一口に営業、という職種はいろんな形があり、業種、顧客によってぜんぜん違う仕事をしていて、一緒にできません。それをきちんと分類して、考察してみようと思います。ちなみに私は単純営業の類はそのうち消えるだろうと思っています。
飛び込み営業
真っ先に思い浮かべる営業スタイルではないでしょうか?このスタイルの営業は押し売り、催眠商法の類だといってもいいと思います。普通に店頭に並べても売れないものを押し付けたり、言葉巧みに買わせてしまうわけです。
こういった営業スタイルは真っ先に消えるでしょう。無差別に営業をかけるなら、ネットでやればいいからです。ITは初期投資、メンテナンスだけで24時間フル稼働で文句を言わずに働くので、人にやらせるより明らかにいいです。
具体的には個人向けの営業はほとんどこれにあたり、不動産、リフォーム、金融商品、なんかがこれにあたります。極めて利益率が高い商売なので、大量に人を採用し、配置して、その中のセンスのある人間だけが生き残っても、その利益率の高さからビジネスが成立するわけです。
でも、逆に言うと、無駄なサービス、人を減らして、利益率を下げ、市場価格を下げてしまう、というやり方ができるため、そういうサービスは広がっていくでしょうね。例えば、従来の床屋が千円カットになったように、無駄をなくし、価格を下げ、大規模展開して、回転を上げれば、いくらでも儲かります。
ルート営業
固定客に御用聞きして回るパシリで、そのうちITが駆逐するでしょう。用事もないのに定期的に訪問してきて時間をつぶされるより、さっさと仕事を終わらせて帰りたい!、と考える人が増えているからです。例えば、シンガポール人はドライなので、用事もないのに会ってくれません。特に既婚女性は無駄に時間を使って、残業したくないので、意味のない訪問を嫌がります。
IP電話、ビデオ会議とお金、時間をかけずに決定権を持つ人と打ち合わせを出来るので、わざわざ決定権のないパシリに来てもらう意味がないです。それよりも早く正確に反応があることのほうが大事で、それならAIなり、システム化されたサービス体制の方が顧客を逃がさないわけで、営業が好きだから、買う、というような浪花節は通用しません。
日本では終身雇用が一般的だったので、こういう顔をつなぐ的な営業スタイルが流行ったわけですが、世界一般的には買う側、売る側、ともに2-3年で入れ替わっていくので、トップセールスとして、経営者同士が関係を築くのでもないなら、末端が関係を築いても、時間の無駄に終わります。
アカウントマネージャー
外資系の営業はアカウントマネージャーという肩書きを持っていることが多くあります。アカウント、というのは経理のことでなく、口座のことです。特定の顧客に対して開発案件から追いかけて、受注から入金までの面倒を見ますよ、と言う事です。
この手の仕事はなくならないでしょう。誰かが責任持って仕切って仕事を回していく必要があり、各顧客に対する責任者は絶対にいるからです。この場合、持ち帰って上司と相談します!、ということは基本的に許されず、会社同士の大きな話でない限り、自分で決められる裁量を持たされています。
欧米系、中華系に比べて、日本企業に担当営業がやたら多い理由はきちんと業務分担が出来ておらず、フロントであるはずの営業が事務仕事を帰社した後にやっていたり、決裁権もない御用聞き営業が意味なく沢山いるからです。日本企業の組織構造が変わり、IT化が進めば、この手の営業窓口は激減するでしょう。
プロジェクトマネージャー
市場調査、ターゲット顧客、予算組み、社内承認、といった全体のプロジェクトをまとめるマネージャーも営業の一種です。総合商社なんかの営業がこういったことをするといっていいでしょう。社内外の人をまとめて、管理、進行、数字を出すところまで遂行します。
この手の仕事はなくなりません。細かい根回しなどの社内政治から、各業務に対する最低限の知識、飛び回って仕事をする体力、厳しい局面で周りを鼓舞して完結させる精神力、と要求されるものが本当に多いので、並の人間には出来ませんし、当然ですが、ITがこの仕事を代行することは不可能です。
コミュ力抜群なリア充タイプの仕事で、常に輪の中心にいるような人間、何かしらの専門があり、それをベースにして中心に座るような形で、利害関係のある人間をうまくまとめるだけの説得力が必要となります。
まとめ
営業と一口に言ってもいろんな種類があり、やっていることはぜんぜん違います。飛び込み営業、ルート営業はITに駆逐されるでしょうし、アカウントマネージャーは需要数が減るでしょう。プロジェクトマネージャーが出来る人はどこでも重宝されるし、最終的にプロジェクトだけでなく、部署、会社全体を指揮する経営者層になる人も多いでしょうから、この需要はなくなりません。
営業職の人は自分が何をしているのかを考えてみてください。そして、この先も営業でやっていきたいなら、最低でもアカウントマネージャー、出来ればプロジェクトマネージャーになる努力をしてください。そうでなければ、時間の問題でITに駆逐されます。コミュ力は磨きづらいので、専門性を高めて、輪の中心に座る努力が必要です。
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営業の本質は、結局石ころとか木を売ることですよね。
石ころとか木を売れないってことは、営業としての力量がないってことだと思う。
自分に向いている仕事を選べば良いと思うんですが… もしシンさんが文系で営業の適正がないなら何の仕事を選
バードさん、
私が文系で営業向きでないなら、会計をします。フィンテックで作業系の仕事はなくなるでしょうが、最終判断は人がします。財務の知識は株式投資にも生かされます。
シン
私の会社の営業系社員(男性の事務系社員)ってコネクションの人以外は、イケメンで格好いい社員ばかりですね。
ちびまるこに出てくる大野君や杉山君タイプですね。
だから、私みたいな非リア充は浮きますね。