前回、法学部について、今回は経済学部について考察を記事にします。
数学
日本では経済学部は文系分類されていますが、英語圏では数理系学部のカテゴリーに入れられることもあります。経済史を専門にするとかでない限り、数学が苦手で私立文系を選びました、と言うような人間には基礎的なことすら、理解すら出来ない分野です。事実、ノーベル経済学賞受賞者の多くが数学系学者ですし、彼らの学部での学位も数学であることが多いです。
ちなみに、設立当初はノーベル賞に経済学賞はなく、スウェーデン国立銀行の支援で登場した賞ですので、正確にはノーベル賞ではありません。経済学賞は平和賞、文学賞と同様に選考基準が曖昧です。平和賞、文学賞と比べれば、政治的要素は薄いもの、具体的にどんな形で人類に貢献したから、受賞なのか?、ということを断言しづらいです。
つまり、数学から派生した経済学を学ぶというなら、数学が大得意でなければならず、かなり限られたトップスクール以外に経済学部を設置しても、ほとんどの学生は何のことかが理解できず、誰でも理解できる、ウィキペディアでも読んでいれば、十分なことをダラダラ時間をかけて、講義して、単位与えて、卒業させるしかなくなってしまうので完全に無駄です。
非実学
ノーベル経済学賞と謳うものの、経済学者が実際のマーケットで勝てるわけではありません。その証明はとっくにされており、事実、ノーベル経済学賞受賞者二人を顧問に迎えたLTCMは破綻しました。数学、自然科学の世界では起こらない確率崩しが人間の心理状態によってマーケットでは起こってしまうからです。
投資銀行の担当者がハーバード大学で経済学を学び、トップで卒業しても、必ずしもマーケットで勝てるわけでなく、最終的には投資は自己責任でお願いします!、ということを言って顧客に勧めるしかないのです。だったら、自分で考えて投資したほうが後悔がないと思うのですが、なぜ、他人に聞いて、虎の子を吐き出すのですか?もっと言えば、自分の頭で考えれられないような頭の弱い人は投資に手を出すべきではありません。
ご立派な経歴があれば、市場で勝てるなら、自分で投資をして結果を出しファンドを募り、第二のウォーレン・バフェットになればいいので、外資系投資銀行のエリートとは言え、しがないサラリーマンやっている必要がまったくないです。年利平均二割も出せるなら、私は喜んで投資します。この辺が矛盾しているので、私は「エコノミスト」と名乗る人は詐欺師だと認定しているのです。
エリート
文系が投資会社、コンサルに就職して、顧客に助言を与えるとします。あなたはFラン経済学部卒の営業を信じて、投資したり、経営判断しようと思いますか?私なら絶対に信用しません。ブランド力のある人=正しい判断が出来る人、というわけではないですが、信用第一のアドバイザリー(助言)部門でブランドがすべてです。
非エリートの言うことを聞くとすれば、特定の分野の専門家です。仮に漁業ビジネスをやりたいなら、魚河岸の職人の言うことを真剣に聞くでしょう。仮に彼が中卒であったとしても、どんなエリートの意見より真実が隠れていると思います。どんな理論よりも、毎日、接している人の「気づき」は重要です。
理系であれば、ノンエリートであっても、専門分野では信用されますが、文系には専門がないので、ブランド力のあるエリート以外はまったく信用されません。魚河岸職人ではないですが、ニッチ技術に取り組んでいる人はエリートでない人も多いですし、別にエリートである必要もありません。その経験が何にもまして説得力になるので、着飾る意味がないのです。
私がサラリーマンなら、ともかく経歴がそれっぽい人に頼んで、失敗しても、「いやー、MIT出ていてもあんなものなんですねぇ。(苦笑)」とかで済ませるために、リスクをとりたくないです。無名でFラン卒の凄腕運用者もいるでしょうけど、失敗したら、責任取らされるので、任せたくないんですよ。この辺は口利きで飯を食っている人すべてにいえます。形のないものを売るなら、それっぽくないとダメなんです。
まとめ
12年のノーベル賞受賞となったゲーム理論、は教養としては非常の面白いですが、あくまで教養としてはであり、実際に役に立つかというと、全然役に立たないでしょう。学術として、学者が真剣に勉強するのはいいでしょうし、教養科目として大学で学ぶのもいいでしょう。しかし、ゲーム理論を専攻とした学生がノンエリートなら、いったい何をすればいいのでしょうか?まず、基本的なこと以外は理解できないのでは?
