じゃあ、職業の貴賤

この歳になると、職業に貴賤はない、というのは、本当だと思います。その人が納得しているなら、それで十分だと思います。ただ、いくつかの条件はつくと思います。

寡多

貴賤はなくとも、割りが良いこと、割りが悪いこと、は必ずあります。かなりきついのに実入が悪い職業もある一方で、とても楽なのに実入の良い職業もあります。市場価値は需給で決まりますので、平等にはなりません。

大抵の場合、リスク、難易度に従って時給が上がっていきますが、リスクは高いが、間口が広く、難易度が低い職業は時給がとても低くなります。タクシードライバー、警備員などは、リスクは高いが、入口はフリーパスに近いので、時給はとても低いです。

医者のように独占業務のある資格が、時給を高くすることもありますし、希少技術があれば、時給を高く出来ます。社内官僚みたいな徒花は、時給は高いですが、リスクも高いです。その場から放逐された途端に破滅の危険を伴います。

風俗

ただ、風俗関係は敢えてやるものではないでしょう。実入は良いかもしれませんが、大事なものを失います。若くて見目麗しい女性が風俗をすれば、それだけで大きな対価を得られます。ただ、それは経験共に増えるものではなく、減るものです。

歳をとるごとに減価していくのに、舌が肥えてきて選り好みするようになるので、技術、経験などに裏打ちされた市場価値はないのに、過去の栄光に縋ってしまうので、歳をとるごとに失笑を買い、自分を傷つけることになります。

そこに需要があるので、風俗で一稼ぎすることは否定しませんが、期限を決めてキッパリとやめて、現実に戻らないと、夢の世界で生きていくことになります。一度美味しい思いをすると、なかなか抜けることができなくなる麻薬でしょう。

中毒者ほど、いつでも止められる、といいますが、一度中毒になると、取り返しがつかなくなるくらい追い込まれても、なかなかやめられないものです。贅沢、タバコ、アルコール、など、麻薬は自分の意思で止めるのは極めて困難です。

詐欺

誰かを騙して対価を得る仕事は賎業でしょう。弱いものを騙しているつもりでも、自分を苦しめていることになります。良心、という曖昧な言葉を自分自身が納得しているのか?と言う言葉に置き換えると、並の人間には相手が自分のせいで苦しむ姿を見て喜びを感じることはないでしょう。

直接的に詐欺をしていなくとも、こんなことをしていて誰のためになるのか?、非効率でないのか?、税金、会社経費の無駄遣いじゃないのか?、などと、自分自身が思っているようなことは、自分を騙していると言うことでしょう。

これは割りがいい、自分は賢い、と言い聞かせても、自分の心には嘘をつけません。自分に嘘をつくほど、自分が荒んでいき、満足感を得られず、寂寞の思いを募らせることになります。他人につく嘘より、自分につく嘘の方がダメージは大きいです。

まとめ

未だに未熟な私ですが、子供じゃあるまいし、xxxは格が高い、職業偏差値が高い、yyyは逆、とかいうことは思いません。どんな職業もそこに需要があり、社会貢献をしているわけですし、尊重されるべきものでしょう。

ただ、自分に嘘だけはつくべきではない、と思います。私自身も人生の中で数多い後悔の中で、自分についた嘘ほど、心の傷になっているものはありません。正直だった結果、損したこと、辛かったことは、後になれば、案外平気です。

半分を切ったであろう人生で、課題とすべきは、誰に対しても尊敬の念を持って接すること、その人の属性でなく、その人の品性で持って評価を下すことを徹底したいと考えています。

どんなことであれ、その人が納得し全力を尽くすことは尊い。納得しているわけでなく、投げやりに、その場凌ぎで自分、相手に嘘をつくことは醜い。そんな当たり前のことをなかなか気づかないものだ、と思います。

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dw
1 year ago

「就活の教科書」の記事のことですねw
あんなことを記事にするなんてばかですよね。

自分は底辺の仕事とは思ったことないですが、働いてる人の中でヤンキーとか荒い人を見てると自分とは違うなあ、自分には無理だなあって思ってしまいます。見下してるわけではないですが、それも大義的には無意識の差別に当てはまっちゃうのかもしれません。

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