じゃあ、銀行マン

半沢直樹シリーズで、銀行員のキャリアがクローズアップされましたが、簡単にまとめたいと思います。

入行

日本には都銀、地銀、信金とかなり多くの機能が被った金融機関があり、枯れた漁場で、どこもヒーヒー言っていますから、その業務は過酷であり、新卒3年3割退職と言われます。これは大手企業の都銀ですら同じで、一定数の離職を予め見込んで大量採用している、と言っても良いか、と思います。

元から金融業に合わない人は早い段階で淘汰され、向いていると言わないまでも、なんとか折り合って、やっていける人たちが残って、三十路に手が届く頃には離職ラッシュは落ち着いてきます。待遇だけ考えると、なかなかこれ以上のサラリーマンは少ないので、惰性で、消極的に続ける人が半数以上でしょうね。

逆に突出したサイコパスメンタルを持った銀行員は外銀など、もっと成果主義要素の強い組織に行くので、邦銀に残るのは比較的ドライな性格をしているが、鋼鉄のメンタル、サイコパスとまではいかない人達だろうと思います。

根本的にお金を扱う仕事を神経が繊細な人がするのは無理で、人の嫌な面を毎日のように目撃するので、気持ちの切り替えが上手くないと、メンタルをやられる、と言うのは証券、保険、サラ金、闇金、金融業はなんでも同じことです。

金融業に関わったことのない人に説明するなら、たった数万円のお金で、長年の友情を崩壊させるくらい破壊力があるんだから、桁違いのお金が動く組織にいれば、どれだけエグいことがあるのか?、は想像できるでしょう。

出向

半沢直樹では出向を死刑宣告のように扱っていますが、30代での出向は死刑宣告ではなく、経験を積むために他社に行く、とか、何かしらの課題を与えられて、プロジェクトマネージャーのような立場で出向するので、ここで結果を出せば、帰るときには上が見えるようになります。

それに対して、40代での出向は片道出向となることが多く、銀行内にポジションがないので、辞めさせるために他社に行かせて、そこで居場所を作って、第二の人生を歩んでください、という転職フェアなんです。

例えば、半沢直樹の友達であり、同期の近藤は上司のパワハラでメンタルをやられて、銀行を辞めさせるために出向をさせられていましたが、銀行は減点方式の組織で、一度、ケチがついたら、基本的に先はないので、整理対象になります。

何年かは銀行が出向先との待遇差は保証してくれるので、問題ありませんが、一定期間が過ぎると、格段に待遇差のある企業所属になり、銀行レベルの生活をして、転勤、激務の為に妻を専業主婦にして、シングルインカムで生活をしてきた家庭はパニックになります。

転籍

銀行では頭取にならない限り、銀行で定年退職を迎えることはなく、どこかの時点で出向、転籍になります。一般的に言うと、支店長以上(一般企業の部長級)まであがれれば、転籍とはいえ、関連企業へ行くだけなので、あまり惨めなことになることはなく、特進によって、役職が上がった分、待遇も維持されることになります。ただ、ここにたどり着けるのは全体の1割以下です。

それ未満の人は銀行の融資先に送られることになり、前述の近藤は「銀行さん」と呼ばれて、よそ者扱いされていましたが、名目は「部長」と高いものであっても、望まれてきたわけでもなく、出向先で何かしらの成果を出して、居場所を確保しないと、時間の問題でその会社にいられなくなり、そこから先は銀行は面倒を見てくれません。

転籍先で上手くやれば、経理部長、役員と進んで、変に銀行に長く残っているより、待遇、やりがいがアップして、お互いに嬉しい転籍となるのですが、こればかりは本人のコミュ力次第で、ほとんどオーナー企業の中堅、中小ですから、オーナーの懐に上手く入り込めるか?、が勝負なのでしょう。

最悪の場合、どこにも引き取り手もなく、銀行の関連会社にたらい回しに送られて、嫌がらせのような業務をさせられて、早期退職を即されるのでしょう。この辺の湿っぽい人員整理は日本企業なら、業界を問わず、同じなので、金融だけがえげつないことでもないですが、一昔前まで銀行員はふんぞり返って、偉そうにしていたので、辛いでしょうね。