学者になりたい、と言うのでなければ、経済学部に進む意味はないでしょう。まずは、トップスクールの数理系学部でしっかりと結果を出し、どうしても学者になりたければ、博士課程に進んではどうでしょうか?結果が出ていれば、誰かがお金を出してくれるので、奨学金が取れるでしょう。そうじゃないなら、経済学部に進む理由が見出せません。
昔、親に「経済学は万能学問だ!」と言われたこと、とコメントをもらったことがありますが、どの辺りが万能なのか、私にはまったく理解できません。お金は万能ですけど、そのお金を増やすことは才能であり、人に教えてもらって出来ることではなく、わざわざ大学で学ぶようなことだとは到底思えないのですが、いかがでしょうか?
よく自分の親は、文学部は就職悪い、経済学部は就職いい、といっています。
自分の親に限らず、ネット上でもよくこのような意見を聞きますが、文系の場合みるのは大学名と本人のコミュ力だけで、学部はみないのが基本です。
にも関わらず、自分の親は何度説明しても同じような事を言うので、もういいやと思いました。
また、文系で文学部にいきたいけど、就職を考えて経済学部にいったという人をみますが、もったいないというか情報不足というか。
文系の時点で就職はあまり良くないうえ、学部によって差はないから、純粋に好きな方を選べばいい、と思います。
文学部の就職率が、経済学部などと比べて低いのは、やはり文学に興味もつタイプはバリバリサラリーマンやろうとは思わない浮世離れした人が多いから、就活に不熱心、また女が多いから、などの理由だと思います。
第2版に文系内序列を延々と語り、大学公式発表の就職データを見てから、議論に加わって欲しい、と何度言っても、感覚で語る人がいましたが、ranさんのお父上も同じなんですね。この手の人って、根拠はないけど、文系内序列を信じ込んでいます。根拠を出してきたと思ったら、商業誌のサンプル、出典のはっきりしない二次資料だったりして、根本的に情弱なんですよ。
受け入れ先の企業で、文系学部を系統別に分けて、採用枠を決めている所はほとんどゼロであり、面接までこぎつけたら、専攻に対する能力を問われることはまずなく、単にコミュ力だけしか見られません。
大学公式データでも、大きな格差は見られないので、集合体として、就職に積極的でない学生の多い文学部は数字が少し悪いだけで、文系内就職格差はほとんどないだろうと思います。
だから、文系学部に行くなら、どの道就職には不利なので、一番興味があり、楽しんで勉強出来る学部に行けばいいです。
シン
経済学部で役にたつとウリにしている人は統計やコンピュータ、最適化とかなんですがそれなら情報工学のようなコンピュータサイエンスを専攻したほうが本格的に勉強できます。
また、よほど高等数学のセンスがない限り経済学や統計の情報分析科学そのものの仕事をやらせてもらえず、データをまとめるとか何か他に専門がないといけません。
”数学のできない理系”が経済学部に流れるというのはあると思います
高校時代に理系を選択したが大学でついていける自信がない・・・
↓
じゃあ数学を生かせる文系学部にしよう!
本当は理系でもトップクラスの数学能力がないと経済学なんて出来ないんですけどね。
シン
文系学部間の就職格差は少なからず存在します。学生時代にゼミのコネバイトで複数の企業が青田買いするために秘密裏に開くセミナーに人を集めるということをしてました。連れてくる人数によってもらえる報酬が変わってくるので、必死こいて人を集めてたんですけど、その時の条件が「○○大学なら△△学部と□□学部のみ」と特定の学部で指定されてました。
また、某インフラ企業や国Iなんかも特定学部からしか人を採ってないです。文系は総合職採用なので、会社に入ってからは差はありませんが、入るまでには多少なりとも差はあるなと感じます。
官僚になりたい、とか、インフラの社内官僚になりたいとか、なら、文系内でも有利な学部選びが必要かもしれませんが、一般的なケースではないと思います。まずは東大入ってから、進振り前に考えればいいでしょう。
シン
経済学部の友人は本当に暇そうでした。一二年は講義スケジュールの入れ方も本当にスカッスカでバイトばかりしていました。数学力は全然なかったでしょうね。他大の場合は不明ですが、うちだと法と並んで就活はかなり楽だったみたいです。
東大と言っても、文系は勉強をしにいくところではなく、ブランドを買いにいくところだと思います。
シン
あまり関係のない話ですが、
学校へいこう、という昔の人気テレビ番組が、ちょっと前に再放送されましたが、
それに、マサーシーというすごい変人の東大生が出ていました。
マサーシーは、東大経済学部の学生で、一留しているそうです。
てっきり、文系でも東大なら、かなり厳しいのだろうなあ、と思っていましたが、マサーシーがただ単にサボりすぎてただけのようですね。
マサーシー以外にも、慶応のだぜと、東大工学部の永谷がいましたが、文系のマサーシーやだぜはともかく、工学部の永谷はテレビに出まくって進級できるのは、すごいと思いました。
garfieldさんは、もしかしてマサーシーたちと面識ありますか?
