほど激しくテコ入れしないと大きく化ける可能性はなく、損切り、上手くいっても小利撤退の形になりそうです。いくら天才でもなんでもかんでも勝てるわけではありません。

Paytm

ここはインド版、アリペイ、オンライン決済サイトです。私はここが最も有望だと思っていて、インドも中国と同様、それ以上に汚職、脱税が酷いため、高額紙幣を廃止しているくらいなので、オンライン決済の定番化は国策だといっていいでしょう。

また、この手の決済は外資は触りづらいので、アメリカ勢と戦う必要もなく、インド国産サービスとしか競合する必要もなく、低収入者が多いインドでは少額決済が得意なこの会社は大きく成長しそうです。

アリババグループが初期から投資していて、半数程度の株を持っているそうです。だから、アリペイのノウハウも使えるでしょう。先の見えているイーコマースはすでに分社化して切り離しにかかってきて、決済プラットフォームとして市場を勝ち抜くことに集中するんでしょう。

つまり、ソフトバンクはアリババを持っていて、アリババがPaytmの親会社みたいなものなので、この会社は実質的にソフトバンクのもの、ということです。直接間接で二重支配しており、インド側は孫正義氏、馬雲氏に気を使いながらの運営になっているでしょう。

しかし、IT帝国を目指すソフトバンクのお膝元、日本で未だに現金大好きな人が溢れているのは不思議な現象です。孫正義氏がやる気があるなら、QRコード決済会社を立ち上げて、赤字垂れ流しながら普及させることも楽勝ですが、それは日本人には早すぎる、ということなんでしょう。

まとめ

実はインド、インド人は国産にこだわらないし、お金にシビアなので、外資に抵抗感が少なく、外資だらけになってます。イーコマースはアメリカ勢同士の勝負だし、決済プラットフォームは中国、日本勢に支配されて、インド資本は少しになってますが、さほど問題視されてません。

インドでも、ソフトバンクは有望なインターネットビジネスに手をつけており、Snapdealの失敗はあるけど、順調にインドでの勢力を広げています。しかし、インド人は外資に抵抗がなさ過ぎて、次世代のアリババになりそうなビジネスは見当たりません。

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