まとめ

都銀がバブルの頃に大量採用された世代が統廃合でだぶついて、転籍先も上手く見つからずに困っているようですが、今の若い世代はFintechが進んで、行き先がなくて困ってしまうのではないか?、と思います。単なる金融事務が出来る人なんて、これから要らないので、どこも欲しがらないでしょうね。

今のところ、金融業は文系出身の大学生の受け皿になっており、大学によって多少のばらつきはありますが、2-3割は金融関連業に就職しています。これはすでに時代遅れで、徐々に金融は情報系エンジニアの職場になっていくでしょうから、事務系銀行マンは行き場を失うのだろうな、と思います。

でも、お金を引っ張ってこれる人はどこでも重宝されるので、金融に詳しくて、寝技が使えるアクティブなタイプは一般企業のCFOとして引き取られるのではないか?、と思います。米系企業だと、CFOはあの手この手で資金をもぎ取ってくる役割をしていることが多いので、日本企業でも時間の問題で、そうなるのだろうと思います。

すでに銀行マンの人、金融業に進むつもりの文系の人は何かしらの着地点を見据えながら、取り組んだほうが良いと思います。どうあがいても、出向、転籍はほぼ間違いなく避けられませんし、将来的な人員整理は避けられません。何かしらの特技を身に着けて、「イグジット」を探ってください。

0

投稿者: シン

思いついたことを記事にして、コメントをもらって、議論するのが楽しくてブログをやっています。

“じゃあ、銀行マン” への 7 件のフィードバック

  1. 知り合いの銀行員から聞いた話ですが、IT化に伴い理系学生を採用してコンピューター関係の部署で仕事をさせる裏の求人があると言ってました。
    表で採用しろよって突っこみたくなりましたが、そうなると金融事務さんの居場所がなくなるのかなと思います。

    離職率に関しては、上記の通りで私と同じくらいのアラサーで女性だとほとんど辞めてますし、一度真剣に友人から仕事内容に将来性がないから銀行辞めたいと相談されたことがあります。

    私は、メンタルは繊細なのでこの業界は無理です。

    0

    1. メンタル弱めの人はこの業界は避けたほうがいいです。他人を潰しても、自分の利益を優先できないと潰されます。

      シン

      0

  2. メガバンクは、よほどのミスをしない限り、卒業大学名と入行年次だけで定年までの出世コースが決まる、って聞いたことあるんですけど、東大卒の事なかれ主義者だったら、そこそこ安定した銀行マン生活を送れるんでしょうかね。

    0

    1. 激しい業界なので、学歴を武器にして、単なる事勿れで定年まで逃げ切るのは簡単ではないだろうと思います。実際、東大京大の牙城を崩して、私大卒が頭取をもぎ取ったりもしてます。学歴で優遇はされても、それだけでやれるほど金融は甘くないでしょう。

      それが望みなら、国策インフラ企業で社内官僚やっているほうが逃げ切れる可能性が高いです。数字で詰められることがないので、上役の顔色だけ見ていればいいです。

      にしても、日本が衰退すれば、社外で市場価値のない人は一連托生なので、若い人があえて狙うような生き方ではないだろうと思います。

      シン

      0

  3. 今後10年で貨幣よりも電子マネーの方が流通量が増えます。融資判断も人工知能がするでしょう。
    金融はミッションクリティカルですので、ダウンタイムゼロのシステムを設計できる人が出世できると思います。
    日本は民族柄、機械化で最適化され、人が不要になっても、仕事のための仕事をわざわざつくります。
    今後も”やってる感”を醸し出すための要員は求められてくるでしょう。

    0

  4. 毎年、発表される大学生の就職したい企業ランキングで、銀行は上位に位置するのは、なぜだと思いますか?
    自分は、学生は銀行の離職率を知らずに、メガバンクのネームバリューや高給だけをみているからと、
    誰もが知っているメガバンクでも、大量採用するため、比較的学歴が高くない学生でも、十分就職できる可能性があり、現実的に就職できそうな大企業だからだと思います。
    最近は、ネットの普及で、銀行人気もそろそろ落ちてくるだろうと予想しますが

    0

    1. それに加えて、自分だけは大丈夫だ、と若い人は思うんでしょう。根拠のない自信は若者の特権です。

      シン

      0

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です