大学入試の時点で文理分けせずに、英語、数学(ⅢCまで)、国語、理科二科目(物理選択にはボーナスポイント)、社会二科目で一斉に試験をして、上から順に東大→京大→と突っ込んでいけばいいんじゃないかって思います。そうすれば何も出来ない文系が学歴に胡坐を書いて無駄なエリート意識を持つこともないし、製造業に貢献できる理数系に強い生徒が世間からより正当な評価を受けることが出来ます。(工業系単科大学なんかはもう少し高い評価を得ても良いと思います。)
大学入学後は以下のようにすれば企業と学生ののミスマッチもないし、学生が即戦力になるのではと思います。
入学時に就職パンフレットが配布されて、自動車メーカーに行きたいならば、物理数学、微分方程式、四力学、CADは必修。銀行に行きたいならば、微積、統計学、線形代数、簿記。リテールの場合にはそれ+在学中に最低50人ナンパ。という案内書きがされて、それを習得しないと企業も応募に応じない。学生は自分の進路希望に応じた科目を履修して、希望の進路に向けて努力する。途中で進路希望が変わった場合には新たに必要な科目を受講する。正直経済学を本当に習得しようとしたら、カリキュラムがスカスカなんてありえません。きちんと経済学の土台となる数学を習得し、その上で経済を学んだ人が上に立って政策を考えたり、営業戦略を考えないからおかしいことになるんです。大学二年までは専門にこだわらず、満遍なくみっちりと勉強をすべきだと思います。
結局大学の学部別募集って、大学運営側の都合が優先されているだけなんです。選抜時に進路がばらけているとカリキュラムの策定や教員確保の目途が立ちやすいですし。
統一試験で上位順から大学に振り分けられていくのは中国式だったと思います。家庭の事情で、地元を離れられない人もいるので、人権無視していると思いますね。
シン
シン様
例えば国立大学の寮を整備して、遠隔地出身者の受け入れ態勢を強化するなどの施策を講じることは問題解決につながらないでしょうか?(独立行政法人化で予算が厳しいですが・・)もちろん学力最上位層が必ずしも東大に行く必要はなく、学力上位順に選択権を与えていって、定員を埋めていきます。(学力上位の北海道出身者は東大も北大も選択できる。)
確かに差別的な面もありますが、受け入れ態勢を強化することで地方出身だが、家庭の経済的な事情でレベルの高い首都圏の国立大学の進学をあきらめていた層に門戸を広げることにはならないでしょうか?また、自身を過小評価して自分は東大は無理だと思い、地方帝大に流れていた層が東大入学のチャンスを手に出来るかもしれません。
地元を離れられないという問題に対しては以下のようなことからそれほど問題にはならないのではないでしょうか。
大都市圏出身で学力的に残念ながら首都圏の国立大学の進学権を持ち得なかった層は地方国立に進学したくないのであれば私立に進学してもらう。元来、地方の国立は難易度が比較的低いので、統一試験にしても結果的に難易度は変わらず、地元の中堅学力層が進学権を得られるのではないか。大都市の国立大の選択権を得られなかったが大都市でで学びたい学生は私学に進学してもらう。
自身の友達に中国人が何人かいます。その人達の話を聞くと中国の国土は広いので、寮に入って大学で勉強するというのが結構一般的みたいです。一緒に勉強を教えあったり、遊んだりと良い刺激が得られたそうです。
大学選びもいい勉強のうちで、自分の適正、能力、希望なんかを考えて、出願、合格、という流れがなくなるのは自主性を養うのに良くないと思いますよ。
寮生活なんかは英米でも推奨されるので、ワンルームなんかに住むより、学生寮が良いとは思いますし、金銭的に恵まれない子供に支援にもなりますね。
シン
シンさん
確かに大学選びも勉強のうちですね。自身の適性を鑑みて、自分の能力で合格できそうな大学を見極める。大学で何を学ぶのかを考えて戦略的に学部選びをするところから社会の勝負は始まっているのかもしれません。
知財部で特許マップを用いた調査という特許の出願件数やら技術内容を分析する仕事や研究があるのですが、頭が良くないといけないなと思うことが多いですね。
経済学部で習うような統計とかあるのですが、高等数学や技術内容から将来の市場を見通すセンスがいりますね。
私は、よく叱られます。
つくづく、文系はエリート向きだと感じます。
日本では、情報工学の中に経済学部の数理系の分野をぶっ混むような感覚があります。
経営工学とかいう分類をつけていることもありますけど。